牙狼 超次元の騎士   作:狼牙竜

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お待たせしました、最新話です!

今回は意外なる人物の登場!?
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第26話 邂逅

朝、リーンボックスの町を陵牙は走りながら、Nギアで5pb.の歌を聴いていた。

「やっぱ、5pb.の歌はいいな…」

 

 

すると、Nギアに通信が入る。

 

『りょ、陵ちゃん!大変ですわ!』

「ど、どうしたんだよベール姉!」

 

画面に映ったのは、あわてた表情のベール姉だった。

 

 

『ふぁ、5pb.ちゃんが…!』

 

 

「5pb.がどうかしたのか!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『誘拐されてしまったみたいですわ!』

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

俺はベール姉とテレビ局へと走り、ヘルマン局長と合流した。

 

「局長!」

「……見事にしてやられたぜ…一応護衛はつけてたんだが、あっという間に叩きのめされて、一瞬だったらしい」

 

ヘルマンさんは手紙を握り締める。

 

 

「それは?」

「犯人からさ。ほれ」

 

ヘルマンさんから手紙を受け取る。

 

 

そこにはこう書かれていた。

 

『アイドル、5pb.の身柄を預かった。返してほしければ、身代金として5pb.がこれまでに稼いだクレジットをそっくりそのまま用意しろ』

 

 

 

「身代金は今までに稼いだ分のクレジットか…」

 

「ですが、犯人の目的はわかりましたわね」

 

 

すると、扉が開いて俺の見知った人物が入ってくる。

 

「ケイブさん!?どうして…?」

「この手の事件の解決も、私達の仕事だからね。陵牙君」

 

ケイブさんはヘルマンさんに近づく。

 

 

「局長。すでに『彼』が動いています」

 

「そうか。なら、向こうの正体に関しては、何とかなりそうだな」

 

すると、局長の携帯が鳴る。

 

 

「どうやら、向こうから連絡して来たようだぜ」

 

ヘルマンさんは電話に出る。

 

 

「…お前か?うちの看板アイドルを誘拐した馬鹿は?」

 

 

『身代金の準備はできたのか?』

ヘルマンの言葉に返事をすることなく一方的に聞いてくる誘拐犯。

 

「悪いが、5pb.ちゃんが無事かどうかを確認しないことには、準備したくてもできないんだよな」

 

 

『安心しろ。今は気絶しているだけで、命に別状はない』

 

ボイスチェンジャーを使ったような、妙な声が聞こえる。

そして、通話は切れてしまう。

 

「ったく、マジでどうにかしねぇとヤバいかもな」

 

 

「どうにかって、何かあるんですか?」

 

 

ヘルマンさんは少し困った表情をしている。

 

 

 

 

「実は、今日は16時から5pb.ちゃんのライブの生中継の予定があってな。たぶん犯人達もそれを見越しての誘拐だろうが…」

 

 

すると、勢いよく扉が開き、3人の男が入ってきた。

 

 

「きょ、局長さん!」

 

「お前ら…ユピテル!どうしてここに?」

 

 

入ってきたのはユピテルの3人。

 

 

「話は聞きました!5pb.ちゃんが誘拐されたって…!」

 

「ライブのことなら、彼女が戻るまで僕達が時間を稼ぎます!」

 

 

「僕らだって、同じアイドルの5pb.が心配なんですよ!」

 

 

 

 

 

 

 

俺とベール姉は、冷めた目で3人を見ていた。

 

「ずいぶんと下手な芝居…ですわね」

「ああ。昨日のことを俺は知ってるんだが、ここまで手の平返ししていると、逆にもう清々しいな」

 

 

 

昨日散々5pb.を貶して、ベール姉の怒りを買っていることを奴らは知らないらしい。

宥めるのに苦労したことを思い出す。

 

「これはこれはベール様!5pb.の分まで、僕達が会場を盛り上げて見せますので、ぜひともお楽しみにしてください!」

 

「………わかりましたわ」

 

 

ちょっとベール姉!怒りのオーラが隠しきれてないよ!?

 

まあ、俺もあいつら嫌いだけどさ。

 

すると、ユピテルの一人が俺を見て不快そうな顔をする。

 

 

 

 

「ベール様、どうして単なる一般人がここに紛れ込んでるんですか?部外者は追い出したほうが良いと思いますが」

 

リーダーらしき男、ケンがベール姉に言う。

その言葉を聞いてベール姉は拳を握ったが、俺はそれを止めた。

 

「こっちも仕事なもんでね。ベール様の付き添いだ。それに、勝手に入ってきたあんた達こそ部外者だと思うんだが?」

 

 

「…ちっ。それは失礼。じゃあ、僕たちは今からライブの準備に入る。最高の曲を聞かせてやるから、今のうちに楽しみにしときな」

 

言い返されたことが悔しかったのか、ユピテルの3人はそう言い残し、部屋から出て行った。

 

 

「…ん?」

「どうかしたのか?」

 

ヘルマンさんが話しかけてくる。

 

「いいえ…ちょっとあいつらの言動が気になって…」

 

 

そうだ。奴らはまるで見計らったようなタイミングで出てきた。

 

まるで最初から、5pb.のライブを乗っ取るかのように…

 

 

まさか!

 

 

「ごめんベール姉!俺ちょっと…」

すると、ヘルマンさんが止めてきた。

「おい陵牙。どこ行く気だ?」

 

「局長!ひょっとしたらあの3人、何か知ってるかもしれません!」

 

 

俺が叫んだが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だろうな」

「「え?」」

 

 

え?だろうな?ってことは…

 

 

「伊達に長生きしてねえからな。それに、5pb.が誘拐されて、現状一番得するのは、あいつらだけだ」

 

ヘルマンさんはさらっと言う。

 

 

「ってことは…全部知ってたんですか?」

 

「まあな。それと………もう手は打ってある」

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――

 

「くっくっく…こんなにあっさりと思い通りに行くとはな…」

「あの顔、局長も完全に俺達のこと信じきってたぜ」

 

楽屋で笑っていたのはユピテルの3人。

 

 

「しっかしあの赤ローブ、こんなにも手際よく誘拐してくれるとはな!」

 

「あとは僕たちで5pb.の人気を根こそぎ持っていけば、ようやく僕達の有能さが世間に認められるんだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほどな。それが動機か」

 

 

扉の向こうから、謎の声が聞こえた。

 

「誰だ!?」

 

 

扉を開けて入ってきたのは、見知らぬ青年。

 

両腕に篭手のような物が付いた白いコートを着ており、赤い髪が逆立っているのが特徴だ。

 

「おいおい、ここは部外者は立ち入り禁止だぜ?」

 

 

強気に出るケンだが、青年はケンの胸倉を掴み、壁に叩きつけた。

 

「あいにく、俺は仕事で来たんだ。お前ら、5pb.の誘拐を仕組んだのか?」

 

ケンは何とか立ち上がりながらも強気な姿勢を崩さない。

相手は一人。確たる証拠も無いと判断したのだろうか?

 

「ああ、そうだよ!僕達ユピテルは、全てのアイドルの頂点だ!だが世間は馬鹿ばっかりさ!有能な僕達を差し置いて、5pb.なんてくだらない女を評価している!全部、全部愚か者だ!」

 

 

「ふん。で、今回の事件で5pb.の人気を落とし、ファンからの人気を奪い取る。目的は大方、そんなところか?」

 

 

メンバーの一人であるショウが話した。

 

 

「その通りだ!だけど、あんた一人がそれを周囲に話しても、果たして信用されるかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「信用されるに決まってるだろ。じゃなきゃ、お前らみたいなマヌケにそうペラペラと喋らせるはずがない」

青年がポケットから出したのは、Nギア。

通話状態になっており、相手はヘルマンだ。

 

「ま、まさか!?」

すると、扉から入ってきたのはヘルマン、ケイブ、ベール、陵牙の4人。

 

「きょ、局長!?」

 

「ベール様…それに、特命課の!?」

 

 

ユピテルが驚いているが、陵牙は青年の姿を見て驚いていた。

 

 

「すまないが、お前らは最初から疑っていた。何せ、5pb.を一番嫌っていたのはお前らだからな」

 

 

「それと、どっちにしろ彼の言葉には証言能力がある。なぜなら彼も、私と同じ…」

 

ケイブが話すと、青年は懐に手を入れ…

 

「『リーンボックス特命課 諜報部部長

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レオン・ルイス』だ」

 

 

――――――――――

 

俺は目の前にいる青年…レオンさんの姿を見て俺は声が出なかった。

「貴様らも年貢の納め時だな、ユピテル」

 

 

 

 

「う………あああああああ!!!」

 

追い詰められたからか、ケンは逆上して近くのパイプ椅子を掴んで叩きつけようとしてきた。

 

「ふっ!」

 

 

レオンさんはそれを避けると、ケンを背負い投げで床に叩き付け、上に乗って腕を捻り上げ、完全に動きを封じた。

 

「ぐ、いだだだだだだだ!!!」

 

 

「ケン!」

「てめぇ!」

 

残りの二人も攻撃してきたが、俺とヘルマンさんが投げ飛ばした。

 

「ナイスだ親父!」

 

 

「当然だろ。これでも元特命課だぜ?そう簡単に腕が鈍ってたまるかよ」

 

 

レオンさんは3人に手錠をかけた。

 

「アイドルユニット『ユピテル』の3人組、ケン、ハリー、ショウ。5pb.誘拐の容疑で逮捕する」

 

レオンさんが3人を捕まえ、ケイブさんに身柄を引き渡す。

しかし、ケンはこの期に及んで叫ぶ。

 

「待て!お前ら、どうかしてるぞ!5pb.なんかより、僕達のほうが素晴らしいんだ!僕達のような優秀なアイドルを逮捕なんかしたら、この国のアイドルはもう終わりだよ!」

 

 

 

 

 

 

「お前なあ…」

 

俺はケンの胸倉を掴んだ。

 

 

 

「お前がやったのは頂点に上る努力じゃない!他者を傷つけ、大きな傷を負わせようとした!それはアイドルとして…いや、人として下劣な行動だ!」

 

 

 

「な……黙れ…!お前のような一般人が、僕に…アイドルの頂点に口答えなんか…」

 

 

 

「なら、一生夢でも見てろ。世界一のアイドルって…自分の手で潰した夢をな」

 

俺は殺気をこめて最後に一言だけ言った。

 

 

「もし今後、同じようなことをしたら…お前の心にも大きな傷が付くぞ」

 

 

「ひ………!?」

 

殺気に当てられたのか、ケンは気絶した。

 

 

 

 

――――――――――

 

ユピテルのメンバーが連行されてから、俺達は5pb.の行方を考えていた。

 

 

「結局、5pb.ちゃんの行方は分からないままですわね…」

「せめて、目撃情報があれば…」

 

 

 

「目撃情報ならすでに集めているぜ」

 

 

レオンさんがタブレット端末を見せてきた。

 

「って、もう見つけたんですか!?」

 

 

「ああ。前もって部下達にこの町一帯の監視カメラ等を調べさせたら思いの外あっさり見つけたよ」

 

 

レオンさんはタブレットを操作し、マップを表示する。

 

「複数の男が5pb.らしき人物を連れていったという情報を集めた。あと、赤いローブの不審な男の目撃談もある」

レオンさんは俺のNギアにマップデータを転送した。

 

 

「え?」

「ここから先は、お前の番だろ?」

 

レオンさんは肩を叩く。

 

 

「今の俺は平和に生きる人を守るのが仕事。それはお前も同じはずだ」

 

 

 

 

目の前で助けを求める人を守る。

 

 

 

 

 

「レオンさん…やっぱり貴方は!」

 

しかしレオンさんは振り返ずに去っていった。

 

「………ありがとうございます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「後は任せたぜ……………『この世界の黄金騎士』」

 

 

陵牙が走っていった後、レオンは小さく呟いた。

 

 

――――――――――

 

俺はレオンさんの言葉赤いローブの男…ヤイバのことを考えながら、通信用魔界符で大地に連絡する。

 

「大地!ヤイバの情報を見つけた!」

『何だと!?目的地はわかるか?』

 

「ああ。今からそっちのNギアにマップデータを転送する!」

 

 

現在時刻 14:30

 

 

 

 

5pb.のライブが始まるまで…あと90分。

 

 

 

 

――――――――――

 

次回予告(ナレーション 5pb.)

 

僕は諦めたくない。

 

あの人が教えてくれたんだ。この気持ちを…

 

次回『信頼』

 

 

信じるのは、運命と明るい希望




レオンやヘルマンに関しては、体験入国編が終わり次第人物紹介に追加する予定です。

では、次回もお楽しみに!
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