チートは問題児に入りますか?   作:篠崎

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今日は調子が乗っているだけです。次はいつになるかわかりませんがよろしくお願いします


原作通り

落ちている。

さっきまで自分の部屋にいたのに、いつの間にやらスカイダイビング真っ逆さまだ。そして真下には海が広がり、視界の端は断崖絶壁。ここまで来れば、どんな世界に来たのか大方の想像はつく。ほぼ間違いなく問題児の世界だろう。だって十六夜とかが周りで一緒に落ちてるんだよ。わからないわけがない。

 

 

さて、なぜ俺がこんなに冷静に現在の状況を解説できているか疑問に思っている人もいるだろう。普通パラシュートがあってもスカイダイビングは慣れないと怖いものだ。しかも今は突然で、パラシュートもつけていない。普通なら死ぬだろう。

 

だがここは箱庭世界。絶対に死なずに着水できる。

 

 

ここで豆知識! 飛び降り自殺する人って地面に衝突することで死ぬんじゃなくて落下中にショック死するんだって!

 

つまり何が言いたいかというと……

 

 

 

死なないとわかっていても死ぬほど怖いのだ! なぜ平気なのか聞いてみたい。ちなみに俺は恐怖で一周回って冷静になってるだけだ。これ体は一般人の久遠飛鳥がなぜ平気なのか超聞きたい。海? 湖?から上がっても原作通りなら超冷静だったはずだ。

 

 

 

そう考えていると、視界の端から何かが近づいてきた。「にゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~!」と言いながら俺らと一緒に落下している。たぶん三毛猫さんだろう。そう理解すると、とりあえず抱えておく。……この猫確かセクハラ発言とかする中年のおっさんなんだよな…… 抱えておくのやめようかな?

 

そんな考えが脳裏によぎったと同時に着水。原作通り、着水直前に何かの膜みたいなものに包まれて落下速度が激減した。三毛猫を抱えたまま陸地に上がると、小柄でショートヘアの可愛い少女、春日部耀がこちらに近づいてきた。

 

うん、可愛い。普通に可愛い。友達に、いや、恋人になりたいです!

そんな彼女はこちらを、正確には三毛猫と俺を交互に見ている。大方三毛猫を返して欲しいのだろう。ここがファーストコンタクトだ、俺! ここで良い奴だという印象を与えておかなければいけない。

 

 

「この三毛猫、君の飼い猫?」

「そう」

「そっか、それなら、はい」

「にゃあ!」

 

彼女に三毛猫を返してあげると、三毛猫は春日部さんに抱えられながら、こちらに片手を上げてきた。それにも当然手を振り返す。ここまですれば彼女とのファーストコンタクトは成功だろう。すぐ近くでは、十六夜と久遠さんが言い争っているが気にしない。

 

「それで、そこの抱えているあなたと黒い服のあなたは?」

 

おや?こちらのも話が回ってきたか。しかし、話は聞いていなかったが原作通りなら自己紹介だろうな。

 

「…………春日部耀。以下同文」

 

春日部さん話聞こえてたんだ。聞こえてなかったらこれってたぶん話聞いてなかったから以下同文って言えばいっか、みたいな考えだったらなんか強がっているみたいでさらに可愛く見える。

 

「俺は清水章。ごく普通の一般人だ。よろしく頼む」

「そう、よろしく春日部さん、清水君。最後に、野蛮で狂暴そうなそこの貴方は?」

「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で狂暴そうな逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子そろった駄目人間なので、用法と容量を守った上で適切な態度で接してくれお嬢様」

「そう。取扱説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君」

「ハハ、マジかよ。今度作っとくから覚悟しとけ、お嬢様」

 

前から思ってたけど、用法はわかるけど、用量ってなんでよ。取説作るなら見やすいようにメーターかなんかも一緒につくってくれよ。一般人の俺が軽いパンチでもされて見ろ。ミンチになるぞ。

 

「で、呼び出されたはいいけどなんで誰もいねぇんだよ。この状況だと、招待状に書かれてた箱庭とかいうものの説明をする人間が現れるもんじゃねぇのか?」

「そうね。何の説明もないままでは動きようがないもの」

「……この状況に対して落ち着き過ぎているのもどうかと思うけど」

「もしかすると、落ち着き過ぎているから出るタイミング逃しただけとかじゃないか?」

 

「―――仕方ねぇな。こうなったら、そこに隠れている奴にでも話を聞くか?」

 

十六夜がそう言うと、僅かではあるが草むらが揺れた。あそこに黒ウサギがいるのか。

 

「なんだ、貴方も気づいていたの?」

「当然。かくれんぼじゃ負けなしだぜ? そっちの二人も気づいてたんだろ?」

「風上に立たれたら嫌でもわかる」

「上から落ちてるときに青い人影が見えただけだ」

「……へぇ? 面白いなお前ら」

 

いや、知っていただけでそれっぽい言い訳が思いつかず、こんなことを言っただけだ。気配とかわかるわけない。

 

すると木の陰から……

 

「や、やだなあ皆さま。そんな狼みたいな怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ? ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます。そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ穏便に御話を聞いていただけたら嬉しいでございますヨ?」

「断る」

「却下」

「お断りします」

「あっは、取りつくシマもないですね♪」

 

ここで肝っ玉うんたらとか考えてるんだろうな。そう思うとちょっとむかついてきた。多少いじめるくらいは問題ないよな? だって十六夜も白夜叉もいじるの楽しいって言ってたし(たぶん)

 

 

「そちらの黒い服の貴方は? どうか穏便に御話を聞いていただけますでしょうか?」

 

しかし俺は(可愛い子には)紳士なのだ。直接イジルなんてそんなことできない!

 

「僕は別にかまいませんよ、その代り助けもしませんが。ですから寂しくて死んじゃいそうなウサギさんは狼と戯れることでちょっとでも寂しさを紛らわせて来てください。話はそれから出結構ですので」

 

すると、きょとんとした顔で黒ウサギがこちらを見てくる。ああ、もう十六夜たちの間の手がすぐそこまで迫っているというのに……

 

 

そして、好奇心をその身に受けた黒ウサギは、しばらくの間いじくり回されているのであった。

 

 




明日はテスト……

この作品は現実逃避なんだ……
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