プレシアがジュエルシードを使用し、アリシアの心臓が動き始めた。これにより俺のスキル大天使の息吹が適応可能となった。
「では行くぞ」
俺は大天使の息吹をアリシアに使用した。健康な体になったアリシアはすぐに目を覚ました。そして親子の感動の再会イベントが発生したが、俺は興味ない。こんな利益にならない物を見ている時間が惜しい。
「念のため、検査ぐらいは受けておけよ」
そう言って自室に戻り、魔力の回復と称した読書を開始する。
こうしてジュエルシード事件、通称JS事件は終息を迎えた。プレシア・テスタロッサには、公務執行妨害及び時空船への攻撃等複数の刑罰が言い渡されたが、アルパイン御用達の弁護士軍団により刑期は通常より短縮された。また過去の大型魔力駆動炉爆発事件においても無罪を勝ち取り、相手企業から莫大な慰謝料を請求した。但し、慰謝料の請求及び刑罰、刑期の短縮は契約には入っていないため、請求した慰謝料から支払ってもらった。
アリシア・テスタロッサについては、健康で検査でも異常は無かった。自分が死んだ事、死んで数十年が経過している事、母親が自分を生き返らせるために行った違法実験により犯罪者になっている事等の説明が近日中に行われる予定だ。
そしてその違法実験で誕生したクローンであるフェイト・テスタロッサは、未だ傷心状態から回復していない。まぁ実の母親にあれだけ暴言を吐かれたんだ、暫くは立ち直れないだろう。
まぁ全ては計算通り進んでいる。本当に、バカな親子だwww
プレシア・テスタロッサside
「どういう事・・・?」
「ですから、プレシア・テスタロッサさん、この刑期ではアルパイン家に貢献できません。また貴方の病状も深刻な状態です。よってこの契約に書かれている内容は、娘さんであるアリシア・テスタロッサさんに移行します。アリシアさんについてはアルパイン家で教育し、適切な企業へ派遣します」
「ふ・・ふざけないで!!」
「これは契約に沿った話となります。ふざけてはいません」
「でも私は彼と契約し「ミスト・フォン・アルパイン様との契約には、「娘の蘇生」「名誉の回復」の2点のみの内容について細かく記載されているだけです。それと最後の文書「尚、アルパイン家に貢献出来ない、もしくは出来なかった場合、子供にその責任を課す」とあるだけです。プレシア・テスタロッサの刑期に関してや罪状については一切書かれていません」
「な・・何よ!!そんな文書知らない!!」
「プレシア・テスタロッサさん。これは契約者に記されている物であり、知らない、忘れた等は一切通用しません。もしもこれ以上我々の話に耳を貸さないのであれば、契約破棄とみなします」
「もしもそうなれば、アリシアは契約の範囲外になって、責任は負わないのね!?」
「はい。契約の対象外となります。しかし彼女は「犯罪者の娘」となります。就職、結婚は勿論、孤児院でもイジメの対象となるでしょう」
「そ、そんな!」
「嫌ですか?」
「当り前よ!!」
「ではこれを」
「何これは?」
「ミスト・フォン・アルパイン様からの手紙です」
拝啓プレシア・テスタロッサ様
この度は我がアルパイン家への貢献を御約束して頂き誠にありがとうございます。しかし貴方の刑期ではアルパイン家への貢献が不可能との事です。そこで御息女であるアリシア・テスタロッサ様へ契約が移行する事で、貢献可能となります。
しかしこれを打破する方法が幾つかございます。それは『追加契約』を行う事です。方法は簡単、過去の大型魔力駆動炉爆発事件で貴方に罪を着せた企業へ損害賠償を請求し、その中から『刑期の短縮』及び『損害賠償の請求費』をお支払いする事で、御息女への契約移行が阻止可能となります。
上記検討し弁護士へ御連絡ください。 ミスト・フォン・アルパイン
私に残された道は、これしかなかった。私は『追加契約』を行う事を目の前にいる弁護士へ伝え、契約書に判を押した。アリシアにこれ以上不幸になって欲しくない。折角また一緒に居られるようになったのに・・・
『追加契約」通り、相手企業から損害賠償を請求し、私の下には莫大なお金が入った。しかし『追加契約費』を支払う事で殆ど手元には残らなかった。私の刑期は通常より大幅に減刑された。
しかし私には、まだ重大な事を解決出来ずにいた。
そう私の体を侵している病魔についてだ。
病魔を何とかしない限り、アリシアに私の契約内容が課せられる。契約を破棄する事で、回避可能となるが、アルパイン家が全力で私達を追い詰めるだろう。それこそ、次元を超えて。慰謝料の支払いを渋った人間が数名いたが、数日後には支払う事に合意した。その時の彼らが呟いた一言『もうこれ以上は勘弁してください』、そしてその時の彼らの表情が今でも私の脳裏にしっかりと焼き付いている。
一体何をしたのかと聞いた時の弁護士の「我々は何も。しかし覚えておいてください、アルパイン家は絶対に『逃がさない』と言う事を」これだけで、何があったかは安易に想像することができる。
私が彼を頼る事は、予想されているだろう。勿論タダと言う事はない。無茶な内容を吹っかけられる可能性は大いにありうる。しかしそれでもいい。娘を救うためなら。
ミストside
「そうか、支払いは済んだか。報酬はいつも通りに。では」
プレシアの裁判が終わり、追加契約料の支払いが終わった。しかし彼女はまだ重要な事を解決出来ずにいる。それを解決させるには俺の力が必要だ。
「お願いします!!」
「悪いな、それは出来ない。他に先約が居るんだ」
「でも!!このままじゃ私は!!」
「仕方ない事だ。でも問題無い、御息女が居られる。俺はそれで問題ない」
「しかし!!」
「俺の大天使の息吹は1年間に使える回数はデモンストレーションで1回、貴方の御息女で1回、先約が3回入っている。3年後であれば可能だ」
「それでは遅いのよ・・・お願いします!!なんでもしますから!!」
「別にいい」
「え?」
「悪いが欲しい物、やりたい事等別に貴方に頼らなくとも、自分で全て出来る。だから別にいい」
「・・・」
「話は終わりか?プレシアさんはお帰りになるそうだ」
悪いな当てが外れて
無茶な契約を提案されると思った?
それを受ける気でいた?
娘を救うために?
自分達の幸せの為に
そんな無価値な物
俺には必要ない
しかしこの女はまだ利用価値がある。生かしておいた方が俺の利益に繋がる。
さて、本命の獲得といこうか
プレシアの名前間違いについて御指摘、修正ありがとうございました。
色々試行錯誤をしていた4年前の作品ですが、これから少しづつ不定期で更新していきたいと思います。
よろしくお願いします