転生したら猫かぶりのあの子になっていた   作:秀吉組

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ネタ話です


木下家のクリスマス

これは優子、秀吉が高校一年の時のクリスマスのお話

 

 

木下家では毎年クリスマスは家族で過ごす事が風習になっていた

 

 

それは共働きで中々家族揃って集まることが少ないのでクリスマスくらいは家族団欒で過ごそうという訳だ

 

 

「お母さん。 ローストチキンこんなもんでいい?」

 

 

「おお♪ 上出来、上出来。 こっちもサラダ完成♪」

 

 

「シャンパンの準備OKだよ」

 

 

「グラス、取り分け用の皿、フォーク……、うむ。完璧じゃ」

 

 

テーブルには色んな料理、飲み物、食器などが運ばれ準備は万端となった

 

 

そして各自がクラッカーを持ち

 

 

「それじゃあ、始めますか! せーの!」

 

 

「「Merry Christmas♪」」

 

 

同時にパパン!!とクラッカーが鳴り家族揃ってのクリスマスが始まった

 

 

「いや~しかしこうやって家族揃って食卓を囲むのも久々ね」

 

 

「ごめんな、父さん達が早く帰って来れればいいんだが……」

 

 

済まなそうに言うお父さん。 お母さんも申し訳なさそうな顔をしていた

 

 

「仕方ないよ。 それに私たちの為に頑張ってくれてるんだし。だからこそこういう時は楽しまないと」

 

 

「姉上の言うとおりじゃ」

 

 

そう言うと二人に笑顔が戻った

 

 

美味しい料理を食べたり、お父さんが買ってきたシャンパンを飲んだり、学校であった事を話したりなど穏やかな時間が流れた

 

 

「ところで優子。 いつ彼氏さん紹介してくれるのかな~?」

 

 

「何言ってるのよお母さん。 そんなのいないわよ」

 

 

「えー?気になる子とかいないの? お母さんいつ来るのかたの…」

 

 

ドス!!

 

 

なんか凄い音がしたので音がしたほうに視線を向けると

 

 

「姉上に近づく悪い虫は……ワシが斬る!!」

 

 

頬を赤くして秀吉がナイフを刀を小刀を持つように持ってテーブルに突き刺していた

 

 

「……お母さん。 あいつ酔ってる?」

 

 

「……ええ。 間違いなく酔ってるわね。 そしてお母さん、優子に彼氏出来る前になんとかしないといけない問題に酔いが覚めちゃった」

 

 

「あれ? ……もしかしてまだ秀吉には飲ませちゃだめだったか?」

 

 

「お父さんが飲ませたの!? アルコール入ってたのこれ!?」

 

 

「た、確かに入っているがほんの少し入っている程度のやつだぞ?」

 

 

「こいつ、相当弱いのよ! ああ、こら! また刺そうとしない!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ZZZZ……ZZZZ……

 

 

「やっと寝たか」

 

 

あれからしばらくして酔いが回ったのか秀吉はすうすうと寝てしまった

 

 

そんな秀吉をお父さんは愛おしそうに秀吉の頭を撫でながら私の方を見ていた

 

 

「そっか……、もう高校生になんたんだよな。こいつら」

 

 

「ええ、本当に。 子供の成長って早いと言うけど本当ね」

 

 

そんな様子を見てお母さんも微笑んでいた

 

 

「小さい頃は人見知りでよく優子の後ろに隠れてたあの秀吉がいまや役者目指してるもんな」

 

 

小さい時に両親に連れられて見た演劇に感激し恐らくその時からだろう、役者になると決めたのは

 

 

幼少の頃の秀吉は今とは違い自分の意見を強く言える子じゃなかった

 

 

でもあの演劇を見たあと両親に

 

 

「役者…やってみたい。 ううん、役者になりたい!」

 

 

いつもとは違って大きな声でハッキリとそう言った

 

 

かなり勇気を出して言った発言だったのだろう。そう言った秀吉の足がガタガタと震えていた

 

 

多分両親に「何をバカなことを」とか「やめておけ」と却下されると考えていたのだろう

 

 

しかしお父さんが言った一言は

 

 

”やれるところまでやってみろ”

 

 

だった

 

 

次の日から秀吉はテレビのドラマの役者のセリフやアニメのヒーローの真似を始めた

 

 

最初はただ同じセリフを言うだけだったがその内その役者の声の大きさ、発音、アクセントを

 

 

ヒーローのほうは必殺技のポーズや仕草を少しずつ取り入れ、みるみるうちに上達し気づいたときに本物そっくりな所まできていた

 

 

それらが終わると今度は舞台のビデオを見たり、生のお芝居などを見に行ったりなどして少しずつ経験を積み今の秀吉へと形づけていった

 

 

「優子のほうは小さい頃から妙に落ち着いていたから逆に少し心配だったけど良い娘に育ってくれて良かったよ」

 

 

「あ、あはは……。どうもありがと」

 

 

「まあ子供の成長を見るのは親として嬉しいもの。 なんだけど……な?」

 

 

「ええ。嬉しいのだけどその分少し、そう少しずつだけど私達の手から離れて行っちゃうのは少し寂しいかな」

 

 

来るであろうその時を考えたのか少し寂しそうな顔をする二人

 

 

「……大丈夫だよ、お父さん、お母さん。 どんなことがあっても私達はお父さん達の子供だよ?」

 

 

「……ふふ。まあ、まだまだ二人を嫁にくれてやる気はないからな♪」

 

 

「お、お父さん……」

 

 

「あのね?お父さん? あれでも「一応」秀吉は男の子なのよ?」

 

 

あれでもって……お母さんなにげにひどい……

 

 

「ははは。女優デビューしちゃったりしてな?あははは」

 

 

「…………」

 

「…………」

 

 

「ははは…はは・・・。あ、あれ?ど、どうした?二人とも?」

 

 

お父さん、それ全然笑えないから……




最近お話を書くときのBGMを変えました。宇宙兄弟のサントラを聴きながら書いてます。いい曲ぞろいでなんと言うか優しいというか暖かい話を書くときにはもってこいです。他に話を書いている方々はどんなBGMを聞いているのでしょうか?私、気になります!
という訳でメリークリスマス!
感想とかありましたらお待ちしてます

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