「んでよ?これからどうすればいいわけよ?家はスクラップ。車両はもうバイク1台しかねぇぞ?これから買うにしたって・・・」
「さっきからその話ばっかりじゃ無いですか。少しは休みましょうよ」
俺はセレンと合流した後に彼女が「疲れたから少し休む場所が欲しい」などと言うものだから近くのファストフード店に来ていた
待ち合わせ場所の服屋で服も着替えて来たから怪しまれもしなかった。血塗れの服で来る方がどうかしてると思うが。無論、服屋の店員はケツが血塗れになった俺を見て、心底驚いていたが。
「こんのクソアマァ・・・」
「次そんな事言ったら口をミシンで縫い合わせますよ?」
「はいはい悪かったよ・・・」
にしてもこの女。よく食べる
ハンバーガーをペロりともう5つはその胃袋に消えてしまっているだろう。俺が頼んだポテトとドリンクも全部消えちまった。ドリンクは飲み放題だからまだいいが
「お前そんなに食って大丈夫なのかよ?女は少し食っただけで体重に深刻な影響が出るってストリップの姉ちゃんが言ってたぜ」
「あぁ、なんか沢山食べても私あんまり太らないんですよねぇ。と言うかストリップって・・・」
「仕方無いだろ?男の性ってやつさ。女に飢えない男なんて、赤ん坊か、ゲイくらいだろ。」
「はぁ、そういうもんなんですかね?」
セレンが最後のバーガーを食い終わったの見てから先程の話に戻す
「それでだ。この後どうするつもりだよ?家はねぇし、隠れる場所もアテも無いし」
「なら私の家に来ればいいんじゃないんですか?」
「アホかお前は!!」
思わず大きな声と共にテーブルを拳で叩きつける
そのおかげで周りの客や店員が一斉にこちらに目線をやる
「・・・ハァ、取り敢えず、ここから離れるぞ。また奴らに見つかったら洒落にもなんねぇ。バイクのキーくれ。」
「あ、はい・・・」
俺の出した大声にまだ驚いていたのか、一瞬、間を置いてからポケットに入っていただろうバイクのキーを俺に手渡し、俺達は足早に表に出る
「それで、結局どうするんですか?何処にも行くあてが無いって」
「それが問題なんだよなぁ・・・ま、取り敢えず此処にいるのは最も避けるべき事だ。ブレイン都に行こう。そこなら簡単には見つからないはずだ」
「ブレイン都ですか・・・それなりの距離ですね」
「ただ、以前お前の親父と取引したのもブレイン都の近くのはずだ。気は抜けねぇからな。んじゃ出すぞ」
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「あの・・・すいませんでした・・・」
高速道路を走っていると後ろのセレンがふと口を開く
「それは何に対しての謝罪だ?俺の家をおじゃんにした事か?俺の人生を無茶苦茶にした事に対してか?」
「その・・・全部です・・・」
「・・・もう遅いんだよ。何もかも。俺も、お前も今となっちゃテメェのクソ親父に追われる身だ。お前の親父がお前みたいなガキを作ってなければまだマシだったと思うが」
そう言うとセレンは泣き出してしまった。しかし俺は自分に素直になっただけなのだ。今言った事は全部事実だし、間違ってるとも思わない。とは言え流石に女を泣かせるのはあまり気分のいいものでは無い。いくら俺でもそう言う部分ではまだ正常な感情がある
「・・・悪かったよ・・・言い過ぎた・・・」
そう言っても、セレンは泣き止む事は無い。
流石に言い過ぎたか。よく考えたらこの女は何の罪もないただの一市民に過ぎないのだ
それが突然、ギャングに追われ、殺し合いに巻き込まれ、最近知り合ったばかりの男にいいだけ言われる。そんな事されて泣かない女などそうそういないだろう
「本当に悪かったよ」
「いいんです・・・私も、早く父の本性に気づいていれば」
「・・・お前、やっぱり良い女だよ」
「それは置いといて、父は何故、私を殺そうとしてくるんですか・・・? 私、父に怨まれる事でもしていたのでしょうか・・・?」
「違う。あの野郎は自分がヤクを作ってんのがアンタにバレないように殺そうとしてるだけだ。たかがそれだけの為にあいつは一千万ドルも出そうとしていた。アイツにとって、アンタをそれ程までに邪魔なんだよ。」
「そんな・・・父が・・・麻薬を・・・」
「今更、善人ぶるわけじゃねぇが、あいつは気に食わねぇ。ヤクの為に平気で自分の娘を殺そうとするなんざ、人のする事じゃねぇ。俺にもガキがいたが、殺そうとなんて思ったこともねぇ。」
「あなたにも、子供が・・・?」
「昔の話だ。だが今も昔も俺は家族を誰1人恨んじゃいねぇ。嫁に浮気されたからって、子供がヤクを吸っていたって、俺の家族には変わりねぇんだからな。だからこそあいつは許せねぇ」
「私にも出来ることがあるなら・・・」
「・・・一応言っとくが、俺に付いてくるならもうマトモな人生は過ごせないぞ?」
「もうマトモじゃないですよ・・・」
「だよなぁ・・・それじゃ決まりだ。俺は奴を潰す。お前は俺に付いてくる。OK?」
「OK!」
「よし。んじゃ飛ばすぞ。」
まだアイツが何処にいるかも、何も分かっちゃいないが、
絶対にアイツを殺ってみせる。
それがどれほど辛いとしてもだ。