機動戦史マヴラヴHardLuck   作:赤狼一号

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 彼の人生は、きっとごく平凡なものだったのだろう。人並みに苦労し、人並みに付き合いをし、それなりに日常をこなしてきたのだ。だからこそ、彼には超えねばならない目標も、雪がなければならない汚名も、晴らさねばならない屈辱もなかったのだろう。がんばりたいことも、がんばるための理由も見つけられなかった男の人生は、やはり虚しさを感じずにはおれなかったのではないか。そうMSに出会うまでは…。 
 そこから、彼の人生はMS一色だった。寝る間も惜しんで訓練を行い。操縦のためのモーションプログラムの構築や整備から機械工学に到るまで、彼は学び続けた。とりわけ、格闘戦に優れていた彼が、そのMSと出会った時の歓喜がいかばかりであったか。ぜひ聞かせてもらいたかったと思う。
 彼は出会ったのだ。己がその人生の全てを懸けるに足る存在に。それは自分の運命とであったと言っても過言ではないだろう。私は彼の生涯は幸福であったと思う。だからこそ、一つだけ聞きたい。
 私が君を私の大隊へと引き入れたいという手紙が君の元へ届いてたら、君は私の元へ来てくれていただろうか。我がカスペン戦闘大隊の輝ける精鋭の一人として、共に戦場を駆け抜けてくれたであろうか。
 私は君の答えを聞かずにすんだことを、感謝すべきなのやも知れない。君は戦士としての人生を選んだ。兵士としての生よりも、英雄としての死を選んだ。ならばそれはアキレウスの選択なのであろう。
 
 だからこそ我々は君の生涯を後世に語り継いで生きたいと思う。英雄を選ばざるをえなかった男の物語を・・・。

                                                  

 ヘルベルト・フォン・カスペン著「アキレウスの選択」より     


外伝 オデッサの追憶 第三話 戦友

 一時の休息を終えて、マ・クベは斬込隊をザンジバルの格納庫へと集めた。

機体ラックには出撃を待つ機体が鎮座している。横にはバズーカ、マシンガンをはじめとした様々な用の兵装が並んでおり、出撃の時を待っていた。

集まった男たちは、先の戦いにおいて撃破されたもの、負傷したものを除いた、僅かに10名足らず。であるにもかかわらず、男たちの目は不思議な静けさを伴っていた。 

マ・クベは静かに息を吐くと、男たちに語りかけた。

 

「諸君、はじめに言っておこう。これまでご苦労だった。諸君の働きには正直、驚いている。皆の分のジオン十字勲章を申請しても足りないくらいだ。諸君は、私の予想を遥かに超えた勇敢さと卓越した技量をもって、この貴重な時間を稼いでくれた」

 

 そこで、一度言葉を切ると、居並ぶ男たちの顔を一人、一人、確かめる。

負傷して、ここに集まれなかった者達や、地上で屍をさらしている者達に思いをはせる。驚くべきことに、マ・クベはこの部下たちに私情を持ち始めていた。

 それまでのマ・クベにとって部下とは駒だった。平等に価値があり、目的の為にいかに効率よく使うかが重要であり、彼らの死は問題ではない……はずだった。

 

―-だが、今は彼らを死なせたくないと思っている……

 

 我ながらロマンチストに過ぎる考えだと言うのは分っている。それでも、彼らと共に生きる時間は掛買いの無い価値がある、そう思えた。

 

「諸君に最後の命令を告げる。ザンジバルで、斬込隊は宇宙へ脱出せよ」

 

 その言葉を発した瞬間、その場に集まった男たちが、一斉にどよめく。

皆、死ぬ覚悟を決めて、この場に集まったものたちだから、困惑しているらしい。

何を今更と言う思いもあるのだろう。いま一つ飲み込めていないような表情の者が、殆どだった。

 

 

 

「ふざけるな!!」

 

皆が困惑しどよめく中、空を切り裂くような厳しい怒号が響きわたった。

 

「今更、怖気づいたってわけですか!! 中将殿、あなたを敵前逃亡で拘束する!」

 

 声の主はイワモト曹長だった。

拳銃を片手に構え、銃口はしっかりとマ・クベを睨んでいる。

驚いた周りの男たちが道を明ける。まるで海を割った大昔の聖人のように、曹長は悠々と前へ出た。快活な普段のイワモト曹長とは、似つかない感情を押し殺した顔だ。

 

「なんのつもりかね?」

 

 目の前に突きつけられた銃口を見ても、マ・クベは落ち着いていた。

と言うより、曹長の突然の豹変の方に驚いていたのだ。彼はそこまで愛国心旺盛なタイプではなかったはずだ。

実際、周りの方もそんな認識らしく、女房役のメルダース少尉が困惑した目で曹長を見ている。

 

「ウラガン少尉にお聞きしました。ギレン総帥からの無差別核攻撃命令も無視されたそうですね」

 

「……ウラガン」

 

 じろりとウラガンの方を見ると、気まずそうに目をそらした。曹長はさらにマ・クベに詰め寄ると、マ・クベを盾にするように背後に回った。

 

「曹長! やめろ!!」メルダース少尉が鋭く静止かける。他の者達はみな、困惑の表情のまま成り行きを見守っている。

 

 イワモト曹長が少尉の方を見て、にやりと笑った。その悪餓鬼のような笑いに、肩透かしを食らったメルダース少尉が、怪訝そうな顔をする。

 

「少尉殿! マ・クベ中将は一人で、このオデッサへ逃亡するつもりだったのです!!」

 

 曹長の言葉に皆が再びどよめいた。突然の暴露に、たまらずマ・クベもうろたえる。

すっかり困惑したメルダース少尉が、曹長に向かって尋ねる。

 

「曹長? それは、中将閣下がお一人でここに残るつもりだったということか?」

 

「その通りです」

 

 きっぱりとした曹長の言葉に、斬込隊の面々はみな驚きの声をあげる。マ・クベはいらだたしげに唇を噛むと、今回の企みをなしたであろう副官をにらみつけた。

にらまれた当人が、さらに小さくなって顔を伏せた。

 

「脱出はゲラート・シュマイザー少佐のご好意で、フェンリル隊が支援してくれる事になっている。だが、私はこの基地の司令官だ。最後まで残る義務がある」

 

「詭弁はそこまでです。マ・クベ中将、あなたをザンジバル艦内に監禁します」

 

 事務的な口調で、言ってのけると、後ろに回った曹長がプラスチック製の簡易手錠をかける。マ・クベの手にプラスチック製のコードを掛けながら、曹長が耳元でそっとささやいた。

 

「すみませんね、中将殿。この戦場の主役を、ギャンに持ってかれるわけには行かないんですよ」

 

――俺だけ、生き残っちまったな……。 

 

 瞬間、触れた曹長の手から、様々な想いが流れ込んで来る。たえず倦怠感を感じながら、それを払拭する道を見つけ切れなかった少年時代。倒したい敵も、超えたいハードルも、愛したい相手も、何も見つけられなかった男の唯一の願い。

 それは男なら誰しもが持つ本能的な願い。「強くなりたい」だがそれを振るう場など、太平の世にはない。

 燻り続けるのは苦痛だった。しかし、高まる社会不満の中、連邦の不備によってが起きたズムシティの事故。それに対して、何もできないという無力感。そんな中、始まった戦争。すぐさま軍に志願した。

 軍の中での弛まぬ研鑽の中で、彼は戦い続け、そして、運命と出会った。幾多の戦いの中で、男はエースの一人に数えられるようになった。

 それは自分の生き方を見つけた男の物語。その結末は、恐らく死だ。

 

「曹長、君は……!」そう言いかけて、マ・クベは途中で止めた。彼は感謝していた。戦争が始まったことに、そしてその引き金を引いたマ・クベに、彼は感謝していたのだ。

 そういう形でしか、生きられない。いびつな魂をもってなお、生きることを強要された男にとって、闘争こそは救いだったのか。

 

 彼にはどんな言葉も無駄だと言うことが、さっきの一瞬で十分すぎるほど分ってしまった。唖然としている斬込隊の面々を尻目に、マ・クベは曹長に連れられて、格納庫を後にした。

 その後姿を、メルダースだけが、しっかりと見つめていた。

 

 

 

 

 

イワモト曹長はマ・クベを司令官用の寝室に放り込むと、手錠を解いた。

 

「すみません中将閣下。しばらくおとなしくしててください」

 

 相変わらずの人懐っこい笑顔を浮かべ、曹長はきびすを返した。

 

「待ちたまえ」

 

 そのまま出て行こうとする曹長を、マ・クベは呼び止めた。振り向いた曹長が、怪訝そうな顔をする。

 

「13番格納庫に、私のグフがある。使いたまえ」

 

 イワモト曹長はぴたりと動きを止めると、背を向けたまま答えた。

 

「気づいておられたんですか?」

 

「……つい今しがたな」

 

 そう言ったマ・クベ司令の横顔はどこか困惑と苦悩の皺があった

 

「まいったな……」

 

 振り返った曹長はまるで、いたずらを見つかった悪餓鬼のような顔をしていた。

 

 

「お見通しですか……やっぱり、中将殿にはかないませんね。中将殿にはここで死んでもらっちゃ困ります。あなたは、人に最良の死に場所を与えてくれる人です」

 

「……」

 

 底の見えぬ曖昧な笑顔で話す曹長を、マ・クベは黙って見つめていた。

 

「メルダース少尉殿と斬込隊の連中をよろしくお願いします」

 

「まるで、死神だな……私は」

 

 マ・クベが自嘲気味に笑うと、曹長はおどけたように言った。

 

「……自分の生き方は、自分にしか見つけられませんから」

 

 そう言うと、曹長はにっこり笑って敬礼をした。

 

「イワモト曹長、君は英雄になってしまうのだな……」

 

 部屋の入り口に消えた曹長の背に、マ・クベは苦く呟いた。

 

 

 

 

 

―――オデッサ基地13番格納庫

 

 人気のないはずのその格納庫で、5・6人の整備兵とウラガン中尉が必死で出撃準備を整えていた。

 

「来たな曹長」

 

 バインダーを片手にあれやこれやと、指示を飛ばしている当たり、ウランガ中尉は約束を果たしてくれたようだ。。

 

「中尉…」

 

 何かを言おうとすると、中尉は黙って手で制した。

 

「曹長。貴様のグフの操縦データは全てこちらに写してある。戦闘機動プログラムも打ち込んであるから、これで、貴様の愛機とかなり近づくはずだ」

 

 そこまで言って言葉を切ると、ウラガン中尉は一息、ため息を吐いた。

 

「こいつは司令官用だ。機体ダメージがある一定以上にいくと、機密保持システムが発動して、吹き飛ぶからな。見られちゃやばいもんは消してある。

うまく逃げ回って時間を稼いだら、投降しろ」

 

 曹長が信じられないものを見たような顔をすると、ウラガン中尉はむっとしたような顔をした。

 

「貴様、俺をなんだと思ってるんだよ」

 

 手を止めてポケットをまさぐり始めると、よれた紙箱を取り出した。

 

「ほれ」

 

 紙巻を一本引き抜くと、イワモト曹長のほうへ差し出した。

 

「え、あ、頂きます」

 

 曹長がタバコを受け取ると、ウラガンは指2本でこちらに来るように促した。見ると、その手にはマッチの箱が握られて下り、中尉が手際よく一本取り出して摺る。小さな灯火が二人を照らし、一つの火が二本のタバコに火をつけた。

 立ち昇る紫煙は天井へと消え、中尉はうまそうにタバコをふかした。

 

「貴様の策に乗ったのは、士官として癪ではある…・・・・・が、マ・クベ様は助けられる。無論、他の連中もだ」

 

 そう言ってタバコを燻らせながらウラガンを見る。その目は何か複雑な葛藤が渦巻いていた。

 イワモトは何を言うことも出来なかった。もとより上官であるし、そこまで付き合いが、深いわけでもない。

 ただ一つの接点として、部隊として共に修羅場をくぐった戦友だということだけだ。

 そして、この一つこそが何よりも思いように思える。

 

「ご馳走様でした」

 

 上等な紙巻を堪能したイワモト曹長は吸殻を地面に押し付けた。ウラガンに教本どうりの敬礼をして、その身を翻した。

 

「なあイワモト」

 

 イワモトが振り返ると、中尉は何かをこらえるような顔をしていた。

 

「曹長、『システム』の起爆タイマーは限界出力ぎりぎりまである。もし脱出できるチャンスがあるなら...あきらめるな」

 

 イワモトが黙って首を振ると、ウラガンは何かを言おうとしたが、大きなため息を吐いて、苦い笑みを浮かべた。

 

「そうだな。水差してすまなかった、曹長」

 

 黙って首を横に振ると、イワモトは踵を打ちつけて敬礼をし、自分の機体へと走った。

 その後姿に向かって敬礼をしながら、男の目尻から一筋の輝きが零れ落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 コクピットをゆらす振動が不気味に敵の接近を告げていた。

 

 イワモト曹長は地下の擬装出撃口の下で息を殺していた。

通信機の中に散発的な敵の通信が入ってくる。どうやら連邦軍は侵攻を再開したらしい。順調に市街地の中に入ってきているようだ。上は凄まじい砲爆撃で瓦礫の山になっていることだろう。

 なかなか、綺麗な町並みだったのにな、と暗いコクピットの中で曹長は誰に腕もなく呟いた。

 

「さて、中将殿は一体どんな清水舞台を組んでくれたんだ?」

 

 真新しい合皮製シートの匂いが鼻をつく、長身のマ・クベ中将に合わせてか、シートは少し大きかったが、包み込むような感じが心地良い。

敵が市街地に入るまでは動けない。

イワモト曹長はマ・クベ中将から受領した機体を確かめることにした。

 

「こいつはすげぇ」

 

 ジオニック社が賄賂とするためか、コクピット内装はもとより・ジェネレーター・システム・装甲に至るまで最良の部品で組まれている。センサーや通信能力は通常の指揮官仕様よりも大分強化されている。これは、通常の指揮官仕様は中隊長用だが、マ・クベの場合は方面軍司令官だからだろう。機密保持システムまで組まれているのだ。  

 カタログデータ上は一般機と大差ない性能と言う事になっているが、これだけ良い部品を使ってセッティングとチューンを施しているのだから、性能が悪いはずが無い。

 

「派手な外装は伊達じゃねえわけか。あの人らしい」

 

 どうしようもなく、血が滾ってくる。人知れず笑みがこぼれるのは仕方の無いことだ。どうやら中将閣下は、冥途の道連れに最高の花嫁を用意してくれたらしい。

 

「ヴァージンロードが黄泉路ってのは……」

 

 待機状態の薄暗いコクピットの中を見回すと、愛しさをこめて呟いた。

 

「……俺たちには似合いだな」

 

 そう呟いた曹長の笑みは、なんとも形容しがたいものだった。

 

《――Requiem aeternam dona eis, Domine:et lux perpetua……Te decet hymnus, Deus Zion――》

 

突然、通信機が大音響でイントロイトゥス(入祭唱)を歌いだす。市街地各所に仕掛けられた中継アンテナによって増幅された、基地からの大出力通信波だ。

 

 通信機が詠う砂交じりの音楽に身を委ねながら、機体を起動する。

メインジェネレーターが快調な作動音を上げ、モニターに管制システムが立ち上がる。

 

「モーツァルトのレクイエム(鎮魂歌)とは、まったく、中将殿は良い趣味をしてる。連邦の連中は、さぞや面食らってる事だろうな」

 

 そう思うとたまらず笑みがこみ上げてくる。この場にはおあつらえの曲だ。

突如、凄まじい振動で出撃口がゆれた。上から落ちてきた擬装のかけらが機体に当たる。脱出部隊のうち上げがはじまったらしい。イワモトの脳裏に、若い戦友の顔が浮かぶ。

 

「そういや、こっちも同じタイミングだっけ……少尉殿、どうかお元気で」

 

 最初に声をかけられた時は内心、焦ったものだ。話してみれば、若くて、とっつきやすい上官だった。共に命をかけて戦った瞬間、戦友になった。電光のように出会い、そして別れを告げた戦友(とも)。短い時間であったが、その全ての記憶が輝いているように思える。

 

兄弟のような、親子のような、親友のような、そのどれでもないが、暖かさにあふれた関係。その全てが「曹長」、「少尉」、の呼びかたに篭っていたと思う。

 

「だから少尉、あなたに死んでほしく無いんですよ…」

 

 暗いコクピットの中で曹長はポツリと呟いた。

 

遠隔で擬装を爆破、バーニアに点火する。通信機から流れてくるレクイエムに耳を傾けながら、イワモトはにやりと笑った。長高出力通信波による通信妨害。これで敵の通信もIFFも作動しない。

 

《――Kirie, eleison. Christe, eleison. Kirie, eleison.――》

 

 入祭唱が終わり、キリエに差し掛かったところで出撃口から飛び出した。

景色に色がついた瞬間、バーニアを切る。接敵警報、熱センサーが画面せましと光点を映す。

フェンリル隊は別働しているため、この区画には自分しか居ない。

 

「見渡す影は全て敵…か」

 

 向こうも気づいたのか、光点が一斉にこちらへ向かってくる。

湧き上がる高揚感が、心臓を蹴り上げる。

 

「オデッサ・フィルの特別演奏だ! ……チケット代は、高くつくぜ」

 

 ヒートサーベルを抜き放ち、灼熱の刃をたぎらせた。

 

 

 

 

 

 

「待て! 曹長ぉぉぉぉぉ!!」

 

 絶叫と共に飛び起きたメルダースは、荒い息を吐きながら周りを見回した。消灯してあるのだろう。周りがほとんど見えない。寝汗だろうか、外気に触れてひんやりと背中が冷たくなる。

 

「ここは……?「私の寝室だよ」」

 

 突然右奥の扉が開き後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。逆光の性で顔が良く見えないが、この通りの良いテノールは、忘れられるものではない。

 

「マ・クベ司令!」

 

 起き上がって敬礼をしようとすると、マ・クベがそれを手で制して。左側にあったデスクのイスに座った。

 

「どうやら、起きた様だな」

 

「自分は、何故ここに?」

 

「曹長が、私をここへ軟禁して、しばらくして、君の事を抱えてきたんだ。薬でも使ったのか、君は酷く良く眠っていたからね」

 

「それで、曹長は私をここに寝かせたんですか!?」

 

「いいや、ベッドに寝かせるよう指示したのは私だ。曹長はソファーにでも置かせてくださいと言っていた…」

 

「な、なら、なぜ?」

 

絶対にありえないとは思うものの、一瞬、言い知れぬ危機感が背筋から尾てい骨を走り抜ける。

 

「別にどうという理由は無いが、寝ているものが居て、寝室は開いている。他に持っていくほど、思い入れのある寝台ではないよ」

 

 マ・クベが、さも当然と言わんばかりに答える。

 

「はあ、そうですか…」

 

 なんだかほっとした様ながっかりした様な気分である。無論、そっちの気はまったくないが、マ・クベの人間的な部分に興味はあった。

 

「そんなことよりだ。どうして、君は寝ていたのかね?」

 

 言われて、メルダースは薄ぼんやりした記憶を探った。

 

「へ? 確か曹長のことを止めようとして・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待て、曹長っ!」

 

息を切らせながら、メルダースは司令官のオフィスから出てきたイワモト曹長を捕まえた。

 

「少尉殿。そんなにあわててどうされたんですか?」

 

「話は聞いたぞ! お前、まさか、中将殿の代わりに残るつもりか?」

 

 曹長は困ったように笑うと、「その通りです」と答えた。

 

「何故だ! 何でそうも死にたがる!!」

 

「ちょうど良いからです」

 

「何?」

 

 曹長は急に真面目な顔になると、じっとメルダースの目を見つめた。

 

「最後を飾るには丁度いい舞台だからです。俺も…、あいつにも」

 

 そういった曹長の目は、ひどく遠くを見ているようだった。ただ、その眼差しからは並々ならぬ決意と信念が見えた。だが、メルダースにはどうにも納得しきれかった。否、納得したくなかったのだ。

 

「なんでそうグフに拘る!! 連邦軍は次々と新型のMSを作っている。お前が倒したガンダムだって、いずれ量産される! そんな時に、センチメンタリズムだけで勝てると思うのか?」

 

 曹長に生きて欲しい、そう願っているはずなのに、高ぶった気持ちが、自然と声を荒げる。

 

「そして、俺たちジオンだって、新鋭機を作っている! 貴様ほどの腕があれば、どんな機体だって乗りこなせるだろ。新兵器だって、いずれ旧型になる! そんな当たり前のことが何故理解できん!!」

 

 曹長はぐっと俯くと、押し殺したような声で言った。

 

「…そうして乗り換えるほうはいい。だが乗り換えられるほうはどうなるんですか。己の戦場も与えられず、ただその場で朽ちていけと言うんですか!!」

 

「いい加減にしろ、曹長! 貴様はMSじゃないんだ!! 兵器なんぞに自分を重ねて、自己憐憫に浸って満足か!? どうして前を見ようとしない!!」

 

「前に何があるというんですか! このままこの戦争を生き延びて、娑婆に帰ったところで、自分には何もありませんっ!!

 何もなかった! ………だから」

 

 絶叫のような曹長の声が、人の居ない廊下にこだました。一瞬、底の見えない崖下から助けを求められているような錯覚を覚え、かけてやる言葉を捜すことすら出来なかった。

 何を言えというのだ。独りの男が障害かけて熟成させた絶望をさらけ出されて、メルダースは動くことすら出来なかった。

 

「自分は……立派な人間になりたかったんです。でも、自分のすべきことも、したいことも、見つからなかった。少尉のように愛した女も……。

これが、最後に見つけたことなんです。戦争が……グフに乗るということが、自分が唯一つ見つけられた! 最後の…・・・」

 

 そうだ。生き延びたところで、生き続けたところで、その先に何があるというのだ。自ら死ぬまで戦い続けることをしか選べなかったのなら、せめて死華を咲かせたいと思うのは、そんなに間違っていることだろうか。曹長の決断に、心の片隅で納得している自分が居る。それが苛立たしくて、悔しくて仕方ない。

 

「だが、それは貴様の我侭だ……」

 

 何とか言葉を吐き出しながら、メルダースの語調は弱かった。

 

「俺が貴様に生きて欲しいと思うのもな」

 

 もう、きっと止まらない。いや、止まる事なぞ望まない。止まってしまえば、ただ息をするだけの屍となってしまうからだ。

 そんな思いを吐き出すかのように大きくため息をついた。

 

「分った。俺も付き合ってやる。最後の舞台はグフで派手に決めてやろう!」

 

 メルダースがそう言うと、今度は曹長の方がうろたえる。

 

「しかし、それは…「俺が決めたことだ」」

 

 言い終わる前に、言葉を遮る。もはや、迷いは無い。何も見つからなかったというなら、俺がいる。貴様は一人じゃない。何も見つけられなかった男ではないのだ。男は決意を胸にしまった。男が男の価値を認めるならば、弁舌ではなく行動で表すべきだ。

 メルダースはしっかりと戦友の顔を見つめた。その目に宿る決意を見取ったのか曹長は何も言わず、ただ諦めたように頷いた。

 

「少尉殿、水杯(みずさかづき)を交わしてもらえますか?」

 

「水杯?」

 

 メルダースが怪訝そうな顔をすると、曹長がいつもの無邪気な笑みを浮かべた。

 

「水杯ってのは、旧世紀の飛行機乗りが、決死の任務の前にやった儀式みたいな奴です」

 

 そう言って、小さな皿のようなものを手渡してきた。そう言えば、昔、学校で習ったような気がする。日本ではこれがグラスの代わりなのだ。

 

「曹長、それで中身はどうするんだ?」

 

顔を上げた瞬間、鋭い拳が顎の先を掠めた。思わず取り落とした杯が、地面に落ちて砕けちる。

 

「そうちょっ・・貴様h」

 

 がくりと膝から力が抜け、全てを言い終わらぬうちに、メルダースは地面へと崩れ落ちた。

 

「すみませんね、少尉。これも自分の我侭です」

 

 薄れゆく意識の中に見たイワモト曹長の笑みは、どこかさっぱりとしていた。

 

 

 

 

「曹長、どうして・・・・」

 

 メルダースはぐっと自分の拳を握った。直ぐに寝台から起き上がると、オフィスの出口に直行した。自動ロックが冷たく彼の行く手を阻む。

 

「開かない!」

 

「そのドアはロックされている。メルダース少尉、我々は軟禁されているのだ。出れんよ」

 

 後ろから来た冷静に言葉をかけると、メルダース少尉は、振り返りざまに彼の肩をつかんだ。

 

「マ・クベ中将! 自分はどうしても曹長のところに行かねばならないんです!!」

 

 肩をつかむ力、こちらを見る眼差しその全てが彼の必死さを物語っていた。マ・クベの細くしまった腕に、ギリギリとメルダースの指が食い込む。

マ・クベは気にせずに話した。

 

 

「メルダース少尉、私は全て知っている。イワモト曹長の気持ちも、君の彼と共に生きたいという願いも、私には良くわかる。理解も出来る。だが、もう、間に合わん」

 

刹那、凄まじい震動に襲われる。

 

「まさか!?」

 

「そうだ、このザンジバルはまもなく宇宙へと脱出する」

 

「そんな…」

 

 メルダース少尉が打ちひしがれたような声を上げる。

 

「我々に出来ることは、もう無いのだ…」

 

 言葉の最後でマ・クベは唇を噛んだ。

 

「くそぉぉぉぉぉぉっ!!!」

 

 激情のままに両手を床へ叩きつけた。絨毯の下の装甲板が鈍い音を立て、握り締められたこぶしの上に数滴、暖かいものが落ちる。

それが、情けなくて悔しくて、メルダースは床に伏した。

なお抑えきれぬ激情がメルダースの口からこぼれ落ちる

 

「曹長、共に逝けぬ俺を……許してくれ」

 

 零れ落ちた慟哭は、艦船用大型ブースターの轟音に飲まれた。

 

 

 

 

 

 

 

「それ」と我々との出会いは、鎮魂歌の鳴り響く奇妙な戦場だった。

私は、あの日、通信機が唱っていた「怒りの日」を生涯忘れることが出来ないだろう。

その日は、敵を灰燼に帰す日となるはずだった。我々が勝利を得る日になる筈だった。

しかし、裁かれたのは我々の方だった。皆が必死で生きようとし、皆が死んだ。

「それ」は恐ろしかった。ただ、恐ろしかった。そして、何も残らなかった。

 

「~黄昏のオデッサ 蒼ざめた騎士~」序文より抜粋

 

 

 

 

 

「こちら第三小隊、パターソン少尉! 本部!! 応答しろ!!」

 

 パターソンは苛立たしげに悪態をつくと乱暴に、通信機を切る。

 

「くそったれめっ!!」

 

 敵がほとんど撤退していたとはいえ、やけにあっさりと上陸できた事に、疑問を持つべきだったのだ。おかげで、通信機から分けの分らない音楽が流れ始めたと思ったら、通信が妨害された上に、霧まで出始めたのだ。これでは敵が脱出を始めても手も足も出せない。何しろ昨日の戦闘で、支援装備の機体が軒並みやられ、部隊の再編待ちで後方待機。それでなくても通信妨害で支援要請も出せない。

 つまり、指をくわえて見てるしかない訳だ。

 

「マ・クベのカマ野郎! 下らねぇ置き土産、置いてってくれるじゃねぇか」

 

 思ったとおりの陰険さを持っていた敵の指揮官へ悪態をついていると、後ろに居たジムがパターソンの機体の肩を掴む。

 

《小隊長! どうしますか?》

 

 部下が、接触回線で語りかけてくる。

パターソンが指示を下す前に、熱センサーが接敵を知らせる。

 

「敵!? しかも、すぐ近くじゃないか!!」

 

 他の連中も気づいたようで、センサーに映る味方の光点が一斉に近寄ってくる。

 

『小隊長! 他の隊に任すことはありません。うちの隊でやっちまいましょう!!』

 

「罠かも知れん! 不用意に先走るなよ」

 

 若い部下をたしなめると、お互いの機体の肩に手を置いて、接触回線をつないだまま、注意深く前進する。

 突然、現在地の各所で小規模な爆発が起きると、センサーの光点がまばらに消えた。

どうやら、対MS用のトラップに引っかかったらしい。念入りに砲爆撃したが、まだ、置き土産が残っていたらしい。

 

「迂闊には動けないな……」

 

 何とか外部の情報を集めようと、パターソンは通信機のスイッチを入れた。

しかし、流れてくるのは合唱ばかり、回復するきざしは見えない。

 

「まったく、戦場以外で聞くなら、まだ、ましなんだが……」

 

 

 

《―― Dies ira, dies illa! solvet saclum in favilla:! teste David cum Sibylla……》

 

 「それ」が彼らの前に姿を現したのは、ちょうど曲目が「怒りの日」へと変わったときだった。

 

『…こちら第2小隊ッ…敵機の襲撃を・・数が多い』

 

 不穏な通信が砂嵐交じりの通信機から流れ出る。

 

「おい、第2小隊! 何があった」

 

 パターソンが通信機に向かって怒鳴るが返答はない。センサー上に位置していた光点が消えたのは、その直後のことだった。

 それは第2小隊の位置にあったものだ。

 

 立ち込める煙幕の煙の中に何かが光る。ふっと目を凝らした瞬間、目の前に濃い影が現れた。

 衝撃がコクピットを揺さぶり、パターソンはシートに凄まじい勢いで叩きつけられた。

 かしこにひびが入ったカメラが、敵の影を写す。敵はどうやら体当たりをしたであろう姿勢のままだった。雄牛を思わせる両肩のスパイクの片側には、腕のようなものが引っかかっている。

 どうやら、タックルされた際に抉り取られたらしい。ポタリ、ポタリと零れ落ちるおいるが、さながら鮮血を思わせた。

 

 それはおおよそ戦場には似つかわしくない類の機体であった。深い蒼色で塗装された装甲は、豪奢なレリーフ彫刻を施され、傷一つない。

 動きは並みの機体よりも滑らかで、良質なパーツが使われていることが伺われる。まるで美術館にでも飾られていそうな代物だ。

 それが、マシンガンにバズーカを背負い、大量の弾薬を下げて完全武装であるというギャップが、何かいっそう粋なものに見えるのが不思議だった。

 

《まずは指揮官だ……悪いな》

 

 かすれた声が接触回線から漏れ出でる。ごつ、とコクピットの装甲に何かが当てられた感触を感じて、パターソンがそこから先を感じることはなかった。

 

 コクピットにヒートソードをつきたてたジムの前に立つ、その機体は一瞬たりとも躊躇しなかった。大出力広域通信波によって奏でられた鎮魂歌がそれを後押しし、

 その激情をかきたてる様な旋律に乗って、銃口は小隊の残りへ向けられた。

 混乱状態から抜けきれなかった2機に向かってマシンガンを撃ちまくる。至近距離ということもあって、145mm砲弾はジムの装甲を容赦なく食い破り、コクピットの中身を挽肉にした。

 破壊したジムのコクピットからヒートソードを引き抜くと残りの1機のほうへ振り向いた。

 

 距離は50mほどか、まさに一足飛びの間合いだ。完全に白兵戦の距離である。ジムがビームサーベルを抜く。

 相手もこちらがヒートサーベルで応戦すると考えているのだろう。それは面白い、コクピットの中でにやりと笑いながら、イワモトはレバーを操作した。

 機体が手にしていたヒートソードをマシンガンに着剣する。着剣装置にがたつきなどは無論ない、銃を構えるように脇に挟み、突撃したのはイワモトのほうからだった。

 

 相手のジムが銃身のな半ばを狙って斬りつける。予想していた動きだ。銃身を上に半回転回し、空振りさせる。踏み込みが深すぎたためにわずかに崩れた体勢を見逃すほど、男は未熟ではなかった。筒先にすえられた剣先が、吸い込まれるようにジムのコクピットを貫いた。

 コクピット全体に伝わる感触が背中に電流を走らせる。人を殺したという確かな手ごたえを、イワモトは感じていた。

 知らず緩んでいた己の口元を、呪わしく思う。何がうれしいのだ。重苦しい罪悪感の中にくらくらするほどの甘さを感じているのは、敵よりも自分が優れていたと証明したゆえか。

 

 否、この快楽はもっと根源的なものだ。糧を貪り命を永らえる甘美。壊し殺すことを求める衝動。それを存分に解き放つときが来たのだ。それは、人の生において、もっとも単純かつ原始的な意義であった。

 男は我知らず笑っていた。嘆くように、すがる様に、牙を剥いて低く笑いながら、その表情こそは獲物を前にした獣のそれであった。

 やっと、始まったのだ。長く待ち続けたものが、それまでの人生全てを懸けた闘争が、今始まったのだ。  

 

 

 

 

 

 ここから先は時間との勝負だ。相手が混乱から立ち直る前に、出来るだけ数を減らす。

 ビルの間を超低空で飛びぬけたグフは、いきおい目の前の敵に銃剣(ヒートサーベル)を突きたてた。

 コクピットを貫通したそれを蹴りで引き抜く。振り返りざまに、後ろに回り込もうとしていたジムに銃床を叩き込むと、カメラをぶち割られたジムが2・3歩あとずさる。

 それを幸いに、腰だめにかまえたザクマシンガンをセミオートで打ち込む。コクピットぶち抜かれたジムが地面に崩れ落ちる。

 相変わらず通信機からは、ノイズ交じりの鎮魂歌が流れていた。

 

「葬送には丁度いい。よかったな連邦のルーキー(新型)ども・・・・・・」

 

 連邦の白い量産型は、過日のジャブロー強襲の際に始めて確認されたものである。つまり連邦軍の最新鋭というわけだ。

 だが、そんなことはイワモトにとっては大した問題ではなかった。

 やるべきことは「定まって」いるのだ。後はそのために行動するのみである。

 

「それじゃあ、旧型(ベテラン)の意地を見せてやる」

 

 牙を剥くように笑いながら、イワモトは己の世界が広がっていくのを感じた。見えるのだ。敵が何処にいるのかも、船におしこめれた味方、そして、彼を支援する為に展開した味方も。

 感じるのだ。彼の無事を祈る心を、彼を恐れる心を、憎む心を、そしてひたすらに彼と共に戦うことを求める魂を。

 

「さあ、戦争の時間だ」

 

 誰に言うでもなく呟きながら、イワモト曹長の殺戮劇はまだ幕が開いたばかりだった。

 

 

 

「すげぇな…なんて、腕してやがる」

 

 そう、呟いたのは、高性能スコープで状況を観察していた、レンチェフ少尉だった。レンチェフと部下のリィ・スワガー曹長は狙撃部隊が置いていった狙撃戦仕様のザクに乗って、市街地を見渡せるこの場所に待機していたのである。

 

『本当ですね。しかし、いつまでも高みの見物ではまずいですよ、少尉』

 

「人聞きの悪い事を言うんじゃねぇよ。連中の注意が完全に、イワモト曹長に向いたら、少佐たちが行動を起す。それまでに別働隊がいることを悟らせるわけにはいかん!」

 

『そりゃそうですが、イワモト曹長が危険になったらどうするんですか?』

 

 温厚なスワガー曹長が珍しく声を荒げる。レンチェフは気にした風でもなく、にやりと笑った。

 

「そんときゃ、予定が前倒しになるだけさ」

 

 それを聞いたスワガー曹長が呆気に採られた顔をして、ため息混じりに笑った。

 

『…了解しました。少尉殿』

 

 苦笑を浮かべるスワガーに、レンチェフは監視に戻るよう即した

 

「まあ、そんなに心配することも無さそうだぞ……ありゃ、まさに鬼だ」

 

 高性能スコープのレンズには、鎮魂歌の流れる街の亡骸と、そこへさらに屍を積み上げていく単眼の鬼の姿が映っていた。

 

 先ほどの爆発を見たのか、分散的だった敵部隊が、わらわらとイワモト曹長の方を目指している。

 まるで瓦礫の向こうの敵が見えているかのように、グフはビルを突き破って、隣の道路に躍り出た。背後を取られたジムの小隊が反撃しようとした瞬間。

 両手のバズーカが火を噴いた。両脇を瓦礫に囲まれ、MSにとっては狭い道路である。そこへ対艦用のロケット弾を浴びせられたらひとたまりもない。

 一瞬、遅れて凄まじい轟音と衝撃波を放ってジムが爆発する。僅か数十秒のうちに2個小隊を片付けてしまった。

 

 弾の切れたバズーカを捨てると、マシンガンを回収した瞬間、後ろの瓦礫を突き破ったジムが出会い頭にビームサーベルを振り抜いた。

 受けたマシンガンが真っ二つに切れ、一部の弾薬が誘爆し、グフが後ろにのけぞった。

 

『あ、危ない!』

 

 スワガー曹長の声が通信機から響く。レンチェフもまったく同じ気持ちだった。支援しようにも、両機の位置が近すぎて誤射する危険性がある。

 イワモトのグフがマシンガンの残骸をとっさに投げた。それを払おうとして足を止めた瞬間、ジムの足に何かが絡みつく。

 

「うまいっ」

 

 とっさに目を晦ませた隙にヒートロッドを絡ませたのだ。圧電アクチュエーターからもたらされる。超高圧電流が、ジムの精密部品を軒並みロースとした。

 全身から煙を吹いきながら、ジムが膝を突いて倒れた。イワモトのグフが斬り落とされた銃身からヒートソードを回収すると、ジムのコクピットを串刺しにした。

 

「いいねぇ。まったくもって、最高だあいつは」

 

 レンチェフがニヤニヤと笑っているのをみて、通信機越しにスワガー曹長がため息をついた。

 

『少尉・・・・・・』

 

「・・・俺たちも撃つぞ」

 

 レンチェフは別の区画にいるジムに狙いをつけると、引き金を絞った。照準はもちろん、コクピットだ。

 撃ちぬかれたことにすら気づかずに、2・3歩歩くと、ジムは前のめりに倒れた。

 それを見て、周りの機体があたふたと警戒を始める。次の一撃はスワガー曹長だった。

 やはり一発でコクピットを打ち抜くと、そのままもう一機の胴を薙いだ。

 凄まじい閃光が走った後には、真っ二つになった。2機のMSが残されていた。

 

「よくやった曹長」

 

 イワモトのほうに目をやれば、こちらも負けず劣らずの修羅場を作っていた。

 大破炎上した機体が黒煙を吹き上げる。艶やかなレリーフは炎に照らされながら、次の犠牲者の姿を写していた。

 重心を低く落とし、そこからすくい上げるような一撃が、斜め前にいた機体の足を切り飛ばした。身を翻して、後方の新手からの射撃を交わす。

 片足で擱座していた先ほどのジムを、手にしたヒートソードで串刺しにする。それを盾にしながら、後方の新手へとじりじり近づいていく。

 コクピットからそれているためジムが撃つに撃てずにひるんだ瞬間、グフのバーニアに火がついた。

 

 突き刺した機体ごと相手の懐に飛び込むと、そのまま突き刺さっているヒートソードで2機もろとも両断した。

 半ば機械的に、獲物を見つけ攻撃をよけ、時にそらして懐に飛び込んで斬り伏せる。

 まるで時代劇(サムライムービー)でも見ているかのような、鮮やかさだ。切り裂き、貫き、踏み潰し、殴打し、圧し折る。およそ持ちうる全ての殺戮の手管を見せ付けるかのように、その男は戦い続けた。

 

 黙示録に記されるように、終末の日に表れるその騎士には慈悲などなく、ただ死を振りまき続けるのだ。その泥臭く、野蛮で、残酷極まりないその光景は、それゆえに美しくさえあった。

 

「ん? どういうことだ」

 

 唐突にレンチェフは違和感を覚えた。

 

『敵、引いてますね』

 

 まるで潮が引くように、連邦の部隊が下がり始めた。違和感が警戒へと変わる。

 

「まずいな…」

 

 そう、レンチェフが呟いた瞬間。遥か海のかなたに、波以外のものがきらめいた。

 凄まじい衝撃が機体を襲ったはその直後のことだった。

 

 

 

 

 

 

 

推奨BGM「Libera me´from hell」 

 

 

「鉄の暴風」まさにそう形容するにふさわしいほどの徹底した砲火であった。旧市街を灰燼に消さんとするかのような容赦ない砲撃は、瓦礫と化していた建物を吹き飛ばし、

生々しい破壊の爪あとをしっかりと刻み込んだ。アジアと欧州の文化交わる独特の様式を誇った市外は完全に破壊され、残骸となった大階段は無惨な姿を後に残すばかりであった。

 そしてその残骸に背中を預けるように、倒れ天を仰ぐ機体があった。美しいレリーフは所々剥がれ落ち、装甲は破片によって着いたであろう大小の傷がある。

 吹き飛ばされた左腕がつま先の辺りに転がっている。手にした剣は折れ、弾は突き、まさに満身創痍というべき状態であった。

 

「……くそったれ」

 

 敵が引いた理由はこれだったのだ。暗いコクピットの中で悪態をつきながら、イワモト曹長はシートに倒れこんだ。

これでおわりか。そうとう暴れたと思うが、あっけないものだ。おそらくは、砲撃だったオデッサの湾内に侵入してきた艦隊によるものであろう。

 何かが来る。そう感じた直後には機体をシェイクされて、この有様だ。何機やったか知らないが、これでもう良いじゃないか。暗い闇の中でダレかが曹長に囁く。

 まとわりつくような倦怠感、酷く眠い。そう、もう機体だって動かないのだ。こいつはよくがんばった。おそらくはつかわれぬまま、連邦に接収され、せいぜい戦後に軍事博物館にでも送られる運命だったろう。それがこうして戦道具としての性能を存分に発揮できたのだ。

 

 俺は十分やった。十分がんばった。時間だって十分すぎるほど稼いだはずだ。

 だというのに、目尻から零れ落ちるこれはなんなのだろうか。あの時振り払った手をどうすべきだったのであろうか。

 やはり、一縷の光明を見たのだ。と今にしてみれば思う。しかし、怖かった。それが失望に変わることが怖かったのだ。

 そして、疲れていたのだろう。生きることの虚無を感じ続けることに・・・。

 

 なんともなれば、それは逃げ出したという事に、他ならなかった。敵に敢然と立ち向かうふりをして、男は生き続けることから逃避した自分を見出した。

 ともすれば、壊すだけ壊して、手前勝手に生きた報いが、こうして一人ぼっちで死んでいくということだった。

 

「棺桶だけは豪華だな・・・・」

 

 鼻をすすりながら、イワモトは独り強がった。誰かに認めて欲しかった。結局のところはそういう事だったのだろう。誰かに自分の価値を認めて欲しくて、足掻いて、足掻いたその結果がこの有様というのは・・・・・・。これで終わりなのか。

 否と、頭の奥でささやく自分がいた。まだ、生きてるのだ。この心臓は動いているのだ。なら、最後の瞬間まで戦っていたかった。

 ともすれば、それが男にとって生きると言うことだった。

 

「・・・・悔しいな」

 

《機体ダメージ規定値ヲ突破。機密保持システムヲ起動シマス》

 

 機体のモニターに文字が点滅する。瀕死だったシステムが再び立ち上がり機体が起動していく。

 

―――戦え。

 

 そう言われたような気がした。どこまでだって共に言ってやると、そう語りかけてくるように、ジェネレーターの躍動が聞こえてくる。機体のシステムが再構成され、過剰に生産されたエネルギーが各関節に送られていく。

 

 過負荷運転状態の膨大なエネルギーが機体稼動に最大限生かされるように調整されていた。たとえどんな状態になっても、最後のひと足掻きが出来るように。最後の一太刀を取って立ち上がれるようにウラガン中尉の思惑が今になって分かる。

 

―――貴様は一人じゃない・・・・

 

 ふと電光の様に脳裏に響くものがあった。何か暖かいものの存在を、背後に感じていた。いつとて、独りではなかった。思えば、あの瞬間から、あの戦場を共にした瞬間から彼の孤独は消えていたのだ。

 

「・・・いまさら気づくとはな」

 

 イワモトの口元から笑みがこぼれた。独りでは立ち上がれなかったかもしれない。独りではここで終わっていたかもしれない。だが、その背に仲間を感じるなら、最後に足を支える意地があるのだ。

 ペダルを踏み込むと、軋みを上げながら愛機は立ち上がった。

 

 

《…っ! ……う長! 曹長! イワモト曹長! 大丈夫か!!》

 

 通信機からが、なるような声が聞こえる。

 

「…あれ、特殊部隊の・・・・」

 

 そうだ、彼らだっていたのだ。これで、独りで戦っているつもりだったのだから、我ながら度し難い。苦笑をこらえながらイワモトは再び仲間の声に耳を澄ませた。

 

《あんだけ…撃を食らって生きてる…は運の良いやつ……》

 

 通信機越しの声に明るい色が混じる。通信が使えるということは、市内各所に設置してあった、通信妨害用の中継アンテナは大分やられたらしい。

 

《生きてるな…さっさと脱出…ろ! 敵の再侵攻部隊……迫ってる!》

 

《少尉! 11時…新手です!!》

 

 オープン回線に割り込みで、緊迫した声が入る。

 

「少尉殿、俺のことは構わず引いてください」

 

 そう言いながら、イワモトの口調は穏やかだった。

 

《馬鹿野郎! どのみち俺たちは時間稼ぎをせねばならん! 貴様はついでだ!! さっさと逃げろ!!》

 

 言うだけ言って、通信は途切れた。イワモトはふっと笑って、ため息をつくと、機体をチェックした。左腕は損壊し、シールドは使用不能。各部、衝撃によって大小さまざまな損傷を伴い。本当にどうして立っているか分からない状態だった。

 

「まったく、機体も乗り手も揃ってボロボロか…」

 

 苦笑しながら、こみ上げてきた血を吐き出した。見ると、コクピットを突き破った砲弾の破片が、腹に刺さっている。士官用の高級なシートが血でぐしゃぐしゃだ。

 

「まだ、いけるさ……」

 

 一歩づつ前進するたびに、機体はその力を増していくようだった。事実その通りなのだ。臨界出力を目指してフル回転したジェネレーターが、過剰なまでのエネルギーパルスを各関節に送り込んでいる。ひびの入ったメインモニターに外の景色が移る。幸運なことにメインモニターは生きているらしい。

 

「俺とお前なら、何処までだって……そうだろ?」

 

 恋人に語りかけるように呟いた。答えなど帰ってくるはずも無い。だが、うなるジェネレーターの駆動音が、曹長には答えに聞こえた。

 

《ジェネレーター臨界出力。リミッター解除》

 

 メッセージが画面に現れた直後に、タイムリミットが表示され、カウンターの数字がどんどん減っていく。核反応炉を暴走させる事による簡易的な自爆装置。

 だが、その臨界運転によって生み出された膨大なエネルギーが、最後の力を機体に与えていた。

 

「それじゃあ、行こう…」

 

 満身創痍の単眼に最後の灯がともった。

 

 傍らで残骸となっているジムから、ビームサーベルを引き抜く。接触動力回線に合わせて光の刃を発生させる。本来なら出力不足だが、リミッターを解除しているからこそ出来る荒業だ。

 センサーは敵の光点で埋まっている。だが、今の曹長にはそんなことはどうでもよかった。

 もはや走り出したのであれば、行くべきは前へ、ただ前へと進むのみ。走り抜けた先に何があろうとも、そこに後悔は無いはずだ。

 

 

 

 

 

 

 それが姿を現した瞬間、連邦軍のMS部隊は一瞬たじろいだ。一歩、また一歩と歩を進めるたびに、前衛が後ずさる。

 単眼を紅く燃やしながら、煌煌と輝く刃を手に、ちぎれた左腕から漏れ出たエネルギーパルスが装甲に青白い稲妻を走らせる。

 

「ひっ」

 

 相手は壊れかけのMS一機だ。何を恐れるというのだ。だが、あの言い知れぬ迫力は一体なんなのだ。

 踏みしめる足が速くなる。たった一機で斬り込もうと言うのだ。無謀である。自殺行為である。愚かである。

 たった一人の兵隊が一体何が出来るというのだ。

 

「相手は一機だ。う、撃t・・・・」

 

 そう言いかけた瞬間だった。男は敵機の背に信じられないものを見た。

 一機ではなかった。たった一人ではなかった。男たちを睨む単眼が増えたのだ。その背の後ろに続く機影を彼の目は確かに写していた。

 二十機以上いるのではないだろうか。蒼い装甲の群れが、盾を連ねて進軍する。紅蓮に灼けた刀身を携え、その単眼を妖しく光らせながら、迫る一群の圧力はどうか。

 立ち上る焔のごときものは、間違いなく殺気であった。

 幻想じみた青白い焔を燃え立たせながら、グフの一群が迫る。ああ、ああ、と白痴のように喘ぎながら、男は一つの噂を思い出した。

 

 それは噂というのにはあまりにも生々しすぎる話だった。

 ジオン公国の白兵突撃部隊。立ちふさがるものを全て斬り伏せ、蹂躙する近接最強部隊。敵軍総司令官マ・クベによって直卒された恐るべき鬼神の群れ。

 あの恐ろしい連中が姿を現したのだ。たった一機の満身創痍の機体を先頭に、ジムの軍団を切り伏せ、ガンダムを倒したというオデッサ最強の精鋭部隊が特攻を仕掛けてきたのだ。

 

「マ・クベの斬込隊・・・・・・」

 

 回りの仲間たちが、まるで気づいたように射撃を開始するが、弾が当たっているはずなのに、目の前の敵共はびくともしないのだ。

 まるで銃弾がすり抜けているかのように、蒼い騎士達はその歩みを止めることは無い。

 不死身だとでも言うかのように、まるで幽鬼のように突撃してくる。

 いやだ、来るなぁ。恐慌状態に陥り、仲間を掻き分けて逃げ出そうとしたそのパイロットは、センサーの反応が一機のみであることには気づかなかった。

 

 先頭のグフがジムの集団の只中へと斬り込んだのは、その直後のことであった。

 

 

 先頭にいたジムを盾ごと蹴りとばす。体勢を崩したそいつの胸部を刺し貫くと、振り向きざまにもう一機を袈裟懸けに切り倒す。

 見えている。まるで世界の全てが見えているかのように、イワモトには周りの全てが感じられた。

 敵の息遣い、恐れ、そして攻撃に到る全てが目の前にさらされているかのように。それは、今までの戦闘体験の全てが純化されていくかのような、不可思議な感覚だった

 

 ただ、目の前の敵を斬り伏せる事にのみ集中する。視界が、やけに開けて見えた。60mmをバルカンの弾道すら見える気がする。深く、もっと深く、敵の軍勢の中を斬り進む。

 

 脇をすり抜けては、胴を薙ぎ。振りかぶった懐に飛び込んで、胸を突く。ヒートロッドで足を払いメインカメラを踏み潰して、ひたすら前に進む。後ろは振り返らない。ただ、ひたすらに前へと進んでいく。

 

 この心臓が動きを止める最後の瞬間まで、戦い続けるのだ。炎のような激情の中で、理性が冷徹に敵を見る。視界は広く、そして大河のように動き続ける。

 

 ビームサーベルに手をかけた敵機の懐に飛び込み、腕ごと切り落とす。後ろから蹴りを入れて、こちらを撃とうとしていたもう一機にぶつける。狙いがそれた銃撃によって同士討ちが始まり。敵は混乱の極値にあるようだった。

 

 時折、頭上を飛び越えてビームが敵をなぎ払う。フェンリル隊の二人が援護してくれているのだろう。必死で自分を生かそうとしてくれる二人の思いが伝わってくるようだ。

 だが、まだ終わりでは無い。敵の動きも狙いも全てが電光のごとく頭にひらめいてくる。そして、機体はまさに自分の体だった。

 ジェネレーターの刻む鼓動。エネルギーパルスの奔流。そしてブースターのうなり。間接の一つ一つが、イワモトの思うとおりに動いているような気さえする。

 あのガンダムと戦ったときですら、ここまでの感覚は無かった。ビームサーベルが機体を切り裂く感触が生々しく伝わってくる。

 あわてて下がった敵の機体に追いすがる。ここまで退けば、相手はそう思ったのだろう。そこを斬り込む。深く、深く、さらに前へ。

 その思いに答えるように、グフは跳んだ。我知らず上げ続ける咆哮に答えるように、ジェネレーターがうなりを上げる。

 体にかかる重力を感じながら、軋みを上げなら応え続ける機体を信じる。制動をかけた瞬間から、反動の来るタイミングまでが自然に反応できる。

 

―――俺は一人じゃない。

 

 背中が温かかった。戦友たちの存在を確かに感じながら彼は戦い続けた。先日の戦いで死んだ戦友たちが励ましを聞いた気がした。成層圏の向こうにいる戦友たちが、いま傍らにいるように感じるのだ。

 

「俺は・・・・」

 

 ウラガン中尉が、メルダース少尉が、そして幾多の戦友たちが、そしてこの戦場を用意してくれたマ・クベ中将が・・・。

 共にいるのだ。今この瞬間も共に戦っているのだ。ならば、それは独りでは決して無い。

 

「俺たちは・・・・・・」

 

 数機のジムが盾を構えて、立ちふさがる。まずは動きを止めようという試みか。だが、そんなもので止まるか。

 体勢を低く地に伏せるかのように深く踏み込む。間接に送られたエネルギーパルスが弾ける様に蹴り足を押し出した。

 

「俺たちは、マ・クベ閣下の斬込隊だぁぁぁっっっ!!!」

 

 肩のスパイクを抉る様に突き出しながらブースターを吹かす。加速による凄まじい荷重で体が悲鳴を上げる。だが、そんなことは止まる理由にはならない。正面に立った機体を盾ごと吹き飛ばして、胴体にスパイクが突き刺さる。そのまま担ぎ上げるように、後ろに投げ落とした。

 

 目の前の視界が開けた。飛び込んできた景色に、曹長は言葉を失った。

 

 沈みかけ、赤々と燃える太陽。そしてその光に照らされて、海が、紅く煌いていた。

 後ろを振り返ると、さらに沢山の機体が周りを取り囲んでいた。恐怖と殺意が槍衾のように突きつけられる。

それは、死に対する恐怖。生を渇望するがゆえの殺意。この死が積み重なる場所で、彼らは皆、明日を求めていた。

 曹長は、急に全てに納得できたような気がした。

 

「そうか、これが『生きる』って事か……」

 

 そう、呟いた瞬間、カウンターが0を指した。

 

「少尉殿・・・」

 

最後の言葉は、凄まじい閃光と衝撃波に飲み込まれた。

 

 

 

 

 

 

「逝ったか・・・・・・」

 

 眼前に広がる青い星を見ながら、中将はそう呟いた。その言葉が何を示すかはメルダースにはよく分かっていた。

 ともすれば、彼も同じ事を感じていたからだ。いや、先刻まで共にあったかのような気さえする。

 それは自分のおごりだろうか。だが、一つ確かなことがあるとすれば、あの男は最後の瞬間まで一人ではなかったということだ。

 

 その証拠に、普段感情を表に表すことのない中将が、意固地に窓のほうを向いて、敬礼をしていた。

 かすかに窓に映る相貌に、光るものがある事をメルダースは気づいていた。

 

 言わんや、自分も熱い物をこらえ切れてはいなかったからだ。

 この日、独りの男が逝った。狂戦士としてでなく、英雄としてでなく、一人の戦友として。

 

――貴様は、一人じゃなかったぞ・・・

 

 青く輝く星に敬礼を捧げながら、メルダースは独りの男の名を胸に刻み込んだ。

 

 

 

 

 




あとがき
 ご愛読くださり、誠にありがとうございます。
 追憶のオデッサ編これにて完結いたしました。今回、イワモトのキャラをかなり掘り下げたので賛否両論あるかもしれません。
 ただ、これが作者なりのこだわりであると思ってください。
 後作中の不思議描写はNT能力を前面に押し出しています。この戦場で斬込隊のほとんどがNTに覚醒したということを表現したかったので。
 ラストの戦闘シーンなんてもろに「やらせはせんぞー」って感じですね。他の隊員たちがイワモトに共鳴してそれをマ・クベが増幅したせいで
あんなにとんでもないことがおきてます。ちなみにあのシーンは松本先生の戦場漫画シリーズを元にしてます。
 個人的にはあの辺りの戦闘シーンは書いててとっても楽しかったです。読者の皆様からはどう見えたでしょうか。
 ぜひ感想を聞きたいと思っています。皆様のコメントはいつもありがたく読ませていただいてます。
 毎回コメントを下さる方、本当にありがとうございます。単発でいれてくれた方もとっても嬉しかったです。
 割と切実に連載の原動力になってます(いや、マジで
 ですので、これからのこの作品をよろしくお願いします。
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