はい、みなさん。
狼の子供のななしのごんべえです。
え、なんでそんな言い方するのかって?
いや、記憶が思い出せないからというのがあるかと。
それより、あの後どうなったかというとどうやらあたしは呼ばれたようなのですよ!
え、なんでわかるかって?やさしいひとが言うには間違ってあたしを呼んでしまったらしくて。
本当は呼ぶつもりはなかったみたいなんだよね?
それを聞いてパニックになってしまってその、ね?説明してくれるひとの指を噛んでしまったのさ。
たたかれるかと思ったんだけど、抱っこされて必死になだめられてしばらくしたら落ち着いたの。
んで、現在はかなりゆっくりしていて現状報告をしているところかな。
おっと、そんな話をしていたらノックの音が。
入ってもいいよ~という声のつもりで鳴いたら扉が開いた。
「あ、起きてたか」
男の人の手には記憶の中でみたことある品でした。あれは哺乳瓶なるものではないだろうか?
こんなファンタジーの世界になんであるのだろう?
「ほれ、お腹すいてるんじゃね?」
そう言って銀色の髪の少年?はわたしを抱き上げるとひざの上に乗せた。
最初ははずかしくて暴れていたんだけど、ミルクを見せられて動きが止まったのさ。
「わきゅ~」
「はい、どうぞ」
お腹がすいていたことからかぼそい声で鳴いてしまって、その声で悶えそうになりながら少年はわたしにミルクがはいった哺乳瓶のようなものをつかい、飲ませてくれました。
んくんくという音とともに狼耳が動くのをみて触りたい衝動にかられたが、耐えたのはよいことだろう。
「お前、まだ赤ちゃんなんだってな? 父さんたちから聞いて驚いたよ」
そういいながら少年は優しい笑みを浮かべていた。
え、そうなの?た、たしかにまるっこいとはおもっていたけど。
そうか、だからまるっこいのかぁ。
そう思いつつミルクを堪能しながら納得するわたし。
やっと飲み干したら眠くなってしまったのでうとうとしていると、少年は笑ってわたしを籠に寝かせてくれた。
あ、まだ起きていたかったのに・・・・ねむ、い。
「寝ちゃったか・・・」
俺はそうつぶやきながら銀色の毛並みの子狼の頭をやさしく撫でてみた。
ほかの二人も自宅に戻り、ミルクをあげてのんびりしているんだろうなぁ。
まさか、召喚失敗に導かれて落ちてきたわけじゃないよな?
そう思うとかなり心配になってくる。
まだ、赤ちゃんなのに両親と引き離してしまっていたらどうしよう。
とりあえず契約の証はないみたいだからひとまずは安心だけど・・・・不安になってくる。
「エミリオ、どうだ? その魔獣の子供は」
「ひとまずは落ち着いたみたいだ」
と、ここで父さんが近寄ってきたので答えると父さんも安心したようにそうかと言った。
「それで、考えたんだが神官長がいる神殿にいくべきだと思うんだ」
「そこでならこの子が倒れていた理由がわかるの?」
父さんの言葉に僕は聞き返した。
「ああ、じゃないと心配だろ?」
「まあ、この子の両親に悪いしな」
苦笑しながら言う父さんに同意するように僕も苦笑を浮かべる。
「間違いなら送還してもらえるかもしれないしな。 そうでないなら一緒にすごして絆でも深めてパートナーにでもしたらいと思うよ」
「ああ、そうだよな」
そう言って父さんは僕の頭を撫でてくれた。