既に何km走っただろう
奴らの気を引き付けながら、走り、車を奪い、とにかくあの街から離れ続けた
他の車に気を配りつつ、相も変わらず追ってきている奴らの車のタイヤを目掛けてAPピストルを発砲する
しかし弾丸が当たったにも関わらずタイヤはパンクせず、尚も健在
「防弾かよ…!!」
なんて周到なヤツらなんだと思いながら高速道路を走り続ける
これまでは上手く避けれていたが当然奴等も狙ってくるわけで
大きな音と共にタイヤがパンクするのを確認する
車体が大きく揺れるがこんな所で止まっていればもれなく蜂の巣となってしまう故、バーストの危険も考えながら走らなければならない
ただでさえ車での運転は得意ではないのに
俺の乗った車両は蛇行しながら、高速道路を走り続ける
無論、車通りの多いこの道路で蛇行運転しようものなら他の車両に激突し損傷も増える
案の定、ドアが壊れ、ガラスを撒き散らしながら何処かへと飛んでいく
「ッ゙ッ゙!?」
飛び散ったガラスの破片の一つが左眼に刺さり、途端に強烈な痛みと共に左半分の視界が消える
その上、パンクしていたタイヤがバーストし、[ギギーッッ]と大きな音がなったかと思うと、俺の身体は大きな反動と共にフロントガラスから外へと飛ばされる
サブマシンガンを手にして起き上がると、左眼以外にもあらゆる場所にガラス片が突き刺さっていた
突き刺さったガラスを引き抜き痛みを必死に抑え込もうと掌で押すように隠す
「…やってらんねぇなぁ…」
「なんだ、やたら金はかかってるくせに、大したことねぇじゃねぇかよ」
「無駄な手間かけさせやがってよ」
残っているのは3人
「大した事ねぇのは・・・」
ぺちゃくちゃとうるさい男の1人の眉間をブチ抜く
「どっちだろうな?」
「んな!?」
残りの2人はまだ動けた俺に驚いたのかせっせと車の影に隠れる
「殺すならちゃんと一撃で、痛みを与えずにだ。来世にでも覚えてくるんだな。糞ギャング共」
通行車の無くなった道路の真ん中でニヤケながらそう言う俺に怯えながら撃つ銃は俺に掠りもしない
「Let's Party…!!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~
彼が家を出てから既に1時間が経った頃
言われるがままに隠れていたおばあさんが耐え切れずに口を開く
「…何事なんだいセレン」
「…私達、追われてるってあの人が言ってましたよね」
「まさか…あの子」
私はは俯きつつ首を縦に振る
「はい…私達の為にまた銃を握ったんだと思います」
「まぁそんな事だろうと思ったよ」
おばあさんは眉を八の字にして、困ったような笑顔を見せながらため息をつく
どんな反応をするかと構えていたがこの反応は予想外だった
「…もっと怒るものだと思ってました」
「まさか!たまにはヤンチャするのが男の子ってモンさね。わたしの息子だってそうだったもの。セレンも"彼女"なんだから、それくらいは分かっておいた方がいいと思うよ。」
あの人は男の子って歳でもないし、ヤンチャだってたまになんてものじゃないと思う
…ん?
「もしかして今、私の事彼女って…」
「言ったよ?なんだい、もしかして付き合ってなかってなかったのかい!?はたから見たらただのカップルにしか見えなかったけどねぇ…」
思わず掌で顔を隠す
「あら、こんな所にここまで純情な娘が居たとはねぇ」
「ッ…!」
その時、私のポケットに入ってたifruitが鳴り出し、それに応答する
「はいもしもし・・・」
『セレン…か?悪いけど…暫くそっちに帰れそうにねぇ…わ』
そのコールは彼からのものだった
息切れしながら申し訳なさそうにそう言う
「なんでですか!?私達心配して・・・!!」
『今サツに追われてんだ!顔も見られちまったからしばらくは人前に出れねぇ!バイクのキーと銃とかは俺の部屋にあっから!じゃ!』
彼がそこまで言うと電話は勝手に切れてしまった
「はぁ・・・」
「…男の子のヤンチャにはとことん付き合ってやるのが…」
「彼女の務め…ですか?」
「分かってるじゃないか。鋭いねぇ…」
あらゆる事がいきなり過ぎて脳があんまり働いてくれないが・・・
「はぁ・・・」
まぁ、そんな事…
「全く・・・」
彼が帰ってきてから考えれば良いか
※最終回ぽいタイトルと内容ですが最終回ではありませんよ!