マイ「艦これ」「ブルネイの旭日」(第5部)   作:しろっこ

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閉鎖された指揮車内に入ると、なぜか妄想が湧いてくる提督だった。そして技師は意外なことを秘書艦に言う。やがて演習が始まる頃、指揮車には防衛次官がやってきた。彼は祥高さんの知り合いのようだった。指揮車内でリラックスした次官は、過去のことを次々と話し始める。もう止まらない様子だった。


第5話(改)<艤装と次官の想い>

「艦娘たちに、変な虫が付かないように護って貰わないと」

 

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「艦これ」的「ブルネイの旭日」(みほ5ん)

:第5話(改)<艤装と次官の想い>

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<<指揮車車内:妄想>>

 

とりあえず私は奥に、祥高さんは横のオペレーター席に座った。しかし、こうも閉鎖された空間に計器類とか、ツマミ類に囲まれるというのは慣れないな~。思うに、こういう計器類って仰々しい割に、私には意味不明だ。最近出てきた電算機だってそうだ。何がどうなっているのか謎だらけだ。イライラするよな。

 

だいたい私が扶桑・山城型が苦手なのは、あの性格もあるけど、これ見よがしな艤装の大きさにもあるんだ。そう、これ見よがしといえば未来のブルネイに居た武蔵様もそうだった。でも不思議と武蔵様は大丈夫だったよな。最後の艦長の縁(同郷)ってのもあるかも知れんが、武蔵様は性格もスッキリしてるし……って、ああ、そっちのほうが大きいか。

 

電算機だって何かあると直ぐに”エラー”とか文句言ってくる。ん?これって誰かに似てるよな……ああっ、そうか!不機嫌な金剛や比叡そのものじゃないか?(笑)

 

さっき、祥高さんが言っていた、”艦娘の方向性が間違うと破滅的になる”って言うのは、そういう面を表しているのかな?……一人で妄想して、一人で苦笑してしまった。そういえば祥高さんも、どちらかといえばサバサバしている。そうだよ。こういう機械って、ネチネチしているから苦手なんだ。

 

その間にも、無線機からは演習の準備が整ったことを告知してくる。同時に、艦娘の無線も傍受される。そうか、ここは軍事無線だったな。未来のブルネイを連想した。あそこには、インカムって言う文明の利器もあったな。

でも無線というと何となく美保鎮守府の作戦司令部も連想する。しかし、美保の設備はもっと古臭くて、コードだらけで、すべてが無骨だ。狭さだけは、ここと似ているかも知れないのが笑える。

 

しかし、この車のほうが近代的で空調も完備だ。実に、うらやましい。美保鎮守府なんて、司令部にすら空調が無いからなあ~。これ一台で、美保鎮守府より凄いかもしれない。何となくブルネイって、これからどんどん発展しそうだよ。

 

<<広場:艤装>>

 

しばらく、黙々と機械類の調整をしていた技師だったが、どうやら一段落付いて落ち着いたらしい。「やあ、すんませンでした」と言いつつ、こっちを向いて頭を下げた。

だが彼は、しばらく祥高さんをマジマジと見つめていた。かと思ったら何かを思い出したような表情をした。

 

ちょうど無線機からは警察だろうか?演習範囲内にボートを入れないように警戒するよう英語で呼びかけている。彼はその音声のツマミを下げながら堰を切ったように、早口で話し始めた。

「そうそう、あなたに伝えようと思っていたんですよ!」

 

「はあ」

怪訝そうな顔をする祥高さん。

 

「艤装ですよっ、艤装!」

 

「艤装が?何か……?」

 

「あなたの艤装!ついに見つけたんですっ」

 

「はあ、私の……ですか?」

ええ?それって、噂のあの祥高型の艤装ってことじゃないですか?もしかして、大発見?でもなぜ、ここにそんなものがあるのだろうか?

 

しかも、当事者のはずの祥高さんは、驚きも感動もしていないし。相変わらず淡々としているな。その無反応振りには、私だけでなく技師も、拍子抜けしているようだった。

 

でも私には、なぜこの技師が艤装のことを知っているのか?そっちのほうが疑問に思えた。

 

<<指揮車内:防衛次官>>

 

無線からは午後の演習に向けて、ブルネイ警察などの緊迫した内容が入る。いよいよ演習が始まるようだ。艦娘たちの声も入り始める。

「おっしゃぁ~待ちかねたぜ~」

 

「天龍ちゃん、落ち着いてね~」

そうかブルネイ側には、新レシピの天龍がいるんだったな。美保とまったく変わらないのが笑える。

 

それを確認した技師は、棚から長いケーブルの束を取り出して言った。

「ちょっと、観覧会場とここでラインケーブルを引きますわ。そうすれば会場の解説とかも聞けるようになりますから」

 

「ああ、すまないね」

ちょうどそのとき、この車輌の外に誰かが来たようだ。ドンドンとドアを叩く音がした。私たちが見ると、あれ?防衛省の次官じゃないか?

 

「ああ開けます、開けます……じゃあ私はちょっと作業してきますので~」

そう言いながらドアを開けて外へ出る技師。入れ替わるようにして、防衛省の次官が「失礼するよ」と言いながら入ってきた。

 

「や、これは次官殿」

 

「いや、いいよ、狭いからそのままで……」

私たちが立とうとすると、彼は手で制した。

 

そして彼はドアを閉めると、祥高さんを見て微笑んでいる。

「久しぶりだな、祥高」

 

「お久しぶりです、次官」

すぐに祥高さんも応えている。

 

「は?」

目を丸くしたのは私。おい、タメ口かよ。なンとまあ~、防衛次官と祥高さんって、顔見知りだったのか?それ聞いて無いよ~って。別に事前に知る必要も義務も無いか。

彼女はもともと横須賀に居たから中央官庁に知り合いが居てもおかしくは無い。あそこは、そういう場所だし彼女はもともと海軍のエースだったわけだからな。

 

「技師から聞いただろう、ここに君の艤装があるって」

彼もまた、艤装のことを言う。

 

しかし祥高さんは淡々としている。

「そのようですね」

 

なぜ彼女は、艤装に対して、こうも無関心を装った態度をとるのだろうか?印象が悪くなるよ?

 

<<指揮車内:脱走兵その後>>

 

私の心配をよそに、防衛次官は微笑んでいる。

「相変わらずだな……無理も無いか。君はあの海戦以来、二度と艤装は着けなかったからな」

 

そうなのか?それは初耳だ。やはり心に何か、わだかまりでもあるのだろうか?

防衛次官は続ける。

「まあ、無理強いはしないけどね。ただ今後のことを思うと、やっぱり一度は装着してもらいたいと言うのは変わらない。データベースも作りたいし」

 

なんだ?彼は、技術系か?艤装は彼の希望でもあるのか。

 

「そうそう司令」

次官は今度は私の方を向いた。司令?

 

「例の脱走兵の話、聞いているだろう?」

 

「ハッ、美保に着任した新しい艦娘と一緒に居るのではないかと言う」

 

「そう、それだ。どうやらビンゴだったらしい」

 

「では……?」

 

「ああ、予想通り、美保鎮守府エリアで発見された。まあ、調査はこれからだが。でも今回、陸軍が下手に動かなくて良かった。大体こういう騒ぎのときは陸軍も動くのだがその過程で、よくトラブルが起きるんだよね。でも美保はなぜか他所と違って陸軍が紳士的だから助かるよ。なんでだろうね。地方だからって言うだけでもなさそうだが」

私は思わず、あの陸軍武官の話を思い出した。まるゆの取りなす縁だな。

 

彼は続ける。

「まあいい。形通りの尋問は美保でもやってくれるだろうし。その報告を待って脱走兵の処遇を決めないといけない。ちょうど作戦参謀もここブルネイに居るし君も居る。横須賀は私に一任すると言ってきたから、演習が終わったら、この件で時間が取れるかな?」

 

「ハッ、問題ございません」

 

だが次官は、苦笑した。

「硬いな~。もうちょっとリラックスしようぜ」

 

いや、次官。あなたが砕けすぎていますよ。

 

無線からは、何度も英語で観客や野次馬を規制するように入っている。ここも、未来の演習同様に、お祭り状態なんだな。

 

<<指揮車内:リラックス次官>>

 

やがて、ドアの外からドンドンと叩く音がする。見ると、技師がケーブルを引き終わったようで、窓の外で手を振っている。

 

ええっと、どのボタンだっけ?

 

「これだよ」

なぜか詳しい防衛次官、彼がスイッチを押すと、ロックが解除されて技師が入ってきた。

 

「やあ、ケーブルがギリギリ足りましたよ」

言いながら技師が、操作パネルの切り替えスイッチをガチャガチャ操作している。

 

やがて、スピーカーからは、作戦参謀の声が聞こえてきた。

「……午後はゲリラ戦を想定して、小回りの利く駆逐艦での海上防衛と対潜攻撃。またブルネイの海軍と警察も加わって、連携しての演習を行います」

 

妙に声が生々しいな。私の印象を察知したかのように技師が言う。

「オンマイクから拾っていますからね。無線よりクリヤーですよ」

 

へえ~、そうなんだ。良く分からないけど。

 

「へえ、ここは便利だな~。オレも会場に戻らないで、こっちで聞いていよっかな~」

防衛次官は近くにあった椅子に腰かけて、早速ネクタイを緩めている。ちょっと、リラックスするのが早すぎるぞ!

 

でも彼は頭の後ろに手を組んで既にリラックス・モードになっているし。

「済まないね~美保司令。ああいう堅苦しいっていうか、海外の武官とかがいるとさ、いろいろ聞かれるだろ?面倒だし。一応、俺ってさ~英語にドイツ語、スペイン語……どれも喋れるからさ、重宝がられて面倒なんだ」

 

半分自慢にしか聞えないけど。次官って、それが仕事だろ?変な役人だな~。でも、さっきもそうだけど、私のことを提督ではなく”司令”と呼んだな。そんな私の疑問を察したのか、彼は話し始める。

「こう見えても俺も海軍出身なんだぜ。一応、兵学校も出ているしな。ただ専門が主計課のほうだったから結局、気が付いたら本省勤めってわけさ」

 

へえっ……ていうか?だから祥高さんと、どういう関係なんだ?

「そうだね、彼女との関係も、司令殿には説明しておかないとダメだな~」

 

彼は技師とも目配せしている。なんだ?技師とも知り合いなのか?

 

<<指揮車内:横須賀の記憶>>

 

「祥高が、もともと横須賀にいたのは知っているだろうけど、私もそうだし、この技師も、横須賀なんだ」

技師も無線の調整をしながらニコニコしている。はあ?すると必然的に……?

 

「そう。オレは祥高の三姉妹、全員と面識がある。もう聞いてンだろうけど祥高の義理の兄、あの戦死した提督は、オレの幼馴染だったんだ」

はぁ?それも聞いて無いよ!……しかし世間は狭いんだな。軍隊だったら、なおさらか。

 

彼は椅子の上で片ひざを抱えると、遠い目をした。

「あの頃が一番良かったな~。敵も強かったけど、オレたちも一致団結して、まさに鎮守府一丸となって敵にぶつかって行ったモンな。祥高の妹の……今は作戦参謀か。あいつと法律の裏をかいて提督と艦娘を強引にケッコンさせたり、書類をいじってたくさん予算をブン取ったり……いやあ~楽しかった。法律スレスレのことばっかりやってたけど。まあスリルがあったよな」

祥高さんも、ちょっと笑っている。技師も懐かしそうだ。しかし要するに昔から次官って傍若無人だったんだな……っていうか、公の場と内部での態度が違いすぎるぞ。

 

しかし、いきなり初対面の私に、そんな話をしても良いのか?

「構わないさ。小さいとは言っても、鎮守府の司令ともなれば、いろんな修羅場を通るだろう?似たようなことは、日常茶飯事だろう?」

 

……まあ、それは言えてるけど。

 

「特に地方なんてさ、実際治外法権だ。まぁ美保は、歴史も浅いし、稀有な艦娘だらけのハーレムだからな。おまけに君は新人司令だ。まだまだワルに、なってないようだけど。……いや、君は純朴なままが良いかもしれないな。ウンウン前言撤回!絶対に君はワルになっちゃダメだ。祥高や可愛い艦娘たちに、変な虫が付かないよう護って貰わないといけない」

一人で勝手に決め付けて、ベラベラ喋っている。次官って、こんなにお調子者で、お喋りだったんだ。

 

「だいたいな、ブルネイに開発拠点を移すのも、祥高の三姉妹と技師と私が尽力したんだぞ」

おいおい、だんだん話がエスカレートしてきたぞ。核心に入ってきた。

 

「実は何年も前からブルネイから駐留の打診はあったんだ。だが当時はまだ量産化の目処が立っていなかったしなあ~。でもここを開発拠点として、いずれはアジア地域のハブ的な鎮守府にしようという構想が持ち上がってだな」

 

「え?その構想って、誰から持ち上がったのですか?」

私は初めて口を挟んだ。まあ、挟まなくても彼は勝手に話しそうだったけど。

 

「オレだよ、オレ」

彼は自分を指差してニヤついている。私は思わず苦笑した。まあ、この勢いなら言い出しそうだな。

 

「とにかく僻地だ。中央は何かとうるさいのと面倒なのと諜報戦もある。いっそ僻地とか国外がいい。だから祥高の姉の技術参謀は美保鎮守府を計画し、オレは海外に開発拠点を計画したんだ」

また意外な歴史が……。

 

だが、急に次官のお喋りが止まった。すると今まで次官のお喋りにかき消されて良く聞き取れなかった作戦参謀の解説音声が、そこで急に聞え始めた。どうやら演習のほうも順調に進んでいるようだ。

 

「あのブルネイ司令。お前の同級生だろ?彼にも苦労をかけたよ。本当に、技師とブルネイ司令には悪いと思っている」

急に、しんみりと語る次官。そうだな。あいつも開発の修羅場を潜り抜けている感じだったな。

 

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ5ん」とは
「美保鎮守府:第五部」の略称です。
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