ようやく少し、まとまってきた感じです。あと、今回オリキャラ多め。
「ふあ~あぁ……ねみぃ」
「ねぇタク、そんな大きな欠伸しないでよ?やる気がそがれるじゃない」
「んなこと言ってもなぁ……マイ、この時間帯だぞ?眠くたってしょうがないだろ」
「気持ちはわかるけども……」
アルトマーレの深夜のとある夜道、愚痴をもらしながらも何かの任務をこなすタクという男とマイという女の二人組。羽のマークのついた、緑の装束を纏っている。
「でもよぉ、何でこんな事深夜にやんなきゃいけねぇんだ?アルトマーレの地理を知っとけってのはわかる。わかるが……別にそれを調べるのって昼でもよくないか?わざわざ、深夜にする必要ある?」
「そんな事言っても……ショウ様が深夜のほうが雰囲気出るだろっ!なんて子供のような命令をするから。下っ端は結局幹部の命令を聞かなきゃいけないのよ。それにショウ様も、ギャラは高くするって言ってたでしょ?」
「まぁ……そうだけどよ」
この二人、スカイ団の下っ端である。そしてショウという幹部の命令を受け、わざわざこの深夜にアルトマーレの地理の調査をしているのだ。
「あと、ショウ様こんなことも言ってたわ……」
「……何?」
「ぶっちゃけ、深夜の調査とか楽しそうでたまんねぇーよなぁー!幹部なんて地位じゃなかったら、俺が率先してやってるくらいだぜ!……って」
「……あの人馬鹿だ、馬鹿だよ、馬鹿ですよね?」
「タクの謎の三段活用はどうでもいいとして、馬鹿なのは否めない……わね」
下っ端にすらここまでボロクソに言われる幹部がいるらしい。だが、マイはでも、という言葉を付け足して言う。
「私はあの人が幹部のS部隊で、本当によかったと思ってるわ。だって他の部隊なんて、腐ってるもの」
「あー、まあな。K部隊は他人を傷つけて喜ぶようなクズばっか、Y部隊は団員の俺たちですらやってることがわからないくらい謎だしな」
「その点、ショウ様は下っ端である私たちですら気遣い、任務で他人を傷つけるようなことをするときも最低限で済ませようとしている」
「……任務で他人を傷つけてるっていう結果は変わらないがな。自分で言うのもなんだが、何であんな人がスカイ団なんかにいるのかなぁ?何かを傷つけるとき、何時もショウ様は苦しそうにしている」
「それは最終的な理念に一番賛同しているのも恐らくショウ様だからじゃないかしら。目的に多少の犠牲はつき物とはよく言うわね。あの人は、まさにそんな感じよ」
……スカイ団とは、3つの部隊に分かれている。
ショウが率い、タクやマイがいるS部隊、他の幹部がそれぞれいて、そしてその下に下っ端がいるK部隊、Y部隊。SKY――――スカイだ。
そのそれぞれの部隊によって、かなりの温度差というものはあるらしいが。
「っと、無駄話はここまでにしましょ。さっさと、この面倒くさい任務を片付けないと」
「そうだな……しかしこの町は迷路か?調べるのも、面倒だな」
「でも、この裏道には人が住んでいないってのがわかっただけでも収穫でしょ?っと、次のところを曲がって……ッ!?」
いきなり、ピカァァッ!!と、光線が光っているのが見えたのだ。そして何かに直撃したのか、轟音が近くに鳴り響いた。それをタクとマイは、察知した。
「……おい、今の音は何だよ。人はいないはずだよな?」
「私にもわからないわよ。……どうする?」
「どうするってそりゃあ……調べに行くしかないだろ。危険かもしれんが……気をつけて行くぞ」
下っ端の二人は、光の方向へと向かうことへ。
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タクとマイが光を見た少し前……ボーマンダとミュウはまだ言い合いながら深夜の夜道を歩いていた。
『おい、帰らせろ……マジで。バトルで疲れたし、それに眠いんだよ……』
『いーじゃん!暇なんだし♪』
『……暇なのはお前だけだろうがっ!マジで帰らせてください、俺は明日も観光で忙しいんです』
内容としては、帰りたいボーマンダ、帰らせないミュウである。ミュウはともかく、ボーマンダは明日もボールの中とはいえリョウスケと共に回ることになるので、本気で身体を休めたいのだ。
『んー、じゃあボクと簡単にバトルしてボクが勝ったらまだ遊ぶ、ボーマンダが勝ったら帰ってもいいってことで』
『おい、何勝手に決めてやがる。俺は疲れてるんだっての……』
普段はバトルジャンキーに近いものをもつボーマンダだが、流石に疲れている上に眠いという相乗効果がプラスされ、バトルには乗り気にはなれない様子だ。それを見たミュウが、すかさずボーマンダを挑発するかのように言う。
『あれ?普段ならバトル大好きなはずなのに、おっかしいなぁー。……あ!さては、負けるのが怖いんだー♪だから、疲れてるなんて言い訳をして』
『……あ?』
『あ、やる気になった?』
『……上等じゃねぇか、ただし俺が勝ったらさっさと帰らせろよ』
『それは勿論♪』
ミュウは簡単に挑発に引っかかったボーマンダに対して内心本当に単細胞だなぁ、とほくそ笑っていたり。ボーマンダはボーマンダで、何だかんだやる気にはなっている。
『で、どうすんだ?ここでやるのか?』
『うん、ここはちょうどいい具合に空き地になっているからね。人もいないし』
『……そうかそうか』
ちょうどいい場所、という言葉を聞いてニヤリ、とボーマンダは笑う。そして不意を付くように――――破壊光線を放つ。
ピカッ!!と光ったかと思えば、ドォォォォン!!という轟音がすかさず鳴り響く。破壊光線の放つ対象であるミュウは……その場から消えた。
『ちっ、どこ行きやがった』
ボーマンダからすると、軽い挨拶程度のジャブのようなものである。……周りからすると、重いストレートのように見えなくも無いが。ボーマンダも何かされてもすぐに対応できるように、身構える。
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一方、光った方向へと駆けつけているタクとマイの二人。彼らはその場所の近くまでたどり着いた。
「この……近くよね」
「ああ、そうだ。すぐに対応できるようにここからはさらに慎重に行こう」
「この曲がり角を進めば広い空き地に出るのだけれど……」
マイは角の先の様子を慎重に覗いていく。……そしてそこから、思いがけぬ攻撃が飛んできた。
「この先に何が……きゃあっ!?」
「ッ!?」
空き地の方向から、火炎放射が飛んできたのだ。幸い、慎重に行動していたためマイはかろうじて直撃を避けることが出来た。
「……何だ今のは!?マイ、あの先に何が?」
タクは先に様子を見たマイに何があったのか問いかける。
「あれは恐らく……ボーマンダよ」
「ボーマンダだって!?何でこんな深夜に、そんな凶暴なポケモンがここにいる!?」
「そんなの私だってわからないわよ!とにかく、思っていたよりもかなり危険な状態だって事は間違いない……ッ!?」
ギャオオオオオッ!!と、ボーマンダは雄叫びをあげる。その様子に、二人はよりいっそう警戒心を強める。
……最も、ボーマンダはそこにいねぇのかよチクショウッ!!と叫んでいただけなのだが。
「よくわからないけど……相当興奮状態よ、あれ。この時間帯にいるって事は多分野生ポケモンでしょうね……」
「あれだけすぐに攻撃を仕掛けてきたって事は……他の何かの野生ポケモンと戦っているのか?」
「そうかもしれないわね……」
タクは野生のボーマンダが何らかの敵と戦っているため、少しの気配にでも敏感になっていると予想する。だからマイが少し覗こうとしただけで攻撃を仕掛けてきたのだ、と。
そしてその予想はほぼ的を得ている。……ボーマンダが、野生ではないということを除けばだが。
「少し物音を立てるだけでも危ないかもな。……俺としては、ここに来たことを既に後悔している」
「私もよ……ってか、あんなボーマンダがここにいるなんて普通予想できないわよ!」
「そりゃまあな……あっ」
「今度は何よ?」
タクはこの場所におけるあることに気がついた。……危険な事にだ。
「ボーマンダが何かと戦っていると仮定するなら……その戦っているポケモンがこの近くにいるのは間違いないよな?」
「仮定が正しければ、ね」
「だったら……ボーマンダだけじゃなくそのポケモンが俺たちに気がついて、襲ってくる可能性もあるよな……?」
「……」
タクとマイはお互い目を合わせ、話さずともテレパシーのごとく意志が伝わりあった。早くこの場から逃げよう、と。
だが、思いもよらぬ出来事が起きる。しかも二人からすると……不幸な出来事が。
ピリリリリリッ!!
「えっ?」
タクのポケナビから突然連絡が入る。普段なら連絡が来たところで何も悪いことなど起きはしないだろう。だが、この絶対に大きな音を出してはいけない場面だ。そこで……悲しいかな、大きな音が鳴ってしまった。
「……おい」
「……わかってるわよ」
二人は腰のボールに手をかける。既に、焦りなどから手汗でベトベトだ。
「逃げろぉぉぉぉっ!!ピジョンッ!!」
「助けてぇぇぇ!!ホーホー!」
手持ちの飛行ポケモンで、何とかその場からの離脱を試みようとする。……が、
「まずいまずいっ!!口にエネルギー溜めてる!」
「破壊光線が来るわ、ホーホー、もっとスピードを上げて、お願いっ!!」
既に攻撃態勢に入っているボーマンダ。恐らく、このまま逃げていても破壊光線の射程圏内であろう、そう二人は最悪の展開を考えた。
「くそっ、やられ……ッ!?」
思わぬ展開が起きたのだ。それはやられる事を予想していた二人にとっては、僥倖と言えるような事だ。
何故かはわからないが、ボーマンダからの攻撃が来ないのだ。それどころか……スパァァァンッ!!といった思い切りのいい音が響いたかと思えば、ボーマンダがズゥゥゥン、と崩れ去る。
「どういうこった……!?」
「わからな……ッ!?見てっ、あそこ!!」
マイはその異変の直接の原因かどうかはわからないが、ボーマンダの近くにいるものを察知した。
……さて、これはスカイ団員に限ったことではないが、幹部下っ端含め全てのポケモンをある程度認識する、ということを組織では行っている。これは野生でもトレーナーのポケモンでも、すぐに状況判断が出来るようにというものだ。
例えば、ボーマンダを例に挙げよう。ボーマンダは近距離からでも遠距離からでも相当の破壊力を持ち、スピード、守備力も共に申し分の無いものを持つポケモンである。幹部クラスはともかく、下っ端となると遭遇した場合は無理に攻めずに様子見、最悪撤退してもよいというのが基本のセオリーだ。
一般的なポケモンから、伝説級の珍しいポケモンまである程度の知識を団員たちは持っている。そうでもしなければ、自分の身が危ないからだ。
だが今回、マイが見たポケモンとはイレギュラーすぎるものである。情報が少なすぎるために、セオリーが通用しないポケモンだからだ。
「あれは……ミュウ!?」
「ッ!?何でこんな所に!?ボーマンダは、あのミュウと戦っていたということなのか……!?」
何故?といった疑問が二人の中で芽生える。それは当然だ、ミュウなんて生きているうちに見られたらかなりレアと言われるくらいで、そもそもどこに生息しているのかすらわからないのだから。
そんな疑問を持ちながら、二人は必死にその場から撤退していく。
~~~
『んー……』
ミュウにとっては珍しく少し困惑していた。まさかこの場所をこの時間帯に見られるとは思ってもいなかったからだ。……だがそのおかげで、勝手にそっちに注意力が行ったボーマンダを呆気なく仕留める事が出来たわけではあるが。
『……ま、いいかな?』
でもそこは普段から適当に生きているミュウ、あっさり流した。
『いやー、それにしても……こんなに気持ちよく攻撃が当たるなんて……普通だったらこんな技、当たらないよ?』
ミュウが何をしたのかというと……テレポートでエネルギーを溜めていたため隙だらけのボーマンダの背後に回りこみ、超能力で作ったサイコハリセンで頭部めがけて思い切りスパァァァンッ!!である。
その結果、ボーマンダは一撃で伸び、今の状態である。
『勝っちゃったはいいんだけど……うーん、良く考えたら気絶してるんじゃ意味ないや。ボクも眠くなってきたし……ふあぁぁ、リョウスケのボールに運んでボクもどっかで寝よう……』
何だかんだで、時間も過ぎてミュウも疲れているのだ。早く寝るためにさっさとしなきゃ、何で勝ったボクが何て愚痴をもらしながらもテレポートでボーマンダを運びながら移動する。
~~~
「はぁ……はぁっ」
「い、生きた心地がしないわ……」
必死に逃げてきたため息も絶え絶えのこの下っ端二人、ボーマンダとミュウのいた場所からかなり離れた所の地面に腰を下ろしている状態だ。
「何で……あんなピンポイントなタイミングで連絡が来るんだよぉ……」
「で……誰からだったのよ?結局は」
「ん?……ああ、まだ確認はしてなかった。……あー」
タクのポケナビに表示された名前は……ショウ。自分の部隊の幹部の名前だ。
「誰よ?……ああ」
「もうやだ……この人……」
何にせよ自分の上司から連絡が来ていたのだ。こちらから連絡をし直さなくてはいけない、とタクは嫌々ショウへと連絡を入れる。
「もしもし……ショウ様でしょうか」
「ん?おお、タクか!こんな深夜でお前らのテンションが下がっててもあれだからな、俺が励ましにと連絡をしたんだが」
「こっちは……余計テンションが下がりましたよ……」
「ん?それは悪かったな。何かあったのか?」
タクははぁー、と大きなため息をついた。それでも一応状況報告はしなくてはならない。自分の幹部であるショウに、任務中にボーマンダに遭遇して大変なことになったことを報告した。
「なにぃ!?ボーマンダがいたって!?」
「はい、それでこっちは逃げるのに必死で……もう大変でしたよ」
「そうかそうか、お前らでは荷が重いだろうしな。ま、生きてて何よりだ」
「はぁ……ありがとうございます」
「しかし、お前らの報告を聞く限りではやっぱり楽しそうだな。深夜にそんなハプニングがあるとは!」
「……今の報告で俺たちが楽しそうに感じるなら、それは頭が逝っていると思います」
「……おい、それは上司に対する口の聞き方じゃないだろ」
こいつもうダメだ、とタクは上司に思いながら報告をしていく。すると横で聞いていたマイが、タクに一言告げる。
「ねえ、ボーマンダもそうだけど……あのこと言わなくていいの?」
「ん?何か俺報告足りないところあった?」
「あー、じゃあポケナビ貸して。……もしもしショウ様、電話代わりました」
「おお、マイか!お前も生きてて何よりだな」
「お気遣いありがとうございます。……実は私たち、ボーマンダ以外にも見たものがあるのです」
「ん?何だ」
「あの……にわかに信じがたい話ではありますが……見たんです」
「見たってなんだ、お化けでも見たのか?」
アハハ、と笑いながら電話をするショウ。だがマイから来た報告は、自分の想像をはるかに超えた報告であった。
「あの幻のポケモン……ミュウを」
「……は?マジで言ってるのか?」
マイの横であぁー、と一言漏らすタク。電話の相手であるショウも、先程とは違ったトーンの声になった。
「……何か、証拠的なものはあるか?写真とか」
「すみません、逃げるのに必死でしたので……そのようなものは」
タクもマイもそんな余裕はなかったため、決定的証拠を撮ることなどは出来なかった。
「んー、そうか。だったら報告とかは別にしなくてもいいかなー」
「……面倒くさいからでしょうか?」
「違ぇよ!俺だって報告くらいちゃんとするわ!……ほら、そんな滅多に無い話、見たんだよ!って言われて信じる奴なんてそんなにいないだろ?いや、別に俺が信じてないわけじゃないんだけどさ」
あぁ、なるほどとタクとマイはうなずく。証拠があるならまだしも、一生の内に見られれば凄いってレベルだ。それを見た!って言われるだけじゃ月にウサギがいたんだよ!って言うくらい信じるのは難しい話だろう。
「ま、とりあえずのところはわかった。報告お疲れ、お前らは休んでていいぞ」
その言葉を聞いてマイはピッ!と通話終了ボタンを押す。そしてタクにどうも、と一言告げてからポケナビを返した。
「はぁー、散々な一日だったな」
「そうね、でも何とかなったから結果オーライじゃないかしら?……さ、私たちも身体を休めましょう。さすがに疲れたわ」
下っ端二人も取り敢えずのところ任務を終了させ、あらかじめ取っておいた宿に戻り身体を休めることに。
~~~
時刻は朝を迎え――――ホウエン地方のとある場所、スカイ団アジト。
「……んっ!ふわ~あぁ……」
ここで一人の男が目覚める。スカイ団幹部の一人、ショウだ。
「……さってと!俺もアルトマーレに向かわなきゃな。それにしても、ミュウとはなぁ……マジで言ってるのか?あいつら」
任務の途中に会えたらいいなー、何てのんきなことを考えるショウ。そして腰のボールに手をかけ、何かのポケモンを出す。
「っし!今日も頼むぜ相棒!」
そのポケモンは翼を広げ、そしてショウはそれに掴まりアルトマーレに向かって飛んでいく。
動き出すスカイ団の団員達。これからアルトマーレに、何をもたらしていくのか。
最近はちょっとずつですが一話の文字数が増えてきた感じです。
序盤は2000字くらいだったのが、最近では4000字くらいにはなるようになってきました。これがいいことなのか、悪いことなのかはわかりませんが(笑)
増えてきたことに伴い、やっぱりちょっと更新が遅れちゃったりすることがありますねー……皆さんは更新早くて文字数少なめ、更新遅くて文字数多め、どっちのほうがいいんでしょうかね?(特に文字数が増えたからって文才が伸びた、とかではないです。間違いなく、ないです)
ちなみにこの話は、6800字程度っぽいです。