「なぁタツベイ、ここってどこなんだ?」
リョウスケはタツベイにここの場所を問いかける。
まず自分に必要なものは情報だ。何故か案外冷静に慣れている自分が、恐ろしい。焦るよりはマシだが。
『ここか?ここはりゅうせいの滝だよ!』
りゅうせいの滝。リョウスケはその名前を知っている。
(確か……そうだ、ルビサファだっけか。ってことはここはホウエン地方か?)
本当に自分の住んでいた日本ではないんだな、とリョウスケは改めて実感する。
『ってか、お前誰だ?何でこんなところに何も持たずにいたんだ?』
「ああ……俺はリョウスケな。何でこんなところにいたかは……俺が知りたいよ」
事実である。だが、タツベイからすると本当に訳がわからない、こいつ頭がおかしいんじゃないかと思わせるレベルのことを言ってきたので……
『……は?』
と、驚きの一言しか出てこなかった。
「寝て起きたら、ここ、りゅうせいの滝にいたんだよ。……いや、何だよその目は。俺だって変なこと言っているのは自覚してる、だけど事実なんだよ……」
『……リョウスケ、お前面白い奴だな』
やかましーわ、とリョウスケは思ったが自分でも明らかにおかしいことを言っているという認識はあったので口には出さなかった。
「……てかさ」
『うん?どうした?』
「何で、俺を助けたの?」
リョウスケは一つ引っかかっていたことがあった。……このタツベイだって、野生のポケモンなのだ。普通ならリョウスケを狩る側の立場でもおかしくはないはずだろう、と彼は思っていた。
『いやー、なんかさ?』
「……うん?」
『なんつーか、ああいうの見てて苛々したっていうか?』
「……ああいうのって、何だよ」
『……弱いものいじめ?』
弱いもの、というワードに若干カチン、ときたがリョウスケは助けられた立場なのだ。感謝こそすれど、文句を言える立場ではない。
「……サンキュな」
『……ああ、うん?』
タツベイも普段お礼を言われることに慣れていないのか、若干照れながら対応した。
『……それで、どうするの?』
「……どうするって、何が?」
『いや、これからの事』
「あー……」
ほっとしていたせいか、これからの事を全く考えていなかったリョウスケ。当然、食べるものもないのでずっとりゅうせいの滝に居座るわけにもいかない。
「あー、どうしよう?」
『俺に振るなよ』
「だよなぁ……とりあえず出口を見つけて、外に出たいかも」
『……そっか、そうだよな。じゃ、出口案内してやるよ』
そうタツベイは若干寂しそうに言い、出口まで歩くことにした。
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それから出口までの道で、リョウスケとタツベイは色々なことを話した。
「タツベイにはさ、夢ってあるの?」
『ポケモンにそんなことを普通聞くか?……まぁ、そうだな。いつか立派なボーマンダになって、空、飛ぶんだよ。で、世界を見て回りたいかな』
そういや、ゲームのポケモン図鑑にも空飛びたいって書いてあったかな、とふとリョウスケは思い出す。
『そういうリョウスケはどうなんだよ』
「いやー、俺にもあったんだよ。パイロットになって世界を飛び回りたいって夢」
『何か、俺の夢と似てるな。……って、あった?』
リョウスケの言い回しにん?と疑問を感じるタツベイ。
「いや、俺身体が弱いんだ。だから、乗り物に乗って操縦している間に体調を崩して、もしものことがあったら大変だろ?……だからさ、その夢はかなえるのは厳しいんだ」
自身の体調が原因で、夢を諦めることになってしまったリョウスケ。最近は特に考えてもいなかったが改めて思い返すと、寂しくなる。
『ふーん……って、お、出口だな』
歩いてしばらくして、リョウスケとタツベイは出口にたどり着いた。
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「あー、ようやくか……って、誰かあそこにいるな」
どっかで見たことがあるような……?とリョウスケは思う。
「あの、すみません」
「……ん?どうして子供がこんなところに。しかも丸腰じゃないか!?」
「あー、その……」
話しかけたはいいが、何を話していいかわからなくなるリョウスケ。
「……何か訳ありか。君の名前は?」
「あ、俺は……リョウスケって言います」
「リョウスケ君か……俺はセンリって言う。とにかく、事情を聞かせてもらおうか?」
ようやく出ましたね、原作キャラ。
何でこんな所に?って思う方もいるかも知れないですが、まぁそれは後々。
オリジナル展開もありますが、出来るだけ原作沿いで行こうと思っていますー。