転生したら猫かぶりのあの子になっていた   作:秀吉組

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木下姉弟の日常  女子会編その2

「あのさ、弟君に聞きたい事があるんだけどさ」

 

 

「なんじゃ?工藤よ」

 

 

愛子は接客中の優子を見ながらこう尋ねた

 

 

「優子ってさ自分のことかなり過小評価しすぎる部分があると思うふしがあるんだけど?」

 

 

「というと?」

 

 

「うん。この前の休みの日のことなんだけどね」

 

 

そう言うと愛子は優子と二人で出掛けた時のことを思い出した

 

 

 

それは 店で買い物を済ませ、次の目的の場所に移動していた時の事だった

 

 

 

自分達より少し年上な感じの若い二人組みの男達に道を尋ねられたのだが

 

 

 

それはあくまで口実で所謂ナンパというやつだった

 

 

あまりの露骨さに苦笑いしながらどう対処しようかと愛子が思案していると

 

 

「ねえねえ。 これってナンパだよね?……愛子目当てかな?」

 

 

それを聞いたとき愛子は思わず「はあ?」と言いそうになるのをなんとか堪えた

 

 

まあ確かにたまに。たまにではあるが町でそういう風に声を掛けられたことはあるが、今二人が声を掛けているのは優子のほう

 

 

こうして二人で居るときにナンパで声を掛けられる可能性が高いのは優子のほうが多いのだ

 

 

なのにその本人ときたら全くそのことに気が付いていない有様

 

 

「……まあその時はなんとかボクが追い払ったけどさ。 優子はなんというか異性の視線に対して鈍感というか無関心というか自分の女の子としての評価低く見てるようなふしがあるんだけど?」

 

 

愛子にそう尋ねられると秀吉は思わず頭を抱えていた

 

 

「ああ……やっぱりそんなことになっておったのか……」

 

 

「え? 木下君何か知ってるんですか?」

 

 

「まあ姉上がそんな風になったのにはワシが原因なのかもしれないのじゃが……」

 

 

「? どういうことよ?」

 

 

「姫路や美波には話したかもしれんが昔、ワシは虐められていた頃があったという話をしたことがあったじゃろ?」

 

 

虐められていたということがあったことに驚きを隠せない愛子と小町だったが秀吉は話を進めた

 

 

「まあそんな時期もあったのじゃが姉上のおかげで今こうしておられる訳じゃが。 その頃の話なのじゃがワシを庇っている姉上に最初はいじめっ子達も噛み付いてきたのじゃがそれが次第に変わってきての」

 

 

 

ぶっきらぼうな態度を取ったり、耳を赤くしながら「お、お前みたいな男女にカレシなんて永遠に無理だろうな!」とか言われたりと

 

 

 

「……ねえ? 弟君。 それって……」

 

 

「うむ。 今にして思えばあれはただの照れ隠しだったのじゃろうな。 だが姉上はそれを鵜呑みにしてしまっての」

 

 

まああんな事言われても仕方ないわよね。 事実だし私あんまり女らしくないし、ねえ? ハハハ

 

 

「と言っておっての」

 

 

「……まさかその時の自分の評価のまま今に至る、ってことなんですか?」

 

 

小町が恐る恐る聞くと秀吉は疲れたように頷いた

 

 

「なるほど。 だからああも鈍感というか無関心な訳だ」

 

 

「それは女の子として問題ですよね」

 

 

小町がそういうと女性一同は頷いていた

 

 

そんな様子とは露知らず渦中の人物がのこのこやってきた

 

 

「皆でなに話してたの? あ! まさか変なこと企んでないでしょうね?」

 

 

そんなことを言っている優子に一同は深~いため息をついた

 

 

「??」

 

 

そんな皆に対して優子はただ首を傾げるのだった




久々の投稿(汗)

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