そこで訪れる新たな出会いとは…?
今回、XENON-199X-Rさんからの案である魔戒騎士を登場させていきたいと思います!
感想、評価もお待ちしてます!
「さて、いきますか」
夜、俺は魔戒剣を持って支度をする。
昼間、シアンから聞いた情報を元に調べてホラーの正体を割り出した。
「ドリュー・ノルド…ラステイションの企業『アヴニール』を独立して『ロンダース社』を設立…あくどい経営方法で多くの工場が借金を抱えることになったか…」
しかも2ヶ月前…ザドリの事件とほぼ同時期に彼に借金を作った企業が次々と倒産。
その理由は全て、『社長達が行方不明になった』ことがきっかけとなっている。
「確認する必要があるな」
俺はラステイションの教会から借りたバイクに乗り、ロンダース社へと向かった。
――――――――
一方その頃、ドリューを追う二人の影がいた。
「ひぃ…!?」
彼の前に立つのは、黒いコートの銀髪の青年。
横に立つのはオレンジ色のボブカットで、やや露出が多めの服を着た少女。
「き、君達は何をするんだ!?私がいったい何をしたんだ!?」
おびえるドリューだが、男は持っていたハンマーを向ける。
「生憎、ホラーを助けるような趣味は持ってないんでね」
ドリューは必死に逃げようとするが、少女が二振りの忍者刀を持って道を塞ぐ。
「グウウウウウ!!」
ドリューは唸り声を上げるとその場からジャンプして逃げ出した。
「!逃がすかよ!マーベラス、追うぞ!」
「オッケー、大地!」
マーベラスAQLと鎚を持った男『陣龍大地』。
二人はドリューを追いかける。
――――――――
陵牙は偶然にもバイクでロンダース社に向かう途中、明らかに人間を越えた猛スピードで
走り去るドリューを見つけて追いかけていた。
「へっ!魔導火使うまでもなく正体現してたな、ホラー!」
陵牙は懐から魔導火を取り出し、点火しながら相手に向かって腕を振る。
「うわっ!?」
魔導火が目の前に灯り、ドリューは一瞬動きを止めた。
「くらえ!」
俺はバイクから飛び降り、鞘から素早く魔戒剣を引き抜き、ドリューに向かって振り下ろす。
因みに、バイクは乗り手を失ったことで地面に車体を擦り付けながら大爆発した。
………あとでケイさんに謝らないとな。
「スッ!シタナ、ナサリシチサ!!(くっ!貴様、魔戒騎士か!)」
ドリューは体を食い破るようにホラーの姿に変わる。
カタツムリの様な姿、『ホラー・サカクヌミ』へと姿を変える。
「正体見せたか、ホラー!」
俺は魔戒剣を振って攻撃するが…
「何!?」
腕の殻が盾のように変形し、攻撃を防いだ。
「トユアノオサ?ビョルチウセガア!(そんな物か?拍子抜けだな!)」
サカクヌミは口から液体を吐き出し、陵牙は咄嗟によける。
「ぐうっ!?」
しかし、左肩に僅かだが痛みを感じる。
よく見ると、服の左肩の部分が溶けていた。
(こいつ、面倒な能力を!)
陵牙は距離をとって魔戒剣を天に掲げる。
(長引くと面倒だ。さっさと終わらせる!)
召喚の陣を描き、牙狼の鎧を装着した。
「ザモサ…ゼユガリインニザレッカコバシリケリカザ…(牙狼か…現代に蘇ったとは聞いていたが…)」
サカクヌミはあざ笑うかのように話す。
「カリチカソコバアタトルガア!(大したことは無さそうだな!)」
口から溶解液を吐き出すが、俺はとっさにかわし、牙狼剣を突き出す。
「…トオケリゴサ?(その程度か?)」
しかし、サカクヌミの腕の殻は想像以上に硬く、牙狼剣でも傷一つ付いていない。
「嘘だろ!?」
驚いているとサカクヌミの右手が触手に変わる。
「ぐあああああ!」
触手の一撃を鳩尾にくらい、壁に叩きつけられる。
「ぐう…あぁ…」
壁に叩きつけられた衝撃で鎧は強制的に解除され、ぶつかった衝撃で折れたのか激痛が走
る左腕を押さえる。
「シメタレ、ロルゾユシチ!(消え去れ、黄金騎士!)」
サカクヌミは腕の触手を鋭利な刃物に変化させ、俺に向かって振り下ろす。
(くっそ…もう……無理…なのか?)
その刃は俺を貫く………
「はい、ストーップ」
事はなかった。
「…え?」
そこにいたのは、見慣れない青年。
銀髪に銅色のロングコートを着た男の手には鎚が握られている。
その鎚でホラーの刃を防いだのだ。
「いや~、とっさに飛び出したけど、ちょうど良かったみたいだね。怪我はない?」
陵牙に話しかけながら、青年は持っていた鎚でサカクヌミの顔面を殴り、吹き飛ばす。
「は、はい……貴方は一体…?」
「ん?俺?そっか、まだ自己紹介してなかったな。俺は陣龍大地」
持っていた鎚を見せ付けるように言う。
「…同業者って奴?黄金騎士、牙狼クン?」
大地は鎚を構え、地面に叩きつける。
そのまま回転し、牙狼と同じ『召喚の陣』を描くと円の中心に鎚を叩きつけた。
「ウオオオラアアア!!!!」
召喚の陣が開き、大地の体を鎧が覆う。
その騎士は、陵牙の記憶には存在しない魔戒騎士。
外見でいうなら、『堅陣騎士ガイア』に酷似しているが細部が異なる。
ガイアのような紫ではなく、鋼地に銅色がベースカラーとなっており、持っている武器も
大剣ではなく片方にドリルのようなパーツのついたハンマー『魔戒鎚・轟擂』へと変化し
ていた。
「魔戒…騎士?」
「ああ。俺の名は牙嵐。轟擂騎士・牙嵐(ガラン)だ!」
――――――――
牙嵐はサカクヌミに向かって歩く。
ただそれだけの動作のはずなのに、威圧感からサカクヌミは動きが取れなかった。
「ギシャアアア!!」
腕の刃を振り下ろすが、鎧には傷一つ付かない。
この牙嵐の鎧、通常の魔戒騎士の鎧と比べても重厚であり、その硬さは魔戒騎士の鎧の中でもトップクラスであるといわれている。
「ふん!」
牙嵐は拳一発でサカクヌミを怯ませ、轟擂を振り下ろす。
「ぐうう!!」
腕の殻でガードするサカクヌミだが、轟擂の一撃は殻ごと粉砕する。
「す…凄い…」
陵牙は、目の前の騎士の戦いに驚いていた。
自分とは異なる、力任せな戦い方。
敵の攻撃を圧倒的な防御力で防ぎ、ハンマーで相手を叩き潰す豪快な戦法。
「オラア!」
相手が伸ばしてきた触手をつかみ、逆にこちらに引き寄せる。
「グウウ!?」
サカクヌミは顔面に轟擂の一撃をくらい、吹き飛ばされるがすぐさま再生する。
「ちっ……再生能力か」
すると、マーベラスが遅れて到着し、声をかけた。
「大地!これを使って!」
マーベラスが牙嵐に投げたのは、小さなライター。
『魔導火』だ。
「助かったぜ、マーベラス!」
牙嵐は魔導火を着火すると、轟擂の石突に魔導火が自動的に纏われ、青い魔導火が轟擂を
包み込む。
「ウオオオオ!!!」
轟擂を振りぬくと、青い炎がサカクヌミの体を炎に包む。
「グアアアアア!!!!!!」
青い炎は牙嵐の元に戻ると、牙嵐の装甲と一体化する。
「烈火…炎装!?」
炎を纏った牙嵐はその体躯からは想像も付かないような猛スピードでサカクヌミに接近し…
「ぶっ潰れろオオオオォォォ!!!!!」
サカクヌミを叩き潰し、封印した。
「ぎゃあああああ!?」
悲鳴を上げながらサカクヌミはドリューの姿に戻り、牙嵐を睨むが彼は叫ぶ。
「ドリュー・ノルド!強欲に塗れた貴様の陰我、俺が砕いた!」
「貴様…一体、何なんだ…?」
牙嵐は装甲を解除し、宣言する。
「我が名は牙嵐!轟擂騎士だ!」
同時に、ドリューの体は消滅した。
――――――――
「さて、自己紹介としますか。俺は陣龍大地。こっちは…」
「マーベラスAQL。まだ新米だけど、魔戒法師でもあるんだ。よろしくね!」
大地はポケットから薬のビンを取り出して陵牙に渡す。
「あ、ありがとうございます。俺は…」
「大丈夫、俺は知ってるぜ、轟雷陵牙」
「え?」
大地は2枚の写真を見せてくる。
「!これって…」
そこに写っていたのは、俺と炎獄牙狼の写真。
ルウィーで戦ったときの写真があった。
「これ、俺のダチの魔戒騎士から送られてきたんだ」
「他にも魔戒騎士がいるのか!?」
「おう。ま、俺とあいつ、そしてお前しかいないみたいだがな」
「え?そ、それって…?」
話を聞こうとしたが、怪我をした左腕が痛み、蹲ってしまう。
「あ~、もう無茶しないの!」
マーベラスが手を貸してくれたおかげで何とか立ち上がれた。
「じゃあこの話はまた後だな。その薬は魔戒騎士の秘薬だ。骨折程度なら多分一晩寝ればだいぶ治る筈だぜ」
大地は思い出したかのように足を止める。
「それと、お前もしかして魔法衣を持ってないのか?」
「…ああ、持ってないけど…」
そう。今まで陵牙は魔法衣を持ってなかった為私服姿で戦っていた。
しかし、今回の戦いで一部が溶けてしまい、ボロボロになっている。
「わかってると思うが、魔戒騎士の戦いで鎧を纏えるのは99,9秒。つまり生身での戦いが必然的に多くなる」
大地はポケットから札のような物を渡してきた。
「服にこの札を貼れば、防御の術式が発動して魔法衣の代わりになるはずだ。ただしこれ
1枚しかないからしっかり考えて使えよ」
そう言い残し、大地は立ち去る。
「また会おうぜ、轟雷陵牙」
大地とマーベラスの姿は、そのまま夜の闇へと消えていった。
――――――――
次回予告(ナレーション ノワール)
ボロボロになった陵牙。
ラステイションの教会に戻った彼が見た物とは…
次回『共有』
二人だけの秘密、それは素敵な思い出…かな?