そよそよと涼しい風がふいている気がする。
まだまだ眠たいけど一度だけ目をあけてみようかと思った。
首を真横にふるふると振って両手?いや、前足をぐ~っと伸ばしてあくびをしながらあたしは立ち上がる。
んん?ちょっと待てよっ!?
今、普通に自然としたことがあたしの中で疑問となった。
疑問1!あたしが四足であること。疑問2!右手をのばしたはずが両手を動かした気がすること。
疑問3!なんか体のバランスがとりにくいことがあたしの中できになったこと。
ひとまずはこれくらいなんだけど。
後は自分がニンゲンだったことくらいで、遊び半分で送られてきたカードになにか書いたくらい。
それがなんだったかもう覚えていないんだけどね?
され、どんな感じの体なのか見渡してみるべきか。それとも近くにあるかもしれない姿を映すなにかを探すべきか。
よし、まずは自分で見えるだけみてみよう。
視線を落としてみるとふわふわの毛並みが目にはいった。
色は赤いみたいだね、燃える炎のようだよ。
この獣なら魅惑のアレがあるかもしれない!よし、って自分で見えるわけないやん!!?
そんな一人つっこみをしていると、冷静になってきたので周りをみることにした。
そこは森と、ひとことであらわすくらい樹がおおいしげっている。
ここにはあたし一匹だけだということも気づいてしまった。
さびしくてついつい、きゅーんやらわきゅーんやらみうーんと鳴いてしまっていたのだ。
尾もしらないうちに股に挟んでいるくらいあたしは心細かったのかもしれない。
ずっと鳴いていたからかお腹がすいてきて、へたりこんでいると。
誰かの声が聞こえてきたのだ。
「わきゅーう」
知らないうちにあたしは吼えていた。
知らない場所にいることで正常に判断ができていなかったのかもしれない。
すると鏡のようななにかが目の前に現れて、おそるおそると近寄ると急に強い引力であたしは吸い込まれてしまった。
あがくためにじたばたと暴れていたんだけど、残念なことにあたしのこの短い手足ではふんばることができなかったのさ。
もしかして、これであたしの人生いや、獣生終わっちゃうのかしら!?
それだけはいやだー!!あたしはまだ生きていたいし、なにも知らないまま死ぬのだけは絶対にいやだー!!やさしい人に拾われたいし、よくあるファンタジーみたいに今世を楽しみたいんだい!それをなせずに死ぬのは絶対にいやなのだよ!
この世界に生まれ落ちてそうそう誰にも見取られないままも誰にも出会えないのもいやなのさ!そう思っていると意識も同時に途絶えてしまったのです。