転生したら猫かぶりのあの子になっていた   作:秀吉組

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第41話

慌ただしいバイト初日が終わって数日が経つと今度は学校行事で忙しくなってきた

 

 

学年最初の行事、清涼祭の準備のためである

 

 

各学年、各クラスがそれぞれの出し物の準備に活気になっていた

 

 

それは私がいるクラス、Aクラスとて例外ではなかった

 

 

ただこのAクラス、清涼祭にかけるお金がハンパじゃなかった

 

 

うちのクラスの出し物はこれまた何のイタズラか知らないがメイド喫茶をすることになった

 

 

「メイド喫茶なんてどうかな? きっと面白いよ~」

 

 

そう言って愛子が強く提案してのが原因なのだが……

 

 

何故かニヤニヤとこっち見ながら言ってたのが気になるところなのだが……

 

 

とまあそんな感じで出し物が決まったのだが準備のため最初に始めたのが教室の内装工事だった

 

 

それは有名な内装の設計士が手がけるもののようだ

 

 

たかが学校行事の為にここまでするのは文月学園をおいて他にはないだろう

 

 

 

「Aクラスになって度々思うんだけど力の入れようハンパないわね」

 

 

「そうだよね~。さっき先生と話したんだけど喫茶店に必要な設備やら食器やらも頼んでるらしいよ?」

 

 

一体文月学園はどんな経営してるんだろうか……

 

 

「ところでさ、本当に手伝わなくていいの?」

 

 

「いいよいいよ。 優子には内装工事の視察や備品の発注の確認とかやってもらったしこれ位はボクらに任せてよ」

 

 

どういう訳か喫茶店の制服に関して手伝わせてくれないのだ。 ここは素直に任せたいのだが……

 

 

(愛)ニヤニヤり

 

 

(翔)ニヤニヤり

 

 

全くもって嫌な予感しかしないのはきっと気のせいではないだろう……

 

 

だがバイトとかの関係で愛子達に任せるしかないのが現状なのだ

 

 

「はあ……、取り敢えず任せるけど変なことしないでよ?」

 

 

「大丈夫! 僕達を信じて!」

 

 

「……女同士の友情を優子は信じるべき」

 

 

……真顔で言われると余計疑いたくなる私は変なのだろうか

 

 

仕方なくその日は愛子達に任せバイト先に向かうことにした

 

 

バイト先に向かうと以前バイトの下見できた時に雅さん達と一緒に接客をしていた子が雅さん達と何やら話していた

 

 

「雅さん、お疲れ様です。 その子は?」

 

 

「ああ、木下さん。 この子は貴方より少し前から入った子ですよ。 そういえば木下さんとは今日が初対面でしたか」

 

 

「は、初めまして。 あ、秋山小町(あきやまこまち) です……」

 

 

ガチガチで顔を真っ赤にさせながらその子が話しかけてきた

 

 

「初めまして、木下優子です。 秋山さんは今何年生?」

 

 

「は、はい。 文月学園の一年生です」

 

 

「あ、そうなんだ! 私の後輩なんだ。 私は同じく文月学園の二年生だよ」

 

 

「先輩だったんですね。よ、よろしくお願いします(ぺこり)」

 

 

「ああ、そんな畏まなくてもいいから。 気軽に呼んでくれていいからさ(ニコ)」

 

 

「あ…、はい!」

 

 

なんとか秋山さんの緊張を解くことができたようだ

 

 

「小町ちゃん、 準備もう大丈夫なの?」

 

 

私達の会話を聞こえたのか店の奥から茜さんがやって来た

 

 

「あ、茜さん。 はい。 何とかある程度準備ができたのでまた出られると思います。 すみません、何日も休んじゃって……」

 

 

「気にしないで下さい。 なにせ清涼祭は年に一度の大きなイベントですからね」

 

 

ああ、なるほど。清涼祭の準備で休んでいたから今日が顔合わせになったのか

 

 

「お帰りなさいませ! ご主人サマ~♫」

 

 

クリスさんの元気な出迎えの声が聞こえた

 

 

「おっとお客様が来られたようですね。 今回は木下さんと秋山さんがペアーになってお互いをフォローしながらやってみて下さい。 何かあれば私達がフォローしますから慌てずに」

 

 

「わ、分かりました! が、頑張ろう! 秋山さん!」

 

 

「は、はい! あ、あと秋山じゃなくて小町と呼んでもらっていいですか? なんだか落ち着かなくて」

 

 

「分かった。 それじゃあ私も優子と呼んでね?」

 

 

「はい! 優子先輩!」

 

 

「お、落ち着いていこ~!」

 

 

「お、お~!」

 

 

少し緊張地味になりながら私達二人は接客に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……清涼祭、ですか」

 

 

「あらあら。 懐かしい?雅ちゃん」

 

 

「ええ。卒業してから行ってませんから」

 

 

「なら今度行ってみたら?」

 

 

「……そうですね」


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