「今日からしばらく、仲間が一人増える。」
執務室に集まった俺達を見て、肋角さんはなんの前触れもなくそう言った。
「・・・しばらくということは、派遣ですか?」
そう尋ねたのは、最初に驚きから回復した木舌だ。
「うん。今日から三ヶ月間、ね。そろそろ到着する頃だよ。」
災藤さんがそう言ったタイミングで、
コンコン
執務室の扉がノックされた。
「失礼いたします。閻魔庁から派遣された者ですが、特務室長
官の、肋角殿はいらっしゃいますか?」
「ああ、入ってくれ。」
肋角さんが許可すると、音もなく扉が開く。その向こうには、茶色の目に黒髪をした男が立っていた。背丈は、佐疫と同じ位だろうか。田噛と似たような顔つきをしている。だるそうな雰囲気は全くしないが。
「失礼します。本日より閻魔庁から特務室に派遣されました、
「忌夜」と申します。よろしくお願いいたします。」
よく通る声で、彼──忌夜は自己紹介をした。腰に双剣がぶら下がっているので、おそらくそれが武器なのだろう。速さで勝負する敵とはあまり戦ったことがないから、ぜひあとで手合わせをしてもらいたいものだ。
「ああ、遠いところからよく来てくれたな。俺が肋角だ。」
「私は補佐官の災藤だよ。よろしく。」
「よろしくお願いします。」
忌夜は制帽を取って深々と礼をすると、視線を俺達に向けた。肋角さんにも目で促され、俺達も自己紹介を始める。
「ほーい!俺平腹!よろしくな!」
「・・・田噛。」
「谷裂だ。」
「俺は佐疫だよ。よろしくね。」
「俺は木舌。ねえ、ところで君ってお酒飲め──。」
「斬島という。よろしくな。」
酒を飲めるかどうか聞こうとした木舌を遮り、俺も自己紹介を済ませる。忌夜はしばらく俺達を見つめていたが、
「ああ、よろしく頼む。」
と言った。
「それじゃあ、お前達。忌夜に館を案内してやってくれないか?まだここに来たばかりだからな。」
「はい!」
肋角さんの指示に全員で返事をし、順番に執務室を出る。
「じゃ、行こーぜ!」
最後に平腹が、忌夜の手を引こうと手を伸ばすが・・・、
パシッ!
「!」
その手は跳ね退けられた。
突然のことに動きを止めるが、やられた当の本人はキョトンとしている。
「・・・すまない。反射でつい、な。」
「ん!いいって!だいじょぶ!」
「・・・そうか。」
謝罪した忌夜に対し、平腹は明るく対応したが・・・、
忌夜の声は、酷く、冷たかった。
どうも、ルイカです!早速本編更新しました!
今回、第一話は斬島sideです。基本は原作の獄卒side、ほんとに時々主人公sideにしようと思ってます。
そして、遂にオリキャラ、忌夜の登場。初っ端からちょっとツンツンしてますねー。(←自分で書いておきながら)
私は絵が下手なのでイラストをご用意することができません。大変申し訳ありません(;_;)双剣は、お好きな形のものを想像してください。
さて、次回はあのエンジェルsideです!プロローグに載せてない忌夜の経歴も、少し出てきますよー!