「セレン、着いたぞ」
「みたい・・・ですね」
やはり都市部の生活に慣れていたせいか、妙に寂れているように見える
しかし服屋があればチューニングショップやちゃんとした家だってある。生きていくにはなんの不都合もない
それにここの人間は妙に優しい。同じロスサントスに住んでいるとは思えない
「まずは家だな・・・とは言っても、買ったら買ったで奴等に足跡辿られっかもしんねえしなぁ・・・金もあんまねぇし」
「そうですか・・・それなら、どこかの家に泊まらせて暮れるように頼んだらどうですか?」
「それも良いな・・・よし、セレン、誰かに頼んで来てくれ」
「えぇっ!?あなたも一緒に頼んでくださいよぉ!」
「バカ言うな。俺がいたら邪魔になるかもしれないだろう?女のお前が行ったほうが色々と円滑に物事を運べるんだよ!」
「ちょっとお兄さん達」
「なんだよ!今大切な話を!」
声のした方を振り向くと、そこには1人の老婆がいた
「泊まる所が欲しいんだろう?家に来ないかい?」
「ホントですか!?それは助かり・・・」
喋るセレンの脳天に手刀をきめる
「ばあさん。俺達を泊めたら厄介事になるかもしれないぞ?それでも良いのか?」
流石にこんな良い人をこんな下らない厄介事に巻き込むの気が引ける。どうせなら長生きするべきだと思いそう言ったが、ばあさんはこう言った
「ははは、どうせ老い先短い婆だよ。遠慮なくおいで」
ばあさんはそのしわくちゃな笑顔をこちらに向けてくる
セレンと顔を見合わせると、とても綺麗な瞳になっているのに気づく
「はぁ・・・よし分かった。ばあさん、感謝するよ」
「ふふふ、さ、着いておいで。美味しい七面鳥でもだしてあげよう」
その悪意の無い笑顔に俺も、恐らくセレンも心が洗い流される様な感覚に陥っただろう
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その後、俺達2人はばあさんの出してくれた夕飯を終え、TVを見ていた
『お次はこの人!トレイシー・デサンタだ!』
「・・・ばあさん、これ面白いか?」
「良いじゃないか。TVで頑張りたい若者達が、頑張って自分の出来ることをやっているんだ。そういうのは大好きなんだよ。あたしゃね」
「ところでばあさん、アンタ何処の生まれなんだ?どう見たってコッチ系の顔じゃないよな?」
「あたしはね、日本て国で産まれたんだよ。夫がここの出身でねぇ、親に無理言ってここまで付いてきたんだ。そりゃ良い男だったよ~」
「そうだったんですか!実は私も気になってたんですよ~」
「そうなら聞いてくれれば良かったのにねぇ~。それにしても悪いねぇ、お皿まで洗ってもらっちゃって」
「いえいえ!私、家事は好きなほうなんですよ!」
「そうかい、アンタ、いいお嫁さんになるよぉ~」
「そんな事無いですよぉ~」
なんだこの肩身の狭さは。
仕方がない、ゲームでもして時間潰すか・・・
て、バッテリー残量がすくねぇなぁ
どうしたもんか・・・
よし
「なぁばあさん、俺ちょっとドライブに行ってくるよ」
「そうかい。もう暗いから早めに戻ってくるんだよ~」
「分かったよ!母親じゃあるまいし・・・」
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意味も無くバイクに乗り、走らせる
最近はこういうの、出来なかったからなぁ
悪い気分じゃ無いな
その時の俺はとても良い顔をしていた事だろう
なぜだか自信をもってそう言える
こんな時間が永遠に続く筈は無いと分かっていても