牙狼 超次元の騎士   作:狼牙竜

25 / 40
お待たせしました、最新話です!

今回と次回でルウィー編は終了します!

感想、評価も引き続きお待ちしてます!




そして一昨日、劇場版『GARO‐DIVINE FLAME-』を観に行きました!
詳しいネタバレは避けますが、言いたいことは…


レオン、カッコ良かった!

牙狼としても、アニメとしても楽しめるとてもすばらしい作品でした!




第21話 剣

 

翌朝、ブランが外をふと見ると、そこには魔戒剣を振る陵牙がいた。

その目には一点の迷いも無い。

 

「陵牙、おはよう」

「おはよう、ブラン」

 

陵牙は魔戒剣を鞘に収め、魔法衣に袖を通す。

 

 

「今日はどうするの?」

「そうだな。とりあえずザドリの手がかりを探してみるよ。結局昨日は逃げられたし、できれば今日中に封印しておきたいしな」

 

シャワー浴びてくる。と付け加え、陵牙は教会に戻った。

 

――――――――――

 

ルウィーの孤児院。そこで朝早くから木刀を振っている少年がいた。

 

彼の名はライガ。先日陵牙によって元気付けられ、魔戒騎士に憧れを持った少年。

 

陵牙が纏っていた牙狼の鎧。いつかあの鎧を継ぎたいと、日々努力を重ねていたのだ。

「ふっ!ハアッ!」

 

 

暫く経ち、ライガは木刀を片付ける。

 

「ふう…」

 

 

汗を拭うライガだったが、突然肩に誰かの手が乗る。

 

「わあ!?」

振り返ると、そこには見たことのある黒いコート…

 

 

「うわっと!びっくりしたかライガ?」

「陵牙さん!?」

 

そこにいたのは、轟雷陵牙。何故彼がここにいるのか?

 

 

「ど、どうしたんですか!?」

「おう。実は今日仕事があってな」

 

仕事…なんとなくライガは魔戒騎士の仕事だと察する。

 

 

 

 

 

「それで、今日は特別に…ホラー退治に連れてってやる」

 

 

「ほ、本当ですか!?」

ライガは喜ぶ。まさかこんなに早く彼の仕事の手伝いができるとは思わなかったからだ。

 

「もう先生達には話はしといたぜ。バイクも準備したし、行くか」

「はい!」

 

笑顔で答えるライガ。

 

 

しかし………彼は気がついてなかった。

 

 

 

こっそり不気味な笑いを浮かべる陵牙。そして足元に映る影が、歪な魔戒騎士の鎧の姿と

なっていたことを。

 

 

――――――――――

 

事務仕事を行っていたブラン。すると、通信が入る。

 

「はい。ルウィー教会です…」

《ブラン様!大変です!》

 

 

通信したのは、先日行った孤児院の先生。

 

 

 

《ライガ君が、そちらにいる陵牙さんに連れられて勝手に施設を抜け出しました!》

「何ですって!?でも、陵牙はまだ教会にいますよ!?」

 

そう。まだ陵牙は教会にいる。

先ほどシャワーを浴びると言っていたが、彼が外に出るなら自分に必ず声をかけるはずだ。

 

「ブラン?俺がどうかしたのか?」

声を聞いたのか、陵牙が部屋から入ってくる。

 

 

「陵牙!あなた、さっきまで何してたの?」

「何って…シャワー浴びてからミナさんと一緒に食事の支度してたけど?」

 

ミナと一緒にいたなら、嘘ではないと判断するブラン。

付き合いの長いミナを使って嘘をつけるとは思っていないからだ。

 

「で、何かあったのか?」

 

「…ライガ君が孤児院から抜け出したらしいわ。それも、陵牙が手引きしたって話よ」

「そんな馬鹿な!俺はずっと教会にいた!少なくともミナさんや他の職員さんが証言してくれるはずだ!」

 

 

「そうよね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イヤアアアアアアアアアァァァァァァァ!!!

 

 

すると、突然厨房から悲鳴が聞こえる。

 

「あの悲鳴…」

「ミナ!」

 

 

慌てて厨房へ駆け込むと、そこにはスーツを着た男がミナに襲い掛かっていた。

ただし、男の口は怪物のように大きく裂けており、それが男が人間ではないと示すには十分な証拠だった。

 

「ホラーか!」

 

 

陵牙は飛び蹴りでホラーを蹴り飛ばし、魔戒剣を取り出すとすぐさま牙狼の鎧を召還。

間髪入れずに牙狼剣でホラーを切り裂き、ホラーは悲鳴を上げるまでもなく爆散した。

 

 

「呆気なかったな…」

 

鎧を解除し、魔戒剣を鞘に収める陵牙。

 

すると、1枚の手紙が落ちていた。

「これは…?」

手紙を拾い、封を切る陵牙。

 

 

 

 

そこに書かれていたのは、魔戒文字。

『少年は預かった。現在、彼にとって絶望に満ちた『あの場所』で待っている』

 

 

あの場所…ライガにとって絶望に満ちた場所…

 

 

 

「あの倉庫か…」

彼の姉が殺された、あの現場だった。

 

「なら、人手もいるかもな」

 

 

陵牙はNギアを取り出し、ある相手に連絡を入れた。

――――――――――

 

倉庫では気絶したライガが後ろ手に縛られていた。

 

 

「ほ、本当に来るんですよね?ヤイバ様?」

オドオドしたザドリ。その視線の先には主であるヤイバが腕組みして立っている。

「うろたえるなザドリ。必ず奴は…黄金騎士は来る」

 

そうでなくては…と小さくつぶやく。

 

 

「そうでなくては『キバ様』が自ら動くはずがない」

 

 

 

すると、倉庫の扉から一人の男が現れる。

 

「キバ様…」

そこに立っていたのは、黒いローブの男。

 

隠している顔からは、×印の傷がある。

 

そう。以前ラステイションで陵牙の前に現れた男である。

 

 

 

「俺の仕事はこの小僧を連れてくるところまでだ。後はしっかりやれ、ザドリ」

「は、はい!」

 

 

すると、ザドリの前に謎の男が現れた。

 

 

「そいつを助っ人として使わせてやる。安心しろ、我と同じ『暗黒騎士』だ。そこらの魔戒騎士など、相手にもならん」

キバとヤイバは姿を消し、男はザドリに話しかける。

 

「…また会うとはな、トリック。」

 

「お、お前…まさかb」

 

男の『本当の名前』を口にしようとした瞬間、剣が喉に向けられる。

 

 

「言っておくが…今の我の名は違う」

ゆっくりと、彼は自らの名を告げる。

 

「我が名はゼクス。キバ様の僕となった…暗黒騎士!」

 

 

男…ゼクスはそう叫んだ。

 

 

――――――――――

 

俺とブランはバイクで現場まで移動し、周囲を確認する。

 

「ここで間違いないのね、陵牙」

「ああ。ここで合ってる」

 

陵牙はコートから魔戒剣を取り出し、ゆっくりと周囲を見回す。

「せめてザルバがいたら、中にホラーがいるかわかるんだが…」

 

ちらっと左手を見るが、そこには黄金騎士の相棒たる髑髏の指輪は無い。

 

「無い物ねだりしてもしょうがないわよ、陵牙」

「そうだな。今はやれることをやる。それだけだ」

 

陵牙は地面にそっと手を触れ、意識を集中させる。

 

 

すると、数時間前までのこの場所での状況が頭の中に入り込んできた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間前。

 

陵牙に化けた男がライガを抱えて倉庫に入る。

 

「さて、すべての準備は整った…」

男は変装を解く。

 

その正体は×印の傷を負った男。

 

 

すると、突然何かに弾かれたように陵牙は吹き飛ばされる。

 

「ぐっ!?」

 

 

「陵牙!」

 

ブランが駆け寄るが、陵牙は立ち上がる。

 

 

「…見えた。この中にライガがいる」

 

――――――――――

 

そっと進入する陵牙とブラン。

「いた…」

 

こっそり中を見ると、後ろ手に縛られたライガと、不満げな表情で座るザドリ。

 

 

陵牙は鞘から魔戒剣を引き抜いて、ゆっくりと距離を詰め…

 

(今だ!)

真上から落下し、牙狼の鎧を召還した。

 

「な、何!?」

 

 

驚くザドリだが、牙狼は自らの左腕に牙狼剣を擦り付け、火花を散らせる。

 

「ハアアアア!!!」

 

発生した魔導火を牙狼剣に纏わせ、振るが…

 

「フン!」

 

 

何者かの盾に防がれる。

「お前…!?」

 

そこに立っていたのは、左腕に盾を装備した男。

 

 

印象的なつり目に、紫がかった黒髪を後ろに纏めたその男の姿に、陵牙は見覚えがあった。

「やるな、黄金騎士よ…今ので少々手が痺れた」

 

左手を振るその男を前に、陵牙はつぶやく。

 

 

 

 

「ベルナルド・ディオン…?」

 

陵牙が知る中で二人目の暗黒騎士。彼に瓜二つの姿だった。

「ベルナルド…この鎧を使っていた男の名だな…」

 

 

ベルナルド?は薄っすらと笑みを浮かべ、魔戒剣と盾を交差させる。

 

「なら、この名前使わせてもらおう!」

 

 

ベルナルドは剣と盾を擦り合わせ、目の前に現れた召還の陣に魔戒剣を突き出す。

すると、召還の陣が紫色に輝き、禍々しい鎧がベルナルドの体を包んだ。

 

「我が名はゼクス!暗黒騎士!」

 

 

ゼクスは後ろにいたザドリに叫ぶ。

 

「ザドリ!その子供を連れてこの場を去れ!」

「あ、ああ!!」

 

ザドリはライガを抱えて逃げる。

 

 

「逃がすか!」

ガロは魔導火の斬撃を放つが、ゼクスが盾で封じる。

 

「悪いが、私を退かせてからにするんだな」

 

その言葉に、ガロは鎧の中でふっと笑う。

 

 

「なら、やってやるよ!」

 

――――――――――

 

外に逃げようとするザドリだったが、その目の前に斧が振り下ろされた。

 

「逃がすかよ、この変態野郎が!」

ホワイトハートに変身したブラン。

 

 

 

 

「おお!これぞ俺が探していた幼女!」

 

 

 

その言葉にブランが切れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「てめえええぇぇぇぇ!!!誰が幼女だ、誰が!」

 

 

怒りに燃えるブランは、持っていた斧をザドリの腹に叩き込んだ。

「ぐほおおお!?」

 

ザドリの手から離れたライガ。彼の手を掴んだのは…

 

 

「よっと!」

 

裕也だった。

 

 

「ブラン様!少年の救助、完了!」

「分かったわ!後はお願い!」

 

ホワイトハートはライガを連れて去り、裕也は魔戒銃のアンダーバレルに魔戒剣をセット。すばやく頭上に召還の陣を描いた。

 

「Fire!」

 

狼攻の鎧が召還され、裕也の全身を覆った。

「ま、魔戒騎士!?まだいたのかよ!?」

 

新たに現れた魔戒騎士に驚くザドリだが、ロックはゆっくりと近づく。

 

 

「く、来るな!」

 

 

ザドリは舌で攻撃するが、ロックは硝煙銃剣を向け、弾丸で相殺する。

 

 

「ホラー・ザドリ!幼き命を喰らってきた貴様の陰我、俺が撃ち抜く!」

 

ロックはザドリの攻撃を弾きながら加速し、空中に蹴り飛ばす。

「ぐはっ!?」

 

空中に投げ出されたザドリだが、何とそれだけでは終わらなかった。

 

 

「これはこないだの妹達の分!そしてこいつは…」

 

 

いつの間にか、後ろにはホワイトハートが回りこんでいた。

「な、何…!?」

 

「ライガの痛みだ!テンツェリントロンベ!」

 

 

強烈な一撃が真上から叩き込まれる。

 

 

「ぐおおおおおお!?」

 

すると、下で待機していたのはロック。

彼は落ちてきたザドリに向けて硝煙銃剣を突き出し…

 

「がはっ!?」

 

硝煙銃剣の刃がザドリの腹を貫いた。

 

「とどめだ!」

 

 

その状態でトリガーを6回引く。

 

6発の魔導弾がザドリを貫き、ザドリは消滅した。

 

 

――――――――――

 

ザドリが消滅したのと同じタイミング、ガロは一発の銃弾を取り出す。

 

「貴様、それは?」

ゼクスの言葉に答えることなく、ガロは弾丸を真上に弾く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

きっかけは昨日、ブランから聞いた話だった。

 

「あなたの鎧…急に黄金に戻った件なんだけど…」

 

 

そう。それは陵牙としても気になっていたことである。

 

「楠神裕也の推測だと、硝煙銃剣と牙狼剣がぶつかったことがきっかけなんじゃないかって」

 

「剣がぶつかる?」

 

「ええ。彼の話だと、ソウルメタルどうしがぶつかったことで、その金属音が牙狼の鎧に変化をもたらしたんじゃないかって話なの」

 

ソウルメタルの物質と牙狼剣がぶつかることで、黄金の鎧に一時的に戻る。

 

突拍子も無い話だったが、試してみることに決めた。

 

「ハアッ!」

落ちてきた弾丸を牙狼剣で弾く。

 

すると、あの時と同じ変化が起きる。

 

 

「くっ……来たか…!」

 

 

黒く染まっていた鎧の各部が黄金の輝きを取り戻し…

 

 

「グアアアアアア!!!」

 

 

 

 

 

 

瞳が緑色に輝く、黄金騎士の姿へと変化した。

 

 

「それは………!そうか!黄金の力を使うか!」

 

 

うれしそうに笑うゼクス。しかし牙狼は、言葉を話さずにゆっくりと歩いて来る。

 

 

突然、牙狼は走り出し、牙狼剣を振り下ろす。

 

「!」

 

 

ゼクスは咄嗟に盾で防ぐが、何と『盾ごと地面にたたきつけられた』

 

「くっ!何だ、この力は!?」

「ハッ!」

 

すかさず牙狼剣が振り下ろされ、ゼクスはかわす。

 

 

「やるな…!面白いぞ、黄金騎士!」

 

笑うゼクスだったが、内心得体の知れない強さに警戒している。

ゆっくりと迫ってくる牙狼。

 

 

 

そこには、先ほどまでの陵牙の面影は無いに等しい。

 

「……………」

 

 

無言だが、とてつもない圧力を感じる。

牙狼は牙狼剣に緑の魔導火を灯し、剣を構える。

 

 

 

「ハアアアア………ハアアッ!」

 

 

一気に剣を振ると、緑の炎がゼクスに迫り…

 

「ふん!ここまでか!」

 

 

ゼクスは間一髪で避け、窓から逃げる。

「いずれまた会おう!黄金騎士牙狼!」

 

ゼクスが逃げたのを見て、牙狼は鎧を解除し陵牙に戻る。

 

 

「く……やっぱ…これ、疲れるな…」

 

敵がいなくなったことを確認した陵牙はその場に倒れる。

 

 

「黄金の力…すげえけど、その分力が抜ける…」

 

 

足に力が入らなくなるまで、体力が消耗していたのだった。

 

 

――――――――――

 

ザドリが消滅し、ロックは鎧を解除して裕也の姿に戻った。

 

「裕也…ありがとう」

「なに、魔戒騎士たる者、女神様や同僚の力になるのは当然ですよ」

 

すると、倉庫の中で何かが倒れるような音がした。

「!まさか…!」

 

ブランは近くで気絶していたライガを抱え、倉庫に入る。

 

 

倉庫の中に入ったブランが見たのは、気絶した陵牙だった。

 

「陵牙!」

 

 

 

 

ブランは陵牙に呼びかけた。

 

――――――――――

 

日が暮れてきた頃、陵牙は教会の客室で目を覚ました。

 

「う…」

痛みに顔をしかめながら起き上がると、横にはブランとライガが寝ていた。

 

「ブラン…ライガ君…」

 

 

すると、二人とも目を覚ましたらしい。

 

 

「陵牙…?」

「陵牙さん…」

 

目を覚ました陵牙を見て、ホッとした表情の二人。

 

「よかった…本当に心配したんだから…」

 

ブランが手を掴む。

「私…陵牙が倒れてたとき、本当に怖かった…」

 

「ごめんな、二人とも…心配かけて」

 

「陵牙さん…大丈夫ですか?」

 

 

「ああ…ちょっと疲れただけだから…」

 

 

 

 

 

 

それから1時間後、陵牙達はライガを施設に連れ帰った。

 

 

「本当に、この度はありがとうございます!」

 

「いいえ、そんなことないですよ!」

 

 

ブランが職員の人に対応する間、俺はライガに魔戒符を渡した。

「これは?」

 

「今日は俺に化けた偽者が起こした事件だからな。この札と、俺が持ってる札を向けれ

ば…」

 

 

ライガに渡した魔戒符と、俺が持っていた魔戒符。

 

 

中途半端なデザインだった魔戒符だったが、両方に刻まれていた文字が宙に浮き、魔戒文字を形作る。

 

「これからは、こいつで本物か確認しておこうか」

 

 

「うん!…そうだ、陵牙さん!」

 

 

ライガは木刀を取ってきた。

 

「折角だから、僕の剣、見てください!」

 

 

「おう!どれだけ成長したか、見せてもらうぜ!」

 

 

――――――――――

 

明かされた金色の力。

だが、大きな力には必ずリスクも存在する。

 

 

しかし、この時の彼らは気づいていなかった。

 

偽りの黄金。その危険なる代償を、まだ、誰も…

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

次回予告(ナレーション ???)

 

ついに来るのね、轟雷陵牙…

 

あんな男なんかに現を抜かすなんて、お姉さまも目を覚ましてください!

 

次回『教祖』

 

絶対に、お姉さまはアンタなんかに渡さないわよ!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。