12月中旬。比企谷と付き合い始めて1ヶ月とちょっと。
世間はクリスマスの雰囲気が漂いあたしもそわそわしていた。
かおり「もうすぐクリスマスだねー。」
沙希「そうだね。ってうかかおり当たり前のようにウチにいるよね。」
かおり「何?邪魔だって言いたいの?」
沙希「そうじゃないってば。」
かおり「いーなー!彼氏持ち様は余裕で。あたしはクリスマス過ごす相手なんて居ないってのに。」
沙希「もう。そういう言い方やめてよね。」
かおり「で?クリスマスはどうするの?」
沙希「人多いところ比企谷苦手だからウチでクリスマスパーティしようかなって。」
かおり「ふーん?するの?」
沙希「…!?」ビクン
沙希「な、何を…?」
かおり「えっち。」
沙希「す、する訳ないじゃん!!」
かおり「しないの?クリスマスなのに。」
沙希「だ、だってキスだってまだなのに…。」ゴニョゴニョ
かおり「え…。マジで?付き合ってるんでしょ?」
沙希「そうだけど…。そんな雰囲気っていうか機会もないし…。」
かおり「じゃあクリスマスに初チューだね。」ケラケラ
沙希「む、無理だって!」
かおり「したくないの?キス。」
沙希「……すごくしたい。」
かおり「正直でよろしい!」ケラケラ
沙希「ね、ねぇ?どうしたらいいかな?」
かおり「ガーッって押し倒してブッチューってすればいいんだよ。」クスクス
沙希「ハードル高すぎでしょ…。」
かおり「勢い余って変なことしないでよ?あたしの部屋真上なんだからさ。」
かおり「そんなに壁分厚い訳じゃないから沙希の喘ぎ声とか聞こえても困るから。」
沙希「だ、だからしないってば!」
もうすぐクリスマス。いろいろと期待してしまう。
あんまりまだ付き合った感がないからイチャイチャしてみたいな。
比企谷嫌がるかな?軽い女に見られたら嫌だな。
でもクリスマスなんだし少しくらいいいよね?
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クリスマス当日。
朝から部屋を綺麗に掃除してメイクも髪も服装もばっちりオッケー。
少し緊張しつつ比企谷の部屋をノックする。
沙希「お、おはよ!」
八幡「おはよう…。」
沙希「ど、どうかな?変じゃない?」
八幡「あー…なんだ。その…。か、かわいいと思う。」
沙希「…あ、ありがと。///」カァァ
沙希「じゃ、じゃあパーティの買い出し行こっか?」
八幡「おう。」
今から二人で夜のパーティ用の買い出しだ。
いつものスーパーではなく少し離れているけどショッピングモールへと足を運ぶ。
たぶんこれが初デートって言ってもいいのかな?
沙希「なんか照れるね…。」
八幡「べ、別にいつも通りでいいじゃねぇか。」
沙希「そうだけどさ…。見て?クリスマスだからカップルばっかり!」
八幡「人多すぎだろ…。」
沙希「またそういうこと言う!あたしたちもその中の一組なんだからね。」
八幡「へいへい。」
沙希「もっとしゃきっとして!は、初デートなんだから!」
八幡「お、おう。」
あたしたちはモールをぶらぶらしながらクリスマスのちょっとした飾り付けを買ったり食材を買ったりと楽しんだ。
クリスマスプレゼントは今回はお互い無しにしようって方向になっている。
お互い経験不足なので恐らく相当悩まないといけないから話し合いの結果そうなった。
沙希「よっと。食材もこれでオッケーだね。帰って準備しよっか?」
八幡「ん。袋持つよ。」
沙希「じゃ、1つお願い…。」
八幡「いや。二つとも持つ。」
沙希「1つでいいってば!」
八幡「別に重くないから構わん。」
沙希「そうじゃなくって…。その…。」
八幡「なんだよ?」
沙希「お互い1つずつ持てば片手余るじゃん…?」
八幡「そうだな?」
沙希「あの…。手…つなぎたいなって…。///」
八幡「!?」
沙希「だ、だめかな?」
八幡「ダメ…じゃねぇけど。」
沙希「ほんとに?じゃ、じゃあ…はいっ。」
八幡「おう…。」ギュッ
沙希「…。」
八幡「…。」
沙希「て、照れるね。///」
八幡「そ、そうだな。」
うわー!うわー!なにこれ!?すっごい恥ずい!!
でもめちゃくちゃ幸せなんですけど!
帰りの道中はずっと心臓がバクバクしてた。
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沙希「じゃーん!できたよ!」
八幡「すっげぇご馳走。」
沙希「じゃあ、ジュースだけど乾杯!」
八幡「乾杯。」
初めての二人でのパーティ。
比企谷はおいしそうに食べてくれるしとっても楽しかった。
ケーキも食べていっぱいおしゃべりもして幸せすぎる時間を過ごせた。
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八幡「あ、こんな時間か…。俺そろそろ…。」
沙希「あ。帰る?も、もう遅いもんね…。」
ダメだ。この前かおりとあんな話ししたから変な気持ちになってる。
キスしたい。ダメかな?嫌われちゃうかな?
でも抑えきれない。
八幡「じゃあ今日はありがとな。」
沙希「ねぇ…。」
八幡「ん?」
沙希「やっぱりプレゼント欲しいんだけど…。」
八幡「なんか欲しいもんあったのか?言ってくれりゃ今日モールで買ったのに。」
沙希「そういうんじゃなくて…。」
八幡「…?何かわからんが今度見に行くか?」
沙希「あの…その…。」
八幡「なんだ?はっきり言わんとわからん。」
覚悟決めろあたし。
沙希「んっ…。」クイッ
あたしは目を閉じ唇を比企谷に向ける。
八幡「お前…まさか。」
沙希「お、お願い…。」
八幡「いいのか?」
沙希「…。」コクン
八幡「じゃ、じゃあ…」チュ
沙希「あ…。」
すごい。キスってこんななんだ。
幸せな気持ちでいっぱいになる。
すごく満たされていく。
沙希「…。」
八幡「ど、どうだった?」
沙希「ん…。良かった…。」
八幡「そ、そうか…。」
ダメだ。もう止まらない。
沙希「ねぇ。あたしもプレゼントあげる…。」
八幡「え?」
沙希「ほ、欲しかったら今日泊まっていって…///」カァァ
八幡「川崎…。」
沙希「どうする…?」
八幡「わかった。泊まる…。」
沙希「ん。じゃあ布団行こっか。」
今日のあたし変だ。こんな大胆なことするなんて。
クリスマスだから?ううん。比企谷が好きだから。
だからいいよね?
沙希「あ、あの比企谷…?」
八幡「な、なんだ?」
沙希「あの…上にかおりがたぶん居るからさ…。」
八幡「おう…。」
沙希「一応声とか気を付けるつもりだけど…。比企谷も大きい音とかたてないでもらえたら助かる…。」
八幡「わかった…。」
沙希「そ、それと!優しくしてくれたらもっと助かる…///」カァァ
八幡「善処する…。」
沙希「あっ…。」
こうしてあたしたちの初めてのクリスマスは終わった。
1年前のあたしはまさかこんなクリスマスになるなんて想像できなかっただろう。
あぁ。今までやってきたことは無駄じゃなかった。
こんなに幸せな1日を送ることができたんだから。
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かおり「で?昨日はどうだったのよ?」
沙希「どうって何がよ?」
かおり「比企谷とどうだったのって話し。」
沙希「べ、別にかおりが聞いて喜ぶようなことは何もなかったってば!」
かおり「ふーん?あんなに声荒げてたのに?」
沙希「!?!?」
沙希「う、嘘っ!?あたしちゃんと気を付けたんだから!!」
かおり「え…まじで?冗談のつもりだったのに…。」
沙希「だますなんてひどい!」
かおり「別に怒ってないって!」ケラケラ
沙希「…。」
かおり「でも沙希すっごい幸せそう。」ニコッ
沙希「うん。勇気出して告白して良かった。」
かおり「なんかあたしも嬉しいよ。」クスクス
かおり「お幸せに沙希!」
沙希「ありがとう。」ニコッ
これから先いっぱい嬉しいこと辛いことがあると思う。
でもあたしはその全てが待ち遠しい。
比企谷と一緒ならどんなことがあっても大丈夫な気がする。
楽しみだな。あたしたちはどんな風になっていくんだろう。
いつまでも二人で歩いていけたらいいな。
神様。素敵な素敵な青春をありがとう。
Fin
読んでくださった方ありがとうごさいました。