世界を旅することを夢見た者たち   作:ウグり

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第十二話 四天王襲撃 カントー地方に迫り来る恐怖

「……着いた!」

 

 

 

ラプラスを仲間にし、再び歩き始めたリョウスケ一行。

 

そしてようやく、取り敢えずの目的地であるセキチクシティにたどり着いたのである。

 

 

 

『なあリョウスケ、これからどうするんだ?』

 

 

 

声をかけるのはボーマンダ。今はこのボーマンダ含め、三匹とも全員ボールの中である。

 

 

 

「そうだな、まずは……」

 

 

 

着いたはいいものの、特に目的は考えていなかったリョウスケ。

 

 

 

(確かセキチクで大きい施設といえば、サファリゾーンとジムだよな……)

 

 

 

両方行きたいけど、まずはサファリゾーンかな?と最初の目的地を決めたリョウスケは、そこへ向かおうとするが……

 

 

 

〈現在サファリゾーン改築中!オープンは未定。サファリゾーン目的で来たお客様、本当に申し訳ございません〉

 

 

 

……との看板が、サファリゾーン前に。

 

 

 

(……そういや、金銀版ではセキチクのサファリゾーンは使えなかったような。今がその時期とちょうど被っているってことか?)

 

 

 

アンラッキーだけど、開いていないものはしょうがない。そう切り替え、ジムを見に行こうとするが……

 

 

 

〈現在ジムリーダー不在のため、挑戦は受け付けておりません。本当に申し訳ございません〉

 

 

 

……との看板が、ジム前に。

 

 

 

(……俺、何しにセキチクに来たんだろう)

 

 

 

ジムも開いていなければ、サファリゾーンも開いていない。もはや、ここにいる意義すら無くなってしまったかのようだ。

 

 

 

『なあ、どーすんだ?リョウスケが行きたいって言ってたところ、どっちも開いてねーじゃん』

 

「うん、まぁ……どうするか」

 

『俺としては、朝飯抜きで腹が減ったから飯を食いたいんだが』

 

「うーん、どうすっかなぁ……」

 

『……聞いてる?』

 

「う~ん……」

 

『……』

 

 

 

完全にスルーである。

 

そして何かを思いついたのか、リョウスケはボーマンダをボールから出す。いつもなら元気よくボールから飛び出すボーマンダであるが、腹をすかせているのか元気が無い様子だ。

 

 

 

「とにかく、もうここにいる意味は無いな。タマムシまで飛ぼう」

 

『俺、腹が減って……』

 

「……タマムシに着いたら飯でも食うか、ちょうどお昼時だし」

 

『全力で飛ばさせて頂きます!』

 

(調子のいい奴だなぁ……)

 

 

 

元気が無く、少しヘナッとなっていた翼も飯、という単語と共にバサァッ!!と元気がよくなる。

 

……それはもう、周りにいた人たちがびっくりするくらいに。

 

 

 

「よっしゃ、久々に乗せてくれ、ボーマンダ!」

 

『おっけー!飯のためならどこまでもっ!!』

 

 

 

周りなんてお構い無しに、このコンビはセキチクシティを早々と飛び立つ。

 

 

 

 

 

~~~

 

 

 

 

 

さて、突然だがこの世界にはほぼどの街にもポケモン食堂と言われるところが存在する。

 

どのような場所かというと、人とポケモンが共同で利用することが出来るレストランのようなところだ。トレーナーはボールから手持ちのポケモンを出し、一緒にご飯を楽しむことが出来るという場所である。

 

そして、タマムシに無事着いたリョウスケ達は昼食をここで取るのだが……

 

 

 

『うめぇっ!もぐっ、腹が減りすぎていたせいか、いつもより旨く感じるぜっ』

 

『ちょっとボーマンダ、もぐっ、食べながら喋るとか行儀悪いよ』

 

『……お前もじゃねぇか!』

 

『……うん、もぐっ、正直僕もお腹が減りすぎてて』

 

『……お二人とも、やっぱり仲がいいんですね』

 

『『どこがっ!!』』

 

(うん……今度から朝飯抜きはやめよう、主に昼にみっともないことになるから)

 

 

 

朝食抜きの罰を与えたことを、少し後悔するリョウスケであった。

 

……とまあ、このようにトレーナーとポケモンが共に昼食を取ることが出来る。

 

勿論、リョウスケのような旅をしているトレーナーだけでなくその町、ここではタマムシの住民なども当然のように利用している。

 

 

 

「なあ、お嬢様の具合が最近よろしくないってのは本当なのか?」

 

「ああ、何でもお嬢様のご友人が行方不明らしいぞ。」

 

(お嬢様……?そんな人がタマムシにはいるのか)

 

 

 

どんな人なんだろう、とリョウスケはタマムシの住人の会話をひっそりと盗み聞きしつつ思い込む。

 

 

 

(そういや、行方不明……?何だろ、最近どっかで同じワードを聞いたような気がするんだが……)

 

 

 

思い出せん、何だっけか……とリョウスケは思考を張り巡らせる。

 

 

 

「それでもよ、相当具合が悪かった時期に比べれば少しはよくなっているらしいぞ」

 

「おお、それはいい知らせじゃん。……で、回復したからには何か理由があるんだろ?」

 

「ん?ああ……何でもイエローって子がタマムシに来てから、何らかの事件があってそれを基に回復なされたとか……」

 

「……事件って何だ?俺、その時用事でクチバまで出かけてたんだよ」

 

「……すまん、夜に起きた事件らしくて俺は寝ていた。真相も聞きそびれちゃったしなぁ……」

 

(ん?イエローもタマムシに来たことあったのか。あれ、そういやイエローも行方不明がどうのこうのって……)

 

 

 

タマムシの住人が話していたワードが、一つ一つピースのように繋がろうとしている。

 

 

 

(イエローもその行方不明の人……レッドさんを探している間にタマムシに寄った……そして事件が起きたってことは、その行方不明の人関連の事件か?いや考えすぎか……しっくりこねぇ、そもそも行方不明の人物が同一なのかもどうかもはっきりしてない)

 

 

 

まだ何とも言い切れないが、もしかしたら関連があるかもしれない。リョウスケの出した答えはこうだ。

 

……だが、また新たに住人が話したワードによってもしかしたら、の確率が大幅に上昇することになる。

 

 

 

「……なあ、その行方不明の人って何で行方不明になってんの?」

 

「そんな事俺に聞かれてもわかるわけねーだろ……って普通なら言うだろうけど、実は少しだけ知ってることもあるんだよな」

 

「お、何だよ。もったいぶらずに教えろっての」

 

「急かすなって。……まぁ、噂だから信憑性が微妙っちゃ微妙だがな。何でも、四天王って軍団が関わっているらしいぞ」

 

(……四天王?っておい、もしかしてイエローの話してたレッドさんの話と一致してるか?)

 

 

 

イエローの探している行方不明の人物レッドは、四天王に襲われて行方不明になっている。

 

そしてここのお嬢様の友人も四天王が関わり、行方不明になっているとの噂。……もしこの噂が本当と仮定するならば、この友人=レッドという線が高くなる。

 

ならばここのお嬢様に聞けば四天王の事、行方不明のレッドの事、今カントーで何が起こっているのかという事を少しでも聞くことが出来るかもしれない。そう思ったリョウスケはすぐに動き出す。

 

 

 

「ってか、その行方不明の人の名前とかわかってたりする?噂でもいいぞ」

 

「さすがにそこまでの情報はなぁ……って、何だボウズ。俺たちに何か用か?」

 

「……ちょっとお兄さん方に聞きたいことがあるんだけど」

 

 

 

 

 

~~~

 

 

 

 

 

タマムシシティジム内弓道場。ジムリーダーであり名家の一人娘でもあり、お嬢様でもあるエリカはここにいた。

 

 

 

「カスミ、今の現状を教えてください!」

 

「今は被害に合っているのはニビだけで……って、きゃあっ!?」

 

「カスミ!?」

 

 

 

連絡を取り合っているのはカントー地方正義のジムリーダーズであり、ハナダシティのジムリーダーであるカスミだ。

 

彼女曰く、ニビシティが突如ポケモンの軍団に襲われ、その緊急の連絡を受けている最中であったが……

 

 

 

(カスミの様子から、恐らくはハナダもポケモンの軍団に襲われたと考えて間違いないでしょう。……そして)

 

「エリカ様っ!タマムシにも氷ポケモンの軍団が侵入してきました!」

 

 

 

やはりか、とエリカは思考する。

 

 

 

(この軍団は四天王の軍団と見て間違いない。そして四天王の目的は……私たち正義のジムリーダーズの動きを封じること)

 

 

 

この正義のジムリーダーズという集団は、四天王側からすると非常に邪魔な存在であるのだ。

 

計画を実行するために、ポケモン達に町を侵略させ動きを封じこめるという作戦である。

 

 

 

(相手の作戦通りにいってしまうのは癪ですが……町を守るためにも不用意に外に出るわけには行かない)

 

「ラフレシア、花びらの舞!」

 

 

 

ラフレシアの攻撃で侵略してきた氷ポケモン達の動きを一気に封じる。

 

 

 

「精鋭軍は一部だけここに残り、他は町のほうの被害を食い止めてください。ジムのほうは私が食い止めます!」

 

「「「ハッ!!!」」」

 

(ともかく今は町の被害を最小限に食い止めなくては……!)

 

 

 

一瞬。

 

他の事を考えた一瞬の出来事だ。四天王の軍団が、攻撃を仕掛けてくる。

 

 

 

「あっ!エリカ様危ない!」

 

「ッ!?」

 

 

 

油断していたわけではないが、その一瞬のせいで対応が遅れる。

 

 

 

(まずい、やられる……!)

 

 

 

完全に虚を突かれ、一撃を食らうことを覚悟したエリカ。だが、

 

 

 

ガッッ!!という力強い音が、聞こえた。

 

 

 

「……ッ!?」

 

 

 

不思議なことに、自分の身体には傷一つすらついていない。

 

 

 

『てめぇらの……ヘナチョコ攻撃なんて屁でもねーんだよぉぉぉぉ!!』

 

 

 

攻撃を受け止めた青い竜は、その勢いのまま尻尾を器用に振り回し四天王の軍団をなぎ倒す。

 

……そう、その突如現れた青い竜により、エリカは助けられたのだ。そして青い竜の上には少年トレーナーが一人、乗っていた。

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