FクラスがBクラスに試召戦争で勝利し二日が経った。原作通りならそろそろ坂本君がFクラスの中心メンバーを引き連れてうちのクラスに乗り込んで来るはず。その時の対策を考えておかないといけないなと思い教室でその対応策を考えていると
「……あ、あのさ? 優子?」
「うん? どうかした? 愛子」
「その色眼鏡? っというかサングラス? 何でそんなモノ付けてるの? なんか凄い度合いでろくに前見えてなさそうだけど?」
「……ああ、これね。……あるモノに備えてね」
「あるモノ?」
そう……、もうすぐ来るであろうアレに備えて。教室の外から「変態だ!!」という叫び声が聞こえると
「みんな!! 今すぐグランド側の窓際に視線移して!! 私がいいって言うまで戻しちゃダメだからね?」
私がそう言ってしばらくしたその時だった、クラスのドアが開いたのは
「……Bクラス代表の根本だ。Aクラスの代表はいるか?」
女装姿の根本君登場
「なあっ!? なんて格好して来やがったんだ根本の奴!!」
「うう……嫌なの見ちゃった。今夜寝れないかも……」
「精神的ダメージは効果バツグンじゃねーか……オエ……」
運悪く振り返ってしまったクラスメイト達の阿鼻叫喚。それほど酷いものなのだろう……
原作読んでおいて良かったと心のそこから思った瞬間だった。あと度が高すぎてモザイクのように見えるサングラスを付けておいた事にも
「代表なら留守よ。代理として私が聞くわ。お、おっとっと」
私は見えにくい視界の中、つまずきなりそうになりながらも前に進み根本君の前に出た
「お前は!! 木下優子!! ……なのか?」
「ええ、そうだけど?」
「……なんでそんなグラサンみたいなの掛けているんだ?」
アンタの女装姿見ない為だとは言えない……
「……ちょっとね。それでBクラスの代表がわざわざそんな格好して何の用かしら?」
「ぐっ!! 元はと言えば木下優子!! お前がFクラスと共謀していなければ!」
「一体何を言っているのかしら? 根本君。私はあの試召戦争の間ずっと教室で自習していたわよ?」
「嘘をつけ!俺は確かにこの目でお前を」
「だったらクラスの皆に聞いてみる? ねえ? 皆、私居たわよね?」
(愛)「うん、その間ボクと一緒に問題集やっていたよ♪」←後ろを向いたまま答える
(久保)「あの時とある問題で木下さんに意見を聞いてみたのを覚えているよ」←後を向いたまま答える
(佐藤)「わ、私は物理の問題で質問していました」←後を向いたまま答える
(女子)「息抜きの時美味しいケーキ屋の事教えてもらったりしてたわね~♪」←後ろを向いたまま答える
(男子)「今度テストに出そうなヤマ教えてもらっていたなあの時は」←後ろを向いたまま答える
etcetcと次から次へと出るクラスメイトの証言。まあそれはクラスの皆全員がグルだからなんだけどね♪
「とまあこの通り私にはアリバイがあるわ。大方うちの弟に見事に嵌められたんじゃないの?」
「グッ……ところで何故このクラス全員俺の方を見て話さない?」
「「そっちに向くことだけは断固断る!!」」
この時Aクラスは一つになっていた。まあ誰もあんな酷いもの見たくはないしね…
「く、くそ~。BクラスはAクラスに対して戦争の用意がある!!それだけ代表に伝えておけ!」
そう言うと根本君は一目散に教室を出ていった
「やれやれ、やっと悪夢のような時間が終わったか」
サングラスを外して正常な視界に戻ると約三分の一のクラスメイトが凹んでいた。どうやら見てしまったようだ
「……そんなに酷かったのか?」
「ああ、ありゃ例もないくらいの酷いものだった……オエ……」
「ううう……今夜は魘されるよ~(泣)」
「……ドンマイ」
見てしまったクラスメイトに対して慰めの言葉を書ける仲間達
今この状態で試召戦争されたら……うち負けるかも……