「ぜえっ、ぜえっ・・・。」
仰向けになって、荒く息を吐く。目の奥がチカチカして、頭が痛くて、なんだか少し気持ち悪い。
「大丈夫か?」
聞き慣れた声がして、頭を無理矢理動かすと、カーキ色の足が見えた。なんとか首を横に振ると、目の前にペットボトルが差し出された。受け取り、必死になって飲む。
「全く・・・。無理をするなといつも言ってるだろう?」
「・・・しかし、父上がおっしゃられたメニューを、しっかりこなさ
なくては・・・。」
水を流し込みながら反論すると、ため息が降ってくる。
「休憩しながら、な。それに、体調が悪いときはしなくてもいいと言
ってあるぞ?」
「う・・・。」
「お前は真面目で、頑固なところもあるからな。そう頑張り過ぎる
な。」
そういなされると、何も言えなくなってしまう。やはり、鍛練だけではだめだ。勉学もしっかりしなければ・・・。
「そういえば父上、その格好ということは・・・?」
「ああ、すまない。またしばらく出張だ。」
その言葉に、思わず俯いてしまう。こういうことは、今まで幾度となくあって、もう慣れたと思っていたのに・・・。
「・・・、──。」
父上に名前を呼ばれ、弾かれたように顔を上げた。父上は・・・、ニヤニヤと笑っていた。
「淋しかったらいつでも言いなさい。お前は甘えん坊の癖に、よく強
がるからな。」
それから、くしゃりと頭を撫でられた。頬が赤くなるのが、自分でも分かる。
「わ、わかりました、父上・・・。」
どもりながらそう言うと、父上はやっと普通に笑った。
「それならいいんだ。・・・それじゃあ、行ってくるぞ。」
「はい!気をつけて!」
仕事に行かれる父上を、僕は姿が見えなくなるまで見送った。
でも
父上は
帰ってこなかった。
あれから、どれほど経ったろうか?独りの俺に、手を差しのべる者など、いなくて。いつまでも、いつまでも、満たされない。
(でも、でも。)
これで、全部終わるよね?
踏み出した。終末への一歩目。さようなら、大嫌いな世界。もう、戻ることはない。
鏡を見る。いつもより少し、濁った目。
「・・・さようなら。」
空っぽの部屋に、呟いた。
設定
忌夜→身長:177㎝ 体重:64㎏ 体型:細身 武器:双剣 性別:男性
容姿:黒髪・茶色の瞳 性格:冷徹・一匹狼
一人称:俺(上司達の前では「自分」)
総務課→忌夜が特務室に派遣される前に勤務していた部署。純粋な鬼達だけが勤務している。基本的には書類仕事を行い、時折討伐任務にも赴く。つまり、実力もない癖に斬島達(元亡者の獄卒)を見下すクズ共。
どうも、初めまして!RUIKAです!pixivでは「ルイカ」というユーザーネームで活動しています!
こちらでは今回が初投稿の小説となります。誤字脱字等ありましたら、教えていただけると嬉しいです。とりあえず、自分なりに頑張っていこうと思います!
さて、今回のプロローグでは、メインとなる獄卒達(原作の獄卒の皆さんですね)は登場しませんでしたが、主人公の過去をひもとく重要な鍵・・・、と言えるかどうかは微妙ですが、それに近いものになります。申し訳程度に覚えていただけると幸いです。
それから、ちょっとした注意(?)です。
①オリキャラが主人公ですが、オリキャラ視点の話はほとんどないと思います。(主人公視点の話がないって結構異様ですね・・・)
②更新は不定期です。
そして次回は、いよいよ原作の獄卒の皆さんが登場しますよ!