桜が咲き乱れると表現されやすいこの季節。最近は温暖化により桜が咲く時期もはやくなり、早く咲けば早く散る。昔の俺なら入学式に咲き誇る桜を見て、友達を百人作るだの部活は何部に入るだのという時代もあった、、、
俺の名前は比企谷八幡(ひきがや はちまん)、今日から高校二年生。今までと違い前日に眠れずということもなくすでに一年間通った学校に自転車で登校中だ…ほんとに眠れたんだからな。
さかのぼること1年前の文月学園(ふみづきがくえん)高等部の入学式、俺は楽しみであまり眠れず集合時間の二時間前には家を出ていた。そこで車にひかれそうな犬を助け全治二か月の入院で入学早々ぼっち生活の始まりになった。まあそれからもいろいろあったのだが、なんだかんだいって二年になろうとしている。
まあつまり俺が言いたいのは、、、、、この時期にロクなことがない
「おおー、比企谷。いつもどおりの目だな」
「おはようございます、平塚先生。なにしてるんですか?」
この人は俺の一年の時の担任で俺が所属している奉仕部の顧問である。ちなみに独身…誰か早くもらってあげろよマジで…
「なぜかものすごく殴りたくなったぞー、比企谷?」
なんでだよ。エスパーなの、この人
「それはともかく、私は生徒にに振り分け試験の結果を渡しているのだよ。ほら、若手はこういう作業が任せられるんだよ、若手は。向こうに西村先生もいるだろ」
げ、ほんとだ。あっちに俺が苦手とする鉄人…もとい西村先生がいる。なぜ鉄人かというと趣味がトライアスロンだかららしい。何で知ってるかって?…たまたま聞いたんだよ…
平塚先生の若手アピールも去年と変わらずある意味変わってないなと安心する。
「比企谷のぶんもあるぞ…ほら、なかを開けてみろ」
ふむ、いちいち渡さずに掲示板にでものせればいいものなのに…やはりこの学園は変わっているな。まあいい、それより俺のクラスはっと…何だこりゃ
「どうだ比企谷、Aクラスは無理でもBかCクラスぐらいは入れたんじゃないか?」
「いや、平塚先生…学園長室に来いって書いてあるんですが」
「なに?今までそんなことはなかったんがな。…まあいい、来いと書いているのだ。今すぐ行ってきてみろ」
ええー、せっかくなにクラスかわかったら部活終わりの戸塚に会いに行こうと思ったのに。ここの学園長は噂では妖怪ババアとかきいているし…。けどいかないとクラスわからないしな。
「わかりました、行ってみます…」
学園長室まで行きノックを数回して入る
「失礼します」
中に入ると、そこには偉そうに座ってる噂の本人であろうババア学園長の…藤堂カヲルだったかな?と学年主任の高橋先生が隣で立っている
「おや、きたかい…あんたが比企谷かい?噂通り目が腐っちまってるねぇ」
え、なに…俺の目が腐ってるのって学園長が噂で聞くレベルなの?なに、俺かげで悪口言われてるの?…有名人はつらいな~まったく、、、泣いてないからな。
「まあ、あんたもなかなかのかわりもんだねぇ…もうちょっとまってな、もう一人とっておきのバカがくるさね」
バタンッ
急に開いたドアからは金髪で顔もパッとしないがブサイクではなくむしろ顔立ちは整っていていかにも普通な「何の用ですか、ババア長」…前言撤回、恐ろしいほどの問題児みたいだ。
「いきなりババアとはなにさね、クソジャリ!」
うむ、やっぱり生徒が生徒なら教師も教師だな。
「まあいい、あんたら二人を呼んだのはクラスを伝える為だよ」
学園長がめんどくさそうに言うがそれはおかしい…
「それなら、学園の前で渡された紙に書いておけばいいんじゃないですか」
「そうですよ、なんで僕達をここにあつめたんですか!」
隣の問題児が俺の意見に賛同してきた。…いやお前はおそらくいつも問題を起こしてはここに連れられてきてるんだろ、あいにく俺はそれなりに優等生で先生に迷惑をかけるようなことはしてないはずだ。
「あんな振り分け試験の成績でよく言うねまったく。あんたら二人は特例だよ…吉井、とりあえずあんたは今年も『観察処分者』を続けてもらうよ、ちなみに当たり前だがFクラスさね」
「今年もですか!?というか当たり前はおかしいでしょ!!」
『観察処分者』…聞いたことがあるな、授業態度が悪く、素行不良で成績も学年最低のものが選ばれるという…噂だと思っていたんだが。
「学園長、それなら俺は呼ばれる理由はないと思うんですが…成績なら文系方面では学年のトップレベルです、数学を除けば…」
ほんと数学の科目っていらないよね?絶対みんな思ってるよね?、、、、俺だけか
「その数学が問題なのさ、これを見てみな」
そこに出されたのは比企谷と書かれた…俺の数学の答案用紙?おそらく振り分け試験の時のだろう。なんなんだ、さっぱり話が見えてこない
「これがなんですか…」
「言いにくいんだがね、……0点だよ」
、、、、は?…0点、確かに数学は苦手だが20点ぐらいは取れたと思ったぞ。…20点かよ。というかお前、あわれむような顔で肩に手を置くな、バカがうつるだろうが。
「まあ、化学や生物はともかく文系の科目はAクラスレベルなんだがね。一つの教科でも0点を取っちまうと…Fクラス行きなんだよ。残念だね~。」
「そんな、まじですか…」
Fクラス、学園の中でも最低成績者の集まる豚小屋だのゴミ部屋だのと言われている場所。いくら俺でもFクラスに行くことになるとは思っていなかった。実際数学の勉強はなにひとつしてないが、その分文系の科目で取ろうと思っていつもより勉強したのに。
やはり俺は思う。この季節にはろくなことがない、こんな事があの氷の女王に知られたらエフ谷君とか呼ばれそうでこえーよ…
「まあ、特例の二人はアタシのほうから話そうと思ってね、用はそれだけだよジャリ共。さっさといきな」
俺はこの日ほど自分の数学の成績をうらんだ日はない。…もしかするとあいつもFクラスなんじゃないだろうか。
俺がそんなことを考えていると隣の金髪問題児…吉井だったか?が挨拶してきた。
「同じFクラスだね。よろしく、えーと」
俺の名前がわからないのだろう。握手をもとめてくるが困ったような顔をしている、それにしてもこういう問題児やリア充はすぐ握手をしてきてコミュニケーション能力高すぎだろ。
「ひ、比企ぎゃやだ」…思わずかんじまったじゃねーか。
「うん、僕は吉井明久。よろしくね比企ぎゃや君」
いや、かんだことにきずけよ。これからずっとそう言われ続けるの?…なにやだ、いじめられてるみたいじゃん
「ほら、もういいからさっさと行きなジャリ共」
そういわれてFクラスに向かったのはいいのだが…Aクラスの前を通るとシステムデスクに最新のパソコンなど他にも生徒一人一人に渡される物ではないと思う。これならばFクラスも案外酷くないのかもしれない…
「…前言撤回だ」
「すごいねー、比企ぎゃや君」
吉井のバカさ加減は今はどうでもいいとしてなんだこれは…教室の中に入ってみるとボロボロの卓袱台に綿の入ってない座布団。すきま風の入るたてつけの悪い窓、、いくらクラスを分けると言えどやりすぎではないだろうか。
「ヒッキーー!」
まずいこの声は…
「ヒッキーもFクラスなの?私にバカバカ言ってたくせに人のこといえないし!」
このちょっとしゃべり方が残念なのは由比ヶ浜。去年犬を助けた時の飼い主であり俺が無理やり入れられた奉仕部の数少ない部員だ…バカだバカだとは思っていたがまさかFクラスレベルとは。……俺もFクラスだった。
そこで吉井が俺に親の仇のような目をむけてきたが…なんでみんなカッターもってるの?
キーンコーンカーンコーン
なんだかさえない先生が教室に入って来ると一斉にみんなが舌打ちをし、カッターをなおした。え、持ってない俺がおかしいの?
席はどこでもいいようなのでお気に入りといえる目立たない窓際に座ると隣に由比ヶ浜がついてきた
「はい、みなさんおはようございます。今日からFクラスの担任になる福原です。」
そういって名前を書こうとチョークを探すがなかったので諦めたようだ、さすがに学校としてどうかと思うが。
「先生、座布団の綿が入ってません」
「我慢してください」
「すきま風が寒いです」
「我慢してください」
「卓袱台の足が折れてるんですけど」
「我慢してください」
『できるかっつの!!!!』
クラスの声が一斉にそろう。ここでも社畜の魂、格差社会ってやつがあらわされているのか…やはり俺の目標は専業主夫だな。
「さすがにジョークですよ。みなさんにはこれをあげます」
そうやって置かれたものはなんと木工用ボンドだ。ほんとこの学校の在り方に頭が痛くなりそうだ。
「教卓が壊れたので替えを用意してきます。皆さんは自習していてください」
今から俺のこのFクラスでの1年が始まるわけだが、こんな危険人物が多いところで静かにやっていけるのだろうか…無理だな、うん
読んでいただきありがとうございます。
これからも読んでいただければ嬉しいです
それではまた…