ものの・・・艦これ姫   作:秋津洲かも

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旅のはじまり

葛城「葛城はいつまでも加賀さんの事を、お慕いしております。どうかこれを、この烈風改を葛城と思って下さい」

 

加賀「そう・・・。ありがたく頂くわ。では、さようなら」

 

葛城「加賀さーん!ちょっと反応冷たいですよ!」

 

加賀「赤城さん。行きますよ!」

 

赤城「はい、一航戦、出撃します」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その昔、はるか北の大地に赤城に跨り、弓を手に戦う者あり

 

加賀は突如、平和な村を襲った戦艦山城の不幸の呪いをその身に受け、頭にきたため旅立った

 

遥かな草原を赤城と共に駆ける

 

雨の中、風の中、例えどんなに苦しい状況であっても二人であれば寂しくはない

 

 

 

 

◇

 

 

 

那珂「誰か助けてー!那珂ちゃん、ファンのみんなに襲われてるの。だから顔はやめてよー!」

 

赤城「加賀さん、那珂ちゃんが襲われているみたいですよ。助けます?」

 

加賀「正直、面倒ね。関わりたくありません」

 

那珂「そんなこと言わないでよー!いた、痛い!神通ちゃん!ちょっと本気で殴らないで!」

 

神通「戦いの中に身を置く者は、常に本気です!」

 

加賀「仕方ありません。鎧袖一触よ」

 

 

加賀が弓を構える、すると山城の「不幸だわ」という言葉が脳裏に浮かぶ

 

いらっとした加賀は思わず顔をしかめ、体に余計な力が入る

 

発射された矢は山城の呪いにより手元が狂い、見事那珂ちゃんの顔に命中

 

 

那珂「ぐわあああ!」

 

 

アイドルらしからぬ悲鳴と共に那珂ちゃんは地面に倒れる

 

その様子を見た加賀はまるで最初から那珂ちゃんを狙っていたかのように、どや顔を浮かべる

 

 

加賀「やりました」

 

 

 

◇

 

 

 

そんなこんなをしているとやがて川に差し掛かった

 

雨により増水した川は茶色く濁り、加賀たちの行く手を阻む

 

ふと目線を下に向けると大量のまるゆがぼろぼろになった状態で倒れている

 

その姿を見た加賀は『あとで近代化改修に使いましょう』そう思いまるゆをひょいひょいと拾っていく

 

手当をしようかと考えたが、結果的にはそのまま近代化改修に用いても結果は変わらないのでやめた

 

 

赤城「すんすん、加賀さん、五航戦の臭いがしますよ。あっちです」

 

 

指さす方に目線を向けると、そこにはなんと!憎き瑞鶴の姿があった

 

傍らには倒れる翔鶴、どうやら気絶しているようでぴくりともしない

 

 

加賀「ちょっと貴方、そこで何をしているの?今日は貴方が秘書艦の日でしょう」

 

瑞鶴「あ、加賀さん。今日の秘書艦は飛龍さんに変わってもらったの」

 

加賀「貴方は秘書艦も満足に務められないの?これだから五航戦は」

 

瑞鶴「何ですって!?人手が足りないからって無理矢理引っ張ってきたのは加賀さんでしょう?」

 

加賀「そうだったかしら?忘れてしまったわ」

 

瑞鶴「ムキー!」

 

 

突如、辺りにまばゆい光が立ち込める、なんのことかと驚きの表情を浮かべる加賀と瑞鶴のふたり

 

赤城「上々ね。近代化改修、ありがとうございます」

 

そこには『運』のステータスが8上昇した赤城の姿があり、一方でまるゆの姿はそこにはなかった

 

加賀と瑞鶴の運命的な出会いはこうして喧嘩別れに終わった

 

 

 

◇

 

 

 

加賀と赤城はうっそうと茂る森の中を進む

 

白神山地や種子島を思わせるような樹齢数千年の木々たち、その存在感たるや戦艦扶桑のようであった

 

するとどこからともなく不思議な声が聞こえてきた

 

 

「夜戦、夜戦、夜戦」

 

 

透き通った声が森に響き渡る

 

 

「夜戦、夜戦、夜戦」

 

 

加賀は正規空母が故に夜戦は好きではないので少し機嫌が悪くなった

 

足早に森を抜け、ちょっと休憩をしようかと泉のほとりに腰をかける

 

 

加賀「赤城さん、お疲れ様です。ここでちょっと休憩しましょう」

 

赤城「そうですね。夜戦と聞いて少し気分が悪くなりました」

 

 

改めて周囲を見渡すとそこには幻想的な景色が広がる、原始時代を想起させるような風景

 

そして決して人を寄せ付けないような雰囲気、これこそが和の神髄である

 

二人は間宮羊羹をつまみながら抹茶を流し込む

 

抹茶の苦さとは対照的な羊羹の奏でる優しい甘味

 

たまらず『ほう』と息が出る

 

しかし平穏は長くは続かなかった

 

 

赤城「すんすん、なにか・・・。恐ろしいなにかがこちらにやってきます!」

 

 

加賀はその気配のする方向へ目を凝らす

 

 

 

 

 

??「駆逐艦はいねえかーーーー!?」

 

その声で森の安寧は破られた

 

 

長門「駆逐艦はいねえかーー?お、加賀と赤城ではないか、こんなところで何をしている?」

 

加賀「少し休憩しているのです。静かにしてもらえませんか?」

 

長門「む、すまない。どうも最近、駆逐艦成分が足りないのだ。駆逐艦はいねえかーー!?」

 

 

たまらず加賀が弓を構えると、長門はおずおずと退散していった

 

森の平和は一航戦が守る、例えこの命を引き換えにしても・・・

 

とは別に思っていなかった

 

 

 

◇

 

 

 

休憩を終え、再び歩を進めるとやがて煙をもうもうとあげる集落にたどり着いた

 

正門から入ろうとしたが門前払いをくらったので、一航戦奥義『艦載機にぶら下がり、不法侵入!』を使用した

 

中に入り、身をひそめながら食料を物色しようと冷蔵庫へ向かうと背後から声がかかる

 

 

?「誰なのです?そこで何をしているのです?」

 

加賀「あっ、はい、すみません。怪しい者ではありません。栄光の一航戦です」

 

赤城「はい、あの有名な一航戦です。提督の命令で食料調達に参りました」

 

加賀と赤城は一航戦の肩書きをカサにしてなんとかその場を乗り切ろうとする

 

電「こんにちは加賀さん、赤城さん。残念ながらその冷蔵庫は空なのです」

 

加賀「なぜですか?私も赤城さんもお腹を空かせている、つまるところ緊急事態なのです」

 

電「昨日、瑞鶴さんと翔鶴さんがお料理をすると言って、材料を全部使ってしまったのです。今、間宮さんが買い出しに行っているのです」

 

 

加賀の心に沸々と怒りの感情が沸いてくる

 

艤装の出力が最高出力を突破しうなりをあげる

 

排煙が煙突からもうもうと上がり、空を暗黒が支配する

 

加賀の目はギラリと光り、歯を激しく嚙合わせる音がグギギと鈍い音を立てる

 

艦内の居住スペースの温度は摂氏40度を超え、そこに住む妖精さんの苦情が周囲に響き渡る

 

既に艦上戦闘機全機の発進準備は整っている

 

あとは意志と共に放つだけ

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして一航戦と五航戦の確執は決定的なものとなり、物語の幕が上がる

 

 

 

 

(続く)




お読み頂きありがとうございます!

ストーリーはうろ覚えですが一連の流れは把握していると思います
初の台詞方式、そしてクロス作品です

頑張ります!


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