(こうしてバトルで対峙すると威圧感が凄いっ……!あれは見た目的に恐らくドラゴンタイプのはず、クチバで出会ったワタルのドラゴンポケモンも凄い圧力だったけど……同じくらいのプレッシャーだ)
イエローは目の前のボーマンダを見てそんな感想を思い浮かべる。
ボーマンダは元々、全ポケモンの中でもかなり優れている部類に入るだろう。さらに、リョウスケと共に過酷な特訓を耐え抜き、達成したこのボーマンダの実力はまだ戦っていないイエローですら何かを感じるほどに高い。
(だけど……怯んでなんかいられない!)
トレーナーの自分が怯んでいてはポケモンも力を出せない、だからボクがしっかりしなきゃ駄目なんだ、と戦う意志を強めるイエロー。
「ゴロすけ、いくよ!岩落としだっ!」
指示通りに大量の岩をボーマンダの上に降らすゴロすけ。
当たるかはわからないけど、恐らく動きを制限することは出来るだろうとイエローは考える。……だが
「ボーマンダ!岩をかわしつつ合間から火炎放射!」
『そんなことは朝飯前だっ!おらぁ!』
「なっ、早……!」
何と狭い隙間を避けながら火炎放射を放ってきたのだ。岩を投げたばかりのゴロすけは動くことが出来ず……
ゴォォォッ!!
「ゴロすけっ!」
まともに食らい、戦闘不能となった。
「……お疲れ、戻れゴロすけ!」
(スピードもそうだけど、パワーも凄い……!ゴロすけは炎には強いはずなのに、一撃でやられた)
イエローの手持ちの中ではゴロすけが最も耐久力に優れている。それが一撃で沈められた……つまり、
(ボクの手持ちのポケモンじゃ、一撃食らうだけでアウト……だったら避けるしかないけど)
その時、イエローのボールの一つから強い意志がイエローに伝わる。
(ピカのボールから強い思いが……!?ピカ、戦いたいのかい?)
コクリ、とボールの中のピカが頷く。
(そうだね……ピカのスピードならボーマンダの攻撃にも対応できるはず!)
「行きますよ、リョウスケさん。これがボクの今の切り札です!」
ボンッ、と勢いのある音からピカが繰り出される。
バチバチッっと頬から電気が漏れ出るくらい、やる気は十分のようだ。
(何かわからんが……このピカチュウは今までのポケモンとは違う。イエローが切り札って言うだけのことはあるか)
「ボーマンダ、油断せず押し切るぞ!竜の息吹っ!」
「ピカ、かわして!」
ゴオォッ!!っとボーマンダのブレス攻撃が相手を捕らえようとするが、それを俊敏にかわしていくピカ。
『ちっ、ちょこまかと……!』
「ボーマンダ、カッカするな!」
ピカの細かい動きにだんだん苛立ちが溜まってくるボーマンダ。イエローはそれを見て今が好機!とばかりに指示を出す。
「チャンスだよ、ピカ!電磁波で動きを制限するんだ!」
『ピィカァァッ!』
『ぐあっ!』
「くそっ……!麻痺か」
バチバチッ、と弱い電流がボーマンダに流れる。ダメージこそ通っていないものの、身体が麻痺してうまく動けなくなったようだ。
イエローは電磁波が通ったことによしっ!と小さくガッツポーズする。攻撃を避けているだけでは勝てないので、ピカの攻撃を通すための準備として素早いボーマンダの動きを止める必要があったのだ。
……だが、
「おい、ボーマンダ大丈夫か!?」
『ああ、むしろ……動けなくなったことで冷静になれたぜ』
麻痺状態はボーマンダの興奮状態を覚ます、という点でも有効だった。
一方イエローは相手の動きを封じたと思い、ここが好機とばかりに攻撃の手を緩めない。
「ピカ、今が押し切るチャンスだ!電気ショック!」
バリバリバリッ!と先程よりも強い電流がボーマンダに襲い掛かる。動けないボーマンダは技をまともに食らってしまう……が、
『避けられないのなら……耐えるだけだぁぁ!』
ガアァァァァッ!と雄叫びを上げながら必死に耐える。
『そんな攻撃、効か……ねぇ!』
否、実際にはそれなりのダメージが通っているのだがまるで全くダメージが通っていないかのごとく振舞う。言わば、やせ我慢のようなものである。
……だが、その全く動じない素振りと揺るがぬ眼光は相手を怖気づかせるには効果はあった。
(そんな……ピカの電撃を受けてもダメージが通っていないなんて!)
「(躊躇った、今がチャンス!)ボーマンダ、火炎放射!」
一瞬の隙を突き、リョウスケが指示を出す。
「(まずいっ……!?)ピカ、かわすんだ!」
高威力の炎がピカを襲う……!
『ピィ……カァ!?』
『……ちっ、仕留め損なった!』
麻痺のためわずかに攻撃の始動が遅れたため、炎が直撃はしなかった。しかし、ピカも初動が遅かったのでわずかに掠ってしまい……
『ピィ、カ……』
(掠っただけでもこのダメージ……直撃してたら一発でアウトだった……!)
かなりのダメージを負うことになってしまった。
……だが、ダメージがあるのはピカだけでは無く
『……ぐっ!』
「ボーマンダ!(やっぱさっきの電気ショックのダメージは確かに通ってたか……こっちも体力がそこまで残ってないな)」
『あのピカチュウ……思っていた以上に電気の質が高い』
「なるほどな……それだけ鍛えられているってことか」
電気ショックをもろに食らっていたボーマンダも同様だった。
「(向こうのピカチュウも今のでかなりのダメージを負っているはずだ……だったら相手の攻撃のタイミングにフルパワーのでかい一撃をぶつける!)ボーマンダ!」
「(さっきは全くダメージを受けていない素振りを見せていたけど、今の様子を見る限りやっぱりダメージは入っている……なら、相手の攻撃のタイミングにピカの最大の一撃をぶつける!)ピカ、フルパワーで行くよ!」
両者共にこの展開では早期決着が望ましいという結論を出し、自身のポケモンが持つ最大の一撃を指示に出す……!
「MAXで破壊光線だぁぁぁ!!」
「10万ボルトぉぉぉ!!」
『お……らぁぁぁぁぁ!!!!』
『ピィ……カァチュウゥゥゥ!!!!』
ガァァァァァァン!と両者の一撃がお互いにぶつかり合う……!