マイ「艦これ」「ブルネイの旭日」(第5部)   作:しろっこ

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提督たちは空港に到着し、出発に備える。そこには意外な人たちが待っていた。


第51話<新たなる戦いの始まり>(常新3版)《完結》

「全員搭乗せよ!」

 

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オトナ「艦これ」「ブルネイの旭日」(みほ5ん)

:第51話<新たなる戦いの始まり>(常新3版)《完結》

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<<空港:新たなる戦いの始まり>>

 

リムジンバスは空港の建物の手前にある広いエリアに進入する。なるほど、一般の乗客とは分けるようだな。確かにその方が混乱も無いだろう。

 

実は既にそのエリアには軍用車両が数台停まって私たちを待っていた。誰が乗っているかは一目瞭然だった。

 

カーキ色のちょっと派手っぽい軍用車(ランボルギーニ社?)にはもう窓から手を振っているけど……イタリア武官とリベッチオ。

その隣にある無骨な軍用車(ポルシェ?)、こっちはどう見てもドイツだよな。

他にも日本帝国のものと思われる車両(トヨタ?)も数台あって、そこには先に来ていた作戦参謀や防衛次官、それに別にやってきた技術参謀と駆逐艦である寛代の姿も見える。

 

また敷地の入口ではブルネイの警察と軍隊が警護している。その外側には目ざとくかぎつけてきたマスコミや、野次馬が並んでいるが、警備員がシャットアウトしている。そうだよな、あれほどの騒動……世界的な小競り合いを起こしたんだから当然マスコミも世界も注目するだろう。

 

バスが停車する直前に祥高さんが確認をしてくる。

「今、寛代ちゃんから入電です。軍令部や政府、それに各国大使館との協議により私たちが降車次第、それぞれに割り振られた機体に速やかに移動とのことです。これはセキュリティと安全を考慮した結果だとコメントが付いています」

 

「分かった。直ぐに各班長を通じて全員に伝達」

 

「了解しました」

直ぐに彼女は連絡を始める。車内の艦娘たちも次々と小さく挙手をしていく。つまり”了解”ということだ。そうだ……既に次の戦いのステージは眼に見えない形で始まっているのだ。

 

バスが停車して車掌さんが到着を案内する。艦娘たちも次々と降車を始める。先ほどの祥高さんによる伝達によって、それまで緩みまくっていた艦娘たち全体にも少々、緊張感が漂う。ふふふ、良いことだな。

 

ほとんどの艦娘たちが降りた段階で日向が立ち上がり私をチラッと見る。私は軽くうなづくと彼女の後に続く。いまなお最高司令官でもある私は念のために戦艦クラスの直後に降りる手はずになっているのだ。あまり想像したくないが……要するに盾だ。

 

私がバスの出口に向かい、私の直ぐ後ろに祥高さんと、そしてしんがりは伊勢。この立ち位置がまさに伊勢の初仕事だな。それでも彼女なりに口を真一文字に閉じてきりっとした表情をしている。建造から間が無いからだろうが戦艦クラスの割には初々しい感じが良いよな、この艦娘も。私と眼があった彼女は、ちょっと視線をそらして恥ずかしそうな顔をした。ウン、この子も可愛いぞ。

 

あれ?いま祥高さんに小突かれたような気がしたが……気のせいということにしておこう。

 

私がバスを降車すると、すぐに龍田さんから日向、そして祥高さんへとスーツケースが手渡される。ああ、私の荷物だな。祥高さんが私に確認をする。

「重要な書類ならびに、今すぐに必要なものはございますか?」

 

「いや、特には無い」

軽くうなづいた彼女は、向こうに居る艦娘に目配せをするとすぐに彼女がやってきた。

 

「あ、赤城さん?」

 

「はい、司令の荷物は私がお持ちします」

 

「悪いね」

 

「いえ、私って普段の移動時には、ほとんど荷物もありませんから」

そうだよな。彼女は何処にしまっているのか知らないけれど、自前の”格納庫”が広いから普段は、ほぼ手ぶらだ。飛行甲板と弓は常に持ち歩いているわけでもないから。

 

すぐに向こうに立っていた技術参謀のところから艦娘が走り寄って来た。そうだ寛代と私はずっと同じ機体で本土へ向かうんだよな。見ると母親である技術参謀は腕を組んでうなづく。私も軽く敬礼を返す。

寛代は……相変わらず無表情かと思いきや、意外と私を見上げてニコっと微笑んだ。うん、ちょっと驚いたぞ寛代。お前も笑えるんだな。この子も意外性の塊だから案外奇襲攻撃の鬼になったりしてね~駆逐艦だし。

 

<<空港:出会いと別れ>>

 

降りた艦娘たちは、各班ごとに軽く点呼が行われ、荷物をまとめると直ぐに機体へ向かって散開していく。私も秘書艦と寛代、それに赤城さんを伴ってバスから滑走路脇に有る簡易ゲートへと向かう。

 

その途中でブルネイ司令の義兄が立っていた。

「お兄サン、お元気でネ」

 

「ありがとう、本当に世話になりました」

あれ?彼は泣き出した。意外と涙もろかったんだな。

 

その隣に居た現地の女性……頭からショールを被っているが、私は誰か直ぐに分かった。

『ブルネイ司令の奥様……ですね?』

 

私が英語で問いかけると彼女は軽くうなづく。直ぐ横にはやはり寛代と同じくらいの女の子が居た。可愛い。なるほどブルネイ司令が娘と駆逐艦娘を重ねてしまうのもよく分かった。

 

私は彼女に言った。

『ご主人にはお世話になりました。またよろしくお伝え下さい』

 

彼女は軽く会釈をした後で、意外にも日本語で答えてくれた。

「ブウンチョウキュウヲ、イノッテマス」

 

たどたどしかったが、一番の激励の言葉だった。私は直ぐに敬礼をした。ふと気づくと秘書艦や寛代、それに私の近くに近くに居たすべての艦娘たちが彼女に敬礼をしていた。

 

敬礼を直ると私たちは滑走路へ入る簡易ゲートをくぐる。そこはもうブルネイ空港の滑走路脇の駐機場だった。目の前には離陸準備をするYS-11のエンジン音が響く。その向こう側には大艇。

 

そして先にゲートをくぐっていた防衛次官とドイツ、イタリアが私に近寄ってくる。

次官が言う。

「俺たちは旅客機だからしっかり守ってくれよ。期待しているぞ!」

 

「お任せください!」

 

『この子もねえ、そっちに乗りたいって昨日はごねたんだけどね~。さすがに本国の許可が出なかったわぁ~』

イタリア武官が英語でクネクネと言う。その脇には恨めしそうに唇を噛んでいるリベッチオ。その表情もまた可愛いんだけどね。

 

『こちらも同じだな』

ドイツ武官も言う。U-511は寛代以上に無表情だったが、どこと無く悔しそうなオーラは漂っていた。

 

「hey!司令~」

元気なのが走り寄って来た。

 

アアやっぱり、そのテンポが良いよな~金剛。お前らしくて。

「あまり時間はないから早くするネ!」

 

「そうですよ!」

金剛と比叡のダブル要請なら仕方ない。

 

彼女たちに急かされる私を見て、苦笑している次官や武官たちに私は改めて敬礼をした。

「では美保鎮守府大艇チーム、離陸準備に入ります!」

 

「頼む!」

次官以下、各武官たちは敬礼を返してきた。

 

「行こうか」

私は赤城さんに話しかけた。

 

「はい」

彼女は風になびく長い髪を軽く押さえながら私に向かって微笑んだ。うん、やっぱり落ち着いた赤城さんが居ると安心感があるな。

 

私はスーツケースを抱えた赤城さん、それに金剛姉妹と寛代を従えて大艇へ向かう。そこでは既に荷物の積み込みを終えた龍田さんと夕立が待機していた。

 

「あらぁ~やっと着たわね」

龍田さんはタラップに寄りかかりながら腕を組んでいた。表情が硬くて微妙に怖いぞ。

 

「もう~遅いっぽい」

膨れる夕立。金髪が風になびいているが、そのなびき方が鬼女っぽくて、また怖さを増徴させる。

 

「済まないね、ブルネイ司令の親族が居たもんだから」

私が弁解すると龍田さんは急に微笑んだ。

 

「見送りは多いほうが良いわよね~それじゃ仕方ないワね」

 

彼女の言葉に夕立が怪訝そうな、そして不思議そうな顔をした。

「そう?……ぽい?」

 

私はそんな夕立に苦笑しつつ、再び振り返る。先ほどのバスが見え、その周りには軍や警察関係者を背景に、義兄とブルネイ司令の家族、そして……あれ?あの美人秘書が手を振っていた。今到着したのだろうか?

しかし彼女は相変わらず遠目にもはっきりと分かる美人だよな~。

 

私は最後にもう一度、敬礼をした。それに気づいた艦娘たちもまた私にあわせて敬礼をした。するとフェンスの向こうのブルネイの人たちも一斉に敬礼をした。その向こうのマスコミがフラッシュを焚いているのが見える。これも報道されたかな?敵にタイミングを教えるようなものだが仕方ない。それも覚悟の上だ。

さあこれで、いよいよブルネイも最後だな……。

 

敬礼を解くと私は寛代に言った。

「艦娘に伝達してくれ寛代。これより本土へ向けて出発する。全員搭乗せよ!」

 

寛代は無言でうなづくと無線を発信した。そして私たちは各機体に搭乗し離陸に備えるのだ。

 

日の光を浴びて離陸を待つ旅客機と大艇が、とても凛々しくかつ頼もしく感じられた。本土まで頼むぞ。

 

 

 

「美保鎮守府:第五部」

 

オトナ「艦これ」「ブルネイの旭日」(みほ5ん)《完結》

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ5ん」とは
「美保鎮守府:第五部」の略称です。
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