今日も神を喰べる   作:翼ノ樹☆欟

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言い訳すると1月に投稿する予定だったのよ。
1月にコロナになるわ途中まで書いて保存したやつやる気と一緒に間違えて消したで遅れましたごめんなさい。
ホント近日中とは・・・


訓練とは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「知らねぇ天井だ・・・」

 

ふと、目が覚め、見知らぬ天井が視界に入る。

恐らく、メディカルチェックの時の睡魔に身を任せてあのマッドな博士の宣告通りに3時間程たったのだろう・・・気怠げな体を強引に起き上がらせて、周りを見渡す。

 

「おぉ・・・めっちゃキレイな部屋だなぁ」

 

扉から右に設置された自身が寝かされていたシミひとつない純白のベット、枕元には置時計、テーブルスタンド。ベッド右横には衣類などの収納ケース。ベッドの足元はターミナル。扉の正面は何も映し出されていない大きな窓枠風のディスプレイ。

そして扉から左側の部屋部分にはボックスソファに長四角のテーブル。

その前には簡易的なキッチンと冷蔵庫が設置されていた。

 

外部居住区より外のアラガミ装甲壁など張り巡らされていない、完全な外での生活をしていたユイにとってはどれもこれも興奮するほどに豪華なものばかりで、目を輝かせる。

 

「ベッドは柔けぇ、水道からは綺麗な水も流れる、オマケに冷蔵庫にゃミネラルウォーターとジュースが数本と食料と・・・うお!?でけぇ、なんだこのトウモロコシ?こっちの棚には・・・なんだこれ?インスタントコーヒーか?それとこいつは・・・チョコのレーションってマジかよ!?ゴッドイーターは高待遇って聞くが、ここまでとはな・・・」

 

右手にチョコのレーションを左手に炭酸系の飲み物『爆散サイダー』を持ち、交互に口にし、ゴッドイーターの待遇の良さに震える。

 

「うまっ!・・・美味いぞクソッタレ!」

 

外の世界での食料と比べ、遥かに美味な食べ物に感動しつつ、あっという間にレーションとサイダーを完食したユイは棚と冷蔵庫から追加のレーションとサイダーを取り出しソファーに座り再び食べようと口を開ける。

 

しっとりしたチョコ味のレーションを口内が爆発しそうな程に強い甘い炭酸で流し、口の中を綺麗にするという行為を何度か繰り返し、ようやく一息ついたと言わんばかりにドサッと、ソファの背もたれに背中を叩きつけるように預け、余韻に浸る。

 

「うめぇ・・・ゴッドイーターこんなうめぇもん配給されんのかよ・・・うん?」

 

あまりのゴッドイーターの待遇に興奮していたユイはテーブルの上になにかあることに気づき、それを手に取る。

 

「置き手紙?」

 

誰かの文字で書かれたソレをサイダーを飲みながら読む。

 

 

【やぁ、私だよペイラー・榊だ。適合試験とメディカルチェックお疲れ様!調子はどうかな?君の適合率を見る限り、ないとは思うけど、気分が悪いなどの症状がある場合はすぐに申し出てくれ。まぁ、それは置いといて、これを読んだのならば君の部屋の隅にあるターミナルから使用者権限の更新をしておくようにね。更新ができたのなら、ツバキ君から新人訓練を受けるように。

 

あぁ、最後に、部屋の中央にあるディスプレイは更新が終われば起動するから好きな画面に設定するといいよ!ここ、極東の桜や紅葉等といった花もいいだろうし、夕焼けなんかもいいかもしれないねぇ】

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・」

読み終わり、手に持った手紙をクシャりと丸め、ゴミ箱に投げ捨てる

「訓練か・・・そうかぁ・・・ゴッドイーターってアラガミぶっ殺す代わりにこういううめぇもん優先して配給されてんだった。」

 

ズルズルとお尻がソファからずり落ち、改めて自身がゴッドイーターになった事を実感する。

 

「使用者権限の更新だっけか?」

 

サイダーの缶の飲み口を歯で咥え、右手に挟まった紅い腕輪を見つめながら立ち上がり、ターミナルへとサイダーをちびちび咥え飲みながら歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ、来たか」

 

「メディカルチェック終わりました」

 

自室の使用者権限の更新を終え、エントランスへと戻ってきたユイに資料を立ちながら読んでいたツバキが気づき、声をかける。

 

「早速だが、この後の一九○○より訓練を開始する」

 

「おぉ、ホントに急ですね」

 

「当たりまえだ。我々フェンリルも、タダ飯を食らわせる余裕はない。」

 

「まぁ、こんなご時世ですもんね」

 

「そうだ・・・今のお前の仕事は一刻も早く神機の扱いを覚えて戦場に出ることだ」

 

「なるほど。つまり、俺を少しでも早く一人前にするのがツバキ教官の仕事ですか」

 

「あぁ、だが・・・」

 

「ん?」

 

ふと、ツバキが会話を止め、資料の束を軽く当てるようにユイの頭を叩いてその険しい表情を少し、もの哀しいように緩め、言葉を続ける。

 

「お前たち若い世代が無駄死にせぬよう、生き抜く術を教えるのも私の仕事だ」

 

「・・・」

 

「まぁ、その辺のことは私より適任の者がいるのでそちらに任せるがな。」

 

「はぁ・・・」

 

「さて、無駄話が過ぎたな・・・今より15分後、第二訓練場にて基礎訓練を行う。くれぐれも時間に遅れぬよう」

 

「・・・」

 

「返事はどうした!?」

 

「っ!りょ、了解しました!!」

 

初めて見せたツバキの慈愛と責任が織り交ぜられたような顔に呆け、返事を返さぬユイに先程と同じ険しい顔でユイを叱咤し、訓練場へと向かわせる。

 

「・・・」

 

「・・・ヒバリ」

 

「・・・あっ!す、すみません!なんでもないですごめんなさい!」

 

「はぁ・・・」

 

訓練場へ向かうユイを見送っていると、横目に映った受付のヒバリが驚いた顔で此方を見ていた。

 

「私は第二訓練場へ向かう。ここは任せたぞヒバリ」

 

「は、はい。お任せください!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ツバキさんのあんな顔、初めて見たかも・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『グルァァァァァアッ!!』

 

「よっ!ほっ!」

 

砂塵吹き荒ぶ荒野、辺りは大小様々な岩が乱列する過酷な環境でユイはアラガミの群れと対峙していた。

 

「オラァッ!!」

 

『ギュガァッ!!』

 

猿のような、巨大な体躯を誇るアラガミ【コンゴウ】を三体同時に相手取るユイは、少しも命のやり取りを感じさせない余裕を持った態度でアラガミの乱撃を避けていた。

 

前方のコンゴウが転がって来れば上空へ回避。上空へ回避した所を右側のコンゴウが背中のパイプ器官より、空気を圧縮した空砲を放つもそれを神機で切り裂く。そして、着地を狙い左側のコンゴウが狙い澄ましたかのように右の拳を振りかぶり力任せに殴り潰そうとしてくる。

 

「あっぶね!?」

 

【グラァァァァァッ!!】

 

だが、それをも空中で身を捻り、紙一重で回避し、コンゴウの腕が伸びきった所を足場にし、安全地帯へと跳び逃げる。

 

「は、バカ猿どもめ!テメェらの謎の連携なんざ見飽きてんだよ!」

 

今度はこちらの番と神機を振りかぶりコンゴウの群れへ駆け抜ける。

 

「まずは、テメェだ!!」

 

【ギャカァッ!?】

 

先程殴りかかってきたコンゴウの頭を上段から神機を叩きつけることで頭を割り、活動を停止させる。

 

【グルァァァッ!!】

 

「ファッキュー!!!」

 

【グルァッ!?】

 

左側からもう一体のコンゴウが両拳を掲げ、叩きつけ攻撃をするのを見逃さず、振り下ろす前に体を一回転させ、左下からの逆袈裟斬りによりコアごと真っ二つにし、これも見事活動停止させる。

 

「さてさてさーて・・・残りはお前だけだ」

 

【ガルァァァァ・・・】

 

三体中二体が瞬殺され、残るコンゴウが警戒するように低い唸り声を鳴らす。

 

両者は沈黙し、数秒の静寂が周りを支配しようとしていた。

 

「・・・」

 

【・・・】

 

だが、この世に停滞などありえない。特に神々が闊歩するこのせかいでは・・・

 

「来るか〜?」

 

沈黙を破ったのは荒れ狂う神の方だった。

 

筋肉で構成されたかのような巨大な体躯を拳を振り上げると共に捻り上げ、そのまま力を溜めるかのように止まる。

 

弦が張り詰められ、今にも切れる。

 

例えるなら、そう形容するように限界まで力を溜めたコンゴウは・・・

 

【ルォォアアァァァァ!!!】

 

駒のように回転すると共にユイに向かって拳を回転させて、迫る。

 

「またそれかよ・・・」

 

当たれば間違いなく肉塊になるであろう威力のソレを前にしても余裕を崩さず、神機をゼロスタンス________神機使いたちの間で生み出された構えで迎え撃とうとしていた。

 

「ふぅー・・・」

 

もうあと3メートルもないような距離に迫ってもユイは動かず、じっと静かに迫り来るコンゴウを睨みつけていた。

 

「・・・・・・っ!!」

 

コンゴウの拳が当たる・・・その直前、ユイはコンゴウの背丈を優に超える高さまで跳躍し、拳を難なく避ける。

 

「だぁぁぁぁっ!!!」

 

【ッ!?!?】

 

跳躍し、コンゴウが自分の真下に来たタイミングで神機をコンゴウの頭めがけて突き刺し、動きを強制的に止める。

 

【ガ、ガ・・・】

 

「追加だ!受け取りな!!!」

 

【グォッ!?】

 

頭から神機が生えてるかのように突き刺され、呻き声をあげ、動かぬコンゴウにとどめを刺す為、自由落下の力を利用し神機の柄の底を踵落としで蹴り抜き、神機をアラガミの体内から貫通させ___________

 

 

ズゥゥゥゥゥンンンン

 

 

_________アナグラ全体が揺れそうなほどの衝撃と共に神機を地面に突き・・・いや、埋め込む。

 

 

「終わり、か・・・」

 

地面に埋まった神機を引き抜くと同時にアラガミのオラクル細胞が霧散し、辺り一面の景色が適合試験の時と同じような景色へと変わっていく。

 

壁には弾痕と剣傷の跡が無数、無惨に羅烈し、ユイの足元には今新しく出来たであろう細長い穴が一つ。

 

そして、部屋の二階と思われる場所には大きな強化ガラスと無数のオペレーターとツバキの姿があった。

 

『ユイ、貴様・・・なんだその身のこなしは・・・』

 

スピーカー越しに驚いたツバキの声が鳴り響く。

 

「はい?」

 

【もしや、どこかの民間組織で戦闘経験を・・・】

 

「いやいや、そんなとこ所属したことありませんよ」

【・・・】

 

「事前調査にも、身分提出書にも書いてませんでした?俺、ガキの頃から装甲壁の外でアラガミ共に追いかけ回されてたから、それなりに動きは熟知してますよ」

 

【だが、あれは・・・いや、もういい。今日の訓練はここまで。明日からは実地演習に入ってもらう。今日はもう、神機を保管庫に返却し休め・・・】

 

「了解でーす」

 

ツバキは困惑を必死に隠そうとする声色で訓練終了を伝え、ユイを退出させる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ツバキさん、どうしますか、これ?」

 

「・・・」

 

ダミーアラガミのプログラムや訓練室の風景を担当するオペレーター数名に困惑の視線と助けを求める声をかけられるツバキだが・・・

 

「どう、報告しろと・・・」

 

先程の支部全体を揺らす揺れにより、ダミーアラガミのプログラムシステムはもちろん、ホログラムまで故障しており、暫く第二訓練場は使えぬ惨状になり、珍しく頭を抱えるツバキの姿がそこにはあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




以下ノルンアーガイブより抜粋

神城 ユイ(14)

2071年フェンリル極東支部入隊。

第一部隊所属。

出生:2月12日 身長:150cm

容姿:処女雪を連想させる程に綺麗な白髪の持ち主。
瞳は暗めの紫暗。

フェンリル極東支部において、初の新型神機使い。
ペイラー・榊博士によるメディカルチェックの結果、非常に高い潜在能力が認められた。
藤木コウタとは同時期に極東支部に配属となった。
両名ともに期待の新人である。

神機:ロングブレード・アサルト(新型可変式)


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