インフィニット・ストラトス~紡いだ想い、再び~ 作:サウス零
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「では、本日から実習を開始する」
『はい!!』
事の騒動を薙ぎ払い、第二グラウンドにたどり着いた俺達。
着替え中にシャルルが妙に一夏の着替えてる姿に慌てて反らす。
授業開始ギリギリだったので、気にする暇はなかった。
一夏の「ひっかかって」という言葉にかなりの顔を赤くなり悶絶していた…
「まずは戦闘の実演をしてもらう、凰! オルコット!」
「はい!」
「はい!」
「専用機持ちならすぐに始めらるだろ。前に出ろ」
「めんどいな~なんであたしが…」
「ハァ……なんかこういうのは見世物のようで気が進みませんわね」
指名された鈴とセシリアが前に出るがかなりやる気がなさそう
「お前ら少しはやる気を出せ……あいつにいいところを見せられるぞ」
「!!」「はっ!」
織斑先生が一夏がいる所を見て、二人に何か言ったようだ。
「やはり、ここはイギリス代表候補生、わたくしセシリア・オルコットの出番ですわね!」
「実力の違いを見せるいい機会よね! 専用機持ちの!」
二人のやる気ゲージががMAXまで跳ね上がった気がした。
あまりにもわかりやすい態度に、皆が茫然としている。
「今、先生なんて言ったの?」
「俺が知るかよ…」
「はぁ……腹ペコ馬にニンジンをチラつかせやがって……」
「織斑先生も人が悪いよね…」
「あははは…」
シャルルと一夏は疑問顔、俺と百合にロボまるは呆れてしまった。
「それで、お相手は? 鈴さんとの勝負でも構いませんが?」
「ふふ~ん。こっちのセリフ~。返り討ちよ♪」
「慌てるなバカども。対戦相手は…」
キィィィィィィィィィィィン………
「あぁぁぁぁーっ! どいてくださぁーい!!」
あっ、この声は山田先生。姿がないと思えばあんな所に…って、こっちに来るぞ!!
皆が慌てて離れていくが一夏だけが取り残される。
ドガーン!!
山田先生は一夏に激突し、クレーターを作ってしまった。
そして、気付いた一夏は山田先生の上に乗っかる形になっている。
「あ、あの…織斑君」
「……。えっ?」
さらに一夏の手が山田先生の山に…
「そのですね。こ、困りますこんな…でも、このまま行けば織斑先生が義理のお姉さんってことで…それはそれで魅力的な」
おいおい…! なんで、まんざらでもない表情になっている?
「わわわ!すみま…」
硬直が解け、起き上がった一夏の目の前でレーザー光が駆け抜けた。
「ホホホホホホ……。残念です、外れてしまいましたわ……」
顔は笑ってるのに、どす黒いプレッシャーを放つのは、セシリア・オルコット(サイコモード?)
うわぁ…
ガシンッ!!
「イチカァァァァァァァァ!!」
その別方向からは、鈴が《双天牙月》の連結して投擲する。
「うおぉぉぉ!!?」
ドンッ!ドンッ!
一夏に命中しかけたときライフルの発砲音が響くと投擲された双天牙月の軌道を反らし、地面に刺さってしまった。
「織斑君、怪我はありませんか?」
「は、はい、ありがとう…ございます」
間一髪、山田先生がアサルトライフルで撃ち落とした。
誰もが皆、山田先生の動きに唖然としている。
俺とロボまるは稼働試験で先生と模擬戦闘を行ったので、彼女の本来の実力を知っていた。
「山田先生は元代表候補だ。今くらいの射撃、造作もない」
「昔のことですよ、それに候補生どまりでしたし…」
織斑先生からの言葉にちょっと照れくさそうに立ち上がり、頭を掻く山田先生だった。
「さて小娘ども、さっさと始めるぞ」
「えっ?あの、2対1で…?」
「いや、さすがにそれは……」
「安心しろ。今のお前たちならすぐ負ける」
負ける、という発言にセシリアと鈴の瞳に闘志が宿る。
セシリアは試験で教官役の教師を下しているならなおさらかもしれないが…
山田先生の実力を把握しているだろうか?
「では、はじめ!!」
織斑先生の号令で空に飛翔する3機。
セシリアはビット展開、一斉掃射。
鈴も衝撃砲を展開掃射。
山田先生は旋回での回避行動、シールド防御で対応。
ライフルで反撃。セシリアは回避していくが、その先には鈴がいて激突。
隙を見せた所で、グレネードランチャーを放った。
「決まったな…」
キィィィィィィィィィィィン……ドーン!!
雁字搦めとなったセシリアと鈴が墜落、互いのせいだと文句を言いあう
「これで諸君にも、教員の実力を理解できただろう、以後は敬意をもって接するように…」
山田先生に笑みがこぼれ、織斑先生も心なしかちょっとドヤ顔になったのは俺の見間違いだろうな…
「次に、グループになって実習を行う、リーダーは専用機持ちがやること。では分かれろ!」
そして、グループに分かれる
「織斑君、一緒にがんばろ!」
「わかんないとこ、教えてね」
「デュノア君の操縦技術をみたいな~」
「ねえねえ、私もいいよね?」
無論、俺もリーダー役となった、人数が割れそうだろおもったんだけどな~。
『第一印象から決めてました!!』
『おねがいします!!』
一夏とシャルルのグループにいる女子生徒たちが一斉に手を差し出す…
やはり、俺の前にも手を差し出す生徒達。
「いつからここは合コン会場になったんだ…?」
「あはは…」
実習は順調に進んでいく中、トラブルが発生。
先に搭乗していた生徒がそのまま降りた為に次に乗る人が乗れなくなったのだ。
訓練機の場合は機体をしゃがんでおかないと機体は立ったままになりその場から乗り込むことは困難になってしまう…
そこへ山田先生からの助け舟、一夏に白式を装着して次の人をお姫様抱っこの要領で運ぶことになった。
その次の相手は何と箒。内容を聞いて思わず訓練機「打鉄」の背後に隠れてしまう、その顔は嫌というより恥ずかしいのが強かった。
白式を装着した一夏が箒をお姫様抱っこで運ぶ、どう見てもあれは
(これが伝説の『お姫様だっこ』というやつか♪)
と思っているに違いない……
ん?背後で期待のまなざしが多数俺を照らしてくる…
俺はやんねーぞ!!
やんねーったら、やんねーからな!!!
結局…
「チキショーメェェェェェェ!!!」
どうなったかは察してくれると嬉しいでやんす…
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月彩百合
「……どういうことだ」
「ん?」
昼休み、私達は屋上にやってきた。
普通の高校だと屋上は立ち入り禁止の場合が多いけど、ここIS学園は手入れが行き届いているよね~。
でないとこんな綺麗な花々を咲かせた花壇や欧州を思わせる石畳はないよ。
え…?
実習の時間、私は運ばれたかだって……?
きっちり、かっちりと運んでもらいましたよ~将にいに
てへへ♪
後で、寧に自慢しようかな~?
と話を戻して、さっき一夏君にお姫様だっこで運んで貰った幸せオーラがあふれてた箒ちゃんが、ご機嫌斜め……。
どうしてかと言うと。
「天気がいいから屋上で食べるって話だっただろ?」
「そうではなくてだな……!」
ちらりと箒ちゃんが横に視線をやる。
そこにいるのは、セシリアちゃんにリンちゃん、そしてシャルルくん。
因みに将にいはロボまると別行動中、何かやることがあるって。
「せっかくの昼飯だし、大勢で食った方がうまいだろ。それにシャルルは転校したばっかりで右も左もわからないだろうし」
「そ、それはそうだが……」
ぐぬぬ……と何か言いたげだけにしながら持ち上げた拳を握りしめる箒ちゃん。その手には包みにくるんだ手作りのお弁当があった。
どうやら一夏君の分だろう、ビバ幼なじみ!! だね…
「ええと、本当に僕が同席してよかったのかな?」
一夏君の隣でシャルルくんが遠慮がちに言う。
聞いた話だと、昼休み直後一組全員が押し寄せる状況になったらしい、でもそこはブロンドの貴公子シャルルくん。
丁寧に丁寧を二乗し用な対応をしたの事。
甘い言葉に何人か保健室行きになった生徒が少々……
その隙に一夏君が連れ出したのである。
「いやいや、男子同士仲良くしようぜ。今日から部屋も同じなんだし?」
「ありがとう。一夏って優しいね」
「っ!?」
「なに照れてるよ、アンタ!?」
「べ、別に照れてねぇぞ」
鈴がタッパーの蓋を開けて見せるは酢豚。
「おお、酢豚だ!」
「そ。今朝作ったのよ。食べたいって言ってたでしょ」
因みにあの酢豚、今朝私と一緒に作りました。と言っても下ごしらえを手伝っただけだけど……。
いきなり私の部屋に乗り込んで手伝っての一声だもん……おかげで今朝はアクビが……ふぁ~あ。
「コホンコホン。一夏さん、わたくしも今朝はたまたま偶然早く目が覚めまして、こういうものを用意してみましたの。イギリスにも美味しい物があると納得していただきませんとね」
中には色鮮やかなサンドイッチが並んでいる。でも……。
「へぇ、いうだけあるな、それじゃ、こっちから…」
サンドイッチ一つ取って一口食べる
「う゛……!!」
あ――やっぱり
「いかが?どんどん召し上がっても構いませんのよ?」
「あ、あとでもらうよ」
いささか引き気味に答える一夏君。
リンちゃんもうわあ…って顔をしていた。
それもそのはず、このイギリス代表候補生セシリア・オルコットさん、料理がからきっしダメダメなのだ。
見た目はものすごくきれいなのだけど、味がすさましくまずい。
本人は本と同じにすればいいと言うけど。それは写真と同じにしただけ……。
一夏君……がんば…。
「ええっと、次は箒の?」
「私のはこれだ…」
おずおずと自分のとは違うお弁当を一夏君に差し出す箒ちゃん。
「じゃあ、早速……おお!」
もらったお弁当を開ける一夏君。
中にはだし巻卵、鶏の唐揚げ、こんにゃくとゴボウの唐辛子炒めにほうれん草のゴマ和えとバランスのいい献立が詰まっていた。
「これはすごいな!どれも手が込んでそうだ」
「ついでだついで。あくまで私が自分で食べるために時間をかけただけだ」
「そうだとしても嬉しいぜ。箒、ありがとう」
「ふ、ふん…」
おやおや、そっぽ向くわりには口元が緩んでいるぞ。ほーちゃん♪
「――!!」
「どうかしたか?」
「い、いやなんでもない…」
一瞬、こちらを睨んできたけど知りません。一夏君が側にいますからね。
「じゃあまあ、いただきます」
そう言って最初に食べるのは唐揚げ
「おお、うまい! これって結構仕込みに時間かかってないか?」
「味付けはショウガと醤油におろしニンニク、それとあらかじめコショウを少しだけ混ぜてある。隠し味には大根おろしが適量だな」
「へえ!それはいいな。今度俺もやってみよう」
そんなこんなで楽しみ昼休みの時間が過ぎて行く、
それと一夏君が箒ちゃんに『はい!あーん』をやってモメたはお約束でした。
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さて、今日の授業は終わって俺はある場所に向かう、アトリエの奥に格納庫だ。
そこにあったのは漆黒の鎧とその隣には翼を持った黄金の鎧が鎮座していた。
これは俺のメイルギア、『バハムート・チェイサー』と『グリフィード・ガルーダ』だ。
巨大な敵や特殊な環境で戦う際に使用した頼もしい戦友である。
バハムートは宇宙や水中にも強い特性があり、グリフィードは空中、高機動戦に強いのだ。
さしずめ俺自身のアーマーはISスーツ、バハムートとグリフィードがISアーマーといった感じである。
「凄い…こんなメカも使っているんだ?」
寧も学校が終わり、先にアトリエにいたので案内がてら連れてきた。
「でも、これほどの機械を使うなんて……あなたの戦っている相手って相当なんだね…」
「そうだな、相手の大将は母胎想観を3体分はあるかもな」
「そんなに!?」
「……」
ちょっと例えた相手が悪かったか…あの世界では生きている人々全ての想いを込め、謳ってつかんだ勝利なのだから…
「あっ…」
それはそっと寧の頭に手を載せて撫でる。端末でのやり取りを思い出しながら…
彼女もそれを思い出したのか俺の顔を見上げる。
「大丈夫だ、俺はいろんな窮地を乗り越えてきた。何時だってそこには頼れる仲間がいる……ここにはロボまると百合、そして、寧。君がいるのだから…」
「私も詩魔法があれば……」
「心配するな、君が作った真空管やソフトにパーツがある……それだけでも俺には大きな力になってるんだから」
「よかった…私にも出来る事が有って…何か作れるのがあったら教えてね。私、がんばって作るから!」
「もちろん、頼りにしてるぜ、寧」
話をほどほどにして俺達は2体のメンテナンスを始めるのだった…
夜、俺は一夏の部屋に遊びに行った。 そこにはシャルルがいて日本茶を飲んでいる。
「そうか、イッチーと同室になったのか」
「うん。改めてよろしく、将」
「こちらこそよろしく、んで何話してたんだ?」
「うん、一夏がいつも放課後にISの特訓しているって聞いて、僕も加わっていいかなって聞いていたんだ。で、どうかな一夏?」
「おお、俺としてもありがたい話だ。ぜひ頼む」
「うん。任せて」
「よかったじゃねーかイッチー、心強い味方ができて?」
「まあな……ってか、将からも言ってくれないか?」
「ムリだな、モテる男なら、しっかり管理しろ。俺はもう寝るから明日な~」
「うん、おやすみ」
ドア越しにイッチーが愚痴をこぼす姿が、見えたが敢えて見ないフリ。
さあ、明日も早い。
翌日…
「ええと、今日のホームルームの前に転校生紹介します」
いきなりの転校生紹介にクラスは騒ぐ。そりゃそうだ。
昨日のシャルルに続くの転校生登場に混乱の色が浮かぶ。
「……」
教室のドアが開き、入ってきたのは輝くような銀髪。それを腰近くまでおろしている。
綺麗ではあるが特に整った手入れはしてない感じだ。
そして、左目に黒眼帯。
医療用ではない、映画などで出てくる軍人のような印象だった。
背丈は周りの女子より低いがその全身から放つ気配はとてつもなく鋭い。
「……」
当の本人からは口は開いておらず腕組みをして、見下すように周りを見ていた。
「……挨拶しろ、ラウラ」
「はい、教官」
織斑先生からの発言に対して、異国の敬礼をする転校生。
教官ってどういう意味だ?
「ここではそう呼ぶな。もう私は教官ではないし、ここではお前も一般生徒だ。私のことは織斑先生と呼べ」
「了解しました」
姿勢を伸ばし無駄のない動きを見せるラウラと呼ばれる転校生。
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」
「……」
沈黙するクラスメイト、続く言葉は全く出てこない。
「あ、あの、以上……ですか?」
「以上だ」
山田先生が笑顔でラウラに訊くが、帰ってくるのは無慈悲な即答。
ショックを受けた先生は半泣き状態に……だが、彼女の視線に一夏の姿が入ると突然。
「!貴様が――」
つかつかと一夏の方に向かうと……!!むっ!イカン
バシンッ!
「……あれ?」
一夏に平手打ちを喰らわそうした彼女の攻撃は俺の右手が身代わりに受けた。
「貴様、なんのつもりだ?」
「それはこっちのセリフ、挨拶がわりにしては荒々しいね?」
「私は認めない。こいつがあの人の弟であるなど、認めるものか」
クラスが全員唖然となる。しかし……
「だから何?君に否定権利があるのかい軍人さん……?」
眼鏡を外した俺は久しぶりに感じた怒りに溢れる。
これが次なる戦いの幕開けだった。
Next…
存在に違和感を感じていた少年《シャルル・デュノア》
その正体は明らかになるのだろうか?
一夏をかたくなに否定する少女《ラウラ・ボーデヴィッヒ》
セシリアと鈴に戦いを挑み、自分の力を示そうとする。
立ちはだかる二つの壁に将達はどう挑む?
次回「EP10 戦慄・黒き雨の超者」
「全く、今度は安全無視の暴走か…何やってるのかねぇ~?」