Aクラスの朝のホームルームが終わりしばらくの時間が過ぎ迎えたお昼休み。優子達は教室でお昼を取っていた
「ねえ優子?またこれやらない♪?」
愛子がポケットから取り出したのは一枚のゲームセンターで使われているコインだった
「いいわよ♪今度こそアンタからおかず取ってやるんだから!」
「ふふん♪そううまくいくかな~?またボクが優子のおかず頂くよ♪」
それは一年の時からよくやっていたものだった
互いに相手のお弁当の中から自分の好きなおかずを選択しコインの表と裏どちらかに掛け見事当ったほうがそのおかずを頂くという賭けだった
「それじゃあボクはその美味しそうな唐揚げ頂こうかな♪」
「なら私はそのハンバーグをもらうわよ!」
お互いに欲しいおかずを選択すると愛子はコインを親指の上に乗せ上に飛ばし手の甲ともう片手で挟むようにしてキャッチした
「さあ、どっち!」
「う~ん…よし!今回は裏ね!」
「ならボクは表と言うことに…さあ~どっちかな~?」
ゆっくりと上に乗せていた手を退けるとそこにあったのは表になっているコインだった
「がぁぁぁ!!また負けた~!?」
「へへへ、毎度あり~♪う~ん♪流石優子の手作りなだけあって美味し~♪」
「…優子、これで15連敗達成」
「代表~(泣)そんな事いちいち数えなくていいから~」
♫~♪~♫~♪~♫~♪
そんなやり取りをしている所に優子の携帯のメールの着信音が鳴った
「あれ?誰からだろう?ん?秀吉からだ。なんだろう?……」
「弟君から?なんだったの?」
「うん、何か今日の午後からDクラスを相手に試召戦争するみたい」
「へ~新学期始まって早々もう試召戦争やるんだ」
いよいよ始まるのか試召戦争が。原作通りの流れならFクラスが切り札として隠していた姫路さんを使って勝利するはずだけど
「どうしたの優子?なんか考え込んじゃったみたいだったけど?」
「え?あ、ああごめんごめん。秀吉帰るの遅くなるかもって書いてあったからさ今日の夕飯何にしようかな?ってね」
「ああ~♪なるほどね。でもFクラス、格上のDクラス相手に勝てるのかな?点数に差があるのは明白な訳だしクラスを指揮する代表が優秀でもなければ勝つのはかなり難しいと思うけど?」
確かに並みの人物ならあの不利な戦力でなおかつ自分たちより格上のDクラスに勝つのは無理だろう。だがFクラスの代表は…
「…大丈夫。Fクラスの代表はあの雄二だから。あの雄二が作戦も策も立てずに戦いに挑む訳がない」
「あの雄二?その人代表の知り合いなの?」
「…うん。その人はとっても頭がいい。だからきっと勝つ」
そう言う代表の目は確信的な目になっていた
「へえ~代表がそこまで言う人なんだからFクラス勝つかもね♪」
まあ、坂本君以外にも凄いのが色々居るからなFクラスは…
それから時間が経ち放課後になり帰宅しようとしているところに下校中の生徒に混じってFクラスがDクラスの面々に急襲するのを見かけた
あの様子だとそろそろ決着が着くかな?と思いながら私は学園を後にし夕飯の買い物をするためスーパーに向かった
スーパーに行く途中今日は何がいいかな?と頭の中で色々なメニューを考えていると
「先輩!木下先輩!」
後ろからそう呼ばれ振り返るとショートヘアーの活発そうな女の子がいた。うちの制服を着ているから学園の後輩だとは思うけど
「え、え~と…どちら様?」
私がそう言うとその子は予想していたのかちょっと残念そうな顔になった
「あ~やっぱり覚えてないですよね?あの!中学の時に他校の男子に捕まって居る時に助けて貰った事があるんですけど覚えてませんか?」
中学の時?う~ん?……あ!
「ああ!あの時男子に絡まれていた時の!(四話参照)」
「はい!あの時は本当にありがとうございました!あ、自己紹介がまだでしたね…。私今年文月学園に転校した一年の前田永姫(まえだはるき)です!よろしくお願いします先輩!」
「永姫ちゃんか、よろしくね♪そういえばさっき転校してきたって言ってたけどあの後何処かに?」
「はい父の仕事の関係で県外に」
「そっかそれでまたお父さんの仕事の関係でこっちに?」
「はい!これで想い人のあの人に会いに行けます!」
「想い人?」
「はい♪あ、この人です♪」
そう言って永姫ちゃんは写真を見せてくれた。そこに写っていたのは赤いツンツンと立っている短髪に意思の強そうな目をした男子が写っていた
うん?おいおい!?これってまさか……
とある喫茶店にて
ガタッ!
「ど、どうしたの?代表?いきなり立ち上がって?」
「…雄二に女の影が」
バッチシ己の敵の存在を察知していた