アルケミックD×D 作:春日和
この作品は、ふと思いついた勝手な妄想をもとに作られた、プロットも何もない、文章力の欠片もない作品です。
手元に原作がない状態で書いていますので、おかしなところはいろいろお察しください。
「…………」
照明の光を反射して鈍く光る、
そんな部屋の中央。黒や灰色、物によっては青かったりする機械達に取り囲まれた一組の机と椅子に、一人の少年が座り込んで、何やら考え事をしていた。
「……まぶしい」
ふと、上を向いた少年がつぶやいた。直後、少年の足元から赤い閃光が迸り、空気中を伝って天井まで届くと、天井がその形を大きく歪め、中央にぽっかり大きな穴を開けた。
そこから覗いたのは、一片の曇りもない青空。山の上から見る景色と同じように、どこまでも澄んだ綺麗な空だった。
「…………」
そんな景色を眺めても、この少年は顔色一つ変えることがない。何の美しさも、この空とにらめっこしている少年には感じ取れないようだった。
首を上に向けたまま固まってしまった少年と、なんら変わることなくそこにあり続ける空の、永遠に続くかにも思われたにらめっこは、唐突に終わりを告げる。
「……あっ……ああ、……!そうか、門をくぐる必要は……、ただ魂を、ああ、そうだ……」
少年はいきなり体を跳ねさせて、机に向き直る。同時、目の前の紙束に猛烈に何かを書き込んでいく。何やら長ったらしい計算式のような数の羅列と、いくつかの図形を組み合わせたような模様。模様の方はいわゆる、「錬成陣」と呼ばれるものによく似ていた。
書き始めてからしばらくその手が休まることはなく、少年は延々と書き続け、その手が止まったのは空が暗くなり、星が見えるようになってからだった。手元の紙はどれも数字で埋め尽くされ、もう何かを書き込める領域は残っていない。
「……うん、うん、……肉体は、うん、……よし……」
自分で書いたものに改めて目を通し、内容を確認していく少年。やがて、組み上げた理論に間違いがないことを確かめると、少年はついに、表情を歪めた。―――口元を、三日月形に。
「ああ、いや待て、これはまだ理論構築の段階だから、ああ、どうしよう、失敗したらどうなるかわからないし……実験をしようにも検証する対象が私しかいない、って言うんじゃあ……」
少年の表情が少し引き締まり、少々悲痛な色が混じったかと思えば、
「……ま、いいか。肉体と離れ離れになっちゃっても、その時はその時で作ればいい」
すぐさま呆れたような表情に切り替わった。
どうにも、少年には百面相の気もあるようだった。
「よし、じゃあ早速試してみよう。うん。私の理論が正しいことを祈って」
少年は、その両手を無造作に重ね合わせた。
あたかも、神に祈りを捧げる敬虔な信徒の様に。
バチバチバチッ
重ねた手の平から赤い火花が散り、その光はだんだんと光量を増して行く。やがて、少年を真っ赤な閃光が包み込んだ。
エネルギーの奔流に周囲の物が飲み込まれて行き、行き場のないエネルギーがスパークとして放出される。空気が熱されることで発生した上昇気流で髪をたなびかせる少年の姿は、どこか幻想的な雰囲気を醸し出していた。
そして。
機械で溢れた部屋から、人影がなくなった。
――――――
……っふぅ。
やあやあ皆さんこんにちはこんばんは、みんなの友達ニコラス・エルリックですよ~。気軽にニコとかニコラスとか呼んでね~(^.^)/
さて今回私はね、今回、ある大発見を致しましてね、その関係でちょこっとした企画を打ち立てることにしたんです。その関係でちょっと、自分のお家を出ることになりまして、今は、なんと!……えーと、ここなんていう場所なのかな……?あ、ここになんか書いて……はい、現在私は、公園?という場所にいます。
ここには様々なオブジェが並べられていまして、1番目立つのは噴水と、あと高さが違う金属製の柵らしきものの一部とか、あとあれは何だろう?なんとも表現しづらいのですが、何やら橋というかブリッジの模型のような……片側は階段で、反対側は坂になっています。他にも、普通の地面とは一段低くなったところに砂を敷き詰めたような区画もあります。なんだかよくわかりません。
いやあ、周囲を見回す限り、ある程度の文明が築かれているようです。ホッとしました。さっきの文字も、
……さて。なぜ私がこんなこんな、誰に対してともわからない状況説明をしているのか。
……はぁ、まったく困ったことに、この世界間錬成は失敗はしなかったものの、完全な成功とはいかなかったらしいのです。
――――――
錬金術は、私の世界の化学技術の一つの形態だ。
ある物質を、構成要素に分解したり、構成要素からある物質を生成したりすることが出来る。
これは、摩訶不思議な超常の力によるものではなく、最初に言ったとおり、科学技術によるもので、大地の力……と言うと胡散臭い話だが、星という巨大な生命体が持つエネルギーを借りることで、元素間、分子間に働く力に手を加え、さまざまな現象を起こす。
あくまで科学技術なので、物理法則を捻じ曲げることはなく、これには一切の例外がない。
この錬金術という学問は、「魂」という、当時の科学ではオカルト扱いの、あるかどうかも定かではなかった視認できないモノの錬成を成し遂げた偉大なる先人の功績により、飛躍的な進歩を遂げた。学問形態としての領域はもともとの領域を大きく跳び超え、あげく神学の領域にまで手を伸ばした。
もともと人体を生成する技術は存在した上で、魂を錬成する技術が確立されたので、当然、人間を作り出すことも可能となったのである。
扱える事柄が同時にあまりにも増えすぎてしまい、学門体系全体を指す言葉としてふさわしい言葉がが存在しなかったため、分野が広がっても名称は変わらず、「錬金術」という言葉が使われた。
それからの錬金術という学問は、人類の生活水準、科学水準を大きく押し上げ、種としての地位を劇的に向上させた。この「錬金術」による人類への貢献の第一人者は、やはり魂の錬成を成し遂げた錬金術界の巨人、リチャード・エルリックで、彼の功績は非常に大きく、錬金術以外の分野にも様々な足跡を残している人物だ。
……そんな彼の犯した、彼の一生涯における唯一にして最大の過ちが。
……世界を、破滅に追いやった。
―――――
どうやら、世界間錬成を行った際、いろいろと調整を間違えてしまったらしく、肉体は完全な状態で錬成できたみたいだけど、精神の方がおかしい。
人格が違うというのか、記憶にある限りでは私はこんな性格をしていなかった。前は、何をするにも非常に無気力だった気がするし、興味があるのは心理の探求だけだったはずなのに、今はなにやら無性にコミュニケーションが取りたい。簡単に言うと、人肌恋しい。
ああ、誰かとお話ししたい。
思考が幼くなっていることを自覚できているけど、そのことにそこまでの違和感を感じていない。感情的な部分がどうにも精神の大きな領域を占めているようで、この論理的思考をしている部分が今にも押し流されてしまいそうな錯覚を覚える。
―――と、違和感。空間の歪みがすぐそこまで近づいてくるのを感じた。条件反射でとっさに物陰に隠れ、同時に気配を断つ。
しばらくすると、何やら若い男女が歩いてくる。久しぶりに見た人間に歓喜するが、それも束の間。理性的な、論理的な思考が、瞬く間に感情的な思考から主導権を奪う。さっき来たばかりの世界の事を知るためにも、彼らの観察を行うことを選んだ。
というのも、感じた空間の歪みは、どうにも2人から放たれるもののようで、
二人は、こちらに気付いた様子を見せることもなく、一言二言言葉を交わしながら、噴水のほうまで歩いていく。
違和感が拭えない。女のほうから感じる歪みと、男のほうから感じる歪みが、
「……!」
そんな観察をしていると、唐突に光が爆ぜた。
事態が変わったらしい。女のほうの格好が変わって、右手にはエネルギーの塊を携えていた。槍のような形状をしている。
内包するエネルギー量で言えば賢者の石一つ分もないが、原理がわからない。まず女によるその力の行使はエネルギー保存則を無視しているし、人間として保有できるものではない。
さらに、いつの間にやら女の背から羽が生えていた。もしかしなくても、人類種ではなかったようだ。2人から感じた違いはこの種族の違いに起因するものと思われる。
男のほうは、明らかな殺意を向けられているのにも関わらず、何かをしようという感じが全く見られない。
……なぜ抵抗するそぶりすらないのか。疑問がまた一つ。
「………」
「……!……」
何やら一言二言会話を交わしたのち、なんの抵抗もなく、男はその槍に貫かれた。槍が引き抜かれると、赤い血が噴き出す。女は去っていった。男のほうからは、人間としての存在感と、左腕から生じる歪みが感じられたが、このままでは死んでしまうであろうことが予想される。
控えめに言って、わけがわからない。
今の一連の流れを見ていても、どういう状況で、どういう関係なのかも全くわからなかった。情報があまりにも少ない。せめてもう少し大きな声で会話してくれていたら、この世界で使われる言語の情報と合わせて2人の関係性から何らかの推論が立てられたかもしれないのに。
この世界では、法整備がなされているのかもわからない。あの翼種(仮称)が人類種を殺害する何らかの慣習があるのかもしれないし、翼種と人類種が戦争状態にあるのかもしれない。翼種が人類種の上位種と認められていて、生殺与奪権までが与えられているのかもわからない。
何にせよ、まずは情報取集だ。
手始めに、男から話を聞くことにするか。まだ死んではいないだろうから、石を消費する必要もあるまい。
……よし、翼種の女は去ったみたいだ。行動を開始しようと思う。
いろいろと話が聞ければ、と思うばかりだ。
はじめまして。piki.です。
本作は設定ガバガバなので、ブラウザバックするなら今のうちです。後になって捨てられちゃうと精神もたないので勘弁してください。早めが肝心。
早速ですが、解説を少々。どーでもいいという方は読み飛ばしちゃってください。
まず、みなさんおわかりかとは思いますが、主人公はハガレン住人です。ちゃんと心理の扉持ってます。
あと、独自解釈のような何かをば。心理の扉は、「ハガレン世界に生を受けた全ての生物が所持するもので、基本的に他世界の住人は所持しない」ものとしています。なんでかと言うと、もし平行世界込みで全人類共通のものであれば、世の高名な化学者さんたちはみんな錬金術が使えてもおかしくないからです。
まあそんなこんなで頑張っていくので、よろしくお願いします。