見える世界が歪んでる   作:藤藍 三色

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第四章

 

 

 あれからネビル・ロングボトムが足縛りの呪いをかけられて飛び跳ねながら移動しているのを見かけ、弦はその呪いを解除し、彼に飴を上げた。彼は泣きながらお礼を言う。どうやらマルフォイにやられたらしい。あのお坊ちゃんは今日も通常運転のようだ。

 

「僕、本当はわかってるんだ。自分がグリフィンドールにふさわしくないって」

「グリフィンドールの誰かにそう言われたのか」

「ううん、違うけど……」

「ならいいじゃないか。同じ寮の人は君を認めてる。組分け帽子が君をグリフィンドールに組分けたのを同じグリフィンドールの人は納得してるんだ。自分を信じられないのなら、周りを信じろ」

 

 ネビルは最後まで泣きっぱなしだった。それでも寮へと変える足取りはしっかりしていたので大丈夫だろう。

 それから少し間を空けて弦は三人がニコラス・フラメルに辿り着いたことをきいた。なんでも高名な錬金術師で、ダンブルドアとの共同研究で「賢者の石」を造りだしたらしい。

 

 「賢者の石」と言えばマグルの間の小説でも錬金術の名が出れば関連して出てくる名称だ。「大エリクシル」、「第五実験体」などいろいろ呼び方はあるようだが、中身は一緒だ。血色のように赤い石で、完全な物質とされている。つまりは高エネルギー体。ほかにも錬金術と関連して有名なのは「フラスコの中の小人(ホムンクルス)」か。これは「人造人間」ともいう。

 

 「賢者の石」といえば金をつくることと不老長寿が連想される。その認識は間違っていないらしい。現実にニコラス・フラメルは「賢者の石」からつくられる命の水で生きながらえているらしく、昨年で六六五歳だそうだ。その妻も高齢(六五八歳)だというのだから、そこまで生きていれば人の世に飽きそうなものだと弦は思った。

 

 ニコラス・フラメルのことがわかったことで三人はすっきりしているようだった。クリスマス休暇を迎え、帰宅する生徒は大勢いる。テリーも帰るようだ。弦は帰らないことにした。コンラッドにもそうすすめられたのだ。

 はっきり言って家に変えれば家事とレティシャの世話というものが付きまとうので願ってもないことだった。別に嫌いなわけではないが、学校にいる間は自由に過ごしたいと言うのも本音だった。どうやら自分で思っている以上に抑圧されていたらしい。

 

 残る生徒は本当にわずからしく、レイブンクローで残るのは話したこともない上級生だった。監督生らしい。ハッフルパフではやはり上級生数名で中に監督生がいた。七年生らしいので試験のために残ったのだろうか。スリザリンでは上級生と二人と同学年一人。同学年の名前がセオドール・ノットであるということはロンから聞いて知った。グリフィンドールでは在学するウィーズリー四兄弟とハリーが残るらしい。

 

 休暇中、弦はやはり図書室にいた。ハリーたちは遊びほうけているらしく、弦も誘われたが寒いからいいと断った。弦が寒さを嫌っていることを二人はよくわかっていた。

 日本はイギリスよりも緯度が低いために、イギリスよりも夏が熱い。しかし逆に冬はイギリスのほうが断然寒い。まあ他にも違うところはあるが、ともかくイギリスの冬は日本の比じゃなかった。保温呪文をわりと必死で覚えたのは十月の終わりだったか。

 

 室内でも藍色のマフラーを手放さない弦はその日も手ごろな本を探していた。魔法史の棚でそうしていれば、隣に人が立つ。数少ない居残り組かと視線を向ければ、スリザリンのセオドール・ノットが同じようにこちらを見ていた。

 クリーム色の柔らかそうな髪に、藍色の瞳を持った彼は同い年の中では背が高めのようだ。見下ろされても威圧感は感じないが。

 

「……」

「……」

 

 お互い無言で視線をあわせていたのは数秒で、どちらからというわけではなく視線を本棚に戻した。

 そう言えば彼の眼は自分の片目と同じ色だし、ということはアクロイド家の特徴と一致する。魔法族の純血はみんな親戚と言うぐらいだから、案外ノット家の先祖にアクロイド家の血でも混ざっているのかもしれなかった。

 

 結局言葉を交わすことなかった。

 

 

 

 

 

 クリスマス・イヴの御馳走に満足して眠りについた翌朝、弦は自分のベッドの上で目を覚ました。そしてベッドカーテンを開けて、そのさきにつみあがっていたプレゼントの小山に目を数回瞬かせる。

 

 イギリスといえばハロウィーン同様、クリスマスの本場だ。日本のなんちゃってクリスマスとは違い、イエス・キリストの降誕祭としてキリスト教の信仰者たちには最も重要な祭りとされる。イギリス流のクリスマスは米国にも広がったもので、クリスマスの前日にクリスマスにちなんだ絵葉書やカードを送る習慣があったり、二十五日に届くようにクリスマスプレゼントを送ったりするようだ。シアンに手紙で色々教えてもらった。

 

 一方で日本と言えば明治維新以前までキリスト教が禁止されていたので、キリシタン以外に受け入れられることはなかった。そのためその本質を知っているのはキリスト教を信仰してきた信者のみであり、明治時代に商社がクリスマス商戦としてそれに乗っかったことで徐々に広まった。習慣になったのは昭和にこの日が大正天皇祭として休日に制定されたときだろうか。サンタクロースは子供達にとってプレゼントをくれるヒーローになった。法律が変わったのちは休日ではなくなったが、すでに年間行事として定着していたために人々はクリスマスを祝った。

 

 イギリスでは家族と過ごす日。日本では恋人と過ごす日。意味合いは違うが祭りごとというのは人間が共通して好むものらしかった。

コンラッドやヴェネッサ、シアンがクリスマスプレゼントを送ってくれるのは毎年のことだった。日本のクリスマスに慣れていたために三者三様の三つのクリスマスプレゼントはもらいすぎだと思っていたが、こちらでは普通のことなのだと九歳ぐらいの時に納得した。

 

 コンラッドは魔法薬を収められる見た目よりも多くのものが入る「小さな魔法薬戸棚」。ヴェネッサはその日の星空を映し出す「星図盤ポスター」。シアンは小さな箱の中の小さなリスのカルテット(ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、クラリネット)が思い浮かべた曲を奏でてくれる「リスたちの四重奏(カルテット)」。

 

 しかしプレゼントはそれだけではなかった。テリーは味が七回に変わる「虹色瓶詰飴」をくれ、ハリーは決して壊れることのない「魔法界一頑丈な眼鏡ケース」、ハーマイオニーは魔法界で最も有名な童話集「吟遊詩人ビードルの物語」、ロンは藍色と白の「ガラス製チェスセット」をくれた。

 

 もちろん弦もプレゼントを送っている。テリーには世界中のクディッチチームについてわかりやすく写真つきで歴史や傾向、伝統を説明する「クディッチ大典」。ハリーにはクディッチのときに仕えるどれだけ水をかけられても弾き飛ばし視界をクリアにする「ニンバス特性防水ゴーグル」。ハーマイオニーにはインクが自動充てんされるだけではなく自分の思った色にインクが色づく「七色の羽ペン」。ロンにはクディッチの応援の際に使える「ニンバス社がお勧めする双眼鏡」。

 

 クリスマスカードを送った人ももちろんいる。その人達も送ってくれていたことには驚いた。同室のリサやパドマもそうだし、二つ上で比較的よく気にかけてくれるペネロピー・クリアウォーターもくれた。最も意外だったのはマイケル・コーナーの友だちのアンソニー・ゴールドスタインからだった。彼にはクリスマスカードを送っていなかったので遅れたお詫びにプレゼントもつけた。四季の移り変わりを映す「絵画のような栞」だ。

 

 魔法薬棚にはすぐに作りためていた魔法薬を収納し、星図盤のようなポスターは自分のベッドの天蓋に張り付けた。リスたちのカルテットは枕もとにおき、その横に瓶詰飴を置く。眼鏡ケースは童話集とともに鞄の中にしまい入れ、チェスセットはトランクの中にしまった。テリーが学校に戻ってきた時に一緒にしようと誘ってみるのもいいだろう。

 

 クリスマスの食事はいつもよりひどく豪華なもので、誰一人としてつまらないと思っている様子はなかった。スリザリンの生徒や、あのスネイプ先生でさえもだ。

 弦はいつもよりお腹いっぱいになった充足感でひどく眠かった。いつもより少し早く寝て、いつもの時間に起きた。快眠だったと大きく伸びをし、いつものように支度を終える。

 

 それからの冬休みは弦にとって絶好の読書日和が続いた。寒いのを嫌う彼女にとって談話室の暖炉の前を陣取れる休暇中はまさに天国だった。おおげさか。

 しかしそれもロンが顔色を悪くして彼女に駆け寄ってきたことで儚く崩れ去った。ガラガラという瓦解音が聞こえたように気がして、弦は浅く息を吐きだした。

 

「ハリーの様子が変なんだ! クリスマスの夜からなんだけど……変な鏡を見つけて、」

「変な鏡?」

「うん。大きな姿見なんだ」

 

 ロンの話を要約すると、クリスマスの夜にハリーのもとにひとつのプレゼントが届いたらしい。それは透明マントで、ハリーの父親のものだったそうだ。ということはポッター家に代々伝わる遺産かなにかだと考えてまず間違いないだろう。差出人の名前はなかったようだが「上手に使え」と丁寧に書かれていたそうだから預かっていた者からと見当をつける。ダンブルドアあたりだろうか。あの人なら完全な透明マントなどなくても呪文でなんとかできそうなものである。

 

 そのマントを使ってハリーは深夜徘徊をしたらしい(褒められたことではない)。そこからいろいろ省いて、結果的に変な姿見がある部屋に辿り着いたと言う事だ。彼はその姿見の中に自分と両親を見たという。三人が並んでいる姿だ。ハリーの姿は今の十一歳のままで、両親はそんな彼に微笑んでくれたと教えてくれたそうだ。

 

 次の夜にロンもついて行ったが、ロンは姿見に自分の姿しか見なかったらしい。それが自分がもっとも理想としている姿らしかった(もちろん、ロンはそんなことを一言も言わず、何が映ったかを事細かに話してくれただけだ。そこから弦が勝手に解釈した)。どうやらその姿見は心の中の望みを映してくれるらしい。

 

 さて、そんな魔法道具があっただろうかと考えを巡らせる。少し前に「魔法道具大典~現代に残る奇跡の遺産~」を読んだ。その中にそんな道具があったような、なかったような。

 

「……あ」

 急な閃きに漏らした呟きをロンは聞き逃さなかった。

 

「覚えがあるんだね!?」

「……それは君達よりも大きな姿見だったんだろう?」

「うん。天井まで届くくらいの背の高い立派な鏡だったよ。金色の枠だった」

「ならそれは『みぞの鏡』で間違いない」

「『みぞの鏡』?」

 首を傾げたロンに弦は頷いた。

 

「鏡の前に立つ人の心の底からの望みを映し出す鏡だ。だから『みぞの鏡』。鏡は姿が反転するだろう? 名前を反転させると『みぞの』は『のぞみ』になる」

「あ…!」

「ハリーが両親を見たのは、彼が心の底からそれを求めているからだ。ロン。君が自分の姿をみたのは、その映った状況に憧れているからだろう」

「そうなんだ…」

 弦の博識に随分と感心した様子のロンを放って、弦は考え込んだ。ひとつだけまずいのは、『みぞの鏡』には一部の人間にとって中毒性があることだ。

 

 ロンのように未来の憧れを映すならまだいい。しかしハリーのように過去の、叶わない望みを映すのはたいへん危険だ。叶わないとわかっているからこそ、心の底からそれを求めてしまうのだ。

 

「ユヅル……ハリーは大丈夫なの?」

「……わからない。鏡に中毒性があるのは確かなんだ。だけどハリーは透明マントを持っているんだろう? いくら君が同室だからってそれをかぶられたら止められない……その透明マントをくれた人はわからないんだったか?」

「うん」

「なら可能性があるのはやっぱりダンブルドアあたりか……うん、よし。しばらく様子を見よう」

「ええっ?!」

 声を上げたロンに弦は動じなかった。予想できていたからだ。

 

「でも食事だってまともにとろうとしないんだ!」

「なら休暇中に倒れるな。医務室にでもぶちこめる。休暇中でよかったな」

「そんな呑気な……!」

「そういうのは一回、痛い目をみたほうがいい。じゃないとこれからハリーはあの手の魔法や魔法道具にひっかかり続けるぞ。あいつの望みはもう叶わないんだ」

「それは、そうだけど……」

 

「ならロン。君がしっかり見張ってろ。君が持つ幸せを、ハリーは知らないんだ。それはハリーが引っかかる罠に君がひっかからないということだ。君が傍にいれば、ハリーは正気に戻れる」

「……うん、わかった。僕、ハリーの傍にいるよ」

 決意を胸に足早に去って行ったロンを見送って、弦はすっと眼を細めた。

 

 ハリーは叶わない望みを鏡に映した。自分は何を映すのだろう。それを見たとき自分は立ち直れないかもしれないと、弦は大きく深呼吸をしてその考えを振り払った。

 

 

 

 

 

 ハリーの様子は数日して元に戻った。ロンは本当に嬉しそうだったし、どうして戻ったのかを弦に教えてくれた。どうやらダンブルドアが気にかけてくれたらしい。やはりあの人は素晴らしく、そして怖い人だ。

 

 新学期が始まり城内が生徒の賑わいを取り戻した。ハリーたちはニコラス・フラメルのことがわかったけれどこの先に進みがようがなかった。賢者の石が立ち入り禁止の廊下の先にあることはわかっていたけれど、スネイプが犯人なのか、クィレルが犯人なのか、はたまたグルなのかわからなかったからだ。

 

 そうしているうちにまたクディッチの試合が近づいていた。ハリーはどうやらしごかれているらしく、二人もそんなハリーのサポートに手いっぱいでフラメル関連の諸々は手を付けられそうになかった。弦も三人から次の試合の審判がスネイプだと知ってひどくグリフィンドールに不利な状況だと悟った。

 

 次はハッフルパフとの対戦だったとテリーが言っていたし、フェアプレー精神が全面に出た試合になるだろう。見に行く価値はあるかもしれない。これがグリフィンドールとスリザリンだったら目も当てられないことになるので、弦は少しだけ試合が楽しみになった。

 

 

 

 

 休日のその日、弦は図書室で本を借りた。これはいつものことだが、それを入れるための鞄を彼女は持っていなかった。平日は授業があるから肩にかけているけれど、ちょっと図書室で本を借りるくらいならと部屋に置いてきたのだ。今日はパチルもターピンもいないようなので、まだまだ寒いし部屋に閉じこもることに決めていた。

 

 弦は廊下の角を曲がろうとした。しかし前方からの衝撃にしりもちをついてしまう。誰かとぶつかったようだ。相手のほうが身体が大きかったから一年生で小柄な弦など簡単にふっとばされてしまった。衝撃で眼鏡も顔から飛んでいってしまい、手の中の本も床に落ちる。

 

「ご、ごめん! 大丈夫かい!?」

 

 ぶつかった相手を見上げる。立っていたのは男子生徒だった。ネクタイの色からハッフルパフ生だとわかる。背も弦より頭一つ半分ほど高いから上級生だろう。ちなみに弦は一年生の内では中ほどの身長だ。

 少年は黒髪で灰色の瞳をしていた。顔立ちは整っている。慌てる相手にかまわず、弦は床に落としてしまった本と眼鏡を拾い上げた。しかし眼鏡を見て眉を寄せる。ガラスにひびがはいっていた。

 

 杖を取り出し「レパロ」と唱え、眼鏡を元通りにする。それをかけて視界が良好なことを確認すると、弦は少年を見上げた。

「ぶつかってすみませんでした」

「こちらこそ、ごめん。急いでいるからって廊下を走るべきじゃなかった」

 本当に申し訳なさそうにする少年は、不意に言葉を留めて弦の顔をじいっと見た。それに弦は内心首を傾げつつ尋ねる。

 

「あの、何か?」

「え、あっ……いや、なんでもないよ。本当にごめん! お詫びをしたいんだけど今は本当に急いでて……名前を教えてくれるかい? 次会った時にお詫びしたいんだ」

「お詫びは別に結構です」

 本当に弦はお詫びなどいらなかった。きっぱりとそれを断って寮に向かって歩き出す。

 

 その後ろ姿を少年が見えなくなるまで見ていたことに弦は気が付かなかった。

 

 

 

 

 それから数日して、弦は図書室で本を読んでいた。その日の授業はすでに終わり、テリーは一足先に談話室に戻って行ったから一人だ。

 黙々と本を読み棚に戻してまた次の本を読む。それを二回繰り返したところでトントンと肩を叩かれた。振り向けばあのときの上級生が立っていた。

「やあ。やっと会えた」

 

「……どうも。何か御用ですか?」

 言外にさっさと要件を言えと醸し出す弦に少年は苦笑しつつ口を開く。

「この前のお詫びがしたいんだ」

「それは断ったと思いますけど」

「うん。でも僕の気が済まない。女の子にぶつかっておいて何もなし、じゃあね」

「はあ……」

 

 さすが紳士の国。彼はまっとうに育てられたようだ。スリザリンのお貴族坊ちゃんにも見習ってほしいところである。今のところ弦に害はないけれど。

「……」

 弦は何かないかと考えたあと、一つ閃いた。

「厨房の場所ってわかります?」

「厨房?」

「ええ。私、故郷が遠いから休暇中は帰省しなかったんですけど、そろそろ本当に故郷の料理が恋しくて。厨房のはしっこでもいいんで借りたいんですよね」

「ああ、成程ね。オーケー。 案内するよ」

 さすが上級生。聞いてみるものである。

 

 彼はセドリック・ディゴリーと言うらしい。ハッフルパフの三年生だそうだ。弦もちゃんと名前を名乗り、厨房まで案内してもらった。

 

 グリフィンドール寮のように絵画が入口のようで、絵画の中にある洋梨をくすぐるとドアノブになるのはおもしろい仕掛けだと思った。

 厨房の中は忙しなく屋敷しもべ妖精が動きまわっていて(初めて彼らを見たがちっともメルヘンじゃない)、弦とセドリックを手厚く歓迎してくれた。

 

 弦のお願いを妖精たちは快く受け入れてくれた。材料のほうは叔父に頼めば送ってくれるだろう。次に来たときに彼らと一緒に料理をすることを約束した。

 お詫びには十分どころか過ぎることだ。だってこれから卒業まで弦は好きな時に和食が食べられるのだから。

 そのことをセドリックに告げると、彼は笑って「じゃあ何か頼みたいことができたら尋ねるよ」と言った。それに頷いて別れる。

 

 まさか上級生、しかも他寮生に知り合いができるとは思わなかったとあとになって考えた。

 

 

 


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