高校受験の為の参考書を買う為に今私は大きい書店に来ていた
目的の参考書を無事買え帰ろうとした時、今ハマっているコミックの最新刊が発売中という広告が目についた
「ええ!最新刊出てたの?これは早速買わねば~♪三成と左近がどうなったのか気になってたのよね~♪」
(※転生しても腐女子の運命からは逃れられませんでした…しかも歴女で。まだ薄い本のところまではいってません…辛うじて)
意気揚々と漫画コーナーの所に入りお目当ての本を取ろうとしたとき誰かの手と重なった
「「えっ?」」
隣を見るとそこには髪型が三つ編みのちょっとおっとりとしたような女の子がいた
「す、すみません!」
「い、いえ。こっちこそ」
お互い手を急いで離し少し気まずい雰囲気になってしまった
この漫画の内容がちょっとしたモノなだけに他人に知られるのが恥ずかしい気持ちからによるものだった
「し、失礼します!!」
彼女は顔を真っ赤にさせながら去ってしまった
しかし何故だろうか彼女から自分と同じ「何か」を感じるのは私だけなのだろうか?
そんな事を考えながら本を取りレジに向かおうとしたとき
「ブハァァ!?」と言う声と共に誰かが倒れる音が聞こえた
音がした場所に向かってみるとそこには
男の子がうつ伏せになって倒れておりその下は大量の出血で溢れていた
「ちょ、ちょっと!?大丈夫!?」
慌てて駆け込みどんな傷を負ったのかとうつ伏せになった身体を顔が見えるようにお越してみると確かに酷い出血だった……主に鼻からだが…
「え、え~と、…大丈夫?救急車呼ぼうか?」
私がそう言うとその男の子はふるふると首を振り拒否した
「…心配無用。これは教材を取ろうとして誤って足を踏み外して転んだだけ」
……教材?教材ってここ…
「あの、ここ写真集のコーナーなんだけど?……主にグラビアの」
ここにはアイドル物からちょっときわどい物まで多数多様の写真集が置いてあった
これらを教材にしている学校なんて聞いたことないし考えたくない…。それにただ転んだだけでここまで出血するとは思えないし
こんな状況になってもまだふるふると首を振り否定する所を見てようやく私は気が付いた
最初は気が付かなかったけどこの人物、ムッツリーニこと土屋康太本人に間違いないだろう…
原作を読んでいたのでどういう人物なのかは知っていたけどまさかここまでのムッツリだったとは(汗
土屋君はなんとか立ち上がろうとするが
「と、とにかくもうだいじょぶ、!?ブハァァ!!」
「えええ!?また!?」
どうやら立ち上がる際にろくに抗体出来てないのにまた写真集に目がいってしまい、そのせいで鼻からまた滝のように血が出てきてしまった
「あ、あの~お客様何かありまし、ってええええ!?」
「店員さん!?救急車!救急車をはやく!?」
この迅速な対応により一人の男子生徒の生命の危機は回避されたのであった
「参考書を買ったついでに漫画本買いに行っただけなのになんでここまで疲労してるのかしら…」
先ほど本屋で起きた余りにも現実離れした出来事に色々と消耗した私は自販機コーナーで休憩を取っていた
やれやれと思いながらジュースを飲み休憩していると猫の形をしたシステム手帳を販売しているコーナーに目がいっていた
今いる書店はその大きな建物のおかげで本屋のみならず筆記用具、ノート、写真立て、システム手帳といった物などを販売している店や音楽CD、DVDなどのレンタル店なども入っていた
ジュースを飲み終わるとさっき見つけた猫の形をしたシステム手帳を手に取った
「あ~可愛いな~♪欲しいけどさっき漫画買って今月ピンチなんだよね~。う~んどうしよう」
買うかどうか迷っていると隣から
「あの~ちょっといいかな?」
「はい?」
そう言って振り向くとそこにはセーラー服を着た女の子(?)がそこにいた