とある休日、木下姉弟の弟木下秀吉は日課である早朝のランニング、ランニングの途中で行う発声練習を済ませて家に戻り朝食のパンを食べてしばらくしていると二階から姉の優子が降りてきた
「ふあ~~~、おはよ~ひでよし~ムニャムニャ」
目を擦りながらだらりとしたパジャマに脇には抱き枕替わりの人形(如月ハイランドのノイン)を持ってと学校では想像できない姿がそこにあった
「あ、姉上いくら休日と言えど少し気を抜きすぎではないかの?」
その姿に秀吉は苦笑いでそう言うと
「いいじゃない休日くらい。優等生を演じるのも楽じゃないんだから~…もうちょっと寝よう~」
そう言ってソファーに倒れ込んでそのまま寝ようとする姉
「なっ、そんな所で寝てはダメなのじゃ姉上!」
「う~~、ならいつものようにお茶いれて~」
「はあ…やれやれ仕方ないのう」
そう言うと秀吉は棚から急須と茶葉を取り出すと急須にちょっと多めに茶葉を入れそこに沸かしたお湯を入れるとそれを湯呑に入れた
「ほれ、入れたぞい姉上」
「ん」
優子は眠そうな顔をしながらテーブルに備え付けられている椅子に座ると煎れたてのお茶を飲んだ
「う~~~~~~ん!!美味しい!それに目が覚めるわ~♪」
「そりゃ通常の10倍濃いお茶じゃからのう」
その証拠に余りの濃いさに湯呑の奥が見えないほどである
「よし!目が覚めたわ!あ、でもお昼が近い時間になってたか」
壁に掛けられている時計を見ると後少しすればお昼を迎える位の時間帯になっていた
「秀吉、アンタ朝何か食べた?」
「うむ、ちょっと軽くパンを食べたくらいかの」
「だったらお昼はうどんでもいいよね?」
「そうじゃな。ワシはそれでいいのじゃ」
「よし、なら早速取り掛かるとしますか」
そう言って寝巻きから私服に着替え髪を後ろに束ねると「よし!」と気合を入れエプロンを付け取り掛かった
まず塩水を作り、薄力粉と強力粉を塩水を少しづつ入れながら混ぜボソボソした状態になると厚手のビニール袋に入れ15分位寝かせてそれからコシを出すため踏んでいくのだが
優子はそのビニールにとある文字を書いて新聞紙を広げている所に置いた
書いた文字は「脂肪」 「脂肪」と書いて怨敵と読む(優子談)
「うおぉぉぉぉぉ!!知らない、間に!勝手に、付いて、るんじゃ、ないわ、よ、ア・ン・タはぁぁぁ!!!」
そう言って生地を踏んでいく優子
それはまさに魂の叫びそのものであった
「あ、姉上よ。毎回そうしないと麺にこしが出ぬのかのう?」
ちなみにこの魂の叫びはもう一回行われることになっている
そんな風に作っていき最後にはツルツルの綺麗な手打ちうどんが出来ていた
二人はお互い好きなトッピングを乗せて味わった
「う~ん♪やっぱり自分で打った手打ちうどんはこしが効いていて美味しいわね♪」
「うーん確かに美味いのじゃがその工程を見ている身としては少し複雑な気分じゃな」
「別にいいじゃない、美味しければそれでいいのよ♪」
「あ、あはは、姉上らしいのう」
こうやって休日のお昼を過ごす姉弟なのだった