牙狼 超次元の騎士   作:狼牙竜

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お待たせしました、最新話です!

完全に余談ですが、牙狼のスマホゲーム『魔戒の迷宮』、やってる人っています?


自分はこの作品の主人公、陵牙の名前でやってます。
もし見かけたら、そのときはよろしくお願いしますね。

活動報告のほうでのアンケートも引き続き募集してますので、返事をお待ちしてます!

感想、評価も引き続き待ってるので、よろしくお願いします!


第25話 歌声

翌日、俺達はまたしてもテレビ局へと訪れていた。

その理由は…

 

 

「悪いな、ベールちゃん、陵牙君よ」

すでに教会の前にはヘルマンさんが車で待機していた。

 

「いいえ、これも仕事ですからね」

ベール姉は笑って対処している。

 

 

今日もベール姉はテレビ局で仕事だ。

 

 

何でも、5pb.が出演する歌番組の特別ゲストとして招待されたらしい。

 

「でもよかったよ、陵牙君も来てくれて。5pb.ちゃんがぜひとも来てほしいって言ってたからな」

ヘルマンさんは明るく笑う。

 

 

「さて、そろそろ着くぞ」

 

今日も一日、頑張りますか。

 

 

――――――――――

 

ベール姉とヘルマンさんの二人とはいったん別行動になり、俺は差し入れを5pb.に持っていった。

 

「5pb.?陵牙だけど、入っていいか?」

「りょ、陵牙君!?い、良いよ!」

 

控え室に入ると、5pb.はギターのチューニングを終えた後だったらしく、その目は準備万端と物語っていた。

 

 

「どうやら、問題はないみたいだな」

 

「うん。準備はしてきたけど、とりあえず一曲歌ってみるね?」

 

 

5pb.は軽くだが歌い始める。聴く限り、調子はよさそうだな。

「大丈夫みたいだな。まあ、素人意見だけど」

 

「ううん!そんなことないよ!」

 

 

見る限り緊張はしてないようだ。

 

「折角だから、陵牙君の歌も聞きたいけど…」

「え?俺のか…よし、ならば…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいおい、5pb.はずいぶん余裕みたいだね」

すると、後ろからずいぶんと嫌味な声が聞こえる。

 

 

振り向くと、そこには見慣れない男が3人立っていた。

 

…俺達を見下しているのだけはすぐにわかった。

 

「…ユピテル…」

「ユピテル…?もしかして、こいつらもアイドルか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいおい、俺達をこの程度の奴と一緒にしてもらっちゃ困るよ」

 

「…は?」

 

 

思ったとおり、こいつ等…

 

「僕達はね、彼女なんかとは比べ物にならない。このアイドル界の頂点に立つんだからさ」

 

 

 

やっぱり性格悪いな!しかも言う事がでかすぎるから、どこか小物っぽいし!

 

「今は皆、君がナンバーワンアイドルだと思ってるみたいだけど…今日からは違うよ」

「教えてあげるよ。僕達ユピテルこそが、真のアイドルだということをね」

 

 

「僕は…ただみんなが喜ぶのが嬉しいから歌うだけだよ…」

 

5pb.がオドオドしながら話す。

 

 

「流石の優等生発言だね。でも、君は大きな勘違いをしている」

 

 

「そうそう。歌は儲かってこそだよ。僕達がそれを証明する。君の下らない理由で歌う歌

なんかより、僕達の歌の方が素晴らしいってことをね」

 

下らないだと…!

 

 

こいつら…

 

「下らなくなんてない…!僕は…僕の歌で皆を笑顔にしたいから…」

 

 

「いらないよ、そんな理由」

 

 

「僕らに勝てないって分かってるから、せめてそういった方法で皆にアピールしたいの?そのほうが皆から同情されるからかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それくらいにしたらどうだ?」

 

瞬間、ユピテルの3人と5pb.は背筋が寒くなった。

 

しかし、目の前の男が一般人だと分かるとすぐに相手を見下す眼になる。

 

 

「おいおい、どうして無関係の一般人がここにいるんだい?」

「彼女のサポートだ。それ以外に説明する必要なんてないだろ?」

 

 

 

 

 

「おいおい。5pb.なんかのサポートなんて時間の無駄だろ?応援する相手は選んだほうが良いよ?」

 

「あいにく、人を見る眼はあるのでね。それに、俺は貴様らのような二流を応援する気は

さらさらない」

 

 

その言葉が気に障ったのか、ユピテルのメンバーが俺に殴りかかってくる。

 

「!陵牙君!」

5pb.が叫ぶが、俺は片手で拳を受け止めた。

 

 

「お前、今何て言った!?僕達が二流?その言葉を取り消せ!」

「いいや、取り消す気は無いね。それに、紛れも無い事実だろ?」

 

俺は掴んでいた拳を離す。

 

 

「本当の実力者は、他者を見下すことは無い」

 

 

 

牙狼としての俺の先輩に当たり、俺が現在目標にしている人物…冴島鋼牙さんはまさにそれだ。

 

魔戒騎士の最高位という自分の地位に酔うことが無く、日々己の力を高め、振る舞いからでも強さを伺える人物。

 

 

「己に酔い、他者を見下すようなことを続けるならば…お前らは絶対にナンバーワンにはなれやしないさ」

 

俺は5pb.の手を掴んだ。

 

 

こんな胸糞悪い奴らとはとっとと離れたい。

 

「それに、貴様らは派手な飾りつけと実力が点でバラバラだ。煌びやかに見せたいなら、相応の力をつけることだな」

 

 

「…ちっ!だったら、この後に僕達の力を見せてやる!」

 

 

そう言い残すと、ユピテルの3人はどこかへ走っていった。

 

 

―――――――――

 

番組は生放送らしく、俺は一旦5pb.と別れてベール姉を探していた。

 

 

「あれ?陵牙か?」

 

ふと、後ろからの声を聞いて振り返るとそこには懐かしい顔があった。

「大地!」

 

俺と同じ、魔戒騎士である陣龍大地。

 

 

そして大地の仲間である魔戒法師のマーベラスAQLと、MAGES.もいた。

 

「もしかして、ベール様の仕事か何かか?さっき局長さんと一緒に歩いてるのみ炊けど」

「ああ。大地達はどうして?」

 

「5pb.から誘われてな。ホラー狩りまで暇だったから、来てみたんだ」

「なあに、大事な従姉妹が招待してくれたのだし、仕事とはいえちょうどリーンボックスに来たから様子を見にな」

 

 

「へ~…5pb.とMAGES.って従姉妹同士だったんだ」

 

ちょっと驚きだ。

ってことは…

 

 

「言っておくが、5pb.は私が魔戒法師とは知らん。あくまでも旅をしている魔法使いということにしている」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ユピテルの3人組は…

 

「ったく!何なんだよあの野郎は!」

 

リーダーのケンは、控え室のゴミ箱を蹴り飛ばした。

 

 

「落ち着け、ケン。たかが一般人の言葉だ。」

しかし、ケンは未だにイライラしていた。

 

「何で5pb.なんかが評価されてるんだ!僕達が誰よりも優れてるのに…あいつがいなくなれば…」

 

すると、何者かが扉を開けた。

 

 

「だ、誰だよお前!?」

 

 

そこに立っていたのは、赤いローブの男…ヤイバだった。

 

 

 

 

 

「力がほしいのか…?なら、この私が力を貸してやってもいいぞ?」

 

そう言ったヤイバの目は、不気味に赤く輝いていた。

 

 

 

 

番組は予定通り始まり、どうやら最初はユピテルが歌うようだ。

 

 

「さて、今回も始まったぜ!実況はこの俺、『ヒロノブ』が受け持つぜ!」

 

 

…ものすごくどこかで聞いたような、というよりそろそろ聞きたい声が聞こえた気がした。

 

 

っていうか、あの人めっちゃソックリじゃん!ザルバの中の人に!

 

 

そんなことを考えていると、ユピテルの3人組が出てくる。

 

すると、周囲の女性達が大喜びで悲鳴を上げる。

 

 

「さて、どうやら僕たちの魅力に打ち抜かれた子達が大勢のようだね…さあ!もっと僕ら

に声援を!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちっ」

 

 

「ゲートの浄化、5pb.の順番が来るまでやってるかな~」

 

 

「マーベラス、私もいくぞ」

 

 

 

「ちょ!置いてかないで!?」

 

周囲の男達は面白くなさそうな顔をしているが、俺の横にいる騎士や法師達に至ってはさっさと帰ろうとしていた。

 

 

 

 

―――――――――

 

ユピテルが歌い終わり、さまざまなアイドル達も次々と登場してきた。

 

そして、俺たちの待ち望んだ…5pb.の出番がやってきた。

 

 

しかし…

 

 

「みんな、おまたせ!」

 

今回の5pb.の服装に俺は目を丸くした。

 

 

 

「…はい!?」

 

 

なぜなら、彼女が着ている衣装は…

 

 

 

 

 

 

 

魔戒法師の莉杏(GOLD STORM 翔仕様)の服装だった。

 

「ど、どうした!?」

 

「いや…あの服、俺の知ってる魔戒法師の服とまんまデザイン同じなんだけど…」

 

 

驚く俺だが、5pb.はマイクを取る。

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは聞いてください!『CHASTLITE』!」

 

 

 

曲が開始され、初っ端から大きく盛り上がる。

 

「すげえ!今までの曲とは雰囲気が違うけど、何かかっこいいな!」

 

 

「いいぞ~!5pb.ちゃん!」

 

すると、5pb.と目が合う。

 

 

彼女はこっちに手招きをしているようだ。

 

「おい陵牙。ご指名だぞ?」

 

 

 

大地が「早く行け」と言わんばかりに背中を押す。

 

 

 

よく見ると、特別ゲストの席に座るベール姉も期待の眼差しを送っていた。

 

「…よっし!」

俺はその場からジャンプし、5pb.の横に並び立った。

 

「じゃあ、俺も混ぜてもらおうか!」

 

俺は上から落ちてきた(スタッフさんが真上から落としてきた)マイクを受け取り、共に歌う。

 

「誰なの誰なの!?あの黒コートの男の人!」

 

 

「すげえ!5pb.ちゃんと息ピッタリだ!」

 

「歌も上手くて素敵なのね!嫌いじゃないわ!」

 

観客も大喜びで、ベール姉は…

 

「やっぱり見立てどおりでしたわね!」

 

 

5pb.が着ている莉杏の魔法衣。

 

以前陵牙と一緒に見た『GOLD STROM 翔』で『黒コートの黄金騎士と相性がいい服』と考え、チカ達の協力で作ったものである。

 

大事なことだが、戦闘能力は勿論無い。

 

「お二人とも、素敵ですわ!!」

やがて、曲もラストに入り…

 

「っ!」

演奏が終わると同時に、陵牙はバック転を披露して、曲は終わった。

 

 

 

 

その瞬間、会場からはたくさんの拍手が響いた。

 

――――――――――

 

「いや~、悪いね陵牙君。君を出すことに関してはベールちゃんから許可は得ていたんだが、直前まで秘密にしといたほうが面白いと思ったんだよ」

 

ヘルマン局長がまったく悪びれずに言う。

「今度からはちゃんと教えてくださいよ!」

 

放送も終わり、俺はベール姉と共にテレビ局から帰る準備をしていた。

「オッケーオッケー、今度からはちゃんと教えるからよ。また頼むぜ?」

 

 

ヘルマン局長は懐から茶封筒を取り出し、そっと渡す。

 

「こいつはほんのお礼だ。じゃあ、また来いよな」

 

 

 

 

それから数分後、ベールと陵牙が帰っていくのを見てヘルマンは一息つく。

 

すると、彼の持つ携帯電話に着信が入った。

 

「…」

ヘルマンは電話を取ると、誰かと会話を始めた。

 

「…お前がわざわざこっちの仕事中に電話してくるってことは……やっぱりか…」

 

いつに無くまじめな表情になるヘルマン。

 

「ああ。わかってるよ。お前も手ぇ出すなよ。見つけるまでなら構わんが、今のお前は…」

 

今の彼を陵牙が見たら驚くに違いない。

その目はいつもの「陽気なテレビ局の局長」とは大きくかけ離れていたからだ。

 

 

 

「ああ、それと…今日は俺も帰れるが、どうだ?お前もたまには帰って来いよ。アンナも、『久しぶりにロベルトの顔が見たい』ってごねるんだ…オッケー。ならこの後行くよ」

 

急にいつもの雰囲気に戻るヘルマン。

 

 

「じゃあ、また後でな」

 

 

――――――――――

 

先ほどまでヘルマンと電話をしていたのは、どこか彼に似た雰囲気の赤髪の青年だった。

 

「ったく、親父のやつ…しつこいっての」

 

 

青年が携帯をスーツのポケットに入れると、後ろから小さな赤ん坊を抱えた女性が話しかけてくる。

 

「お義父さん、何だって?」

 

 

「ああ。この後来るってさ。母さんも、久しぶりにロベルトの顔が見たって言ってるし、

今日は向こうだな」

 

 

 

青年は女性が抱く赤ん坊の頭をそっと撫でた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この青年の正体に関しては、またいつかお話しするかもしれません。

ですが、今はまだ、そのときではありません…

 

――――――――――

 

次回予告(ナレーション ベール)

 

 

守りたいのは、彼女の未来。

 

 

現れたのは、意外な人物。

 

次回『邂逅』

 

 

彼は託された。

黄金騎士として、この世界を




今回登場した青年、その正体に関してはいずれお話しする日が来ます。

案外、早いかもしれませんが…

では、また次回!
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