牙狼 超次元の騎士   作:狼牙竜

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ラステイションの体験入国二日目、ノワールの付き添いとホラー探しを並行して行っていた陵牙達。

そんな時、ノワールにとって心を許せる友が現れ…

お待たせしました、第11話です!

バトライドウォー創世、早速始めましたが、早いところバロン達も使ってみたい…

感想、評価も引き続きお待ちしてます!


第11話 友人

 

翌日、俺とノワールはラステイションの工場を視察していた。

 

常に真剣な表情で技術者達と情報を交換し、明確な内容までも説明するノワールは凄い。

 

「じゃあ、今日はこの辺で終わりにしましょうか」

 

「ありがとうございます、ノワール様!」

 

工場長が頭を下げる。

 

「さて、行くわよ陵牙」

 

「ああ」

 

――――――――

 

 

移動する中、ノワールは俺に聞いてくる。

 

「どう、陵牙。何か怪しいものは無かった?」

 

「いや。前のようにゲートが見つかったような感覚は無い。少なくともここらの工場にはホラーはいないな」

 

俺はポケットからホラーを探査する際に使うアイテムの一つ『魔導ベル』を取り出す。

 

「こいつを鳴らしたけど、反応は出なかったからな」

 

「その鈴は?」

 

「魔導ベル。工場内のような魔導火が使いづらい場所に向いてる、ホラー探知機さ」

 

 

うかつに怪しい人物に魔導火を向けるのは難しい。特にノワールの付き添いできている人物が突然人の前にライターの火を見せるといった奇怪な行動を起こしたらホラーが感づくかもしれないし、ノワールに関して妙な噂を立てられる可能性がある。

 

だから俺は反響しやすい空間で魔導ベルをこっそり鳴らし、その場にいた人間の瞳孔を素早く観察した。

 

「まあ、ここの人たちを見る限りホラーに憑依されそうな性格してる人はいないけどな」

 

「あら、それって褒め言葉?」

 

少しの間だが触れ合ったからわかる。ここの人達は優しい人たちばかりだ。

 

そんな中、俺はふと通りかかった公園のオブジェを見ると、そこから黒い霧のようなもの

が見えた。

 

 

「…陵牙?」

 

「ちょっとごめん、ノワール」

 

 

俺は魔戒剣をコールし、公園のオブジェの前に立つ。

 

「な、何やってるの?」

 

俺は番犬所内で発見した眼鏡型魔道具『魔戒晶』を渡す。

 

「そいつをかけて、これを見てみな」

 

魔戒晶を着けたノワールは、オブジェ内から出てくる黒い霧に驚く。

 

「これは…?」

 

「恐らく、陰我のあるオブジェだろうな。このままだとゲートになって、ここからホラーが出てくる」

 

「って何冷静に言ってるのよ!?」

 

俺は魔戒剣を鞘から引き抜く。

 

「まあ、見てなって」

 

一気にオブジェを切り裂くと、中から不気味な霧状の何かが出てくるが俺は躊躇い無く霧

に剣を突き立てる。

 

 

すると、オブジェの中から黒い影が現れたが、すぐさま魔戒剣を突き刺す。

 

すると、悲鳴のような声を上げ、影は消滅する。

 

「これでオブジェクトの浄化は完了。ここからゲートが開くことは無いはずだ」

 

 

剣を鞘に収めた俺を、ノワールは驚いたように見つめる。

 

 

「そうだ、一度休憩しないか?今日の視察も一段落ついたことだし」

 

 

「そうね…ちょうどいい時間だし、どこか探しましょうか」

 

俺達は一緒に休憩できるような場所を探す。

 

 

 

しかし…眼鏡をかけたノワールってのもなかなかいいかもしれない…

 

 

 

――――――――

 

「やっぱり一仕事した後は甘い物に限るわね~。前々からこのお店行きたかったけど、暇が無かったから来れて良かったわ♪」

 

 

たどり着いたのはラステイションでも有名なスイーツ店。

 

 

ここの人気メニューである『EXストロベリーパフェ』。大きさと素材の良さ、そしてそれに釣り合う納得のお値段に俺の財布は早くも心滅獣身を起こしかけていた。

 

「まあ、ノワールが喜んでくれるのなら別にいいか…」

 

俺はポツリと呟きながら先ほど注文した『BURSTチョコレートパフェ』を食べている。(値段はEXストロベリーパフェの約1.2倍。恐らく量が多すぎるから誰も食べれないのだろうか?)

 

「って、私より凄いわね、陵牙の分」

 

「そうか?学生時代は学校帰りにもっと食ってたけどな…」

 

 

高校のとき、帰り道で『バケツプリン大食い大会』なるものに飛び入り参戦して優勝したのはいい思い出…か?

 

「ね、ねえ陵牙…」

 

 

「ん?どうしたノワール…っぶふ!」

 

少し頬を赤らめた上目使い、さらに普段とは異なる眼鏡装着モードのノワールの表情に思わず咽る。

 

 

(因みに、魔戒晶を装着しているのを彼女は忘れているらしく、未だに外してない)

 

「ど、どうした…?」

 

「そ、そっちのパフェ、少し頂戴…?」

 

「お、おう…」

 

俺はスプーンでパフェを掬い、ノワールに向ける。

 

ノワールは少し慌てながらも食べる。

 

 

 

「えへへ…おいしい」

 

 

頬を染めながらも満面の笑みを浮かべるノワール。

 

その笑顔に俺は心臓がバクバクになっている。

 

 

 

って、今俺が食べさせるのに使ったスプーンって俺が使ってたよな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おいおいおいおい!これって間接キスってやつかよ!?よく見ると、ノワールは顔を俯かせていたが、それでもわかる位に顔を真っ赤にしている。

 

 

「ご、ごめんノワール!俺、気づかずに…!」

 

「だ、大丈夫よ陵牙!ぜんぜん気にしてにゃいし!!」

 

 

このやり取りのせいで、このお店のブラックコーヒーの売り上げが過去最高となったのはまた別の話。

 

 

――――――――

 

 

 

「……………」

 

 

「……………」

 

 

 

 

き…気まずい!

 

さっきのやり取りから10分以上経過し、黙々と並んで歩く俺とノワール。

 

 

何か話題が出ないものか…

 

せめて、誰かが話しかけてくれたら、助かるんだけどな…

 

 

 

 

 

 

「あれ?ノワールか?」

 

 

突如聞こえた声。

 

ノワールを名指しで、しかも親しげに話しかけてくるということは…

 

「シアン!どうしたのよ、珍しい」

 

 

やっぱり、ノワールの知り合いか。ともかく、これで話しやすくなるかもしれない。

 

そこにいたのは一人の女性。

 

青い髪に頭にはゴーグルを装着、工場での作業が長いと一目でわかるような手袋をつけた

女性だった。

 

 

「見てのとおり、今は休憩中だよ。他の皆にたまには外出て来いって言われてさ」

 

 

「たまにはって…また籠りきりになってたのね」

 

 

「まあね。ってかノワール。いつから眼鏡着けるようになったんだ?」

 

「え?………あ」

 

 

ノワールはずっと魔戒晶を着けていたことを思い出し、俺に返した。

 

 

「ん?そういえば隣にいるこの人は誰?」

 

 

女性は俺の存在に気づいたのか、ようやく声をかけてきた。

 

 

 

「どうも、轟雷陵牙です。今はノワールの所でお世話になってまして…」

 

「私はシアン。ノワールとは昔からの付き合いなんだ、よろしく」

 

 

で、と突然妙な笑顔を見せるシアンさん。

 

 

「もしかして陵牙って…ノワールの彼氏?」

 

 

 

「ええっ!?」

 

「ちょ、ちょっとシアン!」

 

 

俺は思わず叫んでしまい、ノワールは顔を真っ赤にする。

 

「え?違うのか?」

 

 

「ち……違うわよ…陵牙とはそんな関係じゃないし」

 

 

「そうだよ!大体俺とノワールじゃ釣り合わないだろうし…」

 

 

 

「そうか?さっきから見る限りお似合いって思ったんだけど」

 

 

お似合いか…確かに、ノワールのような美少女とお似合いって言われたら、男としてうれしい。だけど、この人…めちゃくちゃ笑ってるよ。確信犯だし!

 

 

「ははっ!それより折角会えたんだ。何なら家の食堂に来ないか?」

 

 

「そ、そうね。陵牙もいいかしら?」

 

 

「ああ、別にいいぜ。まだ昼間だしな」

 

――――――――

 

 

現在俺たちはシアンと一緒に彼女の実家の食堂で話をしている。

 

シアン…あの後『別に呼び捨てでもいいぜ?そっちのほうが気が楽だし』といわれたので今は呼び捨てにしたのだ。

 

 

「そういえば、陵牙とノワールってどういう関係なんだ?言うのはあれだけど、陵牙って

一般人…だよな?」

 

食堂内での会話の中、ふとシアンが質問してきた。

 

「ああ、まあ一応一般人なんだけど…実は俺、このゲイムギョウ界の人間じゃないんだ。訳あって今はプラネテューヌの教会で保護されてるんだけど」

 

「…は?別の世界?要するに異世界人ってことか?」

 

 

「ああ。で、帰る方法を探しているのと同時にこの世界のことが知りたくてな。その一環として各国を一週間ずつ体験入国してるってこと。まあ、それ以外にもやらなきゃいけないこともあって」

 

俺はノワールに目を合わせ、合図をする。

 

 

 

(シアンにあの話、聞いといたほうがいいかな?)

 

(ええ。彼女ならこのあたりの情報には詳しいはずだし)

 

 

ノワールは真剣な目つきになる。

 

 

「シアン。あなたに聞きたいことがあるの」

 

 

「ん?聞きたいこと?」

 

 

「ええ。

 

 

 

 

 

 

最近、このあたりの工場地帯で人が行方不明になるって噂があったけど、それについて何か知ってる?」

 

 

――――――――

 

 

「今日はありがとうね、シアン」

 

 

「良いってことよ」

 

後ろには笑顔のシアン。

 

 

「そうだ、ノワール。ちょっとだけ陵牙を借りていいか?」

 

「え?い、良いけど…」

 

 

「そんな顔すんなよ。別に横取りしたりしないからさ」

 

「よ、横取りって何言ってるのよシアン!?」

 

 

突然シアンは陵牙と話がしたいといって、ノワールと離れた場所に連れて来られた。

 

「ど、どうしたんだよシアン?」

 

 

「な~に、少し陵牙に伝えたいことがあってな」

 

 

シアンは真面目な顔になって伝える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「陵牙。お前にノワールのこと、任せたいと思ってな」

 

「………やっぱ、そう来ますよね」

 

 

「お前もわかってたか。あいつ、何ていうか一人で何でも背負い込む癖があるからな。妹には威厳を見せる必要があるし、相談に乗れるのが私だけだったけど、せいぜい悩みを聞くことくらいしかできなかったしな」

 

 

少し辛そうな表情のシアン。

 

 

「だから、あいつの心を支えてやってほしいんだよ。あいつの弱さを受け止められるような奴は、私が見た限りお前ぐらいしかいないしな」

 

 

 

昔からノワールのことを見ていたからこその言葉。

 

 

彼女だけではない。他の女神達も同じかもしれない。

 

 

 

 

国の象徴でもある彼女たちは、弱さを見せることが許されない。

 

だったら俺は…俺にできることは…

 

 

 

 

「ああ。俺はこの世界で女神達に救われたんだ。だったら…俺も力になるよ。どこまで手

が届くかはわからないけど、少なくともみんなの弱さを受け止められるくらいには…」

 

 

「…そうか。その返事が聞けたから、私としては満足だぜ」

 

満足そうな笑顔のシアン。

 

「だけど、自分を疎かにするような真似はするなよ。いくら力になるとは言っても、お前が無茶して悲しませるんじゃ意味無いんだからな」

 

 

「ああ…気をつけるとするさ」

 

 

――――――――

 

 

 

 

 

その夜、ラステイションのとあるビルの上に一人の男が立っていた。

 

年齢は陵牙と同じくらいだろうか?銀色がかった髪が印象的な男は纏っていた銅色のコートから一振りの鎚を取り出す。

 

 

「いたいた!お~い、大地~!」

 

突然、男…『大地』を呼ぶ声が聞こえ、振り返ると一人の少女がいた。

 

 

「マーベラスか…いきなり話しかけてくるなよ」

 

 

一瞬警戒した大地だったが、目の前の少女を見ると警戒心を解く。

 

 

「だって突然いなくなったから心配したんだよ!?大体、ホラー狩りなら私達のうち最低でも一人が同行するって約束だったでしょ!」

 

 

マーベラスと呼ばれた少女はやや大きめの筆のような道具を取り出す。

 

 

「私もMAGES.も魔戒法師としての修行は完璧にこなしたんだから、少しは信用してよね!」

 

「ごめんごめん、まだホラーがいるって確証が無かったからさ」

 

大地は鎚を持ちながら呟く。

 

 

「それに…面白い奴を見つけたってのもあるけど」

 

大地はそう呟いてポケットから2枚の写真を取り出す。

 

 

 

 

 

そこに写っていたのは陵牙。そして彼がザドリとの戦いで使った炎獄牙狼だった。

 

「黄金騎士牙狼…実在したってあいつからの話を聞いた時は驚いたけど、こんなに早く出会えるなんてね」

 

――――――――

 

 

 

次回予告

 

 

ついにラステイションに潜むホラーを発見した。

 

しかし、奴は想像以上に強く…!

 

そんな時、俺の前に現れたのは…!?

 

次回『牙嵐(ガラン)』

 

 

陰我を砕く、破砕の鎚!




大変お待たせいたしました!

というわけで、次回から案をいただいたオリジナル魔戒騎士の登場となります!


では、また次回でお会いしましょう!
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