デート・ア・ライブ-GOLD KIGHT GARO-   作:深淵騎士

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オリ主視点が多い作品にはなりますが何卒ご了承ください。


第一話 千牙

天宮市五河宅リビング―― 7:04

 

 

『先日の夜から佐々木早美さんは自宅には戻っておらず、行方が解らなく、何らかの事件に巻き込まれたとし警察が捜索している模様です。では次のニュースに―――』

 

 

「早美さんって近所の人だったよな……行方不明だなんて……」

 

 

流れているニュースを見て五河士道は表情を曇らせながら言う。するとバタバタと朝から騒がしい足音と共に

 

 

「おっはよう!お兄ちゃん!」

 

「朝っぱら元気だな……おはよう、琴里」

 

 

彼の妹、琴里が笑顔で居間にやって来た。琴里は士道の顔をみて

 

 

「お兄ちゃん何でそんな難しそうな顔してるの?」

 

「いや、別に……そうだ、昼前に晩飯の買い出し行ってくるけど……」

 

「何時ものチュッパチャップス!」

 

 

予想通りの言葉が来たことにより、軽い溜め息混じりで苦笑しつつ。

 

 

「わかった、買ってくるよ。琴里は昼に予定有るって言ってたよな?」

 

「うん、ご飯は要らないよー夕方には帰ってくるから」

 

「そっか……さて、今日の特売品はっと……」

 

 

士道は最寄りのスーパーのチラシを見て、今晩の夕食を決めるのであった。

 

 

 

天宮市商店街―― 9:04

 

 

 

家を早めに出て商店街へと到着した士道、食材が書かれたメモを片手に街を歩いていく。今日は日曜日というだけあって人の数も少し多い。

 

 

「明日は新学期か……準備しないとなぁ」

 

 

ぼそりと呟き、交差点へと。数人共に横断歩道を渡り、士道が最後の白線を越えると信号機が点滅しだす。ふと道路を見るとぬいぐるみが落ちている。

 

 

「あー!」

 

 

士道の隣にいた子供が繋いでいた母親の手を離しぬいぐるみへと駆けていった。だが信号機は既に赤、母親は青ざめ

 

 

「シュン!」

 

 

子の名を叫び連れ戻そうとするがもう遅い、子は横断歩道の中心へと。ぬいぐるみを拾い上げ満足そうに笑む、そしてその子へと一台のトラックが迫っていた。

 

 

「危ない!!」

 

 

士道も思わず大きな声をあげ駆け出そうとする。加速しているトラックは止まることなく、恐らくはブレーキも間に合わないだろう。誰もが助けに行くことが出来ない、誰もが幼い命が目の前で散ってしまう……そう思う絶望的な状況であったが。

 

 

「……あれ?」

 

 

トラックが過ぎ去ったが、ぶつかった音も聞こえない、横断歩道には子供が当たった痕跡もない。一体何が起こったか解らなかったが、一人の発した声で我に帰る。

 

 

「大丈夫か」

 

 

直ぐ側に子供と同じ目線にしゃがみ、頭を撫でている青年が居た。母親は慌てて子の元へと行く。

 

 

「シュン!」

 

「ママぁ!」

 

 

ようやく状況を理解できたのか、泣きながら子は母親に抱きつき母親も子を抱き締める。母親は青年の方を向き何度も頭を下げ。

 

 

「ありがとうございます!おかげでシュンが助かりました!」

 

「……あんたにとって大切な命だ、しっかりと手を握ってやれ」

 

「はい!本当にありがとうございます!」

 

「お兄ちゃん、ありがとう!」

 

 

一つの小さな命が青年の手によってすくわれた、その事実に周りから拍手が起こる。母親はもう一度頭を下げると子を連れて行った。青年は煩わしそうに立ち上がり、士道の横を通りすぎていく。真っ白なコート、三角形の特徴的なエンブレムのついたその背中が見えなくなるまで士道は見つめていた。

 

 

「……誰だったんだろう、あの人」

 

 

何か普通の人間とは違う、士道はあの青年からそんな気配を感じていたのだ。先程の騒ぎが収まり、周りの人が動き出したことに気づいた士道は

 

 

「おっと、買い出しいかないとな……」

 

 

スーパーへ向けて移動を開始した。

 

 

 

 

 

 

冴島邸―― 10:14

 

 

街から離れた木々に囲まれる大きな屋敷、玄関にて箒で落ち葉を集めている老人が。そしてその老人に近づく人影が。

 

 

「ただいま、ゴンザ」

 

「へ?……おぉ……!千牙様!」

 

 

倉橋ゴンザは箒を思わず落とし、青年に近づく。

 

 

「お帰りなさいませ、千牙様……お久しぶりで御座います」

 

「ああ、6年ぶりだな」

 

「そうで御座いますね……彼方での生活は如何で御座いましたか?」

 

「悪くはなかった……けど、ゴンザの手料理が食べられないのが欠点だったな」

 

「はっはっは、左様ですか。今晩は滞在なさるので?」

 

「俺がここの管轄を任せられることになった、ずっと家に居るよ」

 

「おお!それは何よりです!では、今夜の夕食は腕によりを掛けて作らせて頂きます」

 

 

非常に喜んでいるゴンザに釣られ青年、冴島千牙も微笑む。

 

 

「楽しみだ」

 

「ささっ、千牙様お屋敷へ。まずは紅茶をお入れ致しましょう」

 

 

頷き、玄関へと千牙とゴンザは入っていた。

 

 

 

冴島邸・ダイニングルーム―― 10:31

 

 

「なるほど、そう言うことでしたか……」

 

「まだ確認はしていない。明日、番犬所に行ってくる」

 

 

ゴンザが淹れてくれた紅茶を千牙は一口、ふっと笑み。

 

 

「ゴンザの淹れた紅茶が一番だな……」

 

「そう言って頂けると嬉しいですなぁ」

 

 

千牙はカップを置き

 

 

「最近この地域で空間震が頻繁に起こっているらしいな」

 

「はい、幸い屋敷近辺には……」

 

 

椅子から立ち上がり千牙は窓から空を眺める。

 

 

「空間震……原因は不明、空間の地震と称される突発性広域災害……空間震が起きた場所には建物も人間すらも跡形もなく消滅。残るのはクレーターのみ……か」

 

「恐ろしいものです、自然災害に対しては人間は無力でしょう……」

 

「確かに、な……ッ!!」

 

 

突然千牙は身構え、自分が眺めていた窓を鋭い眼光で見すらえる。ゴンザは慌てて

 

 

「どうかなさいましたか?」

 

「いや……何かが此方を見ていたような……」

 

「なんと……!」

 

 

ゴンザも窓の外を見る。しかし何時もと変わらない景色である。千牙は警戒を解きゴンザの方を向く。

 

 

「すまない、俺の思い過ごしかもしれん……」

 

 

再び外に視線を移した千牙。だがそこから見える景色には一切の異変はなかった……。

 

 

 

 

 

 

???―― 10:37

 

 

「一瞬とはいえ此方に気づくとは流石ですわね」

 

 

黒髪を両方で結った少女が目線の先、窓越しに見える千牙を見て言う。

 

 

「ようやく見つけましたわ……私の愛しい騎士様……」

 

 

 




人々が恐れる絶対的な物って何かわかるか?
人の手では全く歯が立たないし予想も出来ない。
人間以上に気まぐれで迷惑な物さ。
次回、『接触』
だが俺達が会うそれはもっと厄介な存在かもしれないぜ。
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