魔法少女リリカルなのは Vivid Dream Fighters   作:ライジングスカイ

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dream:19 貫く想い

「いきなり同時創成ッスか!?」

「やっぱりコロナはこのラウンドで勝負を決める気だ」

ディエチのその言葉と共に二体の巨神はヴィヴィオに向かってくる

コロナは飛行魔法で後退し距離をとっていた

「距離をとっているなら」

右手に魔力を集めながらゴライアスをかいくぐるヴィヴィオ

コロナを狙って射撃魔法の構えに入るが

「ギガントナックル」

横からゴライアスが拳をふるって割り込んでくる

ヴィヴィオはジャンプしてそれをかわすと即座に目標を変えた

「ディバインバスター!」

左手から放った魔力弾で攻撃してきたゴライアスに反撃するヴィヴィオ

その攻撃を受けたゴライアスは仰け反りそのまま転倒する

するとコロナは今の瞬間の違和感に気付いた

「(左手で撃った!?右手の魔力で何をするつもり?)」

右手の魔力はチャージが終わっていないか、あるいは別の目的のためか

とにかく何かしようとしていることに気付いたコロナ

「させない!」

2体のゴライアスが同時にヴィヴィオに襲い掛かる

「やばいッス!」

「平気、もう準備はできてる」

焦るウェンディだったがディエチは冷静にヴィヴィオを見ていた

そして先日の練習を思い浮かべていた

 

「これが対コロナ戦の切り札」

ディエチの魔法を見たヴィヴィオは目を見開いてその場に立ち尽くした

「びっくりした?」

「びっくりしたよ!どうしてディエチさんがその魔法を!?」

ヴィヴィオの質問にディエチはほほ笑むと

「教えてもらったの、ヴィヴィオが5年生の時だから4年前になるね」

 

その日彼女は消火剤砲撃の自主トレをしていた

とはいえ消耗品でもある消火剤を自主トレで使うわけにもいかず魔力弾を用いた訓練だが

「ふぅ………」

彼女は焦っていた、先日広域火災がありその現場でのことだ

スバルやノーヴェ達が素早く要救助者を保護したため死者は出なかった

だが自分はどうだろうか

あまりに広範囲だったため消火が遅れ気味だったのだ

元々彼女の能力は敵を倒すためのもの、破壊だけに特化した砲撃

消火剤砲撃というそれらしいことはできるが………

悩みながらも訓練を切り上げ更衣室で着替えていたディエチ

「あれ?ディエチ?」

そんな彼女に声をかけたのはすでに私服に着替え帰り支度をしていたなのはだった

 

「あ!それってもしかして私が修学旅行行ってた時!?」

「そう、スバルがお休み取ってた時」

思い当たる節があったヴィヴィオはディエチの話を聞いて声を上げた

「ナカジマ家にお呼ばれしてたんだよね」

「スバルが呼んでたらしくてね、私もまさか帰りが一緒になるとは思わなかったけど」

 

なのはの運転する車に乗りながら彼女と他愛のない話をするディエチ

ふと窓の外を見ていると

「ねえディエチ、もしかして何か悩んでることあるんじゃない」

なのはの突然の言葉に目を見開き考えるディエチ

なのはには海上隔離施設にいたころからよくしてもらっている

自然とディエチは自分の悩みについて打ち明けていた

それに対してなのはが出した結論は

「いいんじゃないかなそれで」

「だめですよ!私もっともっと頑張らなきゃ!………あ」

思わず大きな声で否定したディエチだったが自分の言葉でなのはが言わんとしていることに気付いた

結果はどうあれ自分は必死に頑張ったのだから悔いる必要はない、なのはそう伝えたかったのだ

「広域射撃の魔法だったら時間のあるときに私が教えてあげるから」

「ありがとうございます」

恥ずかしさから顔を赤くしながらなのはの言葉に笑顔で答えるディエチ

 

「こうして教えてもらったのがこの魔法、それと、これもなのはさんが教えてくれたの、射砲撃にとって一番大事なこと」

がれきだらけのビルの中に突入したあの日、崩れ落ちてくる天井から要救助者を救うためにディエチはその魔法を使った、要救助者を助けたい、その思いを込めて

 

そして今、ヴィヴィオは負けたくない思いを込めてその魔法を放つ

「(射砲撃で一番大事なこと、それは)」

ゴライアスが拳を振り上げたその瞬間、二体の巨神の間をすり抜けるように魔力弾の標準を合わせる

「セイクリッドクラスター!」

放たれた魔力弾は空中ではじけ、リング全体に向けて降り注ぐ

「負けないよ!コロナ!(思いを全部ぶつけること!)」

ゴライアスだけでなくコロナにも命中したその一撃

その隙にヴィヴィオは現在地を離れる

「逃がさない!」

体勢を立て直したコロナとゴライアス、すぐさま巨神がヴィヴィオに向かっていくが

「ディバイン………」

「(しまった!)」

ヴィヴィオはある位置で足を止め反撃の構えに入る

ヴィヴィオがその位置にきた理由、それはコロナとゴライアスが一直線に並ぶ位置

「バスター!」

2体の巨神を突き抜けコロナにもヴィヴィオの攻撃が命中する

崩壊したゴライアスと爆風に包まれたリング

その煙の中から傷だらけのコロナが飛び出し腕を変化させながらヴィヴィオに向かってくる

「やっぱりこっちが一番だよね」

射撃魔法中心に組み立てていたヴィヴィオだったがやはり格闘技が好きなのかそれを見て瞳を輝かせながら構えた

コロナの拳をガードするとそのまま受け流し彼女の顔面めがけてこぶしを振り上げる

だがコロナもそれを読んでいたのかすんでのところでかわし距離をとって飛び上がるとゴーレムの拳をヴィヴィオめがけて飛ばしてくる

ヴィヴィオは後ろに飛んで何とかそれをかわすがみると真上にコロナの姿が

「行くよ!ヴィヴィオ!これが最後の一撃!」

回転しながら上空から落下してくるコロナ

この勢いなら衝撃はリング全体に伝わるだろう

それに威力だって相当なはず、直撃せずとも勝負を決められるだろう

「創成戦技!メテオストライク!」

文字通り隕石のような一撃が会場全体を揺るがす

崩壊するリングと煙の中で勝利を確信したコロナ

だが次の瞬間ヴィヴィオが煙の中から姿を現す

しかも彼女の真下から

「まさか………」

ヴィヴィオのしたことに気付いたコロナ

次の瞬間には彼女の振り上げたこぶしを受け吹っ飛ばされてしまう

「(ありがとう………ヴィヴィオ)」

だが敗れた後悔は彼女にはなかった

友と全力で戦えた喜びだけを抱えながら彼女の意識は途絶えていく

 

「けどさ、どうやってヴィヴィオはあの攻撃を防いで見せたんだろう」

アインハルトやディードと共に帰り道を歩きながらふとリオが呟いた

「ひとつだけあるじゃないですか、着弾の衝撃が届かない場所が」

アインハルトの言葉にリオは首をひねり考えると

「まさか………」

「そのまさか、ヴィヴィオさんは落下してくる腕に張りついて衝撃から逃れたんだと思います」

「でも回転してるんですよ、跳ね飛ばされないですか」

「同じ方向、同じスピードで飛びながら張りつけば理論上勢いを殺すことができます、もちろん、手を魔法でガードしながら」

アインハルトの説明にリオはあいた口がふさがらない

「よくぶっつけ本番でそんなことできたね」

「おそらくわずかなズレも許されなかったでしょう、私も負けてられませんね」

そう言ってアインハルトは足を速めていく

それに気付いたリオがあわてて追いかける

 

そしてこちらは高町家

なのはの誘いを受けコロナとノーヴェやオットー、そしてディエチとウェンディが招かれていた

「それじゃ、二人の健闘を祝して」

「「「「「「「「カンパーイ」」」」」」」」

ヴィヴィオとコロナは若干照れていたが全員でグラスを掲げ食事を始めた

 

興奮しながらフェイトやディエチと話すなのは

「ヴィヴィオ、もしかしてなのはさん今………」

「うん、ママ力全開モード、今日の試合に触発されたみたい」

耳打ちしながらそんなことを話すコロナとヴィヴィオ

「ヴィヴィオ、この先も頑張ってね」

「もちろん、コロナだけじゃなくてリオやシャンテの分も、頑張って戦うよ」

そう言って拳を合わせる二人はその後夜遅くまで仲良く話していた

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