「行きは着水で帰りは離陸なのね……」
------------------------------------------
オトナ「艦これ」「ブルネイの旭日」(みほ5ん)
:第50話<提督の決意>(常新4版)
------------------------------------------
<<リムジンバス:金剛という艦娘>>
どうも金剛のことが気になる。何かを抱え込んでいるようにしか見えないのだ。あの元気さと明るさは何かを隠した裏返しなのだと思う。私独りの思い込みかと思ったが秘書艦も違和感を感じるのなら本当だろう。
何しろあの娘は、ただでさえ目立つ。艦隊全体に与える影響力が大きい。そのうえ今居る比叡だけじゃない。今度美保に新たに着任した金剛型の艦娘にもきっと大きな影響を与えるだろう。
だから良くも悪くも彼女の心に引っ掛かっている”何か”をハッキリさせないと問題が拡大するだろう。もちろんそれは簡単に解決出来るものではないと思う。
もし可能なら本土に到着するまでに大艇の機内でも良いから本人とジックリ話したい。もっと彼女の本音や核心まで掘り下げて彼女が抱える事情、重荷といったものを聞き出せたら良いと思うのだ。
もちろん私は面接は苦手だ。まして相手は艦娘。ここは秘書艦でもある祥高さんにお願いした方が無難だろうか?
こんな私でも金剛自身が最近たびたび私に向けて何かを訴え頼ってきている、そんな印象を受けるのだ。だからそれはきっと彼女の潜在意識が醸(かも)し出す無言のメッセージだろう。
そう考えると私も祥高さんに丸投げするよりは、まず私自身が艦娘に正面から向かい責任を持ちたいのだ。その上で秘書艦とよく相談しながら直接、艦娘たちに応対し一人ひとりを良い方向へ引っ張って行きたいと思う。
私はずっとそんなことを考えている。バスの階下にずっと留まっているのか金剛と比叡の姿は見えない。まさかずっと珈琲サーバーに張り付いているわけでもあるまい。気にはなるが……30分なんて直ぐだからな。今回はソットしておこうか。
<<リムジンバス:大艇のメンバー>>
「行きは着水で帰りは離陸なのね……」
龍田さんが流れる景色を眺めながら取りとめないことを呟いた。そうか、大艇ならそうなるか。そういえば彼女は大艇班だな。私はおぼろげながら班編成を思い出していた。
大艇には私と寛代、それに金剛(班長)、比叡、赤城さん、龍田さん、夕立だ。まあ少数精鋭というか、ほぼ戦闘に入ることを前提としたメンバーだ。
金剛は今回に限っては正直、不安要素も否めないが主軸戦艦だからな。日向も良いが彼女には敢えて旅客機を見てもらうつもりだ。
作戦参謀にチェックしてもらったとは言え不安も多い作戦だ。出来れば一度も敵に遭遇せずに本土へ帰りたいものだが、そうも行かないだろうな。
メンタル的に一番強そうなのは龍田さんだな、やっぱり。もちろん戦闘能力も高そうだ。あとはそれぞれに戦闘能力が高い。夕立も意外とメンタル的に強いというか鈍感というか……彼女はイザというとき使えそうな気がする。
寛代は不透明な部分が多いがとにかく索敵だ。実は昨夜、艦娘個別の資料を改めて見ていて、あの子には気象対応の電探が既に装備されていたことに気付いたのだ。さすが特型だけはある。性格もだがあの子は装備も謎めいた部分が多い。
金剛は基本的に比叡と組んでいれば何とかなるだろう。メンタル面は私が比叡の顔色を伺いながら様子を見るしかないな。
賑やかなはずの金剛と比叡が下にいたお陰か、さほど大騒ぎになることもなくバスは無事に空港へと到着した。ただ通常の旅客ターミナルではなく空港の敷地の端のほうへバスは移動する。
「あ、見てみて~」
夕立が指差した方向には旅客機と懐かしい大艇が停まって整備をしていた。なぜかその姿を見るとホッとするのだった。
「いよいよ帰還だな……」
私は呟いた。車内の艦娘たちも同じことを考えていたに違いなかった。
--------------------------------------
※これは「艦これ」の二次創作です。
---------------------------------------
サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
---------------------------------------
PS:「みほ5ん」とは
「美保鎮守府:第五部」の略称です。