牙狼 超次元の騎士   作:狼牙竜

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お待たせしました、第22話です!

今回から舞台はリーンボックスへと変わります。陵牙の体験入国もクライマックス!



放送中の魔戒烈伝、毎週の楽しみとなってます。

………そろそろ、クロウや翼にも出てほしいですが、個人的に出てきてほしいのは猛竜や哀空吏ですね。GSに出なかったのが正直、不満だったので。

感想、評価を引き続きお待ちしてます!




第22話 教祖

鎧の黄金の復活、新たな魔戒騎士との出会い…色々あったルウィーの体験入国も終わり、俺は荷物を纏めた。

 

「準備できたの?」

「ああ。ばっちりだ」

 

俺は小さな鞄に荷物を詰めた。

そして教会の玄関前に立ち、見送りに来てくれたブラン達に挨拶をする。

 

「今日まで、お世話になりました」

すると、ロムちゃんとラムちゃんが俺のコートを掴んでくる。

 

「いやだ!お兄ちゃんともっと一緒にいたい!」

 

「私も…!行かないで、お兄ちゃん…!」

 

すると、ブランが二人の頭をなでる。

「駄目よ、二人とも。陵牙が困っちゃうから」

 

それでも、二人は手を離さない。

俺は二人の頭をそっとなで、笑顔で話しかける。

 

「ありがとうね、ロムちゃんもラムちゃんも。だけど、すぐにまた来るから」

「本当に来る…?」

「絶対に?」

 

 

 

 

 

「当然!またすぐに来るよ!」

 

 

二人は手を離し、俺はブランに挨拶をする。

「ありがとうブラン。体験入国の事だけでなく、色々と調べてもらって」

 

「気にしなくていいわよ…だけど、もしまた何かあったら戻ってきてね?」

 

「ああ。そうさせてもらう!」

俺は軽く2,3回ジャンプすると、リーンボックス行きの飛行機まで走っていく。

 

 

「さて、行きますか!」

 

 

 

――――――――――

 

飛行機でしばらく、ついにたどり着いた!リーンボックス!

 

「しっかし、思ったよりも綺麗な場所だな。空気も澄んでて、過ごしやすそうな場所だ」

空港から出て、周囲を見回しながら呟く。

 

「えっと…確か待ち合わせの人が来るんだっけ?」

すると、後ろから声をかけられる。

 

「貴方が、轟雷陵牙?」

「え?…」

 

振り返ると、赤い髪を二つに束ねた女性が立っている。

 

 

……因みに、一瞬彼女の胸に目がいってしまったが、すぐに視線を逸らした。

 

「えっと、貴女は?」

「ベール様から聞いているとは思うけど、私はケイブ。リーンボックスの特命課に属している者よ」

 

「あ、そうでしたか!すいません、前もって待ち合わせに来るとは聞いてたんですけど…」

「しょうがないわ、私達は初対面だもの。あらかじめ特徴を聞いてなかったら分からなかったし」

 

ケイブさんは俺のコートを見てくる。

「ははは…まあ、確かに黒コートは目立ちますもんね…」

 

ちらっと自分の魔法衣を見る。

 

 

うむ。こうやって見るとやっぱり派手だ。

 

鋼牙さん達は普段どうやって過ごしたのだろうか?少し気になる。

 

 

「ベール様から教会への案内の任務を任されているの。今から案内するから、ついて来てちょうだい」

 

「はい!案内お願いします!」

 

 

俺達は教会へと移動し、ふと思った。

 

そういえば、今更だがベールさんとはあまり接点が無かったな…この体験入国で少しでも

交流を深められたらいいけど…

 

 

――――――――――

 

 

リーンボックスの教会に俺達はたどり着く。

 

すると、なにやら教会の中が騒がしい。

俺は疑問に重いそっと扉を開けて中に入った。

 

「ちょっとさっきの書類何処行ったの!?」

 

「ああもう邪魔!あんたさっさとお茶持ってきて!」

 

「どうしましょうチカ様!クエストの依頼が来てます!」

 

「手の空いてる奴行ってきて!他のメンバーは仕事を片付けて…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこは、地獄絵図だった。

 

 

 

「何ですか、このカオスな光景は…」

 

「ああ…またベール様ですね…」

 

 

「…はい?ベールさんが理由なんですか、この地獄絵図?」

 

すると、先ほどから指揮を執っていた女性と目が合う。

 

 

緑の髪で露出の多めな服装、外見は何処となく、ベールさんが女神化した姿に若干だが似ている。

 

「お邪魔するわね、チカ」

 

 

「ケイブ…もしかして、この人が?」

「ええ。ベール様が話されていた、体験入国する轟雷陵牙くんよ」

 

「初めまして、轟雷陵牙です」

「貴方が…」

なんか、疑わしげな目でじっと見てくる。

 

 

…ちょっと苦手なタイプかもしれない、この人

 

「さっきも紹介されたけど、アタクシの名前は箱崎チカ。リーンボックスの教祖を務めているわ」

 

「どうも、よろしくお願いします。それとちょっと聞きたいんですが…」

「?何?」

 

「この状態、何かあったんですか?」

 

 

ずっと気になっていた、この地獄絵図の事を聞く。

 

すると、チカさんは溜息をついた。

 

「実はお姉さまが…」

「お姉さま…?」

 

「ベール様のことよ。私はお姉さまと呼んでるんだけど…」

 

「なるほど。で、もしかしてベールさんの身に何かあったんですか?」

 

 

 

すると、チカさんの様子が変わる。

 

 

 

 

 

「………は?ベールさん?」

 

すると、突然目を見開いて胸倉を掴まれた。

 

 

ってどういうこと!?俺もしかして地雷踏んだ!?

 

 

 

 

 

「何処の馬の骨とも分からない男が、お姉さまの名前を軽々しく呼ばないでよ!」

 

 

 

「は、はあ!?ちょ、どういう…」

 

 

「そもそも、私はこの体験入国自体反対だったんだから!ルウィーでの一件以来、お姉さまがあんたに興味を持ったからこうなってるの!どうしてお姉さまが、あんたに興味持ったのよ!?もしかして口説いたりでもしたの!?」

 

ルウィーでの一件とは、例の誘拐事件だろうか?

 

「いやいや、ルウィーでの一件は当然のことですよね!?人命優先で俺動いただけっすよ!?それにベールさんが興味持つようなことなんて…ましてや口説くなんて……」

 

 

そう。ルウィーではロムちゃんとラムちゃんを助けるために行動しただけで、特にベールさんが興味を持つようなことは…

 

 

『女神だとしても、貴女だって一人の女性だ。女の子が一人で命の危険のある場所に向かおうとするなら、俺は絶対に一人で行かせるなんてことはしたくない』

 

「………あ」

 

今から思えば、口説き文句みたいなこと言ったような…

 

 

 

「あ。って何よ!口説いたの!?口説いたのね!?」

 

すると、チカさんは息切れして座り込む。

 

「ど、どうかしたんですか!?」

ケイブさんはあきれた表情で寄る。

 

「まったくチカったら、体が弱いんだから無理しちゃ駄目でしょ?」

「けほ…ごめん、ケイブ…」

 

「ごめんなさい、陵牙君。チカはベール様のことになると、すぐに頭に血が昇って…」

 

「い、いえ…別に気にしてないんで…」

 

 

 

何というか、チカさんがどれだけベールさんを信頼しているか分かった。

…まあ、多少オーバー過ぎる気もするが。

 

「ところで、ベールさんに何かあったんですか?」

 

すると、チカさんはまた頭を抑える。

 

 

「何があったというか…」

「まあ、行ってみたほうが早いわね」

 

 

 

――――――――――

 

ベールさんの部屋の前、チカさんが前に立ち、ドアをノックする。

 

「お姉さま。轟雷陵牙が来ましたが…」

 

しかし、何も返事が無い。

「あの~、お姉さま?」

 

 

 

 

 

「今は話しかけないでください!」

 

 

突然、ベールさんの怒鳴り声が聞こえた。

 

「もしかして、重要な仕事ですか?」

「そうならいいんだけどね…」

 

 

ケイブさんも頭を抑えている。

 

 

「お姉さま、すみません!」

 

チカさんがドアを開け、俺もそっと進む。

 

 

部屋の中は電気が消えていた。

しかし、部屋の中に5台のパソコンが起動しており、中心に立っていたのは…

 

 

 

「……え?」

 

ベールさんが真剣な表情で5つのキーボードを叩いている。

 

 

以前会ったときの、お淑やかな雰囲気が見事に消し飛んでいた。

 

「お姉さま…ネトゲをしてるのはいいんですが、よければ仕事の方もしてほしいと…」

 

「チカ?今はそれどころではありませんわ!ようやく、この局面まで到達したのです!絶対にクリアしませんと!」

 

 

そういえば、体験入国前にネプテューヌとこんな話をしたっけ。

 

回想…

 

 

「しっかし、ベールさんは頼りになるよな…」

 

 

ルウィーでの戦いを終えて教会でゆっくりとコーヒーを飲みながらふと思い出していた。

 

「頼りになる…か」

「どうしたネプテューヌ?その何とも言えない顔は?」

 

横に座るネプテューヌが、すごい微妙な表情をしていた。

 

 

 

 

…例えて言うなら、『僕は空を飛べるぞ!』で有名なとある魔戒騎士のデビュー戦のあの微妙な結果を見たときの俺みたいな顔だった。

 

 

「いや、陵牙のイメージを壊すようで悪いけど…実はベールってさ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガチのゲーマーで、オタクなんだよね」

 

 

「………え?」

 

回想終了。

 

あの話、どうやら本当だったらしい。

 

現に俺の目の前でベールさんは複数のキーボードの同時操作というトンデモ技を披露している。

 

「せっかくここまで来て…負けませんわ!」

 

 

もはや俺達の存在を忘れているっぽい。

 

っていうか、横で無視されているチカさんが段々不憫に感じてきた。

 

 

「チカさん、ここは任せてください。この手の輩の対処は慣れてますんで」

「え?いいけど…今のお姉さまには声は届かないわよ?」

 

俺はコートから魔戒剣を取り出す。

 

 

「ちょ、ちょっとあんた、なんで剣なんて出してるのよ!?」

 

俺は魔戒剣を鞘から少しだけ引き抜いて………大きな音が鳴るように鞘に収めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カアアアアアアァァァン!!

 

 

 

「!?」

 

どうやら、ようやく気がついたようだ。

 

 

「ようやく、目が覚めたようですね…」

「りょ、陵牙君…?」

 

ベールさんは震えている。

 

 

それもそうだ。今の俺は、ネプテューヌが仕事しない時の『鬼の表情』へと切り替えてい

る。

 

ネプテューヌ曰く、『後ろに白目で左半分に日々が入った牙狼が見えた』とのことだ。

 

「何仕事サボってネトゲに入り浸ってんですか!今教会が地獄絵図ですよ!?見た限り3人くらい白目向いてましたよ!」

 

 

「そ…その、これには事情が…」

 

「言い訳なら後で聞きます!チカさん達過労死しますよ!?ほら、俺も書類仕事とかクエストなら手伝いますから!」

 

「でも…せめてこのステージの攻略だけでも…」

 

 

 

俺の後ろの白目牙狼のオーラが吼えたような気がした。

 

 

 

 

「オシゴト、サキデスヨネ?」

 

 

 

 

精一杯の笑顔(ただし、怒りを隠さずに)で語りかける。

 

「ご、ごめんなさあああああい!!」

 

ベールさんは半泣きになりながら、仕事場に走っていった。

 

「ふい~…」

一息ついて、首を軽く回す。

 

「あんた、やるわね…お姉さまが半泣きになりながら仕事に向かうなんて…」

「まあ、うちのグータラ女神のおかげで、多少は慣れてますんで」

 

「とりあえず、仕事のほうは何とかなりそうね。じゃあ、私はこれで失礼するわ」

 

ケイブさんはどうやら、自分の仕事場に戻ったらしい。

 

「さて…どうするかな」

 

 

仕事場でクエストを確認すると…20件分のクエストがあった。

 

 

「20件か………やれるな」

 

俺は大量のクエストを攻略するため、クエストで指定されているダンジョンへと向かっ

た。

 

 

――――――――――

 

次回予告(ナレーション ベール)

 

うう…早速やらかしてしまいました…

 

!どうやら、陵牙君にお仕事のようですね。

 

私も、陵牙君の力になりたいです!

 

次回『共闘』

私だって、女神ですから。

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