「ところで何故姉上がFクラスにおるのじゃ?」
秀吉は暴走する島田さんと姫路さんをなんとか落ち着かせるとそう尋ねてきた
「ああ、さっきの騒動で忘れそうになりそうだったけど、はい!お弁当!アンタこれ完全に忘れて行ってたでしょう?」
私がそう言うと慌ててカバンの中身を確認して動きが固まる秀吉。どうやら今そのことに気がついたらしい
「うっ、すまんのじゃ姉上」
苦笑いでお弁当を受け取る秀吉
「やれやれ、手間の掛かる弟がいると苦労するわ」
私がそう言うとそれを聞いていた二人がすかさず
「そう言っていても顔は笑ってますよ?木下さん♪」
「そうね♪何だかんだ言っても結局は助けちゃうお姉さん、といった感じかしら♪」
「な、何言ってるのよ二人とも!?べ、べつにそんなんじゃないんだからね!!」
こんな風に二人に遊ばれているとFクラスの男子が戻ってきた
「おい、木下に似た可愛い子がうちのクラスにいるぞ!!」
「確かAクラスの木下優子じゃないか?」
「その木下優子が何故Fクラスに?」
島田さんや姫路さん以外に教室に女の子がいるのが珍しいのか沢山の視線が来るわけで…
なんかちょっと居心地悪くなってきたなと思っていたところに
「あれ?木下さん?」
そう言われ振り返ると吉井君を始め坂本君、土屋君がそこにいた
「あ、吉井君。久しぶりね一年のあの時以来かしらね」
「あ、あはは。あの時は本当にごめんね」
あの時の事を思い出したのか思わず苦笑いになる吉井君
「別にもういいわよ、気にしてないから。それよりもDクラス戦聞いたわよ?またやらかしたんですって?もう気を付けなきゃダメよ?」
「あ、あはは…すみませんです」
「バカな明久がバカですまん。俺はFクラス代表の坂本雄二だ、よろしくな」
坂本君か。中学の時に見たときに比べて何だか少し丸くなった感じがするな。どうやらあの時の事は向こうは覚えてないみたいだけど
「…土屋康太。よろしく」
そしてこの一見大人しそうな感じの子が土屋君、又の名をムッツリーニ君か。ムッツリ商会の頭でもある
…私の写真も売られてるのかな?現にさっき私の写真撮ってたし
「…写真の売上は好調」
「本当に売ってたの!?というか心の中読まないで!?」
全くもって油断できない人物だ・・・
「ところでどうして木下さんがFクラスに?」
「秀吉にお弁当を届けにね。朝練で慌ててたんでしょうね、テーブルの上に置き忘れていてね」
「そうだったんだ。あ!そうだ!木下さんも一緒に屋上でお昼食べない?今日姫路さんにお弁当作ってきて貰って皆で食べるんだけどどうかな?」
「え?私参加しちゃってもいいの?」
「はい♪今日は沢山作って来たんで大丈夫ですよ♪」
姫路さんはそう言うと大きめのお弁当を見せた。どうやら本当に沢山作ってきたようだ
「そっか…、ならお言葉に甘えようかな?」
「ならお昼休み屋上に集合でいいかな?」
「ええ、分かったわ♪楽しみにしてるわ」
そろそろ休み時間が終わりそうなので私は自分のクラスに戻ることにした
お昼休みが楽しみだな~♪
この時、私は忘れてはならない重要なことを忘れてしまっていたのだ…
そう…
Fクラスには殺人料理人がいる事に…