魔法少女リリカルなのは Vivid Dream Fighters 作:ライジングスカイ
だって好きなんだもん
ジャージ姿のディエチが手をかざすと彼女の掌に橙色の魔力が集まっていく
「シュート!」
ディエチの放った魔力弾は目の前のターゲットに命中し見事粉砕して見せた
「と、まあこのぐらいかな」
ディエチが振り返るとヴィヴィオ、リオ、アインハルトの三人が瞳を輝かせ彼女を見ていた
「いつもは私たちの練習を見てるだけですが、ディエチさんもすごい方なんですね」
「よしてよアインハルト、そんなんじゃないって」
ヴィヴィオが射撃魔法の練習を行ってる背後でアインハルトとディエチがそんな会話をしていた
「あれ?アインハルトさん知らないんだっけ?」
「あ、いえ、救助隊で働いていることは知ってたんですが、実際に見るのは初めてだったので」
「ま、普段消火や避難誘導ばっかりであんまり目立たないからね」
「砲撃で………避難誘導?」
ジュースを飲みながらのディエチの言葉に首をかしげるアインハルト
どうもディエチの魔法と結びつかなくて困惑しているよう
「孤立しちゃった人とかを助けるのに砲撃で壁とかを破ることもあるからその辺」
「結構前ッスけど新聞載ったことあるッスよ、ビル内に閉じ込められて孤立した人達を一人で救ったって」
「あ!その記事見ました!ディエチさんの事だったんですね」
「開かなくなった扉を砲撃で壊しただけだって、そんな大げさな………」
「なに言ってるんッスか、あの事故の時一人で20人近く助けたじゃないッスか」
「そう言えばヴィヴィオは何で射撃の練習してるの?」
そんな話をしているとリオがふと疑問に思って問いかける
「あ、それはね、コロナと戦うには、創成妨害や創主狙いだけじゃなくて、創成されたゴライアスにも対抗できるようにならなきゃってことなんだけど」
「私やリオさんならともかく、ヴィヴィオさんはゴライアスを物理破壊するにはパワー不足ですので」
「それで、射撃魔法での破壊?」
リオの言葉にディエチとアインハルトがうなずく
「じゃ、アインハルト、そろそろ私たちも」
「はい、練習始めましょうか」
ディエチとアインハルトが席を立ったのを見て首を傾げるリオ
「アインハルトの次の相手、シューターなんすよ、それに勝っても順当にいけば次はルーお嬢様ッスから、射撃魔法対策はしておきたいんッス」
そんなリオにウェンディが耳打ちする
掌に魔力を集めながらディエチがアインハルトを見据える
「さて、私もこう見えて不器用だから、手加減できないよ」
「むしろそのほうがありがたいです」
そう言ってアインハルトが身構える
「ソニックシューター!」
ヴィヴィオの放った虹色の魔力弾がターゲットを破壊していく
「ディバインバスター!」
ヴィヴィオの右手から放たれた攻撃で最後のターゲットが破壊された
「どうッスか?」
バリアジャケットを解除して一息淹れていたヴィヴィオにウェンディが声をかける
「ソニックシューターのほうはいまいち………バスターならもうちょっとでさっきのディエチさんの威力に届きそうなんだけど」
ヴィヴィオがちらりと横を見ると疲れた様子でクリスが項垂れていた
「そう言えばリオ、今日はディードと一緒じゃないの?」
「それがディード、緊急の仕事で出張行っちゃってて」
「だったらクリスが回復するまで2人で軽くスパーしてればいいんじゃないッスか?」
ウェンディの提案にヴィヴィオもリオも顔を輝かせる
「リオ、お願いしていい?」
「もっちろん」
一方コロナはオットーの指導のもとでルーテシアと共に練習していた
「あ~、疲れた~」
そう言ってルーテシアが座り込む
「どう?コロナ、試合でもいけそう」
「本音を言うとまだ足りない………かな、でも」
「これ以上無理をなさると体を壊してしまいます、残念ですが」
オットーの言いたいことはコロナもわかっていた
ため息を零しながら座り込む
「そう言えばコロナ、合宿の時に言ってたやりたいことって何なの?」
ドリンクを飲みながらルーテシアがコロナに問いかける
「私がゴーレムマイスターになるきっかけをくれたのはヴィヴィオだから、ヴィヴィオに褒めてもらったのがうれしくて、いっぱい練習して………私もあの時のヴィヴィオみたいになりたいなって」
「ってことはコロナ、学院の先生にでもなるつもりなの?」
ルーテシアの問いかけに首を振るコロナ
「魔法戦競技で鍛えた技や力が、少しでも役に立てたらって思って」
「え?じゃあコロナ………」
「うん、大変かもしれないけど、頑張りたいんだ………」
空を見上げ拳を握るコロナ
「私は教導隊に行く、ヴィヴィオが見つけてくれたこの力で、少しでもたくさんの人を導いていけたらって」
コロナの言葉を聞いたルーテシアは満足げに笑うと勢いよく立ち上がった
「そういうことなら協力したげる!ガリュー喚ぶからコロナも準備して!」
「うえぇっ!?ルーちゃん本気モード!?」
「私に勝てるぐらいじゃないと教導隊なんて無理よ!ほら早く」
虹色の魔力弾でターゲットが破壊される
「ふぅ、とりあえずこんな感じかな」
疲れたように座り込んでヴィヴィオが零す
元々学者型で中後衛向きのヴィヴィオにとって射撃の強化はそれほど難しくなかったようだ
「ヴィヴィオ」
そんなヴィヴィオにディエチが声をかけた
「コロナ戦に向けて考えてみたんだけど」
ディエチがヴィヴィオに耳打ちする
「で………なるから、………で………と、どうかな?」
何かアイディアがあったらしくそれをヴィヴィオに伝える
全て聞き終えるとヴィヴィオはガッツポーズをとる
「それでいきましょう」
ヴィヴィオがディエチのアイディアをもとに練習している頃
ウェンディ立会いの下リオとアインハルトがスパーをしていた
「いいな~、みんなやりたいこと見つけてて」
「リオさんはまだ?」
リオの炎の剣を裏拳で防ぎながらアインハルトが問いかける
「つい最近までそうだったんだけど、あたしもようやく見つけたとこ」
「そうでしたか、私もです」
雷の剣をしゃがんでかわしたアインハルトがリオに拳をふるいながら呟いた
「アインハルトさんのやりたいことって?」
アインハルトの攻撃を炎と雷の剣で防ぎながらリオは首をかしげる
「私はまず訓練校に入り、陸士隊を希望しています」
「まあそこか武装隊になるよね、競技選手からだと」
リオはそう言うと足払いでアインハルトの姿勢を崩しながら炎の剣で斬りかかる
「覇王イングヴァルトの末裔ではなく、アインハルト・ストラトスとしてやりたいこと」
アインハルトは片手をついてそのまま体ごと回った回し蹴りでリオの炎の剣を弾き返す
「ノーヴェさんやヴィヴィオさんと出会って、こうして他愛ない話をして、共に磨きあい」
雷の剣の追撃をかわすと空破断でリオを吹っ飛ばした
「いつの間にか、戦乱の時の夢を見ることもなくなって、私らしくいられる………ですが」
アインハルトのその言葉と共にリオが炎雷龍皇剣を握り向かってくる
「きっと私と同じように、つらい記憶で苦しむ人がいる、私はそういった人たちを助けてあげたい、中等部を出てからの2年間、ずっとそのための勉強をしてきました」
リオの攻撃に対し全力の断空拳で迎え撃つアインハルト
午前中の練習を終え全員で休憩を取っていた
「それでリオのやりたいことって?」
「ん?あたしここのところずっとディードと一緒にいたでしょ」
ディエチの用意してくれた昼食を食べながらヴィヴィオの問いかけに応えるリオ
「忙しい中で時間作って、あたしたちの面倒見てくれて、そんなディードに恩返ししたいんだ、だからあたし、皆と一緒には行けない、聖王教会に行こうと思ってるんだ」
「リオ………」
「ルーフェンからこっちに出てきて、ずっと一緒だったから、寂しくなっちゃうけど………でも」
俯きながらそう答えるリオの手をヴィヴィオが握る
「大丈夫だよリオ、私応援してるから」
驚いたリオが顔を見上げるとアインハルトとディエチ、ウェンディも笑顔で彼女を見る
「道が違っても、あえなくなるわけじゃありませんから」
アインハルトの言葉にリオも涙を流しながら頷いた
「ありがとう、あたし頑張るよ」
そしていよいよやってきた試合の日
ヴィヴィオとコロナがお互いに見合っていた
「ヴィヴィオ、この試合どっちが勝っても恨みっこなし」
コロナのその言葉にヴィヴィオも拳を突き出した
「全力全開、持てる力全部出し切って戦うだけ」
その言葉に満足したコロナは笑みを浮かべる
「行くよ、ブランゼル!」
「セイクリッドハート!」
「「セーットアーップ!」」
二人の体が同時に光に包まれた