転生したら猫かぶりのあの子になっていた   作:秀吉組

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リアルが忙しくて書く時間があまりなかったので投稿するのに時間かかってしまいました。あと後書きのほうで読者の皆さんに質問があるのでよかったらそちらも見てください


第54話

「雄二。 このお姉さん達、雄二のお知り合い? だったら不味いよ?こんな所霧島さんに見られでもしたら……」

 

 

「お、恐ろしい事を言うな!? それにこの二人は俺は何も知らん!!」

 

 

突然現れたお姉さま方に驚く二人

 

 

まあもし代表がこんな所みたら間違いなくOsiokiが待っているだろう。 意外と焼もち焼きだからな~代表

 

 

「おっと、これは失礼しました」

 

 

雅さんはさっと身なりを整え

 

 

「初めまして。 私はこの学校の卒業生の松島雅。 そしてこっちの連れが」

 

 

「上城クリスだよ! よろしくね! 後輩君たち」

 

 

「あ、ちなみにお二人とも同い年の女子大生だから」

 

 

最後に私がこう付け加えると吉井君と坂本君は二人を交互に見ていた

 

 

「女子……」「大生……?」

 

 

うん、分かる。 分かるぞ、君達の思っていることが私には

 

 

だがこの世には我々の常識では測り知れないことは沢山あるのだよ

 

 

「……それでその先輩方が俺らに何か用なのか? それと何で俺と明久の事を知っている?」

 

 

「ああ、それは学園長からお二人の事を聞きまして」

 

 

「あのババアが?」

 

 

情報の発信源が学園長だと知ると途端に警戒しだす坂本君

 

 

まあ無理もないかも。 あの学園長だし

 

 

「ええ。実際こうして会ってみて分かりました。 なるほど、学園長が気に入りそうな方々ですね」

 

 

「やめてくれ! あのババアに気に入られるなんてろくな事がないぞ」

 

 

「そうですよ! あんな戦国時代から生きてるような老婆に気に入られても嬉しくないですよ!」

 

 

露骨に嫌そうな顔をする二人

 

 

ドドドドドドド!!!!!!

 

 

そんな中、一人突っ込んでくる人物が……

 

 

「バカなお兄ちゃん見つけたです!」

 

 

そう言って吉井君に抱きつく葉月ちゃん

 

 

「は、葉月ちゃん!? どうやってここに?」

 

 

「このお姉ちゃんに一番バカなお兄ちゃんは何処にいますか?って聞いたらここだと連れてきてくれたです♪」

 

 

葉月ちゃんが指差す私にじと目でこちらを見ている吉井君

 

 

私は嘘は言っていない。 嘘は泥棒の始まりとも言うし、教育上葉月ちゃんにも嘘はよくないし……

 

 

だから私は悪くない。 うん

 

 

「さっきの音は何? なんの騒ぎよ?」

 

 

「何かあったんですか?」

 

 

騒ぎを聞きつけたのか店の奥から島田さんと姫路さんが出てきた

 

 

二人はそれぞれ青と赤のチャイナドレスを着ていた

 

 

「あ! お姉ちゃん!」

 

 

「は、葉月? ど、どうしたの? なんで此処に?」

 

 

「お姉ちゃんがやってるお祭りがどんなのか気になって思い切ってきちゃったです!」

 

 

どうやら島田さんには内緒で来たようだ

 

 

そのおかげでこうやって島田さんが驚いているわけだけど行動力あるな葉月ちゃん

 

 

「美波、葉月ちゃんの事知ってるの?」

 

 

吉井君が不思議そうにそう尋ねると

 

 

「知ってるも何も葉月はウチの妹よ」

 

 

確かに似てる。 特に元気そうな所とか勝気な所とか

 

 

 

そんな風に考えていると隣から

 

 

「どうして美波ちゃんとは家族ぐるみの付き合いなんですか……。 私はまだ両親とも会ってもらってないのに……。 まさか、もう「お義兄ちゃん」になっちゃってる?」

 

 

なにやら小声でブツクサブツクサと何かを言っている姫路さんがいるわけだが。 ……まあ気にしないでおこう

 

 

「あ! あの時の綺麗なお姉ちゃん! 」

 

 

そんな様子の姫路さんを見つけたのか声を掛ける葉月ちゃん

 

 

「ぬいぐるみありがとうでしたっ!」

 

 

「あ、ああ。こんにちわ葉月ちゃん。 あの子、可愛がってくれてる?」

 

 

「はいです! 毎日一緒に寝てるです!」

 

 

へえ、葉月ちゃん姫路さんとも面識あるんだ。 うん?……ぬいぐるみ……

 

 

「葉月ちゃん、ちょっと」

 

 

「ん? なんですか?」

 

 

「ちょっと質問なんだけど一年くらい前にあのバカなお兄ちゃんに何かもらった?」

 

 

「どうして知ってるですか!?」

 

 

「うん、ちょっとね」

 

 

なるほど、ビンゴか

 

 

それを聞くと私はニヤニヤと吉井君のほうを見た

 

 

「え? えーと何かな?」

 

 

「別に~。 今の葉月ちゃんを見て一年前にびしょ濡れになったかいはあったかなと思っただけだけど?」

 

 

「うっ。 あの時はご迷惑をお掛けしまして……」

 

 

「いえいえ♪」

 

 

「ちょ、ちょっとアキ! 今の何の話なのよ!」

 

 

「え!? あ~、いや、なんでもないよ」

 

 

「なんでもなくないです! 詳しい詳細を要求します!」

 

 

今のやり取りをみて二人が食らいついてきた

 

 

そんな二人の対応に吉井君が困っていると助け舟が現れた

 

 

「この方が葉月ちゃんのお姉さんですか。 葉月ちゃんと同じで可愛い方ですね。 お隣のご友人もそうですが」

 

 

「なんか雰囲気とか似てるよね」

 

 

「アキ、この人達は?」

 

 

「ああ、この人達は文月学園の卒業生で僕らの先輩に当たる人で」

 

 

「松島雅です」

 

 

「上城クリスだよ」

 

 

そのあと、雅さんとクリスさんが同い年だと知った時は二人とも驚いていたが暫くして落ち着きを取り戻すと雅さんとクリスさんを交互にみると雅さんのほうに視線を向けた。 なにやら警戒しているようだが

 

 

そんな二人の視線に気がついたのか雅さんは二人に近づくと二人の耳元でなにかをつぶやいた

 

 

するとボン!っといいそうな位に二人の顔が真っ赤になった

 

 

「わ、私は、え、えーと、その…」 ごによごにょ

 

 

「う、ウチは、べ、別にそんなつもりは…」 ごにょごにょ

 

 

雅さんのほうをみるとニコニコしていた。 あーあれは人をオモチャにしてるときの目だ。 これは断言できる! だって私は経験者なんだから!

 

 

……なんかすごく泣きたくなってきた

 

 

「明久に報告を頼んで戻ってこんし島田や姫路まで戻らんと思ったらなんの騒ぎじゃ?」

 

 

二人がなかなか戻ってこないので様子を見に来たのか今度は奥から秀吉がやってきたのだが……

 

 

なぜかコイツも白のチャイナ服を着ていた

 

 

「……秀吉、アンタいつも女扱い嫌だと言っておきながらそれ着てたら言われてもしょうがないでしょうに」

 

 

「こ、これは違うのじゃ姉上!! ウェイトレスが足りぬと言われて仕方なく着ているだけであって」

 

 

「だったらウェイターでやればいいんじゃ?」

 

 

「ぜひこれでやってくれと言われたのじゃ……。 ところで、姉上よ」

 

 

「うん?」

 

 

「風の噂で聞いたのじゃがなにやら姉上のところは変わった服装で客を出迎えておるようじゃな?」 ニコニコ

 

 

あ、あれ? なんでだろう? 笑顔のはずなのになんか秀吉が怖い……

 

 

「う、うん。まあそうかな。あ、あはは…」

 

 

「それを企画したのは誰なのかの? 姉上」ニコニコ

 

 

ざわざわ…ざわざわ…

 

 

「い、いや、え、えーと、誰だったかな~」

 

 

ニコニコニコニコ

 

 

「……愛子と代表です」

 

 

あの笑顔に歯向かえなくなった私は素直に答えた。 ごめん、二人とも。 なによりも命のほうが重いのだよ

 

 

「ほう、なるほど。 ならば後で二人とOhanasiしないといかんのう」

 

 

なんかお話のニュアンスが違う意味に聞こえたような気がするのは私の気のせいだろうか……

 

 

「と、ところで吉井君に頼んでいた報告ってなんだったの?」

 

 

「おお、そうじゃった。 明久よ、雄二には伝えてくれたかの?」

 

 

「あ、そうだった! 忘れてたよ。 雄二! なんか変な噂が流れてるみたいで売り上げが激減してるんだよ」

 

 

「まあ、そうだろうな。 この有様だとな」

 

 

教室内を見ると来たときとは打って変わってまるで閑古鳥がなくような有様だった

 

 

「その変な噂ってどんな噂なの?」

 

 

「うん。テーブルが腐ったダンボールで出来てるとかあそこは汚く衛生的にもダメだから行かない方がいいとか出てるみたい」

 

 

「そんな! みんなで綺麗に掃除して飾り付けもしたのに!」

 

 

どうやら根も葉もない噂のせいでこのような状況になってしまっているようだ

 

 

それを聞いていた雅さんとクリスさんはなにやら考え込んでいた

 

 

「なぜそのような噂が流れたのかの。 皆満足して帰ってもらった筈じゃ」

 

 

「……二人を除いてな」

 

 

「二人ってまさか」

 

 

「そうだ。あの常夏コンビが腹いせに悪い噂でも流しているんだろう」

 

 

「常夏コンビ?」

 

 

「常村と夏川の頭を取って常夏ということだ」

 

 

なんだか暑苦しいコンビ名だな

 

 

すると坂本君は黒板にこう書き出した

 

 

常夏コンビのデマの阻止 テーブルの確保

 

 

「俺達がやらなければならないのはこの二つだ。常夏コンビを大人しくさせてテーブルも確保しないと広まった噂は消えないだろうからな」

 

 

「テーブルの確保はどうするの?」

 

 

「学園の応接間から拝借すれば大丈夫だろ」

 

 

「ちょっと待って」

 

 

なにやらとんでもないことを計画しようとしていたので思わず話しに割って入ってしまった

 

 

「どうした? 木下姉」

 

 

「……Aクラスである私にはこの学園の治安と品格を守る義務があるの。 そんなこと私の前で許すと思うの?」

 

 

「姉上……」

 

 

「……なんてね。友達が困ってる時にそんな堅苦しいこと言わないわよ」

 

 

「それじゃあ…」

 

 

「でも! 学園の物を勝手に持ってくることは許しません」

 

 

「ならどうしたらいいの?」

 

 

「まあ、任せなさい」

 

 

私は携帯を取り出すと愛子に電話を掛けた

 

 

「ああ、愛子? 私だけどちょっと頼みがあるんだけど……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほら、ここよ」

 

 

あの電話をかけた後、私達はグラウンドの隅に停めてある中型のトラックの前に来ていた

 

 

「姉上、このトラックは何じゃ?」

 

 

「まあすぐに分かるわよ。 それじゃあお願いします」

 

 

業者の方にお願いするとトラックの荷台がまるで鳥の翼を広げたように開いた

 

 

荷台の中にあったのはアンティーク風のテーブルやイスが多々置かれていた

 

 

「本来なら使う予定の物だったんだけど予定してたのよりスペースが取られて使うことが出来なかったのをここにおいて置いたのよ」

 

 

「確かにこれなら大丈夫そうだけどいいの? 僕らが使っちゃっても」

 

 

吉井君が心配そうに聞いてくる

 

 

この学校の方針に違反してないか心配なのだろう

 

 

「大丈夫よ。 レンタル料はすでに払ってる訳だから使わないと損だし。 それに」

 

 

「それに?」

 

 

「この清涼祭は私達、生徒が作るお祭りでしょ? だったら困ってる同じ生徒である仲間を助けるのに理由いる?」

 

 

「木下さん…」

 

 

「あ、でもレンタルなんだから大事に使ってよ? 壊しでもしたら西村先生が飛んでくるからね?」

 

 

私がそういうと吉井君たちは苦笑いしながら頷きテーブル等を運び始めた

 

 

「姉上。 すまぬ、恩にきるのじゃ」

 

 

「それは私じゃなく愛子に言いなさい。 先生達の許可をなんとか取ってくれたのは愛子なんだから」

 

 

「う、うむ」

 

 

「だからアンタは愛子に借りを作ったんだから問い詰めるとしてもほどほどにしときなさいよ?」

 

 

「う、うむむ。 分かったのじゃ」

 

 

とりあえず友人を助けるために釘を打っておいた

 

 

しかし最近どうも秀吉のやつ暴走気味なのよね? やれやれ、一体何が原因なのやら……




よく感想にうちの優子とは誰がくっつくの?というご質問が多くなって来ました。中でも多いのは明久との意見が多いわけなんですが……
そこで今回お聞きしたいのはA、優子と誰かくっつくべきなのか?また相手は誰かもしくはB、反対でなし、このままでよい C、どちらでもよい

これらのどれかでもし宜しければ活動報告のほうでコメント頂けると幸いです。 あと感想のほうも宜しくお願いします

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