金がなくて困っていることを病気になぞらえていう語、金欠
誰しもが一度は掛かってしまうこの病気はこの人物にとっても例外ではなかった
「うう……。なんでこのタイミングで来るかな……」
木下優子。彼女は今すご~く困っていた
それはとある同人誌即売会とアニメショップの限定フェアーが見事に同じ日に被ってしまったからである
「……軍資金が圧倒的に足りない」
どちらも手に入れておきたい。だけどお金がない。
「……うう。背に腹はかえられないか」
そう言って彼女は二枚のチラシを机の前に置いた
それらはどれもアルバイト募集のものだった
「えーと、確かこの辺だよね?」
翌日優子は学校帰りに候補の二つの下見に訪れていた
一つ目は結構美味しいと評判の文月学園の生徒御用達のお店。駅前にある「ラ ・ぺディス」というお店
「あ!あった!ここね。おしゃれな店作りじゃない。これは当たりかな♪」
時給が応募していたお店の中で一番高く場所も近くその上このおしゃれな店作り。これはもう決まり!という訳ですぐにでも応募しようと店の前まで行った時だった、店の中から
「ディア・マイ・ドウタァァァァァァァ―ッッッ!!!!!」
「またですか! この変態が!!!!」
猛獣(?)と思われる鳴き声と女の子の罵声に近い叫び声が聞こえたのは
「………」クルリ
これを聞いた途端優子は回れ右をしてその場を離れた
二つ目は駅前より少し離れたところにあるメイド喫茶
「お帰りなさいませ~!お嬢様!」
「…お帰りなさいませ。旦那様、奥様」
「お、おか、帰りなさちませ! あぅ…。噛んだ…」
元気タイプのメイドさん、クールな感じのメガネのメイドさん、緊張しているのかガチガチなメイドさんといった色んなタイプのメイドさんが出迎えていた
髪型はカツラなどで変装や偽名で他人にバレないようするシステムを取っているお店
「では行ってらっしゃいませ、お嬢様方。お帰りをお待ちしております♪」
笑顔で客を見送るお姉さん。遠目からなので名前はわからないがプレートに店長と書かれているのでこの人がこの店の店長さんなのだろう。何故かこの人もメイド服を着ていたのだが……
家に帰り自分の部屋に戻ると優子は再び検討に入った
十分な軍資金を得たいならラ ・ぺディス。だけど……
「な、なんか私の第六感が危険を告げているような気がするんだよね……。あの店」
とにかくなんか危険がいっぱいな感じ
一方変装や偽名などで分かりにくくなっているメイド喫茶だが……
「客層の中にうちの学生もいたからな~。……秀吉や愛子達にバレたら面倒な事になりそうなフラグの予感も感じるしな」
知り合いと合えばバレる危険性もありこちらもある意味で危険なメイド喫茶……
「ううう、どっちを取るか……」
アンケートそろそろ締め切ろうと思うのでまだの方はお早めに