牙狼 超次元の騎士   作:狼牙竜

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長らくお待たせしてしまい、誠に申し訳ありません!

色々と用事が重なり、更新が2ヶ月も途絶えてしまいました。

これから、少しずつ更新していきたいと思います。

では、今年最後の更新となります。

感想、評価もよろしくお願いします!


1月15日
全体を修正し、ほぼ書き直しました。
今後、少しずつペースを戻していきたいと思っています。


第35話 覚醒

 

互いに剣を交えるガロとゼクス。

 

 

「ネプテューヌ達は…必ず助ける!」

「出来るものなら、やってみろ!」

 

 

ガロは牙狼剣で突きを放ち、距離をとる。

 

(…こいつ、前よりも硬い!)

 

陵牙は、ゼクスの防御力に内心焦っていた。

 

(少なくとも、こいつを何とかしないと。ネプギア達とエンカウントしたらヤバい!)

 

陵牙は、咄嗟に思い付いた『ある秘策』を使うために、動き出した。

 

地面に着地したガロは、脳内のイメージからソードスキルを再現。

今回彼が選んだのは、基本の片手剣スキル『ソニックリープ』。

威力は弱いが、その分隙が小さく、次のスキルに繋ぎやすい技である。

 

「ハアアァァァ!」

ゼクスが盾を構えるが、ガロは躊躇わずにスキルを発動。盾と牙狼剣が接触する直前に…

ガロは鎧を解除した。

 

 

「何!?」

 

驚くゼクスを見て、陵牙は作戦が成功したことを悟った。

 

「くらいやがれ!」

 

陵牙は魔法衣から練習用の鉄の剣を取りだし、左斜め下から剣を振ってゼクスの盾を弾いた。

 

彼が振るった剣は、ソウルメタル製ではない、単なる鉄の剣。

魔戒騎士にたいしては大したダメージは与えられないが、隙を作るには十分だった。

 

「くらえ!」

 

 

盾が弾かれ、防御ががら空きになった隙をついて牙狼剣がゼクスの体を切り裂いた。

 

「ぬうう…」

ゼクスは鎧が解除され、ベルナルドの姿に戻った。

 

「はあ…はあ…」

 

今使ったスキル。それは彼の友だけが使うことを許された技のひとつ。

『二刀流』スキルの突撃技。

 

「ダブルサーキュラー…見様見真似だったけどうまくいったか!」

 

とっておきの切り札として密かに練習していたが、うまくいったようだ。

 

「もう一発!」

 

牙狼剣に力を込め、V状に斬りつけるスキル『バーチカルアーク』を発動する。

 

「グウッ!?」

 

たちまち、ベルナルドは膝をつく。

 

「悪いが、これ以上構ってる時間はない!」

強烈な光にベルナルドは目を隠す。

光が消えると、そこに陵牙の姿はなかった。

 

――――――――――

 

「はあああ!」

パープルシスターの姿のネプギアの攻撃でモンスターが消滅。

一同はネプテューヌ達が囚われている場所まで向かっていた。

 

「モンスターが殆どいない…まさか、陵牙が全部倒したの?」

カタールを持ちながら周囲を警戒するアイエフだが、予想外の事態に困惑する。

 

「でも、陵牙さんの姿が見えないですよ?」

 

飛行しながらネプギアが周囲を確認すると…

 

 

 

 

「はああああああああ!!!」

 

なんと空高く飛び上がった陵牙が見えた。

 

空中でガロの鎧を纏った陵牙は、牙狼剣をネプテューヌ達が閉じ込められている結界に投げつける。

 

「りょ、陵牙!?」

 

驚くアイエフ達だが、陵牙は結界のある部分を睨み付ける。

そこには深々と牙狼剣が結界に突き刺さり、小さくだがヒビが入っていた。

 

「セヤアッ!」

 

ガロは勢いのまま牙狼剣にサマーソルトを叩き込む体術スキル『弦月』を打ち込む。

 

「ちっ!」

 

しかし、大きなヒビがはいったもののまだ完全に壊れないことに舌打ちしながら、ガロは次のスキルを発動した。

 

「デヤアア!」

勢いよく正拳突き…体術スキル『閃打』を牙狼剣に叩きこんだ。

 

連続で放った体術スキルと牙狼剣によって、遂に結界に小さな穴が空いた。

「よっしゃ、これで…」

 

 

 

 

一瞬、陵牙は油断してしまった。

 

目の前の結界の破壊に気を取られ、後ろからの殺気に気づくのが遅れてしまい…

 

「グアアアアア!?」

 

ガロの背中から火花が散る。

 

そこには、暗黒斬を持ったキバがいつのまにか立っていた。

 

「陵牙!」

 

結界の中で叫ぶネプテューヌだが、結界内部のコードで身動きがとれない。

 

「陵牙さん!」

 

ネプギアはガロとキバの間に割り込んで暗黒斬を受け止めようとするが、あまりの威力にガロもろとも吹き飛ばされてしまう。

 

 

「黄金騎士…それにプラネテューヌの候補生か」

 

衝撃で鎧が解除された陵牙。

 

彼を守るように、ネプギアはM·P·B·Lを構える。

 

「あなた達は…何故こんなことをするんですか!?」

 

ネプギアは叫ぶ。目の前の敵が、どんな理由で戦うのか全くわからなかったからだ。

 

「決まっている。我らの目的は一つ」

 

キバは鎧を解除してバラゴの姿に戻る。

 

「このゲイムギョウ界から女神を消し、我らがこの世界を導く!」

 

バラゴは魔戒剣を持って宣言する。

 

「人間が、女神が、非力なくせに下らないプライドにすがる者が支配する世界。そんなもの、壊れてしまえばいい!」

 

その時のバラゴの目を見て、陵牙は一瞬だが僅かな違和感を感じた。

 

 

「何よ…ただ単に自分が支配者になれないから、悔しいだけじゃない!」

 

ユニがバラゴを睨むが、彼の前にマジェコンヌが立つ。

 

「バラゴ様。後はお任せを…」

 

バラゴは頷くと、忽ち姿を消した。

 

――――――――――

 

陵牙達と対峙するマジェコンヌ。

 

すると、彼女の持つ槍が形を大きく変える。

 

それは、ネプテューヌが女神化しているときに使っている剣その物と、全く同じだった。

 

「お姉ちゃんの…武器?」

 

 

 

 

「クロス…コンビネーション!」

 

マジェコンヌが放った斬撃を、陵牙は咄嗟に牙狼剣で防いだ。

 

「あれって、私のクロスコンビネーション!?」

 

驚いたのはネプギアだけでなく、本来の使い手であるネプテューヌも同じだった。

 

「私の能力はコピー。女神の力を再現するくらい、どうということはない」

 

「コピーか…だが、オリジナルと比べるとショボいな…」

 

陵牙の言葉を聞いて、マジェコンヌは不快な表情を浮かべると、ブランが使う斧へと武器を変化させた。

 

「っ!テンツェリトロンベ!」

 

ブランの技を陵牙は魔戒剣で防いだが、その衝撃に苦悶の表情を浮かべる。

 

「消えろ!レイシーズダンス!」

 

ノワールの使う剣へと武器が変化し、気がつくと陵牙は地面に叩きつけられていた。

 

「ガハアッ!?」

しかも、その衝撃で陵牙は魔戒剣を手放してしまう。

 

 

 

 

「お兄ちゃん!」

 

 

すると、武器である杖を持ってロムとラムの二人が間に入る。

 

「やめて…!」

「お兄ちゃんを攻撃しないで!」

 

しかし、マジェコンヌは一切の躊躇いを持たない。

 

「邪魔だ、ガキども」

 

マジェコンヌは武器を斧へと変えて降り下ろした。

 

 

 

 

しかし、陵牙は咄嗟に腕で斧を受け止めていた。

 

「グアアッ!」

 

魔法衣の袖のお陰で切断はされずにすんだが、立て続けに斧が降り下ろされる。

 

 

「こいつ…!」

 

陵牙は魔法衣の袖からダガーを取り出して防ぐ。

 

「ふん。意味のないことを繰り返すとは、全く貴様らは理解できんな」

 

「…何?」

 

マジェコンヌは目の前の戦いに怯えるロムとラムを嘲笑う。

 

「所詮ガキだ。女神の器等では無いと言うことだな!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「黙ってろよ、オバサン!」

陵牙は攻撃を防ぎながら叫ぶ。

 

 

「ネプギアも、ユニも、ロムちゃんもラムちゃんも!大事な家族を助けるために戦っている!その強い心を嘲笑うなら、俺は絶対にお前らを斬る!」

 

瞬間、陵牙の持つダガーが輝く。

 

「はあっ!」

 

勢いよくダガーの突きが発動する。

単発の短剣ソードスキル『アーマーピアース』。

 

想像以上に重い一撃に、マジェコンヌの顔に焦りの色が見えた。

 

「くらえ!」

さらに、相手を十字に切り裂くスキル『クロスエッジ』が発動。

 

 

「ガアアッ!?」

 

更に陵牙は力を込めた。

 

「吹っ飛べ!『エターナル・サイクロン』!」

 

短剣最上位のソードスキルをくらい、マジェコンヌは吹き飛ばされた。

 

 

「皆の心は絶対に折れない!ネプテューヌ達を救うまで、絶対にな!」

 

陵牙は、魔戒剣を回収して先に進んだ。

 

 

 

 

 

 

それぞれの心がぶつかり合う女神をかけた戦い。

 

そんななか、3つの魂が覚醒しようとしていた…

 

―GARO―

 

 

次回予告(ナレーション ネプギア)

 

走り出す、私達。

 

真っ直ぐな心が、新たな光を呼び覚ますが…

 

次回『暗黒』

 

始まるのは、滅びのコンサート。




大分長くなりましたが、何とか書き直せました。


今後とも、今作をよろしくお願いします!

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