魔法少女リリカルなのは Vivid Dream Fighters   作:ライジングスカイ

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dream:14 幻を破りて

いよいよやってきたヴィヴィオ対シャンテの試合当日

「いよいよ本番だな」

ストレッチをするヴィヴィオにノーヴェが声をかけた

「できる限りのことはやったが………いけるか?」

「もちろん、クリスも、今日の試合はクリスの働きにかかってるからね」

ヴィヴィオに声をかけられクリスが両腕でガッツポーズをとる

「そろそろ時間だ」

グレーのジャージに身を包んだチンクが時計を見て声をかける

今日は彼女もセコンド入りしている

 

歓声に包まれながらノーヴェとチンクを伴って入場するヴィヴィオ

その一方観客席の一角でははやてがリインと共にあわてた様子で駆け込んだ

「マイスター!こっちこっち!」

アギトに手招きされ彼女の隣の席にリインと座るはやて

「ふう何とか間に合ったな」

「お、ミウラも今日は観客席か」

「はい、僕の試合は明日ですから」

すると丁度シャンテが入場するらしく一斉に声が上がった

と、シャンテが入場してきた途端にあたりの空気が変わった

シャンテの後ろにシャッハとセインのほかにもう一人、なんと騎士カリムの姿があった

「カリム!?何しとんねん!?なんでセコンドォ!?」

旧知の仲であるはやてもそれに驚き思わず声を上げる

 

「あの、やっぱ騎士カリムがセコンドなんてまずかったんじゃ………」

「聖王教会代表の晴れ舞台、やはり間近で応援したいと思いまして」

「だからって………ほら、シャンテも柄にもなく緊張してますし」

シャッハの言うとおりシャンテの表情は硬い

「(つーかプレッシャーかかりまくり!これで負けたらあたしすごいカッコ悪いじゃん!いや、負けるつもりないけどさ)」

これまた柄にもなく頭の中で葛藤を繰り広げるシャンテだったが正面のヴィヴィオを見て深呼吸すると

「(落ち着け!勝てばいいんだ!それにここで勝てればきっと認めてもらえる!)」

そう思い後ろにいるシスターシャッハを見る

そして周りで盛り上がる観客を見渡す

「あたしは負けるわけにはいかないんだ!」

試合開始のブザーと同時に剣を構えて突っ込んでいくシャンテ

ヴィヴィオはそれを拳で迎え撃つが攻撃が決まるそれは容易く消え背後に別のシャンテが

「いきなり分身からの背後狙い!」

だがヴィヴィオは剣で切りかかったシャンテの攻撃を落ち着いてかわすと足払いでシャンテの体勢を崩しにかかる

「うわっと、なら」

何とか持ち直したシャンテが分身を3体出現させるとその分身たちに突っ込ませる

だがヴィヴィオは周囲を注意してみるとその分身たちの攻撃をかわし続ける

「何の!ベルガント……」

シャンテが攻撃を放とうとしたのを見てヴィヴィオは分身をかわすとそのまま構えた

「ディバイン………」

「カノーネ!」

「バスター!」

シャンテの砲撃魔法をヴィヴィオの虹色の魔法弾が貫いた

それと共に2人のシャンテのうち片方にバスターが命中

「やったか!?」

「いや、当たったのは分身のほうだ」

チンクの言葉と共に煙の中から無数のシャンテが姿を現す

「十九重奏!」

「いきなり最大数かよ」

襲い掛かる分身の数にノーヴェも驚くが

「(いや………シャンテの狙いは)」

戦ってるヴィヴィオ本人は冷静に分身を見回した

そしてクリスが耳を立たせ一点を見据える

「そこだあぁ!」

ディバインバスターを何もない所に撃つヴィヴィオ

だが次の瞬間突如姿を現したシャンテにバスターが命中

そのまま倒れ込んでしまう

「な、なんとヴィヴィオ選手、シャンテ選手の迷彩幻術を見破った!」

実況から驚きの声が上がると観客も一斉に沸き始める

「(見破られた………どうして………)」

シャンテは倒れたまま自慢の幻術が破られたことに驚いていた

その間にもカウントが進んでいく

「(ああ、そうか………うさ公があたしを探していたんだ………)」

ヴィヴィオが分身を破った理由に気付いたシャンテだったが起き上がる気配はない

 

「シャンテ………」

「分身を破られたショックが大きいようですね」

次の瞬間シスターシャッハが身を乗り出す

「戦いなさい!シャンテ!」

シスターシャッハのその言葉にシャンテは彼女のほうを見た

「分身を破られたからなんです!あなたにはまだ戦うすべが残っているはずです!」

シャッハのその言葉にシャンテも自らが握るファンタズマを見つめた

「私の弟子なら!最後まで戦って見せなさい!」

その言葉とともにシャンテは笑みを零し

「誰があきらめたって」

ヴィヴィオの背後から別のシャンテが斬りかかった

とっさのことで回避が間に合わないと判断したヴィヴィオは両腕でガードするも防ぎきれず後ろに向かって滑るように後退する

気付けば倒れていたはずのシャンテも姿を消していた

 

「うわきったねぇ、あいついつの間に分身と入れ替わってたんだよ」

その流れを見ていたセインが思わずこぼすが

「いえ、倒れていたシャンテは間違いなく本体でした」

騎士カリムがそう言ってシャッハを見る

「シャッハ、あなたの言葉がシャンテを奮い立たせたんです」

 

「(あっぶねぇ、あたしとしたことがうっかりあきらめるとこだった、カウント間に合ったよね………)」

そう言って試合の表示を見るとカウントは彼女が不意打ちと同時に立ち上がったラスト一秒のタイミングで止まっていた

「(よし、ギリギリセーフ、とはいえ分身はもう使えないかな、さっきの不意打ちだって何度も引っかかんないでしょ、実際咄嗟の思いつきだし)」

そう言って握ったファンタズマを見つめるシャンテ

「上等!だったらこっからはこいつで勝負!」

剣を握ったまま正面から突っ込むシャンテ

「また分身!?………いや!」

シャンテの攻撃をかわそうと伏せるヴィヴィオ

だがよけきれずサイドテールの髪の一部が宙を舞った

「本体!?真っ向勝負を仕掛けてきた」

「うさ公に探されるんじゃ分身は魔力無駄にするだけだからね」

そう言って双剣術でたたみかけてくるシャンテ

シャンテの攻撃を防ぎながら何とか反撃しようとするヴィヴィオ

だが彼女の攻撃は剣でガードされてしまいシャンテに届かない

「覚えてる、シャンテ」

「ん?なにが」

「私が初めてインターミドルに出るとき、シャンテ私にアドバイスくれたよね」

当時のことを思い浮かべるシャンテ

「うん、あのころのあたしはどこか慢心があったのかも」

「えー、それ私のほうだよ、シャンテがアドバイスくれなかったらきっと今頃………」

「そう思うのは勝手だけどさ、今試合中だよ、真面目にやってる?」

「あ!それシャンテに言われたくない!」

などと会話しながら攻防を繰り広げるヴィヴィオとシャンテ

やがて第一ラウンドが終了しインターバルに入る

 

「分身はもう使えない、こっからは双剣術一本に絞っていく」

回復しながらそう話すシャンテ

「それに今の陛下は分身対策に気が行って防御が薄い、今なら叩ける」

「ですが、こっちが分身を使わないと気付けばヴィヴィオはきっと守りを固めてきます」

「んじゃその隙に分身で………」

セインがそこまで言うとシャンテは彼女の言葉を止める

「このまま双剣術で戦いたいんだ」

シャンテの真剣なまなざしにセインも肩を落とすと

「っしゃ、じゃ、気のすむまで戦ってこい」

セインが拳を突き出すとシャンテもそれに拳を叩きつける、ただし全力で

「シャンテ………」

セインがうずくまってるとシスターシャッハがシャンテにファンタズマを差し出す

「見ててよ、あんたにもらった双剣術で、絶対勝って見せるから」

そう言ってファンタズマを受け取ったセインはインターバル終了のブザーと共に駆けだした

既にヴィヴィオも構えて万全の態勢だ

「(絶対勝って見せる………か、カッコつけすぎでしょ、でも………)」

シャンテはファンタズマを見るとそのまま突っ込んでいく

第二ラウンド開始と共にヴィヴィオに向かって全力で斬りかかる

その刃面をヴィヴィオが拳で迎え撃つ

「ははっ、あの時と同じだ」

シャンテとヴィヴィオ、インターミドル前に教会で打ち合ったあの時と

そう思い出したシャンテは笑って再び攻撃に移る

「この試合絶対に勝つ………勝負だ!ヴィヴィオ!」

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