魔法少女リリカルなのは Vivid Dream Fighters 作:ライジングスカイ
リオとヴィヴィオの激闘から数日
すっかり元気になったリオは聖王教会を訪れていた
「すいません、手伝っていただいて」
何かの資料らしきものを運ぶディードの少し手前には同じように資料を運ぶリオの姿
「いいのいいの、これも練習、実家でもよくこういうことはしてたんだしさ」
「ですが先ほどまで基礎練習をされていましたよね?もう少しゆっくりされても………」
「だめだめ、そんなんじゃヴィヴィオ達に置いてかれちゃうもん、だからディード、もっといろいろ教えてほしいんだ」
すっかりいつも通りのリオの様子に微笑むディード
「では、これを運んだら私の部屋で少しお茶をしてから、また練習を始めましょう」
「はーい!あ、そういえばさ、シャンテどうしてる?」
リオの質問のディードはいったん足を止め近くの壁に掛けられた時計を見た
「そうですね………もうすぐお茶の時間ですから、おそらく騎士カリムのところに、気になりますか?」
「気になるよー、だってヴィヴィオの次の対戦相手でしょ」
「そうでしたね」
リオの言葉に微笑みながら再び歩き始めるディード
シャンテはというと騎士カリムのもとへお茶を運んでいるところだった
「失礼します………あ!」
シャンテが扉をあけると先ほどまで巡礼ツアーに出ていたシャッハとセインが騎士カリムと何か話しているところだった
「もしかして………お取り込み中だった?」
「大丈夫だよシャンテ、ちょうど終わったところだから」
そう言ってセインは近くのソファに腰掛ける
「じゃあお茶を………ってヤバ、カップ2つしかないじゃん、すいません、すぐ取ってきます」
そう言ってあわてて部屋を出ていくシャンテ
その様子を見ていた騎士カリムはわずかに笑うと
「ねえ、そういえばシャンテの次の相手ってヴィヴィオだったわよね」
「え?ああ、インターミドルですね、はい、確かに」
「記録映像見たけどすごかったよー、ヴィヴィオの一回戦、シャンテも気合入りまくり」
「でしたら………」
「えっと、こんなもんかな」
シャンテが食器棚から新しいカップを取り出していた
同じころディードも自室でリオとお茶を飲もうとしていた
が、その時
「「ええ~!?」」
教会中に聞こえるんじゃないかという大きな驚愕の声
シャンテはあわやカップを落としそうになり
ちょうどお茶に口をつけていたディードとリオは軽く吹いてしまった
「何何!?何かありました?」
あわてて騎士カリムの部屋にカップを持って飛び込むシャンテ
「あ、シャンテ、実はなんだけど………」
そんなシャンテに騎士カリムは笑顔で何かを告げる
「何だったの今の?」
「セイン姉さまとシスターシャッハの声だったようですが………」
戸惑いながらリオとディードがナプキンで口を拭いていると
「ええ~!?」
今度はシャンテの驚愕の声が響く
リオとディードはその声に驚き
「いったい何があったんでしょう………」
「さあ、あたしに聞かれても………」
と、戸惑っていた
一方ヴィヴィオはノーヴェと共に練習をしていた
「さて、お前の次の相手はシャンテだ、聖王教会代表の双剣術と幻術の使い手、正直お前にとっては分が悪い」
ノーヴェの言葉にうなづくヴィヴィオ
「シャンテの使う分身は多方向からの同時攻撃ができる」
「そうだ、そしてその同時攻撃はカウンターヒッターのお前にとっての弱点だ」
ヴィヴィオのスタイルは相手の攻撃をよく見てかわしその場で反撃転じる
だがシャンテの分身を用いた同時攻撃ではたとえ死角からの攻撃をかわせても本体を特定しない限りは防戦一方となりやがて………
「本当なら本体を特定する訓練をしたいところだが、あたしの知り合いで幻術使いはティアナだけ、しかも都合つかなかったんだよな」
「しょうがないよ、ティアナさん忙しいし」
頭を抱えるノーヴェにヴィヴィオは苦笑い
「だから、お前がやるべきは同時攻撃の対策だ、本体の特定に関しては後々考えていく」
「でも、同時攻撃の対策って………」
「そこで私の出番というわけだ」
そう言ってトレーニングルームに入ってきたのはチンクだった
「チンクさん?」
「シャンテの剣術とは少し違うが………」
そう言ってチンクは自信の武器であるスティンガーを二本取り出す
「これを使う、操作魔法で動かして攻撃する、最初は二本からだが、目標はシャンテの分身の最大出現数、十九本の攻撃を5分間防ぎきる」
「でも、シャンテは二刀流だからその倍、三十八本を防ぎきれなきゃ」
「ま、最低限の目標は十九本、そこからも増やしていきたいところだが………」
ノーヴェはそこまで言うとチンクのほうを見た
「本数が増えるほど回避も防御も難しくなる、それに試合まで時間もないし姉も忙しい身だ………」
「どれくらいまで行けそう?」
「最速でクリアしたとしても三十五本、それが限界だな」
そう告げるチンクの表情を見てヴィヴィオも真剣に構える
「そっか………チンクが練習見てくれてるんだ………で、今日は何本までいったの?」
疲れた様子でテーブルに突っ伏すヴィヴィオに声をかけながらスープの味見をするなのは
「2時間練習して六本………」
「うーん、ちょっときつそうだね」
ヴィヴィオの答えになのはも考えるしぐさを見せる
「そうなんだよね~、それに本体をどうにかしないと………」
ため息をこぼすヴィヴィオの肩をクリスがポンポンと叩く
「ん?クリス?どうしたの?」
ジェスチャーで何かを伝えようとするクリス
それを見てヴィヴィオは最初うなずくだけだったが………
「そっか!その手があった!」
「クリスなしで回避と防御を!?」
「うん、少し試したいことがあるんだ、うまくいけば分身を攻略できるかもしれない」
ノーヴェとチンクにクリスが考えた作戦を伝える
「なるほどな、今日クリスがいないのはその作戦のためか」
「だが、その方法ではセイクリッドディフェンダーが使えなくなる、回避のみで双剣術に対処しなければならないが」
チンクの言葉にヴィヴィオは真剣な表情で構える
「大丈夫、何とかして見せる」
「よし、では二本からやり直しだな」
「えぇっ!?」
「当たり前だ、お前はとにかく回避に専念しろ」
ヴィヴィオの悲痛な声をばっさりと切り切り捨てるノーヴェ
「とにかく一本でも多くよけられるようにする、それが今のお前に出来ることだ」
一方のクリスはリビングで一人教導のビデオを見ていた
そして開かれてる画面すべてにティアナの姿があった
「ただいま~!」
と、ここでヴィヴィオが帰ってきた
「おかえりー」
ヴィヴィオがリビングにやってきたことを確認するとクリスはすぐにそばにやってきた
「今日はどこまで行ったの?」
「防御の選択肢捨てたから一からやり直し、まだ六本」
「ありゃりゃ」
項垂れるヴィヴィオに苦笑いするなのは、クリスが励ますように肩を叩いていると
「っと、忘れるところだった、はいクリス、これ」
ポケットから何かのデータが入ったものを取り出すヴィヴィオ
「ヴィヴィオ、あれは?」
「ユミナさんにもらった、幻術使いの選手たちの試合の記録映像のコピー」
クリスはもらった映像を自身に移し替えてるようで先ほどからそれを持ったまま動かない
「気合入ってるねークリスも」
「当然!なんたって今度の試合、切り札になるのはクリスだもん」
感心するなのはにヴィヴィオは自慢げに答えた
一方こちらは聖王教会
月明かりが照らす部屋で一人素振りをしていたシャンテ
「おうおう気合入ってるね~」
そんな彼女にセインが声をかけた
「何の用?」
「いや、あたしも一応セコンドだしさ、練習相手ぐらいにはなってあげようかなって」
「ふーん、じゃ、お願いしようかな」
そう言ってシャンテが身構えるとセインは突如姿を消した
とっさに反応したシャンテは背後から蹴りかかったセインの攻撃を剣で受け止める
「(私は負けるわけにはいかないんだ、覚悟してよ、陛下)」