このネタはポケスペ内には出てこないネタであり、オリジナル展開でございます。
……と言っても、勿論元ネタはあり知っている人も多数いると思いますが。
四天王との激闘が終わってから半年後。
カントー地方では町によっては一部破壊されていたりする場所等もあるが、人々やそのパートナーであるポケモン達によって、徐々に元の町並みを取り戻しつつあった。
人々は人同士、またポケモンと共に励ましあい、少しずつ元気を取り戻してきている。
そしてそのカントーを救った人物である、イエロー。
「ふあぁ……朝だ」
寝起きのため、まだ目の焦点が定まっていない様子である。
……そしてしっかり目を覚ますどころか、
「……でもまだ眠いから……おやすみ」
……こんな様子ではあるが、カントーを救った張本人なのだ。
再び眠りに着こうとした、その瞬間。
プルルルルルッ!!
「ふわぁ!?で、電話?」
全く、眠いのにー。なんてちょっと愚痴をこぼしながら電話に出るイエロー。
「おはようございます。お宅はイエロー様で合っていますよね?」
「はい、そうですけど……」
「イエロー様が抽選に当選しましたので、商品を送らせて頂きました!商品のほうはご確認頂けましたでしょうか?」
「は、はぁそれはご親切に……商品?」
何だろう、そんなのあったっけと考えるイエロー。
自分の記憶では、全く身に覚えが無い。
「お宅のポストに送らせて頂きましたが、その様子だとまだご覧になっていないようですね……最近多いんです、そういう人。だからこそ当選者にこのように連絡をしているわけでございますが」
(そういう人って……絶対ボクみたいな人のことだ)
……でも少しおかしいな?とイエローは思う。
いくらたまにしかポストを確認しないからって、さすがにいつかは見るのだ。別に、このような連絡も必要ないのでは?と。
「期限が明日までなので、連絡して正解でございました。こちら側としても、やはり当選したお客様には楽しんで頂きたいので……」
「き、期限?」
商品に期限って何だろう?そもそも、どんな抽選に希望したかすら忘れているイエローなのだ。
「ええ、期限です。二泊三日のペア旅行の」
「……えっ?」
「……とにかく、ご確認頂きます様に。イエロー様が、お楽しみ頂けます様こちらも願っていますので」
そう言って電話はプツッっと切れてしまった。
「……ポスト」
急いで、ポストの中身を確認しに行くことに。
「ポスト、ポストっと」
ポストの中身を見ると、何やらチケットのようなものが二枚入っていた。
「あっ……あーっ!!」
何かに気がつき、とんでもない声をあげるイエロー。中には……
「これ……あー、そうだ、思い出した!」
水の都アルトマーレ二泊三日旅行券があった。
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「確か、どうせ当たらないだろうと思いながら適当に応募した奴だ……当たってたんだ」
そして、ペア旅行である。
つまり、もう一人誰かを誘うことが出来るという事。
「出発場所はクチバ……明日だから……急いで準備しなきゃ!」
せっかくだし誰かを誘おうとイエローは考える。
「レッドさんは、うーん。いつもどこにいるかわからないし……」
最初に思い浮かんだのはレッド。
常に修行してそうなイメージがあるので、もしかしたら邪魔になるかもしれないのでやめた。
「他に……あっ」
身近にいたじゃないか、とイエローは思う。
半年前からトキワに住んでいる少年がいる、と。
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場所は変わって、トキワの森。
ここで一人の少年が、ポケモンと共に特訓をしていた。
「ブースター、火炎放射!」
ゴウッ!!と自分の相手である野生ポケモンを激しい炎が一直線に襲う。
周りには木がや草が生い茂っているので、それを燃やさずに仕留める。炎のコントロールの特訓だ。
『ふう、こんなもんかな』
「……よしっ、今日の朝特訓は終了だな。家で、朝飯でも食べるか」
『うんっ、オッケー!』
特訓をしていた少年、リョウスケ。彼は半年前からトキワシティに住んでいた。
騒動の後、イエローと出会って色々(一方的にイエローが泣いていただけとも言う)話し合ってから、彼はレッド、グリーン、ブルーに合った。
その後にイエローが家に帰ると言って、じゃあ自分もそこまでついていきますと言ってイエローに付き添ってトキワシティまで歩いた。
この時まではまだイエローが家についてから自分もどこか旅に出かけようかな、とリョウスケは考えていた。
だが、トキワシティは予想以上に町が被害に遭っていた。……これはトキワに限った話でもないが。
その様子を見たリョウスケはこれを見過ごすわけにはいかないと思い、ここに住むことに決めたのだ。
(しかし……異変が起きているおかげとはいえ、ここはかなりの特訓場所だよなぁ)
リョウスケは町の復興を手伝う傍ら、自分の特訓をすることを決めた。あの戦いでまだ自分がかなり未熟だということを知ったからだ。
そしてたまたまではあるが、トキワの森に凶暴なポケモンが生息するようになり、リョウスケの特訓にはちょうどよかった。
また、リョウスケも元々トキワの森で静かに暮らしている野生ポケモンをできるだけ傷つけたくはないので、町の人に指定された追い出して欲しい凶暴なポケモンのみを特訓の対象としている。
「今日は何食べたい、ブースター?」
『うーん、そうだなぁ……』
などと普通の会話をしながら、森から町へと戻ってきた。
そして家に戻り……家の前で誰かが呼び鈴を何回も何回も……鳴らしすぎじゃね?と思うくらい押している友達の姿を、見つける。
いつも見ている、麦わら帽子を被ったご近所さんだ。
「イエロー……何してんの?」
「あ、リョウスケさん!おはようございます!あ、森で特訓してたから家にいなかったんですね」
「俺になんか用事か?ってか、呼び鈴鳴らしすぎだろ……」
「あ、それがですね……」
何やらチケットをポケットから取り出すイエロー。
「じゃーん!なんと!旅行券です!二泊三日!」
「……え、どうしたのそれ?」
何かものすごい笑顔でいきなり旅行券とか言われても訳がわからないので、思わずそんなことを聞いた。
それにリョウスケからイエローに対する旅行のイメージが全くもって無いので、本当に不思議なのだ。
「何か、抽選にたまたま当選してしまったみたいです。で、ペアだったので……リョウスケさん、もし都合がよければ一緒に行きません?」
「え……俺なんかでいいの?」
いきなり旅行なんて言われてかなり嬉しいことは嬉しいが、何故自分なのか?と疑問を抱くリョウスケ。
「いやいや、友達じゃないですか!いつも、リョウスケさんだって言ってるじゃないですか」
「うん、それはそうだけど……他にも人、いるだろ?レッドさんとか」
リョウスケもこういうことを誘うならレッドじゃないか?と思っていただけに、少し不思議に感じた。
「あの、レッドさんはあまり連絡が取れ無い事も多いですし……それに」
「それに?」
「町の人たちもこんなことを言ってました。あのリョウスケって奴は本当によく町のために働く少年だな、たまには休んでもいいんじゃないか?」
「え、ああ確かに言われたことあるかも……」
「町の人もそう思ってますし、ボクもそう思ってるからいいんですよ!たまには、ぱーっと遊びに行きましょう!」
イエローもずっと復興作業を頑張っているリョウスケを見てきた。仲がいいというのも理由の一つだが、少しはこの旅行で息抜きをしてほしいという考えもあったのだ。
「……そうか、そうだな!」
特に復興作業の見返りを求めていたわけではないが、こういう幸運が訪れたのは素直に嬉しい。そしてたまにはいいか、とイエローの意見に賛成し、一緒に遊びに行くことにリョウスケは決めた。
「で、その旅行は何時なの?準備とかもしなきゃいけないだろうし」
「あー、そのー……明日」
「ふーん、明日……明日ぁ!?いやいやいや、おかしいだろ!」
「あの、実はこのチケット見つけたの今日なんです。あはは……」
……これは、まずいとリョウスケは感じる。
何時でも旅に出れるように最低限のものくらいは家にあるが、遊びに行くための道具などは特に持ち合わせていない。
「……お昼にタマムシにでも行って買い揃えるか。あっ、イエローももしかして……何も準備してなかったりする?」
「はい、実は……」
それなら、とリョウスケは考え
「一緒に買い物に行くか?タマムシはちょっと遠いけど、ボーマンダの背中に乗れば割とすぐだから」
「そうですね……お願いします!」
「じゃ、お昼に俺の家にまた来て」
「はい!じゃ、また後で!」
そう言ってイエローは自分の家に戻る。
……そして、横で黙って話を聞いていたブースターに問いかける。
「旅行か……ブースターは、センリさんと一緒に旅行とか行った事ある?」
『あの人は特訓だらけだったからなぁ……色々な地方の色々なところは旅したけど、遊び目的でどこかに行ったことは、ないかな』
「ボーマンダもラプラスもそんな経験は無いだろうしな。……そっか、旅行かー。ここ最近はずっと、作業とか特訓ばかりだったからなー」
今回の旅行に、かなり期待が膨らむリョウスケ。
最近まともに遊んだりすることが減っていたため、かなり楽しみにしているのだ。
「二泊三日か。たまには、俺もポケモンも思いっきり遊ぶとするか!!」
……こうして、イエローとのアルトマーレへの旅行が決定した。
この水の都で、この二人はどのように二泊三日を過ごすのか。
はい、新章アルトマーレ編でございます。
映画ネタですね。ポケモン歴代では人気がない方らしいのですが、作者は歴代の映画で一番好きです。そして自分が映画館に見に行った最後のポケモン映画でもあるので、思い入れが少し強いですね。
これは小ネタですが、アニメのポケモンで唯一瀕死ではなく、ポケモンが死亡した作品でもあるらしいです。