マイページを開くとお気に入りが1000件超えててジュース零すくらい驚きました。これもこれを読んでくれている読者の皆さんのおかげです!ありがたいことです;w;
海千山千……長年にわたりいろんな苦労と経験を積み、世間の表裏を知り尽くしていて悪る賢いこと。
また老獪でしたたかな人
「おや? これは思っていた以上ですね。クリス」
「うわ~、猫耳に猫しっぽ! あ、今動いた!!」
「ッ!? 」
優子は今日という日を呪った。 なんで今日に限って連続で知り合いに会わねばならないのかと
「耳やしっぽがぴこぴこ動いて可愛いね。 ねえユー」
「……お客様、名前はご法度、ですよ?」
クリスがユーコと呼ぼうとした所をシーと人差し指を立てて、もう片方の手でクリスの口を軽く塞いだ
前回とは違い、思考が踏みとどまり冷静な判断が出来ていた
「(こくこく)そうだったね。 ゴメンネ?」
「いえいえ。 ではお席にご案内しますね」
そう言い優子は教室でまだ客があまりいない端の席に案内した
「……なんで雅さん達がここにいるんですか?」
二人にメニューを渡す際、小声で尋ねてみた
「それは私達がここのOGですから。 たまには母校のお祭りにでも行ってみようと思いまして」
「賑やかで楽しいよね、清涼祭」
「お二人ともここの卒業生だったんですか!?」
「ええ。 そうですけど? 言ってませんでしたか?」
「初耳ですよ!」
「それにしてもさっきのユーコの驚いた顔面白かったよ♪」
「ううう、早急に忘れてくださいクリスさん」
こうやってお店と同じように二人が優子をいじっていると
「おや? 懐かしい顔がいるじゃないか」
振り返るとそこには海千山千、もとい学園長がいた
「木下、アンタさっき失礼なこと考えてなかったかい?」
「いいえ、とんでも御座いません」
ニッコリ営業スマイル。向こうで培ったスキルがこうやって生きてくる
「おや? これは学園長。 まだご存命でしたか」
「……ったく。 相変わらず口が悪い餓鬼だねアンタは」
「いえいえ、学園長ほどでは」
「五月蝿いよ。で、アンタは少しも変わらないね?上城」
「そ、そんなことないよ! これでもちゃんと成長してるよ!」
「ほう。 で? どこが成長したんだい?」
「……身長が1cmほど」
「大して変わらないじゃないか」
学園長にそう言われてガーン!!とショックを受けるクリスさん
「大丈夫ですよクリス。 ここの根本まで彼果てたご老体に比べれば貴方はまだ無限の可能性を秘めています。 これからですよ」
「……どうやらアンタは法廷でアタシと戦う気なのかね」
あ、血管がぴくぴくさせてる。 これはやばいかも……
「あ、あの! なんか学園長と雅さん達なんか親しい(?)感じに話してるみたいですけど在学中の時もこんな感じだったんですか?」
話を変えようとふと疑問に思った事を聞いてみた
「ええ。私達はここに在学中は生徒会に入ってまして。 よく学園長の無理難題に手を焼いてましたよ」
「嘘言うんじゃないよ。 あれは生徒が出した問題などを生徒会に解決するようにしただけじゃないか」
それって只単に押付けなんじゃと言いそうになったがこの学園のボスがなんか睨んできたのでやめといた
「問題といえばアンタらも昔トンでもないことやらかした問題児じゃないか」
「……そんなことありましたか?」
「あ、あはは……」
学園長にいわれ目をそらす二人
「問題児? え? 雅さん達が、ですか?」
「ああ。Fクラスの吉井、坂本と同レベルだと思えばいいさ。 松島、上城。 久しぶりの清涼祭だからといって後輩に変なこと吹き込むんじゃないよ」
「善処します」
「は~い」
二人にそう言うと学園長は教室から出て行った
「木下さん。 さっき学園長の会話に出てきた吉井、坂本と呼ばれる人物とはお知り合いですか?」
「え、ええ。一応は」
「それでしたらよければその二人を紹介してもらえませんか?」
「いいですけど、どうしたんです?」
「いや少し興味を持ちまして。 学園長に問題児と呼ばれる生徒がどんな人物かと思いまして」
「確かに。 どんな子達なのか気になるねミヤビ!」
「……多分、予想されてるのとは違うと思いますけどね」
あの後、愛子に尋ねてみるとお昼頃からなら休憩に入っても大丈夫と言っていたのでお昼頃にまた合流することになった
そしてどたばたと時間が過ぎ約束の時間になった
「すみません。お待たせしました」
「いいえ、お気になさらず。 こちらがお願いしたことですから」
「あー!? ユーコ、着替えちゃったの?」
今の私の格好は通常の学生服に着替えていた
「残念です。 てっきり宣伝もかねてあの格好で来るものかと……」
「そんなことしたら私のハートが持ちませんよ! ほら行きますよ!」
二人をFクラスに案内しようとした時、横から声を掛けられた
「すみません、お姉さん。 ちょっと教えて欲しいことがあるんです」
振り向くとそこに小柄な女の子がいた
「ん? 何かな?」
「あ、あの、お兄ちゃんを探しているんです!」
「お兄ちゃん? お兄ちゃんの名前とかわかるかな?」
「あ、あう~。名前わからないです……」
「そっか。 ん~なら何かお兄ちゃんの特徴とかないかな?」
私はしゃがみ、沈み込んでるその子の目線に合わせ優しく問いかけてみた
するとう~んと暫く考え込んでいたがなにやら思い出したのか表情がぱあっと明るくなりこう言った
「すっごいバカなお兄ちゃんです!」