転生したら猫かぶりのあの子になっていた   作:秀吉組

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美春の口調が合ってるか不安ですが良かったら見てください


第62話

初めて優子と美春が出会ったのは試召戦争でFクラスがBクラスに勝利した頃にまで遡る

 

 

学園の底辺と言ってもいいFクラスが格上のBクラスに勝利したことに全クラスが衝撃を受けている中、Fクラス勝利の為に行動を起していた優子は休む間もなく今度はその勝たせたFクラスの対策に思案に暮れていた

 

 

「やっとBクラス戦を終わらせたと思ったら次はウチのクラスの対策考えないと。 あー、しんどい」

 

 

色々考えてはみるがなかなかいい案が出ず、机の上でぐったりしていた

 

 

「はあ……、いい案出てこないしちょっと気分転換でもしようかな」

 

 

備え付けてある冷蔵庫の中から缶コーヒーを一本取ると放課後の誰も居ない教室を出て中庭に向かった

 

 

文月学園にある中庭は日差しが気持ちよく風通しも良いため、そこにあるベンチは考え事を纏める時によく優子が使っている場所だった

 

 

目的の場所に着くと先客がいた。 その先客というのが

 

 

「さあ! 美春のあつ~いベーゼを受け取って下さい! お姉さま~」

 

 

「だ、か、ら! ウチにはその気ないんだってば!!」

 

 

ベンチの上に一人の女の子が押し倒され、もう片方の女の子が迫っているという状況だった

 

 

えーと、まずは状況を把握しよう。今押し倒されているのが島田さんで押し倒している女の子のほうは知らない子だ  00:01

 

 

そして島田さんは帰国子女。 海外では同性愛が認められている国はある。確かドイツも同性愛には寛容の国だったはず。……ならアタシが取るべき選択は  00:02

 

 

 

「お、お邪魔しました~」

 

 

わずか三秒の決断である

 

 

「ち、違う!! ウチはノーマル!! ノーマルだからぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

「うおお!?」

 

 

すごい剣幕で呼び止められた

 

 

 

「…という訳なの! 分かってくれた?」

 

 

「は、はい。 勘違いしてごめんなさい」

 

 

あの後すごく、物凄~く事の詳細を説明してくれた。 どうやら一方的に迫られていた、らしい……

 

 

「そんな! 美春とお姉さまは一心同体の恋仲なのに!」

 

 

「美春は黙ってなさい」

 

 

でも隣の女の子はどうやら納得はしてないみたいだけど

 

 

「ところでこの子は?」

 

 

「ああ、紹介がまだだったわね。 この子は」

 

 

「二年Dクラス、清水美春です! お姉さまの永遠の恋人です!」

 

 

「だから違うって言ってるでしょ!?」

 

 

なるほど、島田さんも苦労してるんだな。 ……うん? Dクラス?

 

 

「Dクラスって確かFクラスが最初に戦ったクラスじゃ」

 

 

「そうです! あの時、邪魔さえ入らなければ勝利し保健室でお姉さまとあんなことやこんなことに」

 

 

そういって端からみても危ない想像をしているのが丸分かりの清水さん

 

 

「よ、良かった!! 本当に勝てて良かったッ!!」

 

 

汗を搔き、はあはあと息を荒くしながら安堵する島田さん。 本当に危ない目に合いかけたんだろうな、あの反応は

 

 

「と、ところで木下さんはどうしてここに来たの?」

 

 

「ちょっと考え事を纏めようとここにね。 このベンチに座るといい案が良く出るから」

 

 

「その考え事というのは何なんですか?」

 

 

清水さんにそう問われるとちょっとした悪戯心が刺激されたのか島田さんを見ながらこう言った

 

 

「ええ。 Aクラスに試召戦争を仕掛けてくるだろうクラスに対する、ねえ?」

 

 

「……それでその考え事は纏まりそうなの?」

 

 

あたしが言ったそれが何を意味するのか瞬時に理解したのかこちらの様子を伺う島田さん

 

 

「…………それがぜ~んぜん」

 

 

大げさに両手を上げお手上げのポーズを取ると予想してなかったのか「はあ?」という顔している彼女を見て思わず顔が緩んでしまった

 

 

「相手のクラスの代表が常識が通用しない相手でそんな相手に常識で考えても対策なんて事前に立てようがないしね」

 

 

それから後の事だが実際に優子がFクラス対策を思いついたのは対戦当日のことだった

 

 

「へ~、それならその常識が通用しないクラスにも勝算はあるってことよね?」

 

 

「それは分からないけどこっちは負けるつもりはないから」

 

 

そう言って互いが不敵な笑みを浮かべていると

 

 

「き、木下さん。 貴方、まさか……」

 

 

「ん?」

 

 

なんか隣にいた清水さんがわなわなと揺れながらこっちに指差すと

 

 

「貴方もお姉さまを狙ってるんですか!?」

 

 

「「ないない」」

 

 

思わず二人して手を横に振ってシンクロしていた。 友人と仲がいいのは良いことだ、うん

 

 

この時はまだ優子と美春はお互いを知るきっかけに過ぎず、本格的に交流が生まれるのは試召戦争が終わりそれから少し経ったある日の休日のことである




次回は交流編です・w・;

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