インフィニット・ストラトス~紡いだ想い、再び~   作:サウス零

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あれ?
なんか…
様子が
違う?


EP11 混乱・トーナメントルール変更

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織斑一夏

第三アリーナで誰が模擬戦をしていると聞いてゲートに向かうと鈴とセシリアが戦っていた。

相手はあのラウラ、しかも二人のISはかなりのダメージを受けていた。

数では有利なはずなのに、なんで…?

答えはシャルルから導かれた。ラウラのISに搭載されている装備『AIC』と呼ばれる相手の動きを止めてしまう能力。

理論はわからないが鈴の衝撃砲をも止めてしまう代物。その光景だけで十分わかった。

やがて、二人の機体のシールドエネルギーが限界越え、デッドゾーンに入る。

しかし、ラウラは攻撃を止めずISアーマーを砕く。

そして、普段と変わらないラウラの無表情が確かな愉悦に口元を歪めたのを見た瞬間、俺は自分の何か振り切った。

白式を展開、同時に雪片弐式を構築、エネルギーを収束して『零落白夜』を発動させ、アリーナを取り囲むバリアを叩き付いた。

バリアを破壊した俺は鈴とセシリアを助けにいく。

しかし、ラウラの特殊な能力に阻まれしまう、肩の大型カノンの砲口が向かれた瞬間、別の影が乱入した。

そう、ロボマルス・R……将だった。

 

「そんなに戦いたいなら、戦ってやる。かかってこい!!」

 

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竜神掌で一夏達からラウラを弾き飛ばした俺は距離を取らせる事に成功。

狙いはあくまで鈴とセシリアの救助と織斑先生の合流する時間稼ぎだけどどあの軍人娘……

「ふっ、それが貴様の専用機か?」

 

「そうだ…そして、あのブリュンヒルデと互角に戦った機体でもある…お前さんに俺達を落とせるかな?」

 

「面白い。その自信、私が砕こう」

そう言って、ラウラは両手首に装着した袖のようなパーツから超高熱のプラズマ刃を展開、構えた。

「行くぞ……!」

「来い……」

ラウラが飛び込んだ瞬間、間に影が割り込んで来た。

ガキンッ!!

金属同士が激しくぶつかり合う音が響き、ラウラは加速を中断させた。

「……やれやれ、これだからガキの相手は疲れる」

「千冬姉!?」

 

予想外の影の正体に一夏は驚きの声をあげる。

 

しかも、ISどころかISスーツも装着していない。

 

普段のスーツにIS用近接ブレードを素で持っている。

 

その状態での横やりするんだから、本当に常人離れしている。

「ずいぶんとお早い到着で……?」

 

「ふん…その気になれば貴様が止められたのではないのか?」

 

「俺は確実に止める方法を取っただけですよ。」

意味深に尋ねる織斑先生に俺は素っ気なく答える。

「千冬姉…」

そこに一夏が合流する。シャルルも一緒だ。

「模擬戦をやるのは構わん。――が、アリーナのバリアまで破壊する事態になられては教師として黙認しかねる。この戦いの決着は学年別トーナメントでつけてもらおうか」

「教官がそう仰るなら」

素直に頷いて、ラウラはISを解除する。

同時に俺も機体を解除した。

 

「織斑、デュノア、お前たちもそれでいいな?」

「あ、ああ……」

あまりの事に惚けていたようで、一夏は素で答える。

「教師には『はい』と答えろ。馬鹿者」

「は、はい!」

「僕もそれで構いません」

返事をし直す一夏にシャルルめ追従する。

その言葉を聞いて、織斑先生はアリーナにいる生徒に向けて言う。

「では、学年別トーナメントまで私闘の一切を禁止する。解散!」

パンッ!と織斑先生は手を叩く音が銃声のように鋭く響いた。

 

 

 

 

「…………」「…………」

場所は変わって保健室。先の一件から一時間後、ベッドの上では打撲の治療を受けて包帯を巻かれた鈴とセシリアがむっすーとした顔で視線をあらぬ方向に向いていた。

「別に助けてくれなくてよかったのに」

「あのまま続けていれば勝っていましたわ」

一夏に助けられたのに感謝するかと思えばずいぶんな態度である。

「お前らなあ……。でもまあ、怪我がたいしたことなくて安心したぜ」

当の一夏本人には気にしていない様子。

俺とロボまるはそんなやりとりを保健室の窓辺にもたれて眺めている。

「好きな人に格好悪いところを見られたから、恥ずかしいんだよ」

 

シャルルと百合が飲み物を買って戻ってってきた。

 

その言葉に鈴とセシリアは真っ赤な顔になった。

 

そして、やはり一夏には聞こえなかったようで不思議な表情だ。

 

「なななな何を言ってるのか、全っ然わかんないわね!いいいいきなり何言い出すのっ!」

「べべっ、別にわたくしはっ!そ、そういう邪推をされるといささか気分を害しますわねっ!」

まくし立てつつ、さらに顔を赤くする二人。

誤魔化しも無駄だと思うぞ……当の一夏はわからんのだからな。

「はい、ウーロン茶と紅茶。とりあえず飲んで落ち着いて、ね」

「ふ、ふんっ!」

「不本意ですがいただきましょうっ!」

鈴とセシリアは渡された飲み物をひったくるように受け取り、ごくごくと飲み干すのだった。

その時……

 

 

ドドドドドド!!!

 

 

「な、なんだ?何の音だ?」

地鳴りのような音が廊下から伝わってくる。

しかも、音は保健室に目指し……

 

ドカーン!

 

と、保健室のドアが吹き飛ぶ。

漫画のような展開に俺は思考が止まってしまい、飛んで来たドアに弾き飛ばされてしまった。

そう――窓辺の外へ……

 

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織斑一夏

 

「織斑君!」

「デュノア君!」

今、俺達の目の前に数十名の女子生徒が入ってきた……と言うより雪崩れ込んできたと言うべきだろう。

しかも、俺とシャルルを取り囲み、一斉に手を伸ばしてくる為、軽いホラーが入っていた。こえー!

状況が呑み込めない俺達にバンっ!と見せたのは学内の緊急告知文が書かれた申込書だった。

読んで行くと今月開催する学年別トーナメントはふたり組で参加しろとのこと。

「私と組もう、織斑君!」

「私と組んで、デュノア君!」

どうして学年別トーナメントの仕様変更があったのかわからないけど、リボンの色から皆、一年生徒。学園に三人しかいない男子にペアを組もうと勇み迫って来ているのだろう。

しかし…

「え、えっと……」

シャルルは実は女子なのだから、誰かと組んで訓練するときなどに何か拍子でバレるのは非常にマズイ。そう思ってシャルルを見ると、数秒間困った表情を浮かばせていたが、視線があった瞬間、助けを求めるのがわかってしまうと思ったのだろう、視線を逸らしてしまった。

相変わらずの遠慮深さに俺は苦笑に似た表情を浮かべると、騒いでる女子全員に聞こえるように大きな声で宣言した。

「悪いな。俺はシャルルと組むから諦めてくれ!」

しばらくの沈黙に俺は気持ちが後ずさる。

「まあ、そういうことなら…………」

 

「他の女子と組まれるよりはいいし…」

 

「男同士っていうのも絵になるし……ごほんごほん」

 

「後は綾月君のみ」

 

「まだ校内にいるって話よ!」

 

「よし、捜索開始!!」

 

「おうっ!!!」

とりあえず納得してくれたようだ。女子達は各々仕方ないかと口にしながら保健室を去っていく。

これが全員、将のところに行くんだよな…………

すまん、将。強く生きてくれ…………と、あいつさっきまで一緒にいたよな?

一体、ど「お~の~れ~い~ち~か~!」……!!

ひっ!出た――!!

 

Main view

出た――!!

じゃねーよ……

飛んで来たドアに直撃受けた上に落ちそうになるわで危なかった。

 

辛うじてガントレットの仕込ワイヤーをロボまるに握ってもらい落下はしなかったが、

 

その合間に聞こえた一夏の会話に戦慄を感じた。

「(仕方ないだろ、シャルルが女子と知られるのはまずいだろ?)」

「(それに関してはナイス判断。それより)……」

「一夏っ!」

「一夏さんっ!」

俺が続きを言うより早く、鈴とセシリアがベッドから飛び出してきた。

「あ、あたしと組みなさいよ!幼なじみでしょうが!」

「いえ、クラスメイトとしてここはわたくしと!」

「やめておけ二人共、例え怪我治ってもトーナメントは出られないぞ……」

「そうです、綾月君の言う通りですよ」

「おわっ!?」

「や、山田先生…?」

山田先生の登場に俺とロボまる以外は目をパチクリとしていた。

「おふたりのISの状態をさっき確認しましたけど、ダメージレベルがCを超えています。当分は修復に専念しないと、後々重大な欠陥が生じさせますよ。ISを休ませる意味でも、トーナメント参加は許可できません」

「うっ、ぐっ……!わ、わかりました……」

「不本意ですが……非常に、非常にっ!不本意ですが!トーナメント参加は辞退します……」

山田先生の説明で鈴とセシリアは引き下がる。

悔しいとは思うが機体がまともに動かなきゃトーナメントは参加不可、それに二人は代表候補生だ。

その辺りの引き際は心得ている。

一夏は二人変化に疑問を感じていたが、頼りになるシャルル先生に解説を受けて納得していた。

そして、一夏が何故ラウラと戦う事になったかと聞いて、二人はしどろもどろになる。

何となく答えが読めた……

そして、シャルル先生が余計な一言を溢し、二人に取り押さえられるオチ。

さらに、一夏が二人の肩をつつき痛みが走って氷の様に固まってしまうのだった。

一夏、グットラック……

 

 

一夏とシャルルが保健室から退室して、残っているのは俺、ロボまる、百合と鈴にセシリア

「トーナメント参加にこだわる理由、ズバリ優勝したら、イッチーor俺と交際できる権利…だろ?」

俺が呆れ顔で問いかけたと同時にビクリとリアクションで答える二人。

「どう考えてもデマに決まってるだろ?こんなの……まあ、ほーちゃんもほーちゃんでタイミングの悪い時に言っちゃったもんだ……」

「その話、箒が元凶なの!?」

「元凶ではないけど、原因になったのは確かにね……」

「というよりどうして将さんがその話をご存じなのですか!?」

「私が話したの、そして、妙に動揺していた箒ちゃんにカマをかけたら話してくれたわ……」

「人を何だと思ってやがるんだここの生徒は……そんなに俺達をおもちゃにしたいか?」

「まあまあ落ち着いて……相手は年頃の女の子なんだよ……ほら、鈴さん達が怖がってる」

人を商品扱いにされた怒りで思わずドスの効いた声を出す俺をロボまるが宥める。

「やはり、俺か一夏が優勝して無効化するしかないな…」

 

「でもパートナーはどうするの?」

 

「百合、お前は出場するのか?」

 

「ううん、クラス代表としての義務がなくなったから出場しないよ」

 

「何か言いたげね百合…」

 

互いに睨み合う二人と言うより鈴が睨み。百合は流し目で挑発すると述べるべきだ。

「オーケー。書類の準備しておくね?」

 

「ああ、それと…」

 

「提出は締め切りギリギリにする…だね?」

 

「おう、宜しく」

 

「お二人とも、息がピッタリですわね……」

 

俺と百合のツーカーな会話にセシリアが驚きを隠せないでいた。

 

「現状のフルコンディションを引き出すには俺と百合が組むのがベストだ。それにあの軍人娘の件が残っている……」

「対戦に当たったら、二人の分も含めてお返しをしないとね?」

「その時は……頼んだわよ。百合、将」

「お願いしますわね、将さん、百合さん」

二人の敵討ちを誓った所でこの場はお開きとなった。

 

 

 

寮への帰り道、玄関に入ると箒とばったり会った…

 

「こんな所で何やっているんだ?」

 

「何もしてはいない、ちょうど通りかかっただけだ…」

 

「……」

 

「……用がないのなら、私はもう行くぞ」

 

箒が玄関から出ていこうとするが…

 

「『学年別トーナメントで私が優勝したら、付き合ってもらう』」

 

「!!」

 

俺の言葉に反応してこちらに振り向く、なぜ知っているのか?という顔になっているが、百合の事に気づきため息をこぼした。

 

「そんなこと、言ったみたいだね?」

 

「月彩から聞いたんだな?」

 

「ああ…」

 

「私の実力では到底無理だと言いたいのか?」

 

確かに、箒のISの操縦技術は良くも悪くもない。

 

剣道の経験から接近戦には強い方だと思っている。だが、俺が彼女に言いたいことはそれじゃない…

 

「それが……君の望む『恋』の成就か?」

 

「!?」

 

「もし、優勝を果たして、一夏と付き合うことになるとする……そんな報酬の様な恋の成就に君は満足したいのか?」

 

「そ、そんな事、私は…!!」

 

「一夏を物の様に扱おうをする考え方を改めた方がいい……でなければ、一生、君の想いは通じない」

 

「……何を勝手な!?」

 

「その前に、俺が潰させてもらう……」

 

「潰す…だと?」

 

「ああ、トーナメントの優勝は俺がもらう……そして、全員にこう宣言する」

 

俺は目をつむり、見開いてこう言った……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全ての『IS』を『戦う為の道具』としての存在意義を破壊する!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、これは「奴」に対する宣戦布告となるだろう…

 

 

 

 

 

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ロボまる

 

 

こんにちは!ロボまるです。

 

初めてぼくの視点になるとのことでちょっと緊張してます…はい。

 

一応、ぼくの身分は『綾月将・専用IS』&『学園所属のお手伝いロボ』

 

なので、ショウ達が授業中には学園中のお手伝いをしています。

 

今日は食堂で使う野菜の運搬する仕事を終えて、部屋に戻る途中です。

 

「なぜこんなところで教師を!?」

 

曲がり角の先にある場所で誰かの声が聞こえる。

 

こっそりを木陰に隠れて様子を伺うと、織斑先生とラウラさんがそこにいました。

 

「何度も言わせるな。私には私のするべき事がここにある。それだけだ」

 

「この様な極東で何をするのですか!?」

 

センサーの感度を上げてみると、どうやら昔、織斑先生がラウラさんの指導をしていたらしい

 

だから、先生を「教官」と呼ぶんだ…

 

それで、またドイツで指導してほしいと申し込んだが、織斑先生は『先生』としてやる事があるとの話…

 

ここの生徒たちはISをファッションのように見ていて危機感が意識してないと不満や思いの丈を織斑先生にぶつけた。

 

だが、織斑先生はそれ以上の発言を睨んで止める。そして、そのまま話と止めてラウラさんが立ち去った。

 

 

「そこの男子。盗み聞きか? 異常性癖は関心しないぞ」

 

「なんでそうなるんだよ、千冬ね」

 

 

ぱしーん。

 

 

あっ、イチカいたんだ……

 

なにやら、トーナメントの事を話していたようだけど、すぐにイチカも離れていった

 

「お前までいたのは意外だな? ロボまる」

 

「あっ、わかってました?」

 

本当に凄い人だよ、織斑先生って……

 

「あの、一つだけいいですか?」

 

「なんだ?」

 

「ラウラさんの事、あのままでいいんですか?」

 

「どういうことだ?」

 

「先生が指導した事でラウラさんは強くなれた。それに対し感謝と敬愛をしていますが、先生は本当に教える事を全部やったんですか?」

 

「…それは」

 

「教えたというのなら、先の件で大いに疑問を抱きました あれが先生流の『戦い方』なんですか?」

 

「……」

 

「……」

 

ぼくの視線に一度視線をそらしてやや面倒そうに先生は答えてくれた。

 

「確かに『戦い方』は私の知りゆる事の全てをラウラに教えてきた。あいつ自身の努力もあって短期間で部隊の先陣を切れる実力を取り戻した」

 

ぼくは黙って先生の言葉の続きを待つ…

 

「しかし、私自身もかなり偏ったスタイルなのかもしれないな……ラウラは私の力の部分しか見ていない、私が何を思って、何の為に剣を握って戦っていたのかをあいつは理解出来ていないのだろう…」

 

教えるにはあまりにも時間が足りない……そう、達観した表情になる先生

 

「やがて契約の期間を迎えて、私は日本に帰国した」

 

「だから逃げたんですか…? 今さら教えても無駄だと?」

 

「そう捉えれても仕方ないのかもな……だが、諦めたわけではない。それはハッキリと言える」

 

「その役目、ぼくにやらせてにもらえませんか?」

 

「何?」

 

「ラウラさんに教えてあげないと『力』はただ『力』と見てるだけじゃダメだってことを!」

 

不思議とそんな言葉が浮かんだ。

 

あのままじゃ、いつかラウラさんの「心」が壊れそうになると感じた。

 

そんな考えがぼくの「ハート」に響いた気がしたんだ……

 

「だが、どうする気だ?」

 

「考えたことが一つ……上手くいく保証はありませんけど、やってみる価値はあります」

 

いきあたりばったりかもしれないけど……

 

 

 

 

いよいよ、6月の最終週、学年別トーナメント開催の朝を迎えた……

 




Next…

開幕する学年別トーナメント。

しかし、まさかの事態に将達の思惑は大混乱の一手になる…

次回「EP12 反転・奪われたシステム」

「お前、まさかミラージュドライブを!?」
「そうだ。貴殿にも搭載されている……な?」
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